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子供の為に教育の場守れ
梅光の未来考える会が会合
             同窓生や父母、教員が結束   2016年4月25日付

 下関市にある梅光学院の運営をめぐって、教師の大量解雇をはじめとする一連の経営方針の転換と学院の正常化を求め、理事長の退任を要求する署名運動を展開してきた「梅光の未来を考える会」は23日に第2回会合を開いた。同窓生や保護者、教職員、関心を持ってきた市民などが参加した。この間おこなってきた署名運動の経過と新学期が始まった中・高校、大学の状況を共有し、今後の運動方向を確認しあう場となった。

 教師解雇で混乱極める新学期 理事長退任求める署名継続

  初めの礼拝の言葉をのべた女性は、職場を追われた人、尊厳を傷つけられた人、子どもを人質にとられたようで物をいえない母親たちがいることにふれ、「四年前からなにかがおかしいと思ってきたが、こうして人人が集まり、声を上げ、署名を集めるところまでたどりつくことができたことに感謝する」とのべた。さらに「一人一人の子どもたち、学生を大切にし連綿と受け継がれてきた教育の場が、本当の意味で守られるように」と、思いを込めた。
 3月まで学院の理事を務めていた男性が署名運動と現在の学院の状況の報告に立ち、1万7000人をこえる署名を携えて市長、文部科学省、県学事文書課に出向き、状況を伝えたことを報告した。
 男性は、理事会が男性以外はすべて学院関係者で占められており、方針について意見しても聞く耳がなく、理事長がかわらなければこの状況は変わらないという結論に至ったことをのべた。その過程で辞表を提出すると、長年協力してきたにもかかわらず、「もう学院には関係ない」とする書面が郵送されてきたことを憤りをもって紹介し、現経営陣が自分に反抗する者を次次切るなど、人を人とも思っていないことを指摘した。
 さらに「理事長の就任前から“中・高はもう廃止した方がいい”という話になっていた」「10億円を運用し、1億2000万円の赤字が出ている。これは彼らのお金ではない。彼らは自分たちがエリートだという意識でやっているが、能力がないということだ。心のないビジネスはいつかぼろぼろになる」とのべた。現経営陣が中・高校を梅光大学付属にする構想も持っていることをのべると、参加者からは驚きの声が上がっていた。男性は、「みんながノーといっていかないと梅光は終わりだ。下関から出て行けという形にしないといけない」と、声を上げていくことを呼びかけた。
 続いて、2月に雇い止めとなった准教授が、弁護士と相談しながら復帰の方策を探っていることを報告した。「時間がかかることで、精神的にも経済的にもきつい時間が続く。だが先生方や学生たちからの連絡、文学が支えになっている」とのべた。梅光学院は自治が認められた私学であり、キリスト教に基づく建学理念を持ち、厳しい状況の支えとなる文学を中心にした学校であるという、三重の「聖域」を持っているとのべ、「現在の社会で困った人が駆け込んで来て、守られながら育ち、実社会に出て行く存在になることができたらいいと思っている。グローバルビジネス、グローバル人材といわれるが、それがビジネス社会の歯車としてむちゃくちゃに働かされる人材を育てることになるのではないか。そうしたものに一歩距離を置いて“大丈夫か”と問うていくことが梅光の存在価値だと思う。現在の社会と同じようになると、存在価値そのものがなくなってしまう」とのべた。
 続いて大学教員が中・高校ならびに大学の新年度の現状を以下のように報告した。中・高校については教師が表に出ることができないため、大学教員が代読する形となった。
 中・高校では14人もの教師が事実上退職勧奨を受けて3月末で学院を去った。国語科では3人が新たに赴任する予定だったが、4月2日に新年度最初の職員会議が開かれる段階になって1人が辞退したため、専任教師2人、非常勤講師6人の体制となった。6人のうち2人は家庭の事情で10年以上教壇に立っていない教師だ。生物の教師も決まっておらず、教頭が16時間授業を受け持つなどして、4月10日にようやく時間割が決まった。中・高校では専任教師が10人、常勤講師が14人、非常勤講師が30人ほどと、常に生徒を見守っている教師の数が極端に少ない体制である。うち1年目の教師が全体の半数を占め、2年目が4分の1という状態だ。新任教師のうち下関在住は1人だけで、多くが関東や関西から来ており、下関の地域の文化や伝統などを知らない教師がほとんどだ。
 ただでさえ新年度という多忙な時期に、校務のひきつぎもできておらず、生徒会の生徒たちに昨年のことを聞きながら学校運営をするなど右往左往している状況や、古文担当の教師が最初の授業で「実は古文は好きではない」とのべ、生徒ががっかりしていることなども報告があり、こうした状況のなかでレノファ山口からも、「梅光とは契約を持ちたくない」と断りの電話があったことも明らかにされた。
 大学では今年度、定員の290人を大幅にこえる340人もの学生が入学した。一方で教員だけでも昨年11人がやめており、そのうちゼミの担当教員が6人含まれていたため、大量の学生に対応できない状況になっている。報告した大学教員は「入学してお金は入るが、大事なのはそれに見合う教育をすることではないか」とのべた。
 教室が足りず、急きょ会議室などを教室にしたが、黒板が見えないという事態が起こった。そこで数年前に購入して放置されていた電子黒板(約600万円)を使おうとして設置したが、だれも使い方がわからない。外国製のため取扱説明書はすべて英語で書いてあり、いまだに起動していない状態だという。
 日本文学科では、ゼミを担当していた准教授を雇い止めにしたためカリキュラムが組めず、数日前にようやく時間割が整った。教員は「梅光は少人数教育を売りにしてきたが、現状ではそれに対応するだけの教員がいない。一人一人の学生に向き合う時間がなくなっている」とのべた。職員の時間外手当の未払いも依然として続いており、「身を粉にして事務の方方が仕事をしているのに支えられている。当たり前の形に戻したい」とのべた。
 日本文学科の学生は、「たくさんの学生が入学してきて、正しく授業がおこなわれていない。私の授業でも、一度教室に集められたが、イスが足りず、他のところからイスを持ってきて補充した。それも次のときにはまた教室がかわったり、座れない人が出てくるなど、むちゃくちゃになっている」とのべた。
 また准教授の雇い止めに対して、学生として公開質問状を出した経緯を報告。先日ゼミの学生たちに学長が説明会をしたが、「総合的な判断」「理由は説明できない」など、きちんとした回答はなかった。学生から「日本文学科全体に説明してほしい」と意見が出たため、4月12日に学長懇話会が開かれたが、そこでも同様に「的を射ない、謎な回答」ばかりだったことを報告。「矛盾するところがたくさんあるので、これからも頑張りたい」とのべた。
 同窓会会長は、「今回のようなことは梅光で初めてのことで、大変な衝撃を受けている。100年の教育を信頼してくれていた市民もびっくりしている。正常化を願って支援して下さっていることに感謝している」とのべた。「今一番被害を受けているのは生徒たち。未来を守る会は世論に訴えることを目的に設立され、1万7000人の賛同を受けている。この力を生かし、効力のある活動になるようにしていかないといけない。同窓会も微妙な立場だが、生徒・教育を支援するという形で、ノーといい続けていく」とのべた。
 署名は3月31日段階で1万7331人となったが、その後も次次に届いており、現在1万8000人をこえている。

 学校は儲けの具に非ず 公開質問状を準備

 今後の活動方向として、署名を継続し、次の締め切りを5月20日とすることが提案された。同時に公開質問状を準備することも報告され、質問内容、疑問を募ること、未来の会の事務局への協力者を募ることが呼びかけられた。
 続いて同窓会から、「5月14日にシーモールパレス・エメラルドの間で開催する同窓会に本間理事長と中野学院長が出席するので、ぜひ参加して質問してほしい」と呼びかけがあり、そのことを巡って多くの意見が交わされた。
 挙手した女性は、「今度の同窓会では、懇親会でも歌などをやめて、私たちは怒っているんだということを前面に出してほしい。広津先生の遺影を大きく掲げて2人にもよく見えるようにしてほしい。福岡女学院や西南学院の同窓生も署名に協力してくれたが、一番梅光を守らないといけない学院長、学長がバリケードにならなかったことに怒っている」とのべた。
 別の女性は「“文学はもうけにならない”というが、公開質問状にはぜひ“教育でもうけるのですか”という質問を入れてほしい。マスコミにもとりあげられ、梅光の権威を失墜させた責任は、原因をつくった人がとるべきだ。学校は企業ではなく、教育はもうけではない。理事長や学院長は身銭を切るのが普通だと思っていた。教育者である以上、教育の名を汚した責任をとるべきだ。4、5年前、東京から“梅光はいい先生がいる”という評判を聞いた。それを守ってほしい」と発言した。
 別の同窓生は、「社会に出たらこんなことはたくさんある。この場を勉強の場として、若い人に梅光はこうあってはいけないということをしっかり伝えたい」とのべた。
 「感情論ではなく事実を広く知らせるような資料があったらいいのではないか」などの意見も出され子どもたちの教育を守る熱い思いで結束して運動を広げることを確認し、会合を終えた。
 参加した母親は、「子どもを通わせる親としては、とにかく上質な教育を与えてほしいのが一番だ。選んで私立に入れたのに、英語の実力が低い状況もある。学校の経営や宗教上などさまざまな問題が山積しているようだが、ひずみは全部子どもたちにきている。教育を第一に考えてほしい」とのべていた。


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