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自民多数派仕組む小泉トリック
衆院選・造反派撃つと装い民主票奪う
                戦争と売国の翼賛議会狙う    2005年8月27日付

 郵政法案を否決された小泉首相の強権発動で解散となった衆議院選挙は、国民の愚弄がはなはだしい謀略じみたものとなっている。小泉は、「郵政民営化だけを問う」といい、自民党の反対派を抹殺するのだといって女官僚、女学者、「カリスマ主婦」、女証券マンからホリエモンなどを立てて、メディアが大騒動をし、なにがなんだかわからないようにしている。国の進路をかけた国政選挙にさいして、これはなにを物語っているのであろうか。
 小泉が演出している亀井らの自民党反対派との対決は、みずからをガリレオや信長になぞらえて、「殺されてもいい」と叫び、あらゆる悪役を退治して改革に命をかけるヒーローを演じている。4年まえのように「ジュンちゃん」などといったら失礼で、いまや「ジュンさま」といわなければならないかのような調子である。いまはやりの「ヨンさま」のむこうをはったブームの主役になったかのようである。
 ちなみに教科書によると、ガリレオは教会の天動説に反対し地動説をとなえて罰を受けた。小泉はどうみても自分を中心に世界は回るという自己陶酔型の天動説の実行者であって、ガリレオの学説の反対者である。信長もまた外国の指図で天下統一をしたのではなく、ブッシュの飼い犬になって非情を貫いている小泉とは真反対の精神である。総理大臣がこんなデタラメなことをいって自慢していることが、日本の子どもの学力低下を確実に促進している。

 造反派候補 自民党批判票も取込む役目
 小泉のこのパフォーマンスは、有権者を欺いて自民党に票を集めるトリックにほかならない。選挙の公認を拒否し、「刺客」などといってめだつ対立候補を立て、殺すか殺されるかの抗争なのだといきまいて悦に入っている。
 ほうり出された国会議員個人としては死にものぐるいで票をかき集める羽目になるだろうが、それは自民党全体としてはまことに好都合なことになる。かれらは、小泉と対立しているという装いで、地方で切り捨てられる旧来の自民党支持層だけではなく、民主などに流れる批判票をとりこむだろう。しかしかれらは不本意に追い出されたのであり、その多くは選挙で当選したならば復帰するか、どっちみち帰属することは明らかである。その客観的に見た役目は、小泉自民党への批判票を自民党小泉体制がとりこむことを狙った、謀略じみたトリックである。

 落下傘候補 国民無視の議員急増が狙い
 「刺客」と称する落下傘候補は、いかに自民党公認といっても、それぞれの小選挙区で当選する可能性はほとんどない。この役目は、「自民党は変わった」という空気をふりまいて無党派層やミーちゃんハーちゃん層をもとりこむ、とくに民主党などに流れうる無党派層の票をとりこむ戦術と見ることが自然である。
 下関では、小泉の弟分になる安倍代議士の代理人となった江島市政が10年つづいて、日本でも最高度に疲弊した市になった。国政の改革路線は市町村で実施されるが、小泉改革が徹底したとき全国の市町村がどうなるかを先行実施してきた。この江島氏は反自民で旗を揚げ、選挙になったら自民党安倍派の正体をあらわし、自民票と反自民票を獲得して市長に初当選するというマジックを使った。それは小泉も所属する自民党清和会仕こみの、警察的特務的CIA的な選挙謀略の手口だとみなされてきた。また下関では安倍・江島に対抗するものが入札排除、警察や金融その他さまざまな強権発動で、抹殺されてきたのもいまの国政とよく似ている。
 この衆議院選挙過程で自民党内では、少しでも「地元や業界を心配する」という連中は議員にさせぬという脅しで、小泉改革すなわちブッシュ政府の対日構造改革要求への恭順の意を示させることが進行している。古賀とか高村など棄権派は犬がしっぽを巻いたように始末書を書いて公認をもらい、橋本や佐藤などは寂しく舞台をおり、平沼や野田らは公認をはずされながら「自民党忠誠」を誓っている。
 このなかで、落下傘候補の女性「刺客」は、比例名簿上位登載で議員ポストが約束された。この顔ぶれは、料理研究家というような人気とりのタレント候補ばかりではない。小泉に経済構造改革の知恵をつける家庭教師役となってきた竹中のような、直接にアメリカに認められた、めっぽう頭と口の回転が速く、いわゆるグローバル型「勝ち組」が多いことが注目に値する。
 かれらは小選挙区で勝つことはどうでもよく、実質上の選挙の洗礼なしの小泉任命代議士になる。したがって国民の目を気にすることがなく、アメリカとその子分に認められるだけで地位を確保し、そのためにやみくもに突っ走る任命制代議士官僚ができることになる。小泉は「義理や人情をやめて政策中心」といっているが、血も涙もない売国政策を非情に突っ走る人的構成が強まることになる。グローバル化といってもチンプンカンプンの自民党代議士部分にかわって、竹中のような新型人間の顔ぶれがふえることになる。
 この落下傘組は、自民党反対派の票を食うだろうが、それ以上に民主党に流れていた無党派層の票を集めることに役割があると見られる。小泉選挙トリックは、「刺客」を放つとかなんとか騒いで、自民党反対派を撃つと見せかけて、民主党に流れていた票を自民党側が奪いとって、国会多数を獲得することに主眼がある。自民党にとって選挙は、民主党に勝って議席をとれば勝利なのだ。民主党の岡田などは「自民党分裂による単独過半数のチャンス」などとノー天気なことをいって、小沢や菅などがいまあわてているのは、その事情をあらわしている。

 弱さ示す謀略的戦術 公然と争点の論議もできず
 さらに小泉は「郵政民営化だけが争点」といっているが、これは選挙で票さえとればよい、あと投票した者が泣こうがわめこうが知ったことではないという愚弄である。それは、選挙のあと4年間でやろうとしていることが、選挙でいったら反発を食らうことが明らかな度はずれた反人民的なものであることを示している。国会で多数を得たならば、「小泉がやることがみな委任された」といって、郵政どころか抵抗の多い大構造改革を強行することは当然である。
 それは憲法改定から、米軍再編、自衛隊のイラク派遣延長、朝鮮への経済制裁から中国、アジアにたいする敵対政策、教育基本法改悪から、市町村合併と道州制、農協解散から、医療、福祉の切り捨て、大企業・外資や富裕層の優遇と大衆課税の税制改悪などを突っ走ることは明らかである。国民のいうことに聞く耳はないという調子で、日本をアメリカの属国にして、貧富の格差を極端なものにし、アメリカのための戦争に突きすすむ計画を実施に移すことは明らかである。
 これらの日本の命運がかかる大問題を、選挙で公然と論議しないのは、かれらの強さではなく弱さのあらわれである。小泉改革政治が八方ふさがりの危機に追いこまれつつあるなかで、CIAばりの謀略的な選挙戦術である。これは小泉だけではできないところを、アメリカが背後でにらみつけ、売国的な独占企業のボスどもが支え、新聞やテレビがヤンヤとはやしたてることでつくりあげている。
 選挙は主権在民の証といわれてきたが、メディアが発達した現在、選挙は国民の自由な意志表示どころか、丸ごと上から操作する道具になっている。個別の利害団体が資金を出して個別に買収するというところから、選挙を丸ごと買い上げて操作するというわけで、これもブッシュ型・小泉型の選挙改革なのであろう。
 自民党はゴタゴタしているが、たいする民主党はそれ以上にオタオタし、「日共」、社民は裏切ってばかりの評価が定着して対抗者とはみなされない。こうして政党間のかけひき関係で見るなら、衆議院選挙は自民党圧勝の構図をつくっている。だがそれは選挙を仕組む側の都合である。投票をするのは有権者である。
 小泉の改革は、日本社会をガタガタに崩壊させ、貧富の格差をひどいものにし、とくに農漁業や中小企業に依存する地方生活を破壊してきた。小泉改革は悪いものをよくするのではなく、悪いものをもっと度はずれて悪いものに改悪するものであることを意味してきた。そのうえに国民にものがいえないようにし、アジア近隣諸国と敵対して、アメリカの国益のための戦争に日本を動員しようとしている。このような、国をアメリカに売り飛ばす小泉政治にたいする怒りは全国に充満している。
 主権在民といおうがいうまいが、国を支えているのは勤労人民であり、その協力なしにはいかなる政治も動かない。国民は小泉構造改革に怒っている。それが形にあらわれて、小泉の選挙トリックを狂わせ、小泉自民党政治を青ざめさせるような選挙結果にすることが最大の注目点となる。

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