トップページへ戻る

緊迫する核戦争情勢に立向かう
原水爆禁止全国実行委員会
             労働者の真の力を発揮へ   2005年4月19日付

 2005年原水爆禁止全国実行委員会が17日午後1時から、下関市のからと会館で開催された。実行委員会には全国各地から約40人の活動家が参加。アメリカの核独占を中心にした世界支配の野望が露骨になり、日本を戦場にした原水爆戦争の策動が段階を画する緊迫した情勢に立って、広島・長崎への原爆投下への新鮮な怒りを巻き起こし、原水爆戦争を阻止する国民的規模の運動へと飛躍発展させる方向が活発に討議された。とくに今日、労働者を中心に現役世代の運動を発展させることが力のある運動を形成するうえで急務になっていること、中国・朝鮮人民との国際的連帯を強める課題を強調。そのために運動内部の日和見主義と決別することの重要性が深められた。
   
 国際的な連帯を強める
 実行委員会では、平野照美事務局長が今年の方針を提起。まず、広島・長崎に原爆を投下したアメリカが、被爆60年を迎えた現在、「原爆兵器を使ったその威力を背景にして、ミサイル防衛システム構築を国防の中心政策に据えて、地上発射型迎撃ミサイルの配備や“使える核兵器”の開発に着手し、圧倒的な核戦力を独占して、米ソ二極構造崩壊後の世界を一極支配する野望をむき出しにしている」こと、「核の先制使用」を公言してアメリカに対抗的な朝鮮、イラク、イラン、リビアなどを核による脅しによって武力侵攻、政府転覆を策動していることを指摘。またそれが、グローバル戦略のもとでの、「新自由主義」「市場原理」による世界の市場と資源略奪、人民生活の破壊と一体のものであることを明確にした。
 報告ではとくに「アメリカは核戦争計画に日本を組みこみ、日本を原水爆の戦場にすることを急いでいる。中国、朝鮮に照準を定めた核ミサイルを日本に配備し、日本全土を原水爆戦争の“不沈空母”にしようとしている」ことを強調。小泉政府がそれにつき従い、港湾、空港をはじめ自治体、放送局、通信、運輸などを動員した戦時体制づくりに突きすすんでいること、さらに、アメリカの戦略にそって、中国や「韓国」とのあいだで緊張をつくり、民族排外主義をあおっていることを批判した。
 そのうえで、「原水爆戦争を阻止する力のある運動を国民的な規模で発展させることが差し迫った課題になっている。そのためには、かつて朝鮮戦争で原爆を使用させない力をつくり出した1950年8・6平和斗争の路線を、“インチキ潮流”をうち破って、力強く継承し発展させること」を提起。「原爆展を全国いたるところでくり広げ、アメリカの原爆投下への新鮮な怒りを発動し、被爆者がその体験を若い世代に語りつぎ、戦争体験者が体験の真実を語ること、また、アメリカが原爆を背景にした力ずくの戦争政策を実力で阻止していくには労働者をはじめ現役世代の広範な各界の力を結集し、統一戦線を形成していくこと、国際的な連帯、とりわけ中国、朝鮮人民との連帯を強め、共通の敵にたいする共同のたたかいを起こしていくことが決定的に重要」と訴えた。
   
 現役世代の運動へ 50年8・6広島斗争継承し
 討議では、日本をめぐる原水爆戦争の危機が緊迫の度を増す情勢について、「アメリカが世界的にすすめる戦争策動はイラク、イラン、北朝鮮であれ、すべて“核”をからませたもので、ミサイル防衛(MD)も対中国迎撃核ミサイル戦略だ。安保再定義、米軍基地の再編もそれにそったものだ。小泉政府がすすめる有事体制も、核攻撃を想定しており、原発が攻撃されたときの対策をとるところまできている」という意見が出された。
 また、岩国の活動家からは「岩国基地はアメリカの核基地だが、厚木基地を移転し、空母離発着訓練基地(NLP)を移転してくる。9・11以後、米軍は市民に銃口をむけ、基地が守ってくれるという欺まんが通用しなくなっている」「敷地内に入ればすぐベルが鳴り、警察のパトロールが来て尋問する」「川下地区を中心に怒りが急速に広がっている。戦後60年の総括とかかわって歴史の真実を広げていくなら、巨大な運動に発展することを確信する」などの状況が報告された。
 沖縄や東京、大阪でおこなわれてきた原爆展全国キャラバンのメンバーは、現代への問題意識にかかわるなかで、「無差別爆撃をはじめたのは日本軍」「日本軍国主義の戦争を終わらせるために空襲がおこなわれた」というインチキな抑圧構造をうち破り、米軍空襲の体験者が堰(せき)を切ったように語り、「戦後一貫しておおいかくされてきた米軍の無差別爆撃による残虐行為」があばかれはじめたことを報告した。
 広島からは、「いまの戦争情勢にたちむかう平和の力を結集する」方向で、広島市内、廿日市で原爆展を開催するなかで、「日本の敗北が決定的ななかで、沖縄戦も必要なかった」ことへの強い関心が示され、「アメリカの原爆投下が戦争を終わらせるためでなく、日本を基地に原爆による世界支配のための戦争を継承するためだった」と怒りをこめて論議されていることが報告された。また、被爆体験集の作製が、若い世代に語りつぐ被爆者の強い意欲性をもってすすめられており、大学生がこれに協力していることも紹介された。
 アメリカがおしすすめる原水爆戦争の策動と真向からたたかい、これをうち破るために、こうした原爆投下への新鮮な怒りを発揚し、被爆者、戦争体験者がその体験を語ること、さらにいま重要なことは、もっとも平和実現への力を持つ労働者を中心に現役世代が運動の主体を担うことである点について論議が発展した。
 「1950年の8・6では、労働者が広島に集まって反帝反戦斗争が第一義的課題であり、日常斗争はその一環であること、経済主義的斗争は誤りであり、階級的宣伝と国際連帯性を強化することを白熱的に論議して運動を転換させていった。いまの課題もそのときと同じだ」
 「日本政府がアメリカのいいなりになっているのはアメリカの軍事力のためだし、その中心は原水爆だ。原水爆は、アメリカが世界を支配するための最大の武器だ。歴史的に見てもアメリカは、原爆を落として日本を支配し、世界を支配してきた。労働者を支配している根幹は、アメリカの原水爆だ。労働者はアメリカの核支配とたたかわなければ労働者の世の中はつくれない」。
 
 支配の根幹が原爆 グローバル戦略と対決
 さらに、アメリカがグローバル戦略を強行する背景に原水爆があることに論議が集中した。
 「下関市長選が全国で関心を呼んでいるのは、アメリカ型グローバル政治を先行してやってきたことに、市民が正面からたたかったからだ。県一漁協問題でも、協同組合や漁業権を解体し、外資が自由に商売や埋め立てができるようにするものだ。江島、安倍、二井、小泉らが突っ走るのはアメリカが支えているからで、その根幹は原爆だ。原爆を根幹にした支配で大企業も、農業もみなやられている」
 「規制緩和、構造改革でアメリカ資本が好き勝手にふるまうようになり、郵政民営化で郵便局までつぶされようとしている。銀行、大企業もいつつぶされるかわからない。労働者が、職場の中のこじんまりした問題だけに目をむけていては、実際にあわない。大衆は国のこと、社会のことを考え、これをどうしようかとなっている。労働運動の活動家のなかで、自分の権利中心の経済主義を克服することが重要だ」
 「郵便現場では、自由化・民営化でアメリカンファミリーや、アリコなどの外資保険が進出するなかで、簡保が開拓できないことが問題になっている。保険担当者は上からの圧力で苦しみ怒っている。局内の職制とどうたたかうかではなく、アメリカの支配にたいして、統一戦線、国際連帯でどうたたかうで行けば力が発揮できる」
 さらに、「もうかるかもうからないかではなく、社会のため、人のために生産を担って働くのが労働者であり、社会の主人公だ。英語とコンピューターを使って勝手放題なのが進歩ではなく、生産する人民が進歩的だと堂堂といえなくなっている状況を大胆にうち破らねばならない」という意見が出された。
 これとかかわって、教育運動の活動家からは、「子どもの教育をどうするかは、日本をどうするのかという問題だ。次代を担う子どもを育てる教師はつぎの社会をどうするか信念を持たねばならない。それが、自分のクラスが荒れなければいいという保身的な狭いものになっており、それでは、父母とも団結できない。50年8・6当時の山口県の岩国平和斗争は大きな教訓を残している。これを受けついでいかねばならない」との発言があった。
 また、国際連帯を強化するうえで、「中国の反日運動は根本には、経済問題がある」という発言があり、「中国の外資の最大は日本資本だ。日本の産業を空洞化してから、中国に生産拠点をおいて、日本の労働者の賃金の20分の1でこき使い、タコ部屋のような勤務条件に置いている。中国での植民地的収奪が日本の労働者を苦しめている。これは日本と中国の労働者の共通の課題だ」など論議された。

 労働貴族の影響も一掃
討議のなかでは、このような労働者、勤労者がおかれている現実と別世界にいて、アメリカの原爆を力にしたグローバル化に敗北し、「個人の権利」を追い求める日和見主義、労働貴族の影響を一掃することの重要性が強調された。
 岩国の最近の原爆展のとりくみのなかで、「これまで、保守的といわれてきた人がわがことのように熱心にとりくみ、大企業労働組合の元委員長、市の職員組合、議員らがひじょうに冷淡なことが明確になっている」こと、下関市長選でも全逓、国鉄が江島氏支持に回ったことが明らかにされ、「アメリカのいいなりになって労働者、人民に敵対するこれら労働貴族と同じ側にいては、原爆とたたかう運動をまき起こすことはできない」ことが活発に論議された。
 最後に、アメリカの原爆投下の謝罪を求める広島アピールの署名運動を圧倒的におし広げ、「広島と長崎」の普及・学習をまき起こし、職場、学校、地域に平和の活動家集団を組織し、全国世界から平和を願う広範な人人を結集して8・6集会の歴史的勝利をたたかいとることを確認して、閉会した。

トップページへ戻る