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女性いびる山口県議会
「女性活躍社会」の行く末暗示
               小さなミス恫喝する男達     2016年7月1日付

 山口県議会で自民党会派による少数会派へのいびりがひどくなっていることが県庁内外で話題になっている。安倍代議士が首相に再登板し、高村代議士が自民党副総裁になるなど、県選出国会議員たちが政府や自民党本部で要職を得るのと比例して、子分たちまで気分が大きくなってしまい、なにかにつけて革新系に攻撃を加えて質問権を剥奪したり、「問題がある!」と騒いでいるのである。
 
 これが長州男児の肝っ玉か?  日ごろは寝ているくせに…

 6月1日に開かれた議会運営委員会(友田有委員長以下13人)では、野党会派「民進・連合の会」が、今年3月の定例議会の採決のさいに、「所属議員の意志表示が一致しなかったのが議会の要項に触れる」などとして、6月・9月定例議会で「民進・連合の会」の代表質問権の剥奪を決めた。自民・公明が多数を占める議運が数の力で押し切ったものだった。
 問題になったのは、3月11日の県議会で、「TPP協定を国会で批准しないことを求めることについて」と題する請願の「不採択」が採決されたさい、「反対」の立場である民進党の戸倉多香子議員(周南市)が間違って起立したことだった。本人は起立したのではなく、退席する可能性のあった同じ会派の議員の動きを確認しようと、後方を振り向いただけだったが、その行動が「起立」にカウントされた。採決が終わった後の起立だったと説明し、「誤解を招く行動だった」と謝罪することになった。
 しかし、議会運営委員会では賛成九(自民党、自民党新生会、自民党県政クラブ、公明党)、反対3(民進・連合の会、社民党・市民連合、共産党)で6月・9月議会の代表質問権剥奪を決めた。
 さらに6月定例議会中には、社民党・市民連合の佐々木明美議員(宇部市)が委員会や本会議において議員バッジを着用していないことを自民党系議員が問題だといい始め、6月24日の議会運営委員会で「議員バッジを着用しなければ議場や委員会室に出入りすることができない」とする申し合わせを多数決で決定した。友田委員長は、「申し合わせは規則に準ずる大変重いもの。十分に認識し順守を徹底してほしい」とのべている。
 議会運営委員会で決定する前日、佐々木明美本人のところに、委員長の友田が「決まりだからバッジをつけろ」といいに来たので、佐々木議員はその場で議会改革検討協議会で検討することを提案していたようだ。しかし、議論はないまま翌日の議会運営委員会で賛成多数で決定することとなった。

 「言論の府」で質問権を剥奪

 それぞれ大問題にされている事象はきわめて些末で、目くじらを立てるほどの問題なのかと思わせている。客観的に見て「民進・連合の会」の代表質問が、執行部や自民党にとってどれほど手痛いものなのか不思議で仕方ないくらいぬるいのに、日頃から本会議で寝てばかりいる自民党の議員たちが起き上がってムキになっているのである。
 「言論の府」たる議会で質問権を剥奪するというのは、それが主張の対立する勢力であれ、議会制民主主義の否定も甚だしいものだ。異論をぶつけあうことを否定し、我が党だけの主張で良しとするなら、議会など必要ないという結論になる。「自由」とか「民主主義」を標榜する自由民主党が、そのような意味不明の処分を乱発し、六月議会だけならまだしも九月議会まで剥奪し、なぜ九月議会までダメなのかの根拠すら釈然としない。それで攻撃されている革新系の側が「県議会が恐ろしい雰囲気になってきた」「独裁的だ」などといって腰が引けているのであれば、これもまたひ弱すぎるというほかない。
 女性議員のミスを引っかけて、自民党所属の男衆がオラオラ凄んでいる光景は、それが首相側近の子分たちが思い描いている「女性活躍社会」の姿であることを物語っている。自民党の議員たちといえば、下関でも選挙の度に「これから長州男児の肝っ玉をお見せします(高杉晋作)」などと出陣式で叫んで出発する光景を目にしてきた。いまや自称「長州男児」の肝っ玉は女性たちの些末なミスなり振る舞いに目くじらをたてるほど小さく、偏狭なものになっていることを示している。器の小さな小粒揃いになってしまった県議会の姿を象徴的にあらわしている。

 

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