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各陣営は政策をのべよ
下関市議選告示
               立候補制限の異様な選挙    2015年1月19日付

 下関市議会議員選挙が18日に告示を迎え、25日の投開票に向けて本戦の幕が切って落とされた。安倍、林代理の中尾市政のもとで略奪政治を許して下関をつぶすか、それを規正して産業保護、雇用確保を中心に市民生活を守り、下関を立て直すのか、鋭い対立となっている。告示を迎え、届け出を済ませた各陣営は一斉に選挙カーをくり出し、連呼を開始した。しかし、何らかの政策を訴えるわけでもなく、市民に熱を込めて呼びかけるでもなく、選挙にしてはおとなしく奇妙な雰囲気を漂わせている。定数34に対して、最終的に39陣営が出馬した。
 立候補者の顔ぶれを見てみると、旧市内では自民党安倍派は議長の関谷博を筆頭に、福田幸博、平岡泰彦、田中義一、香川昌則、安倍事務所秘書から市議に転身した前田晋太郎、前回選挙で落選した元極東建設専務の板谷正、磯部亜紀子、小熊坂孝司のほか、自民党公認ではなく推薦をとり付けた「無所属」の亀田博らが出馬した。また、今回の選挙で目玉になっているのが元市長の娘である井川典子で、安倍首相夫人が連れて回っていることが話題にされてきた。「女性活躍」を叫んでいるなかにあって、そのシンボルとして安倍事務所が全面的に応援態勢をとり、支持者を奪われた同じ自民党候補たちが恨み節を漏らしている。無所属で元市職員の江村卓三も立候補した。
 自民党林派からは林真一郎と元秘書の安岡克昌が立候補している。
 自民党安倍派で市議会最大会派の志誠会が安定的に頭数を確保してきたのが旧豊浦郡4町で、今回の選挙でも町内からの立候補者を抑制し、特定候補に絞り込む戦術を見せた。豊田町からは木本暢一、菊川町からは松田英二、豊北町も吉田真次と、それぞれ地盤を争う対立候補が不在(豊北町は「日共」候補が1人)で、大票田を独り占めする形での選挙を展開している。豊浦町は現職が1人引退したもとで戸澤昭夫、林透の2人が自民党候補として立候補した。前回選挙で「日共」候補、労組関係者の2人に加えて保守系4人の計6人が争ったのとは違い、町内乱立を回避した格好となった。
 安倍派を補完する与党・公明党は、議会ボスを自称していた長秀龍と末永昇、中村勝彦が「年齢制限」の他にそれぞれ事情を抱えながら引退に追い込まれ、現職では浦岡昌博、2期目の藤村博美のほか、新人として前東直樹、平田陽道、恵良健一郎の3人が出馬した。
 労働組合を母体として、安倍代理市政の下では長年与党になっている市民連合からは、JR西日本出身で社民党が推している山下隆夫、神戸製鋼社員の菅原明、全逓が推している濱岡歳生が出馬した。また、今回の選挙では民主党が初めて市議選に候補者を担いだ。民主党・加藤県議と親戚関係にあたる酒本哲也が立候補し、連合関係者らが奔走している。
 無所属では、村中克好、田辺よし子、補欠選で初当選した鬼頭薫、中尾与党の松村正剛が立候補している。今回の市議選では維新の党が初めて新人の白木源治朗を擁立した。新人では農業をしている西野龍太郎も立候補した。「日共」集団は檜垣徳雄、近藤栄次郎、江原満寿男、片山房一の4人が立候補した。
 なお、前回選挙において選挙カーの公費助成を巡って不正を働いていたことが暴露された「日共」近藤、安倍派の木本、亀田、平岡らは今回もみな登場して、選挙カーで走り回っている。
 長周新聞社勤務員で民主主義と生活を守る下関市民の会が擁立した本池妙子を含めて39陣営が出そろい、選挙戦は本戦に突入した。

 名前の連呼のみに批判

 前回選挙では投票率が一気に10Q近く落ち込んで51・7%だった。今回の選挙は有権者数がおよそ23万人で、前回並で投票率が推移した場合、投票者数は11万〜12万人になると見られている。立候補者は44陣営から39陣営に減り、落選者はわずか5人というものになる。前前回選挙では38議席に対して59陣営が出馬したが、いかに立候補が少ないかをあらわしている。乱立を限りなく抑制して、あとは低投票率の裏通り選挙にしながら、安倍事務所や林事務所、宗教団体なりが組織票を割り振った候補者を当選させるシカケと見られている。当選ラインは上がることが予想されている。
 選挙はいよいよ始まった。ところが、初日から市街地は静寂に包まれた。39陣営もいるのに選挙カーの姿があまり見られず、通りすぎても何をしたいのかがわからなかったり、印象が乏しいのが特徴になっている。表に出てきて手を振る市民の数も少ない。
 市民に訴える内容がない。政策をのべる者がおらず、もっぱら自分の名前を叫ぶだけの選挙風景になっている。安倍代理市政のオール与党が勢揃いしたところで争点のありようなどないが、落選者は五人しかいないと早くも安泰を決め込んでいるか、何も考えていないかのどちらかと見られている。やる気のなさがウグイス嬢にも反映している印象で、そんな議員や陣営の体たらくぶりを見て「入れたいと思う候補がいない」「政策をもっと訴えるべきだ!」「○○の一つ覚えみたいに…」の声が市民のなかにうっ積している。
 示し合わせたように直前まで動かず、自民党を中心に候補者管理がやられたおかげで、稀に見る少数の立候補者による選挙となった。裏通りで当選者を調整しているため、市民の前で頭を下げて支持を訴える者が出てこない。こうして落選争いの奇妙キテレツな引き算選挙がもたらされた。各陣営の特徴として、前述したように市民に何事かを熱心に訴えて、市民の支持を得ようという姿勢が乏しいのが特徴だ。自己宣伝、連呼以外にすることがなく、ひたすら名前を叫んでいる様が有権者を唖然とさせている。立ち会い演説をするほど弁が立つ者がおらず、政治家としてそのように鍛えられた経験などないこと、人人を説得したり、心を動かして支持を得るという感覚を持ち合わせていないことをあらわしている。
 また、候補者たちの弁論能力以上に、選挙構図として市民世論をできるだけ刺激せずに、投票率の低い選挙に持ち込み、組織票が優位な展開にしようという意志が明確に働いている。安倍、林事務所管理の企業票など割り振り票の有効度を高める構図で、市民の世話にならず、安倍事務所や林事務所のおかげで当選する選挙、その代理市政のポストさえ確保できればよいという特徴を持っている。有権者に頭を下げたり、支援をお願いして回るのではなく、あとは適当に名前だけを連呼して回る市民冒涜の選挙模様となっている。
 とはいえ、5人の落選争いという守られた選挙構図であるにもかかわらず、不安で仕方がないのが候補者たちで、組織票の奪いあいを展開している。どこの企業がどの陣営について、誰が梯子を外されたとか、安倍事務所が井川陣営ばかりひいきして悔しいとか、隣の地域から自分の地盤に乗り込んできたとか、そんなことばかり話題にしている。自民党は自民党、「日共」集団は「日共」集団の同族内の奪いあいが激しい印象で、組織票が号令通りに動かない情勢になっていることを伺わせている。
 このなかで、下関市民の会の本池妙子陣営は、独自の立場を貫いていることが多くの市民に認められ、四年前とは比べものにならない反響が沿道の市民から寄せられている。下関を食いつぶしてしまう安倍代理の略奪政治とたたかって、産業保護と雇用確保をやり市内経済を活性化させること、個別利害優先の政治をやめて、市民みんなが良くなる公共性、公益性を優先する政治をやること、そうした政治は議会だけを通じて実現することはできないが、安岡洋上風力反対運動のように市民が世論と運動を強めるなら、必ず行政や議会を縛り、市政を変えることができると力を込めて訴え、街頭演説を中心に選挙戦を展開している。「市政に市民の声を届け、市政の真実を市民に知らせ、市民運動を強いものにして市政を変える議員活動をやる」のだと、四年間の経験と重ねながら確信を持って訴えている。
 各所で街頭演説を聞きに出てくる市民の姿が見られ、力強く握手を交わしながら回っている。陣営は水色のジャンパー、鉢巻きで統率され、支持者たちで分担したポスター貼りは、どの地域でもほぼ一番乗りで貼り出すなど、組織力を示している。
 1週間後の投票結果がどうなるか、大きな注目を集めている。
 下関市議選が告示となった18日、下関市民の会の本池妙子候補が市内各所で演説をおこない、市民に4年間の活動と政策を訴えた。各地でこの間の活動とともに演説内容が歓迎され、「頑張れ!」と声をかける人、車の中からクラクションを鳴らして激励のメッセージを送る人、沿道や車上から笑顔で手を振る人など、多くの市民から期待と感動の思いが込められた声援が送られた。
 演説内容のなかでは、「産業振興、雇用確保」の問題や安岡沖洋上風力問題、市政に民主主義を貫くこと、保育や教育問題、農林水産業の振興など、さまざまな問題に対して反響が寄せられた。とくに20〜30代の若い世代が、みずからの問題として演説や選挙カーからの訴えに耳を傾け、「産業振興、雇用確保」の問題に対して鋭く反応する場面がいたるところで見られた。親子連れがうれしそうに選挙カーを見送る場面、演説中に車上から激励の言葉をかける青年たち、店舗内で演説を聞き手を振る若い女性、寒風が吹くなか店の外で演説に聞き入る若者など、各所で反響があった。さらに人工島建設問題から下関の軍港化、戦争問題に対する関心も鋭く、「本池個人のための選挙ではなく、30万市民のための選挙であり、絶対に負けるわけにはいかない」との訴えに共感し、盛り上がりを見せた。
 安岡地域では、風力発電建設反対の署名をとりくんできた人人など、多くの住民が訴えを聞いた。「自分たちのかわりに議会に出てくれている。よろしくお願いします。私たちも頑張ります」「風力発電の撤回まで、最後までやりましょう!」と目を潤ませながら期待を込めて語りかける婦人など、子や孫のため、私利私欲なくたたかい、「風力発電を絶対に止めるんだ」という強い思いが語られた。
 また吉見地域でも、宣伝カーが来るのを心待ちにして待機していた市民が駆けつけるなど期待が大きく、農林水産業の振興、雇用確保などの訴えに耳を傾け、「若い者が仕事があり、生活できる下関にしてほしい」と切実な思いが語られた。漁業や水産加工に携わる人人が多いなかで、産業振興の訴えがストレートに響き、熱い声援が寄せられた。市内中心部でも同様の反響が寄せられ、多くの期待を背に選挙戦に突入している。

 

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