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上宇部小実践に共感広がる
26日から人民教育全国集会
              逆上がり全員達成の教訓劇で報告   2012年8月17日付

 「教育から世の中をたて直そう! “みんなのために”で日本の教育を変えよう!」をテーマにした第34回人民教育全国集会(主催・人民教育同盟)が、26日から下関市で開催される。今年の教育集会は、戦後の文科省教育が臨教審の新自由主義改革をへて、学校の荒れやいじめの蔓延など見るも無惨な崩壊をしているなかで、それを突き破って6年生全員が逆上がりや7分間持久縄跳びをできるように鍛えて成長させる教育実践があらわれ、非常な新鮮さを持って共感を広げているなかで開催される。教師や父母のなかで新たな参加への動きが広がっている。
 人民教育同盟は6月、教育集会に向けて要旨次のような呼びかけを発した。
 宇部市の上宇部小学校6年生の子どもたちが鉄棒逆上がりを全員達成できたことは子ども、教師、父母に多くの感動と勇気を与えた。学年の全教師が結束して「鍛えるな」「指導するな」をはねのけて、厳しさと愛情をもって一心不乱にとりくみ、子どもたちは「どうせできない」という敗北主義を、みんなで励ましあって乗り越えていった。
 子どもたちは逆上がりができるようになると、国語や算数にも意欲を高め、また生活規律を変え、友だち同士の人間関係をも改善し団結を深めていった。この体育重視で子どもを成長させた教育実践は、学校全体に広がり、さらに山口県内外に広がっている。
 なぜ、子どもたちがこのように成長していったのか。体験を語った被爆者・戦争体験者は、子どもたちが目を輝かせて真剣に思いを受けとめる姿に、「今の子どもは捨てたものじゃない、見込みがある。日本の将来は明るい」と意欲を高めている。学校の枠の中だけでは子どもたちのこうした発展的な力は見えず、「今の子どもは手がつけられない。どうしようもない」と暗澹たるものになる。教師が学校の外、つまり社会を発展させている被爆者・戦争体験者、農民、漁民、生産者など勤労人民の側から子どもをとらえ、教育していくことこそ、次の新しい社会を担うたくましい子どもたちを育てることができると確信する。
 教育集会では、上宇部小で切り開かれた実践に学び、多くの学校で子どもたちをいきいきと成長させた教育実践を交流する。みなさんと団結して交流を深め、全国に広げ、日本の教育を変え、社会をたて直す出発点にしていこう。

 共感呼びつつ普及進む 上宇部実践の冊子

 この呼びかけに続いて、7月末には上宇部小学校の教師集団の3年間の実践をまとめた冊子『鉄棒逆上がり・7分間持久跳び全員達成 “みんなのために”で頑張る団結の力』が人民教育同盟より発行された。この冊子は、教師や親たちのなかで「この実践で日本の教育を変えていける」「教育崩壊を打開する本だ」と強い反響を呼びながら普及が進んでいる。
 普及の過程で教師のなかでは、「こんな教育がしたかった」「どうしたらできるのか」と、教師としての誇りや使命を呼びさます教育論議が広がっている。とくに「全員達成」という実践は、「鍛えてはいけない」「できる子はできる、できない子はできないままでいい」という文科省の「個性重視」教育に、真っ向から対置する教育の展望を指し示すものとして注目を集めている。
 今年の初めから、上宇部小の実践に学んで北九州市や長門市、萩市、宇部市などで、体育重視で子どもを成長させる実践が広がっている。その実践を担っている教師たちが、「もっと上宇部小の実践が知りたい」「できない子にどんな指導をしたのか知りたい」と集会への参加を決めたり、教師同士で誘いあって参加する動きも生まれている。
 北九州市のある小学校では、1年生の学年全体で鉄棒や雲梯、登り棒などをとりくんでいる。冊子を見た教師たちからは、「全員達成」に驚きと感動の反応が出されると同時に、その実践のなかで「友だちの成長が喜べる」「できない子にみんなで教え合う」という子どもたちの人間関係の変化、徳育面の大きな成長に共感が寄せられている。北九州市の運動会で、かけっこをしても順位をつけず等旗がないという現状への批判と重ねて、「友だちの成長が喜べる子どもが育っているというのが、教師として一番うれしく大事にしたいことだ。そういう面をもっと伸ばしていきたい」と論議され、集会への参加に意欲が語られている。
 別の小学校では4年生が学年全体で鉄棒実践をとりくみ、1学期中に学年の約半数が逆上がりができるようになった。しかし全員達成にはまだ遠い。これについて同学年の教師のなかで「“全員達成”への強い気持ちが自分たちのなかで欠けている」と話になり、2学期からは教師が意志統一を強めて実践しようと論議されている。
 また、これまで算数が苦手で板書をノートに書きとることができなかった子が、逆上がりができるようになってから算数にも意欲的にとりくむ様子が話題にされ、体育重視で子どもを成長させる方向に確信が強まっている。20代の教師は、逆上がりができなかった子どもができるようになって大喜びする様子をまのあたりにして、「うれしかった。できないことができるようになるという子どもの成長を見ることができて本当に幸せだった」と語り、上宇部小の実践をもっと知りたいといっている。
 宇部市でも冊子の普及のなかで、この間の実践への確信と「上宇部の実践をもっと広げていきたい」という意欲が語られている。ある教師は、「鉄棒や縄跳びを達成した子どもたちの人間的、体力的成長はめざましかった。今の教育はこれでないといけない。教師はみんなそういう教育がやりたいと思っていても、実際にはなかなかできない現状がある。でも教育崩壊を打開するにはこの教育しかない」と話し、冊子を知人の教師に勧めている。親たちが誘いあって集会に参加するという積極的な動きも広がっている。
 このような強い期待が寄せられるなか、教師が父母や地域と団結して、子どもを次の新しい社会の担い手に育てる教育運動を発展させるための出発点にしようと準備が進められている。

 第34回人民教育集会の日程

 第34回人民教育全国集会は26日(日)〜28日(火)の3日間、下関市の勤労福祉会館で開かれる。
 初日・26日午後1時からの「子ども・父母・教師のつどい」では、「上宇部小教育実践報告」として、上宇部小の3年間の実践を劇にして演じる。出演者は上宇部小の教師・親、小中高生平和の会の子どもたちや被爆者。劇では、広島修学旅行で実際に子どもたちに体験を語った広島の被爆者が思いを語る。さらに鉄棒や縄跳びの猛特訓の実演や、教師がどのように子どもたちに語りかけ、指導していったのかを再現する。最後に同小教諭の佐藤公治氏が、なぜ子どもは成長したのか、教訓とまとめを発表する。
 それを受けて各地で広がる「体育重視の実践」報告を宇部市や長門市の教師がおこなう。さらに平場から、各地から参加した教師、父母、戦争体験世代、勤労生産者など、各界各層からの感想や意見を出しあい交流する。初日のつどいは入場無料となっている。
 27、28日の2日間は、「“みんなのために”で日本の教育を変えよう!」のテーマで人民教育研究集会が開かれる。初日の「子ども・父母・教師のつどい」の内容をより深める討議がおこなわれる。2日間とも午前9時からで、参加費は教職員2000円、一般1000円。連絡先は人民教育同盟 083―234―3642


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