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自民・二井県政に不信任
山口県知事選投開票
             山本陣営都市部で大惨敗   2012年7月30日付

 山口県知事選挙が29日に投開票を迎え、自民党、公明党や民主党県連の一部がオール与党体制で応援していた山本繁太郎氏が当選した。投票率は45・32%で、実質の「不戦勝」だった前回選挙よりも八・一ポイントアップしたものの、前哨戦から覆っていたしらけムードは終盤になっても変わらず、県民の半数以上にとってどの候補者も陣営も期待できる勢力とは見なされなかったことを示した。選挙は、告示1カ月前になって既存政党に対抗する形で3人が立候補し、批判票が分裂する構図となった。このなかで組織戦を展開する山本陣営が誰の目から見ても優位だったが、終盤にかけて「投票率が45%に達したら負ける」「出口調査で僅差で負けている」等等大騒ぎして引き締めを図るなど、余裕を失った姿をさらしていた。これが一騎打ちなら大惨敗してもおかしくなく、次期衆院選で大激震が起こることを予想させる結果となった。
 当日有権者数118万5025人に対して、候補者それぞれの得票数は山本繁太郎25万2461票、飯田哲也18万5654票、高邑勉5万5418票、三輪茂之3万7150票となった。選挙に行かず棄権した県民の数は65万4342人にものぼった。
 35万票獲得を掲げていた山本陣営は目標に遠く及ばなかった。安倍代議士が連れて回った下関でも目標の5万票に対して4万票に届かなかった。前回選挙で二井関成知事が「日共」候補相手に得票したのが31万7449票で、その前が37万1247票だったのから比べると、「組織票」が大崩れしていることが浮き彫りになっている。自民党、二井県政への不信任といえるもので、特に瀬戸内海側の都市部で大惨敗を喫し、農漁村部でかつがつつなぎとめる格好となった。
 山本陣営の得票数である25万2461票に対して、批判票が向かった3人の合計得票は27万8222票。一騎打ちなら負けていた。得票率で見てみると下関市では山本46%に対して、3人の得票率の合計が54%。宇部市では同43%に対して57%。山陽小野田市では同48%に対して52%。山口市では同43%に対して57%。防府市では同41%に対して59%。下松市では同46%に対して54%。岩国市では同55%に対して45%。光市では同48%に対して52%。周南市では同37%に対して63%となった。
 全国でも最後の新規立地といわれている上関原発計画の是非や、オスプレイが配備され極東最大の出撃基地になろうとしている米軍岩国基地への対応、さらに疲弊する県経済など、山口県民にとって抜き差しならない問題が選挙の重要な争点になった。ただ選挙戦だけ見るなら、「凍結」「白紙撤回」「安全が確認されないなら認めない」といった言葉がどの陣営からも発せられるなどぼかされた印象となり、上関原発推進、米軍再編強行をしてきた自民党・公明党推薦の山本陣営までが原発計画の凍結を叫んだり、オスプレイ配備に怒って見せたりで、奇妙な形をしながら進行していった。
 既存政党の実質的な相乗りでたたかった山本陣営であったが、結果はゾッとするような惨敗を意味している。組織の乏しい3陣営が現体制への批判票を互いに奪い合ったおかげで辛勝したに過ぎない。
 投票日の数日前から大票田の下関では「某放送局の出口調査(下関)で飯田6、山本4の結果が出ている!」「投票率が50%を超えたら山本がアウト。45%でもギリギリの接戦になる」「県東部や県央は得票を見込めないので、下関で差をつけないと落選する」といって引き締め作戦をやり、自民党関係者たちが慌てふためいている光景があった。
 批判票が分散する乱立選挙だからこそ、かつがつ当選させたのが山口県の自民党体制で、その地位がグラついていることを証明した。大多数の山口県民にとって、来る衆院選はかつてなく面白い選挙になることを確信させる前哨戦となった。

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