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小泉改革破綻で麻生内閣混迷
             自民党売国政治の無惨な崩壊   2009年2月25日付

 自民党麻生内閣が末期症状に陥っている。「選挙をやる内閣」として登場したが、アメリカ発金融恐慌勃発で右往左往し、日本をどうするかという戦略すらない無策ぶりを露呈。大企業の「派遣切り」が問題になるなか、定額給付金ばらまきや銀行救済に税金を注ぎこむ「景気対策」をうち出して批判が噴出。G7では中川財務・金融相が醜態をさらして辞任する事態になり、自民党内から麻生首相批判が噴き出す有様となっている。麻生内閣の混迷は、いったい何を物語っているのか。
 麻生内閣が混迷を深めるなかで構造改革を推進してきた小泉元首相が率いる勢力が麻生首相批判の動きを強めている。5日にもたれた党内最大の町村派総会では麻生首相批判を繰り返す中川秀直氏を会長に推す動きが出て紛糾した。最近は小泉元首相が出てきて「郵政民営化は反対だった」とのべた麻生首相を「笑っちゃうぐらいあきれる」とこき下ろし、定額給付金を盛り込んだ2次補正予算案の再議決に欠席すると表明した。
 全国各地の選挙区では、「麻生では選挙に勝てない」と、麻生首相の顔写真を候補者のポスターからのけたり、自民党と距離を置く動きも広がっている。
 この間、大きな問題となってきたのは日本郵政による「かんぽの宿」たたき売りである。これはもともと2400億円かけてつくった日本郵政の物件を、109億円でオリックスに売り飛ばすもので国民資産の食いつぶしだった。
 郵便局関係者のなかで、へき地や住民サービス切り捨てへの憤りを重ね、350兆円もの郵貯・簡保資金を外資や利権集団に差し出すことに批判が噴出。売却計画は白紙撤回に追いこまれることとなった。
 「構造改革の本丸」といわれた郵政民営化を追及する世論が強まるなかで、麻生首相が「本当は反対だったけど内閣の一員だったから賛成した」といい、森元首相も「民営化賛成は小泉さんだけだ」と発言した。
 小泉元首相がムキになって「これからたたかう人に前から鉄砲撃ってんじゃねえか」と反論したのは孤立と焦りを意味している。竹中平蔵も「小泉政権が郵政民営化選挙をした05年を思い出してほしい」「規制緩和が絶対に必要。痛みを避けて改革を止め、景気刺激を名目にばらまき財政を続けるのが日本の最悪のシナリオ」と強調した。それは「麻生批判」の装いで、小泉改革路線を守る動きであり、それが広範な国民の支持を受けるはずがないのは当然である。

 構造改革への怒り憤出 恐慌突入で正体露呈
 自民党麻生政府が末期症状を露呈している根本要因は、アメリカ発の金融恐慌が起こり、自民党政府が推進してきたアメリカいいなりの構造改革、規制緩和の新自由主義の破産が歴然となったことにある。
 日本では恐慌突入後、銀行や企業の倒産、大手企業による工場閉鎖、生産ライン停止などが始まり8万人を超す労働者が放り出された。そして「国際競争力が第1」「輸出主導型経済」といって構造改革を断行してきた自民党政府への怒りが噴き上がった。それは中小企業も農漁業も「国際競争力がない」といって破壊し、モノ扱いの非正規雇用を急増。トヨタなど輸出企業ばかりがボロ儲けする体制を保障した構造改革の正体を暴露した。「貯蓄から投資へ」といって年金や貯金を運用に回して何百万円も紙屑にしたり年金をかけさせて受け取る段階になると「出せない」とするなど国家的詐欺も実行。郵政民営化、福祉や医療の切り捨て、市町村合併などもふくめて「だまされた」との実感が噴出した。
 小泉元首相は「郵政選挙」で大勝したことが3分の2議決ができる根拠だと威張っているが、小泉構造改革がもたらした国民生活破壊への怒りが、参院選大敗によるねじれ国会をつくったし、それが安倍、福田と続く内閣放り投げ、麻生内閣の混迷を生み出した。麻生内閣の混迷は小泉構造改革で日本を破壊した自民党売国政治への怒りがいかに強いかを示している。
 麻生政府は年頭から2兆円を注ぎこむ定額給付金などの経済対策を盛った08年度第2次補正予算案を「景気対策の目玉」としてきたが、この定額給付金に対する批判は日を追うごとに強まっている。大企業による首切りが派遣、期間社員だけでなく正社員にも波及。職安では失業者の増加に加えて求人数が激減。大学や高校生の内定取り消しも続出。手直しの連続で根本解決にならないからである。
 試験を何度受けてもふるい落とされる若い失業者は「そもそも派遣法をつくって末端ばかり搾り、景気を悪くしてきたのは自民党ではないか。それが国民の税金をつかって“給付金”といってばらまくのはふざけている。しかも3年後に消費税を増税するなど絶対に許せない」と指摘する。タクシー運転手も「規制緩和で増車ばかりして若者を生活できないようにした。そして今度は雇用創出だといってまだ運転手を増やそうとしている。こんな構造自体が問題だ」と話す。商店主のなかでも「若い人の収入が減っているから商品は売れない。1回、給付金を払って解決する問題ではない」と語られている。

 日米同盟要求する米国 構造改革求め圧力
 こうしたなか米国政府が強力に要求しているのは「日米同盟重視」の方向である。オバマは当選するとすぐ麻生首相に「日米同盟を強化したい」と電話。その直後に「年次改革要望書」を発表し、郵政民営化の促進、国境をこえたM&Aの促進など小泉改革続行を求めた。この「日米同盟重視」は、米軍のかわりに日本を肉弾や資金提供でさらに動員するという意味であり、それは構造改革をさらにおし進めろという圧力である。このもとで小泉元首相などが構造改革推進で騒ぎ出し、麻生政府は国民に渦巻く憤激との間で混迷を深める動きとなっている。
 このようななかで米国側は政権交代をにらんだ動きを見せている。17日に来日したクリントン国務長官は民主党・小沢代表と会談し日米同盟を強化することを要求。これに小沢代表は「日米同盟が何よりも大事。ただ同盟は、一方が従属する関係であってはならない」と忠誠を誓った。その他の野党も「アメリカ建国以来初の黒人大統領の誕生でありこの歴史的な出来事がアメリカ社会の民主的活力の発揮につながっていくことを期待している」(「日共」・志位委員長)、「新政権は社会民主主義的な政策を打ち出した。日本も雇用制度などを見直し、人間らしく生活出来る社会をめざすべきだ」(社民・福島党首)、「良好な日米関係のため、迷走する麻生政権に代わり、強力なリーダーシップを持つ新政権が必要だ」(国民新党・亀井幹事長)と歓迎する姿勢をとっている。
 どの野党も麻生政府を批判はするが、その親分であるアメリカには忠実に従う姿勢を暴露している。

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