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「核持ち帰れ」の国民的運動を
「核廃絶」装い核独占企むオバマ
             日本全土の核基地化を策動    2009年4月3日付

 オバマ政府は「核兵器の廃絶」をとなえ、「対話路線」「ソフトパワー」を掲げて登場した。だがそのもとで米軍再編に拍車がかかり、「ミサイル防衛(MD)」の名で日本とその周辺への核兵器の配備、日本全土を核戦争の基地にする危険な策動が露骨になっている。それは今、「北朝鮮の人工衛星(ミサイル)迎撃」を口実に公然と進められ、日本をめぐる緊張を高めている。唯一の被爆国である日本をアメリカ本土防衛の盾にし、再び原水爆の惨禍を強いるような策動を許してはならず、「アメリカは核を持って帰れ」の国民的な世論をおし広げることは差し迫った急務となっている。
 オバマは大統領に就任する前から、「アメリカは、核兵器のない世界を求める」「核不拡散条約(NPT)のもとでのわれわれの約束を守る」といって、ブッシュとは違うようにふるまってきた。だが、それは「一方的軍備撤廃はしない。核兵器が存在する限り、われわれは強い核抑止を維持する」というものである。それはまた「反米的」とされるイランや北朝鮮を名指しで「限定核戦争」の対象にし、「ミサイル防衛(MD)」を口実に核弾頭を向けて挑発するものであり、トルーマンからブッシュにいたる戦後アメリカの核戦略の焼き直しにすぎない。
 オバマがとなえる「核廃絶」「核不拡散」とは、レーガン・ゴルバチョフ以来途絶えてきたロシアとの「核兵器削減交渉」を再開して「核軍縮」のムードをつくること、その一方で「反米」をとなえる国家、勢力への「核拡散」を阻止することである。それは、イラク戦争に敗北して窮地に立つアメリカが「構え直して」圧倒的な核兵器を独占し、その脅しによる世界支配を維持しようとするたくらみ以外のなにものでもない。
 現在、世界には核弾頭が2万5500発存在するといわれる。そのうちアメリカとロシア両国だけで95%という圧倒的な数量を所有している。オバマはロシアとの新たな交渉での核弾頭の削減数について、「2000発以下」を条件にするといっている。それによって「米ロの大幅な核軍縮」を演出し、国際的な諸条約で他国の核実験を禁止し、核物質の生産をやめさせるよう圧力を加えようというのである。オバマはその方向から、「核拡散防止条約(NPT)」や「包括的核実験禁止条約(CTBT)」などに、ブッシュのようなやり方ではなく「積極的に」関わることを宣言している。
 今、オバマがロシア・東欧、西欧諸国を訪れているのは、このようなアメリカの核政策を遂行するためである。そうして、ロシアとの「核軍縮交渉」のポーズをとりつつ、その一方で東欧や日本を拠点にミサイル網をはりめぐらし、地域的な原水爆戦争の緊張を激化させている。

 米軍の核攻撃能力強化 米軍再編の特徴
 アメリカ政府は「東アジア重視」を叫び、米軍再編の中心に日本を置いてアメリカの核戦略に従わせ、朝鮮、中国、ロシアなどを射程に入れた核攻撃基地にすることに力を入れてきた。そしてミサイル包囲網をおし進め、横須賀へ原子力空母ジョージ・ワシントンを配備し、同じく原子力空母リンカーンやレーガンの佐世保への寄港を頻繁におこない、迎撃ミサイルを搭載するイージス艦を日本各地の港に入港させてきた。米軍は横須賀基地には海上からミサイルを発射する任務を持つイージス艦を9隻配備しており、海上自衛隊のイージス艦6隻とあわせて、日本周辺にイージス艦15隻体制をしいている。
 米軍再編の際だった特徴は米軍の核攻撃能力を段階を画して強化することにある。厚木基地機能を岩国基地に移転する計画は、核兵器搭載能力を持つ空母艦載機を59機も移転配備し、基地を沖合に広げ2400b級滑走路を2本体制にするものである。軍港の整備計画は、「もう16b以上の深さに掘られている」と業者間で語られており、原子力空母も楽に接岸できるものとなっている。
 在日米海軍のケリー司令官は最近、米空母艦載機による夜間着艦訓練基地(NLP)の移転先を「岩国基地周辺にする」ことを明らかにし、「今年7月までに決定する方向で、日本の閣僚級との間で、順調に進めている」ことを公言した。また、米原子力空母打撃群を構成する米艦船が、空母の横須賀や佐世保への寄港とあわせて、ひんぱんに日本各地の民間港に入港している。昨年7月、広島の呉港にも巡洋艦シャイローと駆逐艦スティーザムが寄港した。
 こうしたことは、日本全土の核基地化とともに、被爆地の広島湾岸一帯を極東最大の核攻撃基地にするという、日本国民にとって許すことのできない屈辱的な策動である。

 核攻撃訓練も繰り返す 日本周辺で
 オバマ政府は「日米関係ほど重要な2国関係はない」などといって麻生首相を最初に呼びつけ、アーミテージ(元米国務副長官)やヒラリー(国務長官)らを日本に派遣し、麻生政府や民主党関係者にアフガニスタンへの日本の「人的貢献」を容認させるとともに、米軍再編のために働くよう恫喝を加えてきた。
 オバマ政府のもとで、核攻撃作戦をもくろむ日米合同軍事演習と共同作戦が頻繁に日常的にやられるようになっている。今年2月、グアムで米空・海軍と航空自衛隊との共同訓練(コープノース・グアム)が行われた。この訓練には核攻撃能力を持つB52戦略爆撃機やF22ステルス戦斗機などが、空自からは築城基地のF2戦斗機8機とともに、三沢基地のE2C早期警戒機2機が参加した。
 さらに3月に入って、米韓合同演習が在「韓」米軍の約1万2000人、米本土や在日米軍基地から約1万4000人の米軍兵力を投入、韓国陸海空3軍の4万人以上の兵力とともに大規模に展開された。この演習は北朝鮮に侵攻する合同演習「キー・リソルボ」と、地上戦を中心とした演習「フォール・イーグル」からなり、北朝鮮の人工衛星打ち上げへの恫喝、挑発が大きな狙いとされた。
 事実、核搭載機である米軍のステルス爆撃機B2や最新鋭ステルス戦斗機F22、さらにイージス艦7隻を投入するものであった。
 米「韓」軍事演習の期間、沖縄周辺では米軍の戦斗機部隊と航空自衛隊戦斗機部隊との共同演習がおこなわれた。この演習では海上自衛隊の幕僚監部、自衛艦隊司令部の中枢が渡米して、米太平洋艦隊司令部、第7艦隊司令部との共同指揮所演習をやっており、実質上、米日韓の3軍が大規模な核戦争挑発をおこなう演習となった。
 麻生政府と商業マスコミの「北朝鮮ミサイル迎撃」騒ぎは、こうした軍事的な動きと連動したものであり、アメリカに統率されたものである。麻生政府は北朝鮮の打ち上げが「人工衛星であっても迎撃する」といい、浜田防衛相が自衛隊に「破壊措置命令」を出し、その結果、航空自衛隊は「首都圏警戒」と称して、地対空ミサイル(PAC3)を陸上自衛隊朝霞駐屯地や防衛省本省のある市ケ谷駐屯地などに移動、配備した。また、同ミサイルを陸自の秋田、岩手両駐屯地などにも運び入れ、「迎撃態勢」をとっている。
 日本周辺には、すでに米第7艦隊のイージス艦五隻が展開しており、韓国初のイージス艦も日本海に派遣、計9隻のイージス艦が北朝鮮にミサイルの照準を当てている。これら自衛隊の動きはすべて米軍情報に従い、米軍の指揮下で動く作戦態勢に組みこまれており、危険きわまりないものである。
 防衛省の計画ではイージス艦搭載の海上発射型ミサイル(SM3)を来年度までに4隻のイージス艦に搭載することを公言している。地上配備型はすでに、入間(埼玉)、習志野(千葉)、武山(神奈川)に配備されているが、来年度までに霞ケ浦(茨城)、浜松(静岡)、饗庭野(滋賀)、岐阜、白山(三重)、福岡県の芦屋、築城、高良台の各基地に配備するとしている。
 このミサイル防衛網の情報源とされるのは米軍の軍事偵察衛星である。米軍は青森県に早期警戒レーダー「Xバンドレーダー」を配備したさい、その目的を「米本土へ向かうミサイルの監視と米軍基地に向けられたミサイルの監視が目的」と公言しており、「日本防衛」など最初から目的にないことを隠さない。
 オバマ政府のもとでの原水爆をめぐる緊迫した実態は、東アジアの緊張を高めている根源はアメリカであることをだれの目にも明らかにするものである。核兵器の廃絶に向けた日本国民の悲願はオバマの「核廃絶」の欺まんをあばき、広島・長崎の本当の声を全国、世界におし広げ、日本を原水爆の戦場にしようとするアメリカの策動をうちやぶる広範な大衆的基盤をもった運動の発展によってのみ達成できるのである。

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