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<狙撃兵> 経済制裁されているのは誰か
                                 2004年3月6日付

 小泉政府は拉致事件を引き起こした北朝鮮を経済制裁するのだといって、立法化を急いでいる。フセイン政府を倒して米英軍が占領したいまでは「人道復興支援」といっているイラクに対しても、湾岸戦争後ずっと、アメリカの指図に乗って経済制裁をしてきた。日本は「持てる国」であって、いかに子どもたちが餓死したり病死していても、簡単に施しなどしてはいけないというわけである。ところで、日本の国内でこそ、下じもの者は来る日も来る日も経済制裁を受けているようなものである。
 親父に職はない、あってもろくな給料は出ない。子どもも就職がない。農家も中小企業も明日がなく、年寄りは年金は減らされ介護保険はあげられる。こうして日本の自殺者の数は戦争をしているイラクの戦死者数の何十倍である。地方自治体も、交付税も補助金も削られ、「経済制裁」で、合併という市町村とりつぶしに追い立てられている。
 国自体が、国民の社会保障などは無慈悲に削って「自己負担」ばかり増やし、米軍や自衛隊には大盤振る舞いの予算を組んだり、アメリカ資本の大企業乗っ取りのために何兆円もの税金を投じて「健全化」したり、とうとう世界で最大の借金財政となっているのに暴落は必至のアメリカ国債を世界で一番買い込んでいる。よその国に経済制裁をするどころか、日本が丸ごと経済制裁されているようなものである。
 日本国民がアメリカによって、原爆を投げつけられていらい戦後半世紀以上もさんざんに制裁を受けてきた現実に、目をつぶるか気分がいいという手合いが、よその国に制裁をせよと叫んでいる。強い相手にいじめられているので、自分より弱い相手をいじめるという者が威張るような状況では、日本の国が衰退し、ことに教育が荒廃するのは当然である。
 イラクは強いアメリカにたてついて経済制裁を受けた。日本のエライさんはもっぱらアメリカにもみ手しかしてこなかったが、やはり経済制裁を受けてきた。いろいろ問題はあったにせよ、アメリカにたてついてきたフセインや金正日が愚かで、もみ手をしてきた日本のエライさんの方が立派だ見えるのでは、民族の将来は憂うべきものといわざるをえない。
                                             那須三八郎

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