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国民の苦難打開へ発言活発化
広島県内大学教員
             対米従属が国滅ぼす根源   2013年4月19日付

 安倍政府が国益を投げ捨ててTPP(環太平洋経済連携協定)参加を強行し、憲法改悪を表明して戦争準備に拍車をかけているなかで、各界各層の人人と団結して国民的な運動の発展に貢献しようとする知識人の発言が活発化している。本紙は2月に引き続き、パネル冊子「原爆と大戦の真実」を持って広島県内の大学教員に意見を聞いた。そこでは、それぞれの研究分野に足場を置きつつ日本の進路をめぐっての真剣な論議になった。とくに日本が政治、経済、教育、文化の全面にわたってアメリカの属国となっており、そのことが今では国を滅ぼすような事態に追い込まれている根源にあると論議されていることが特徴であった。そのなかで「原爆と戦争展」の運動に強い期待が寄せられた。

 原爆と戦争展運動に深い信頼

 人文学部で教えている教員は、3歳のとき母親とともに長崎で被爆したことを明かし、後輩とともに学内で開催されている「原爆と戦争展」を毎年参観していると話した。そして「他界した母親が、終戦後もずっと“まだ戦争は終わっていない。アメリカともう一度たたかう覚悟を持たなくてはいけない”と話していたが、その意味が今になってよくわかる。TPPを見ても日本を破滅に導くような内容だ。安倍政府は戦争を起こそうとしているがその戦争はアメリカのための戦争だ。日本を滅ぼそうとする者たちをたたきつぶさなくてはいけない。幕末の馬関戦争では四国連合艦隊とたたかいぬいた日本人の力を示さないといけない」と語った。
 また「本来新聞とは真実を追求していくものだが、『朝日』『毎日』『読売』など今のメディアは完全に商業化して、政府の提灯持ちになり、日本人を白痴にして戦争にもっていこうとしている。アメリカや財界の論調で国民を誘導するだけのものになっている」とのべ、いかなる権威にも屈せず真実を貫く報道への期待を語った。
 同室の30代の教員も「原爆と戦争展」運動に期待を込めて冊子「原爆と戦争の真実」を買い求めた。そして「曾祖父は原爆で即死しており、曾祖母も被爆している。祖父は、人間魚雷の回天に乗る前に終戦を迎えた」と語り、戦争は絶対にしてはならないと強調した。
 理系の学部で人類学の研究をしている教員は、「第一次安倍内閣のときから社会情勢に強く危機感を感じていたが、第二次安倍内閣が発足してから戦争の危機がいっそう強まっている。戦争になれば一番の犠牲者は国民だが、国民を犠牲にすることをなんとも思っていないのが今の政府だ」と指摘し、アメリカいいなりの安倍政府を強く批判するとともに、そのなかで学生たちがボランティアで「原爆と戦争展」を開催していることに支持を寄せた。
 続けて「私はTPPには大反対している。安倍政府は国益を追求する姿勢がまったくない、日本側からアメリカの要求を飲み込むだけで、まさにアメリカの属国という姿をあらわにしている。TPPで影響を受けるのは農漁業などの第一次産業に限らず、すべての産業にわたっており、日本の産業で無関係なものはない。全国の大学で学部や研究分野を問わず教授たちがTPP反対で署名しているが、政府の横暴をもっと暴いていかなくてはいけない」「安倍は選挙のたびに教育改革だの教育再生だのといっているが、実際の教育現場を知らないから、日本の教育も破綻している。この大学も以前は臨時採用教員ゼロだったが、今では臨採教員を増やして、教授には学問と関係のないものまで押しつけられるから、学生と真剣に向きあう時間が限られてきている。経営効率第一の企業的なやり方では教育は成り立たない」と問題意識を語った。
 農業関係の研究をしている若い教員は、授業のなかでTPP問題をめぐって討論をおこなってみると、学生のなかでは非常に関心が高く、TPP反対が圧倒的に多かったとのべた。そして「私は“買い物難民”についての調査を研究チーム5人でおこなっている。これまで関東地方の調査をおこない、今後広島など中・四国地方も調査していく予定。大型店舗の出店および撤退と、それにともなう小売店の閉店によって買い物難民が生まれているのは全国共通の問題だ。こうした実態調査を広げることで、改善されることに役立っていきたい」と語った。学内で開催されている「原爆と戦争展」にも、「またぜひ見に行きます」と話していた。
 環境学を研究している教員は、東日本大震災以後、原発問題に非常に注目しているとのべ、「これまでCO2による環境汚染が叫ばれてきたが、放射能による汚染ははるかに大きい。近隣の上関原発の動向も注目しており、シンポジウムなどにも参加するようにしている。ゼミの学生たちも放射能の問題などを研究テーマにする学生が増えており、関心が高い。とくに政府の原発政策は見直していかなくてはと考えている」と意見をのべた。
 愛知県の高校教員を経て大学で教鞭をとるようになった女性教員は、「高校教師をしているとき、同僚の先生たちがエリートばかりで、苦しい思いをしながら学校生活を送る子どもたちの気持ちがわからない、という現実に直面した。教師がこれではいけないと思い、教職員志望の学生を教える教師になりたいと思って大学教員になった」と話し、「学生たちには常に“子どもの気持ちを理解できる教師になれ”と教えているが、今の安倍政府がおこなっている教育改革はまったく逆。教育のことなどまるでわかっていない」と批判した。

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