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かけ算九九全員達成めざす喜び
上宇部小・佐藤公治氏の実践報告
               「社会で責任果たせる様」    2013年1月25日付

  教師集団として結束して、体育重視で鉄棒逆上がりや7分間持久縄跳び全員達成の実践をすすめてきた宇部市立上宇部小学校の佐藤公治氏が、昨年の2学期末から、かけ算99の全員達成に向けて五年生の学年全体でとりくんでいる。佐藤氏から寄せられた報告を紹介する。
 
 5年生学年全体で自らの弱点と斗いみなで進歩
 
 コツコツコツコツ 子どもたちが鉛筆とプリントをたたかわせている様子である。ぴーんと張りつめた空気。漲(みなぎ)る斗志。この空気が私も子どもも大好きである。
 これは、教育同盟の先生から譲って頂いたかけ算100問プリントを一生懸命とりくむ5年生の子どもたちの様子である。
 教師生活を35年やっているなかで、1年の担任1回、2年が2回、3年が1回でほとんどが上学年(4、5、6年)の担任をしている。
 上学年では同学年の教師たちと「かけ算やわり算が厳しい子が何人もいるねえ」という会話がなかった年はない。「あれだけ2年生のときに鍛えたのに、定着してないんよねえ」「かけ算が基礎ということを、学年が上がるにつれて痛感します。かけ算がわからんかったらわり算はもちろんわからんし、割合も面積も平均も分数もわからんようになるんで算数全部が全然わからん。算数が嫌いだと勉強が嫌いになって、いろいろなことに消極的になるパターンの子が多いと思います」「残してでも、かけ算の力をつけてやらんといけんと思っていても、時間がとれんのよね」の会話も日常的である。

 ちょっと待った!
 この間体育重視で「鉄棒」「縄跳び」を実践してきた。この実践の取りかかりのとき「このまま、この子どもたちが社会に出たときに通用しない、働く者の後継ぎにはなれない」「“どうせ〜”とか“〜だから仕方ない”で子どもたちのできないことをそのままにしておいてはいけない」と一念発起したことを思い返した。「鉄棒」「縄跳び」で子どもたちが一生懸命努力し、全員ができるようになっていった教訓は非常に豊かであった。それなのに、かけ算ができないでいる子どもたちには何の手だても講じず、“時間がない”“内容が張るから仕方がない”でほったらかしにしていていいのか。自分(教師)の側から子どもたちを見て、「子ども不在」をやっていたことを猛省した。
 
 いよいよ実践開始 鉄棒や縄跳びに続きかけ算99でも
 

 昨年の12月から、いよいよ実戦開始。(あえて実戦といいたい)
 かけ算100問プリント3種類を同学年でとりくんでいった。
 100問プリントにはいろいろな活用法があり、同学年のあるクラスでは全員ができるまで時間を区切らないとか、20問ずつ5回でやるとか実態に合わせてやってきた。
 わがクラスでは3分間で全問クリアーしようという方法で子どもたちに呼びかけた。
 子どもたちの反応はさまざまで、「俺かけ算得意!」という子や「げえーっ、かけ算苦手やし〜」という子や不安そうにこちらを見つめる子。「先生、かけ算2年生の勉強やろ、なんで5年生でやるん?」と質問する子など、子どもたちの反応はなかなかおもしろかった。
 そこで、私は何か新しいことを始めていこうとするときの心地よい興奮を感じながら「うーん、なかなか良い質問やなー。ちょっとここで考えてほしい。君ら1学期に、朝、何を練習した?」と聞いてみた。すると子どもたちは「鉄棒」と答える。「そうや、それでみんなブチ頑張って全員できるようになったのー。あのときの応援や一人ひとりの頑張りは感動したでー」というと反応の速い子が「あっ、わかった。先生かけ算でも全員できるようにするんやろー」という。
 すかさず「大正解! そしたら鉄棒の逆上がりは何年生で習うんよ?」と問うと「1年生かな。私、幼稚園の時にできとった」「俺、2年」「私5年の1学期にできたんよ」などワイワイと子どもたちが答える。「じゃけー、逆上がりは何年生で習ったかって聞いちょるんよー」というと「先生やっぱ1年生じゃろー」と答える子どもたち。「そうよ。1年で習う鉄棒が、5年の初めにたった30人くらいしかできんかったよねー……」とわざと間を置いた。
 すると「あっ、わかった。2年のときかけ算が苦手な人をみんなが応援したりして、みんなできるようにするんじゃろー」と子どもたち。「あんたらー、そういう心が育っとんよねー」と感動を込めていった。
 そして「これをやる意味わかったね。そしたら、ま、とにかくやってみよーいね。あのねー、間違ってもええし、とばしてもええから楽しんでやってみーや。佐藤の苦い経験でいうと、1×1から順番に書かせていって3分経って何の段まで書けるようになったという方法をやったことがあるけど、やった子どもたちは楽しそうじゃなかったんよ。これから毎日毎日何回もやるんで、1回目は3分でどこまでできるかやってみ。全部できた人は“はい”といってね。その時佐藤が何分何秒というのでプリントの横にその秒数を書き留めといて。3分きたら“やめ”っていうから鉛筆置くぞ」というと、「先生、まじ間違ってもええん?」「とばしてもええほ?」と驚いたように聞くので「ええよー!」と特に力を込めていった。子どもたちは「やったー、間違うてもとばしてもええんてよ」「楽勝じゃーや」とすごくうれしそうにいう。このノリなら何かが起こりそうというワクワク感に満ちて「よーい、はじめ」

 それからは、鉛筆のコツコツコツコツという音だけだ。1分過ぎた頃から「はい」が続続聞こえ出した。「3分、やめ」で「カタッ」と鉛筆を置く音。隣同士で答え合わせをさせる。そして個人に何回目に何秒で何問正解という記録用紙を持たせて記録させていく。答え合わせが終わってからの反応もおもしろい。「やったー100点」「2分58秒で100問できたけど83点じゃった。悔しー」「1分台で100点取る奴、神やろー」ワイワイいいながら、1回目は無事終了。

 子どもからは「先生、俺ブチ悔しいんで明日もチャレンジさせてください」「明日は100点取りまーす」「帰って練習するんで、今日の宿題はかけ算練習に決定!」とかけ算に意欲を燃やす声が続続。「明日もやるけど、今度は問題が違うよ。ええ?」と私。「かかってこいやー」と子どもたちはやる気満満で帰っていった。
 2回、3回、……10回、15回と回を重ねるうちに子どもたちはすばらしい力を発揮し、自信を持ってかけ算にとりくんでいる。子どもたちが喜んでかけ算100問にとりくみ、成長したことを日記に綴っているので紹介したい。
 
 子どもたちの感想から

 ▼僕たちは2学期の12月からかけ算99の練習プリントを始めました。3分で100問をしてできた点数と秒数をはかっていきます。僕は時間を決められるとあせるのですごくイヤだと最初は思っていました。1回目は66点でした。やっぱりいい点が取れずに落ち込みました。2年生で習ったことがまだよく分かってないと情けなくなりました。でも次は絶対66点よりあげるぞと思いました。2回目は75点でした。僕は同じ3分で9点も上がってビックリしたし、それ以上にうれしかったです。3回目は何と91点でした。この調子でいくと100点も夢じゃないと思って、家で必死で練習したら、4回目はついに100点がとれました。めちゃくちゃうれしくて僕は飛び上がりました。みんなが「よかったね」といってくれたので涙が出ました。僕は体育と図工以外の勉強は全部苦手で嫌いです。でも何か僕は頑張ったら何でもできそうな気持ちになっています。四回目から五回続けて九九点でした。とても悔しいので今でも必死で練習しています。これから先全部100点にします。頑張るよ。
(勉強苦手だった男子)
 ▼私はかけ算の練習で、成長していると思います。私はかけ算が苦手でほとんど分かっていませんでした。かけ算プリントをやり出してかけ算を覚えることに成功しました。プリントに挑戦するのが楽しくなってきてどんどんかけ算ができます。
 私はかけ算の1回目に85点でした。お母さんに見せたら怒られそうなのでお父さんにだけ見せました。するとお父さんは「もっと勉強せんと、世の中に出たら困るのはお前ぞ」といいました。ちょっとさびしかったけど、家で頑張って練習したら89点になりました。そしてまたお父さんに見せたら「努力したらその分結果がついてくるやろー、頑張ったね」といってくれたのですごくうれしかったです。3回目は87点だったのでお母さんにもお父さんにも見せる気にはならず見せていません。先生だまっていてください。
 それから4回目からかけ算プリントが楽しくなって、もっとしたくてしかたがありませんでした。=(イコール)がついたプリントで97点をとって今までで一番良い点数が出て、このプリントはお母さんにもお父さんにも見せました。そしたら「あんたもやったらできるんじゃあねー。あした雪がふらんかったらええね―」とうれしそうな顔でいってくれたので、もっと頑張って100点目指します。それと私はいつも先生から「苦手なことから逃げて、努力が足りん」といわれていました。
 でもかけ算プリントをやると、先生から「天才になったのー」といわれるのでうれしくてたまらなくなり、もっともっとかけ算プリントを出してほしいと思います。そしたらもっとかしこくなれるし、自信がわくのでいろいろな勉強も頑張ってかしこくなっていきたいと思いました。
(算数苦手だった女子)
 ▼私は5年生になってかけ算が少しだけ得意になりました。算数の100問かけ算で、1回目は3分以内にできず、100点でもなく、私は速く計算することが苦手だからかけ算が嫌いなんだなあと思いました。かけ算が嫌いなので算数も嫌いです。ゆっくりやればできる問題も、速くやらなければと思うと計算間違いをしたり、分からなくなって頭がぐちゃぐちゃになります。
 100問かけ算をやり出して、計算が速くなりたかったので家で一生懸命勉強しました。最初は何回やっても3分以内にできなくてすごく悔しかったです。何回も何回もやるうちに少しずつできてきて今では、3分以内に100問ができるようになりました。よく間違えるけど自分ではよくできていると思います。できるようになるとかけ算が好きになってきました。
 すると算数も少しずつだけど好きになってきました。面積の求め方や分数、通分して足したりひいたりすることがかけ算を好きになることで、簡単に思えるようになってきました。これからも一生懸命勉強してかけ算だけでなく、算数全部ができるように頑張り、算数が一番大好きといえるようになります。(女子)
 ▼僕は5年生でかけ算の練習をするなんて思ってもみませんでした。でも僕は今かけ算を練習していて良かったと思っています。なぜなら2年生のときやったかけ算は、3年、4年生ではちょっと忘れかけていたように思います。
 5年生になって改めてやってみると2年生のときよりは比べものにならないくらい正確に速くできてきていると思えるからです。でもこれまでに10回以上やってきて、最初の7回までは連続で満点だったけど8回目、9回目で連続して1問ミスしてしまいました。すごく悔しくて家で何回も練習しました。お母さんに2年生のかけ算ドリルを買ってほしいと頼んで、それを練習しました。
 その成果が出て、次からはずっと満点が続いています。野球では強くなるために素振りやランニングをやるけど、僕は今まで学校の宿題以外に自分から進んで他の勉強をしたことがありませんでした。でも5年生で2年生のかけ算が100点とれないなんてとても悔しかったから、宿題以外にかけ算の特訓をしました。これが、野球の素振りやランニングをやる意味と一緒と思います。
 今ごろはかけ算だけでなく宿題以外でも、漢字練習をしたり、社会の勉強や理科の勉強を努力するようになりました。これから6年生、中学、高校ともっと勉強が難しくなると思うけど、このかけ算プリントをきっかけに僕はいろいろな勉強がおもしろくなって、いろいろ興味がわいてくるようになりました。五年生でかけ算の勉強をして良かったです。 (男子)
 ▼僕はかけ算99は5年生だからできてあたりまえだと思っていました。しかし、最初に100問やってみると99点だったので、ショックで、まだまだだなと実感しました。だけど今、何回も練習していくうちに正確さと速さが身に付いていると実感しています。また、やったことを記録に残しているので、前の自分からどれだけ進歩したかが分かります。前の記録と秒数と点数を比較してアップ率を自分なりに設定し、「進歩」はどのくらいしたのかというのを見るのも楽しみです。
 進歩しなければ人は次に進まないと思うので自分が、また友だちが進歩することがとても大切なんだと思いました。人と競争するのではなくてむしろ協力して、一人一人が進歩することが大切だと思います。
 自分の中では今いった「正確さ」「速さ」「進歩」は算数でも他の教科でもとても大切なんだとこのかけ算練習で学びました。だからこのかけ算練習は今後のことにも影響してきます。
 僕たちが大人になって責任ある仕事を任されたとき、少しでも計算を間違えると危険な事故になったり命に関わることになるかも知れません。人に迷惑になることもあると思います。だから世の中に出たときにしっかりと責任が果たせるように、「正確さ」「速さ」「進歩」を大事にしていきたいと思いました。こういうことを思わせてくれたかけ算100問はすごく大切な体験だと思っています。  (男子)
 ▼僕はかけ算で成長したことは、最初は73点だったけどすごく頑張ったら8回ぐらいしたら100点がとれたのでとてもうれしかったです。かけ算九九を自分で工夫して頑張ったらいろいろなことが分かるようになりました。かけ算99が分かるとわり算がすらすら解けるようになりました。かけ算が分かったら算数のほとんどの問題が分かるようになった気がします。
 僕は2年生のとき、けっこう頭が悪くてかけ算を覚えるのに苦労しました。でもその苦労が今の僕をつくっているんだなと思いました。最初はちょっと「めんどくさいなぁ」と思っていましたが、集中力と正確さが身に付いてきたように思います。
 その正確さと集中力のおかげで、この前縄跳び6分に成功しました。1学期の鉄棒は得意だったしすぐに上達したけど、かけ算や縄跳びは得意でもなく下手くそでした。でもかけ算や縄跳びも毎日練習したら楽しくなって上達します。5年生になって僕はいろいろなことを頑張るようになったと思います。6年になっても頑張ります。(男子)
 ▼僕のクラスでは今、3分間かけ算100問プリントをしています。3分間なので最初はタイムオーバーがたくさん出ました。が、今ではほとんどの人が3分以内に頑張ってやっています。
 僕は字を速く書くことも一瞬でかけ算を計算するのもだんだん自信がついてきました。最初はあせって計算間違いや数字の書き間違いをしていました。けれど今じゃ算数のプリントに向かっているだけで楽しい。鉛筆の「コツコツ」という音がおもしろくなってきました。今先生が「かけ算100問やるぞ」というと僕は「やってやるぞ」とファイトがわいてきます。勉強が好きと思ったら勉強はイヤだという思いがぶっ飛んで行きます。
 例えばカルタと同じです。カルタでカードを取ったら「やった」と思うじゃないですか。そのやったをかけ算では「解けた」と思えば達成感がわいてくるんです。この達成感は何となく僕にとってはごほうびという気がしてくるんです。頑張ったからそのごほうびをもらったような気がするんです。僕は数字と仲良くなれた気持ちです。
 間違えても間違えても、間違えた原因が分かれば次は間違えなくなります。その楽しさも感じることができました。明日の宿題は算数かけ算がいいなぁ。  (男子)

 物の見方も変わる 集中力や速さ、正確さも 父母も大歓迎

 正直なところ、子どもたちがここまでかけ算100問に喜びながら没頭していくとは想像すらしなかった。そしてこのとりくみのなかで、かけ算にとどまらず物の見方、考え方が大きく広く広がっていくことに驚いている。
 子どもたちは、かけ算100問の練習から多くのことを学び取り、いろいろな物の見方の認識が飛躍的に成長している手応えを感じる。
 集中力や速さ、正確さ。またこれがただかけ算100問の練習にとどまらず、わり算や面積、分数への自信につながり、他の教科への自信・生活の積極さに転化していく。算数・かけ算が苦手な子どもたちは、一生懸命かけ算をできるように頑張り、できたこと、進歩した喜びを体全体で表現するようになった。また、算数・かけ算が得意な子どもたちは、「2年生のかけ算などは簡単で楽勝」とたかをくくっていたが、自分が油断すると失敗する。うっかりミスをしてしまう、ということに気付き、そのうっかりミスや油断が将来重大なミスにもつながるという緊迫感・真剣さをもって自分の甘さや気のゆるみと斗争するようになった。
 また何人もの子どもたちが、将来世の中に出て働く人になったときに通用する徳育的・知育的・体育的な各面での勤労人民の資質を身につけるために、頑張って勉強しているのだということを感じ取っている。
 鉄棒逆上がりや縄跳びで得た教訓と同じ質のものを子どもたちに感じている。
 保護者は、2学期の懇談会でこのかけ算練習を大歓迎し、家でも親子が一緒になってこのかけ算練習にとりくんだり、2年生のかけ算ドリルを子どもにせがまれて買ったことなどを喜びを持って生き生きと報告した。そして親としては子どもがかけ算を頑張るように励ますことは協力できる(五年・六年の難しい算数は教えられない)ので、これからもおおいに親としてできることは協力していきたいということであった。
 子どもたちが喜びながらかけ算をやり、それを親が喜びを持って励まし、援助していく。親はたかがかけ算というとらえ方ではなく、自分たち親が切望していることは「よみ・かき・そろばん」の最も基礎的な知識を小学校卒業までに身につけてほしいということが分かった。
 この親の大きな援助こそが、子どもたちが認識を飛躍させながら、何回やっても飽きない原動力であると確信している。
 
 子どもの力引き出す 正解だけ求める教育と違い失敗通じ成長

 この実践を通じて、大きく3つのことがはっきりした。
 1つ目として、毎回全てにドラマがあり、このドラマを感じながらの自分自身の反省である。
 具体的には、子どもたちに「間違わないように」「問題をとばしてやらないように」という縛りをかけ、子どもたちが生き生きと勉強できるように心を開放させていたかどうかということである。子どもたちは失敗したり、とばしたりを経験しながら、自分の苦手を認識し、間違いを認識するのである。教師の側の願望で子どもたちに正解だけを求める教育は、知育とかけ離れたところで抑圧する「子ども不在そのもの」である。かけ算だけでなくどの教科も、子ども不在が濃厚にありはしないか、冷や汗が出る。
 2つ目としては、数式のかけ算100問の良さである。100マス計算では、子どもたちがこのように食いついて、認識を発展させていなかっただろう。数式を認識する方法を身につけ、それが物事をとらえる認識方法に直結していると確信する。このかけ算のとりくみを通じて、算数の力だけにとどまらず、子どもたちの感想にも見られるように、物事を無理なく自然に認識する力を身につけていることが重要であったということである。
 3つ目は今22回目が終わったが、くり返しくり返し徹底して何回もやることに大きな意義があったことである。子どもたちの感想からもわかるように、8回、9回やるうちに、子どもたちの認識の飛躍がびんびん感じられるようになった。4回、5回では決して引き出されることのないような深い認識の変化が見られるのである。
 鉄棒・縄跳びもピラミッド7段も徹底し、生半可な中途半端なとりくみではなかった。その結果大きな成果・教訓が引き出されたのである。今回も徹底してやっていることで大きな子どもの成長が見られたのである。かけ算を100点にすることは大切なことである。しかし、これが最終の目的ではない。このとりくみのなかで自分の弱さと葛藤し、自分を変え、友だちと力を合わせてやろうとする子どもたちの思想が育っているのである。この思想こそまさに時代意識を反映した勤労人民の生き生きとした資質である。
 かけ算で、子どもがどれだけ成長するのかという認識は非常に低いものであった。こんなことをやって何になるのか、教育委員会がいう学力向上の片棒を担いで、それに利用されてたまるかという偏狭な考えがあった。
 しかし、今回やってみて、親が切望し、子どもが喜び大きく認識を飛躍させていく実際を見て、かけ算100問の徹底したとりくみが、鉄棒・逆上がりと同等の価値があるということを声を大にして訴えたいと思う。これこそが真の学力向上の道ではないだろうか。

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