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国民搾り米軍再編に巨額予算
08年度予算財務省原案
               社会保障費は2200億円削減    2007年12月24日付

 福田政府が初めて編成した2008年度予算財務省原案は、一般会計で、07年度当初予算費0・2%増の83兆613億円とした。その特徴は、アメリカの戦争の下請を担って日本独占資本集団がわれ1人ボロもうけ、生きのびようとするもので、在日米軍再編・自衛隊統合の関連予算はすべて満額、国家によるファッショ的強行を突出させている。その一方で、70歳以上の医療費負担2割を1年先延ばしするとか、小零細農家を支援する、地方交付税を増やすなどと、総選挙を意識した目先のごまかしをやっている。だが税収は国民への貧困と失業の押しつけ、アメリカのサブプライムローン破たん、原油・穀物高騰などで大幅な伸びは見こめず、消費税増税による国民大収奪を衣の下に隠した凶暴な戦時国家予算となっている。
 歳入を見ると所得税は定率減税廃止が住民税分をふくめて全面実施され、減額修正した07年度税収に比べ1・1%増の16兆2790億円、法人税は同4・7%増の16兆7110億円、消費税は同0・9%増の10兆6710億円、揮発油税は高騰の影響で消費が減ると見込み2・3%減の2兆860億円、税収全体は同1・9%増の53兆5540億円。
 財源不足を穴埋めする為の新規国債発行額は、同0・3%減の25兆3480億円。国債依存度は30・5%とした。

 軍事費は4兆7千万円 歳出の特徴
 歳出の特徴は、在日米軍再編経費負担の満額計上である。国民の同意はなく、地元住民が明確な反対の意志を示していることに聞く耳はもたず、米ブッシュ政府と、アメリカいいなりの小泉・安倍・福田と続く売国政府が勝手に決めた「在日米軍再編合意」なるものを、なにがなんでも強行するという予算である。
 軍事関係費は防衛省要求分で4兆7793億円。このうち在日米軍再編経費は前年度比2・6倍の191億円。米空母艦載機部隊の移駐強行をはかる米海兵隊岩国基地には58億円。沖縄県名護市に米海兵隊普天間基地の移転をはかり、米軍キャンプ・シュワブ沿岸部の環境影響調査に48億円を計上した。
 米軍岩国基地は、「騒音軽減」「墜落の危険回避」を口実に、滑走路を1000b沖合に移設、既存の滑走路を廃止するとの公約。「沖合移設・跡地返還・有効利用」とうそとペテンで、沖合に235f拡張。約800fと、沖縄の嘉手納基地とならぶ一大前進出撃基地とした。
 08年の供用開始で、米軍と政府は住民投票や市長選などで示した岩国市民をはじめ、山口県民、広島県民の明確な反対の意志を無視、米空母艦載機部隊59機の移駐強行をはかっている。
 総事業費2200億円(当初)を投入した米軍岩国基地拡張は、07年度予算で計上ずみ。08年度予算では、艦載機部隊を加えて約120機となる戦斗攻撃機の出撃に対応するため、既存の滑走路廃止どころか、新滑走路に並行する2本目の誘導路を増設、この費用約30億円も計上している。
 米海兵隊普天間基地の移転先としている、名護市辺野古沖合の環境影響調査には、沖縄県も名護市も計画に合意していない。だが、政府・防衛省は来年1月にも調査を強行するかまえで48億円を計上。アメで米海兵隊普天間基地移設を受け入れさせるための沖縄本島北部への「振興策」(10年間で計1000億円)の初年度100円も満額計上した。
 在日米軍再編を札束でほおをたたいて容認させる「再編交付金」は、全体で51億円を盛りこんだ。米軍再編の押しつけに反対する岩国、座間、名護の各市は当然にも除外。さらに岩国市には出すと決めていた市庁舎建設の補助金も出さず、市民は「基地をのけるということか」と猛反発。1万1000人の市民集会を開いて艦載機部隊移転を拒否し、周防大島町民も民族の恥さらしな金を受けとるな、と町長に迫った。

 無償給油費22億円計上 法案も成立しない中
 在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)は2083億円。供給施設整備費を1部削減。世論の反発を避けるため前年度比90億円減。
 主力装備では、主力戦斗機F15の新鋭化改修に20機分、609億円。アメリカ本土防衛の盾となるミサイル防衛費に1714億円。主要装備品の後年度負担分は、「水増し請求」の批判から1部を入札方式に変え、同8・7%減の6700億円とした。しかし、これら減額分は、在日米軍再編経費につぎこんでいる。また、ステルス戦斗機の開発など、中国、朝鮮を仮想敵とした年債拡張の路線も拍車をかけている。
 政府は、インド洋などで米軍に油をただで供給する新「テロ」特措法を世論の批判をよそにあくまで強行するかまえである。この給油費を先取りして22億円まで計上した。

 批判恐れて欺瞞策 医療・福祉・農業では・受け狙いばかり
 一方社会保障費については、小泉改革で枠をはめた高齢化などにともなう自然増分の2200億円削減を強行した。その内容は、中小企業の労働者・職員を対象にした政府管掌健康保険の国庫負担を削減、あろうことかその肩がわりを大企業の労働者・職員が加入する組合健保、公務員の加入する共済健保に負担させた。
 医師不足対策として160億7000万円、肝炎患者の治療費助成、障害者の福祉サービス利用負担の軽減など、世論受けを狙った個別対策を列挙している。これらは、目先のごまかしにすぎず抜本的な解決策はなに1つない。医療・福祉の現場からは「診療報酬をわずか0・38%引き上げて医師不足が解決するわけがない」「医療費削減ありき、介護費削減ありきの切り捨て政策を変えず、目先のごまかしばかりだ」との猛反発が起こっている。
 世界的な食糧危機が問題になるなかで、自給率39%と落ちこみ輸入にたよる政府の姿勢が大きな問題になっている。このなかで、農林水産関係費は8年連続の削減である。07年度当初予算に比べ2・7%減の2兆6207億円。
 このなかで零細農家を切り捨て、担い手農家を育てる品目横断的経営安定対策には、2086億7000万円と要求額を上回る額を計上。一方で総選挙を意識して農政見直し関連として、07年度補正予算799億円を加えて1111億円を計上。その中味は、コメの減反調整を5年間にわたって拡大する農家などへの緊急対策として500億円を盛りこんだ。これも、まったくの目先だけのごまかしと評されている。
 公共投資では、整備新幹線の国・地方を合わせた総事業費は、過去最高の3069億円を計上。東北新幹線の八戸―新青森、九州新幹線の博多―新八代に重点配分する。これは利権誘導する自民党の要求を反映したものである。
 一方で、中小企業対策費は、前年度比わずか0・4%増の1646億円。だが、構造改革による独占・大企業の自由で、中小零細企業をなぎ倒す市場原理主義で、徹底した「自由化」をさらに押し進める。そのために、実効性のない「金融基盤の強化」「親会社の不当な圧力を排し、下請適正取引の推進」を掲げ、中小商工業者の関心を買おうとしている。

 点取り虫の育成に巨費 教 育 費
 教育費は、アメリカ型市場原理教育、「自由と人権」「個性重視」の文科省政策の破たんで、公教育の「信頼回復」なるものをかかげているが、日本国民が次世代の育成に求める人民的で民族的な人間を育てる方向とは真向から対立している。
 ソーシャルワーカーを活用するモデル事業に15億円を計上、「学校と家庭の仲立ちをすることで、教員の負担を軽減する」としているが、競争と差別分断による人間破壊を促進する教育、1部エリートと戦争の肉弾になる多数をつくり出す政策のごまかしである。
 そして、あろうことか小学校からの英語教育に一段と力を入れ、アメリカの属国化に適応する子どもをつくり出そうとしている。
 福田政府の08年度予算財務省原案は、歳入とかかわってNHKをはじめマスメディアを動員して、意図的に消費税増税論議を起こしている。
 それは、個人所得税が定率減税の廃止、各種控除の廃止・縮小による大増税をやったが、これ以上の増税策は限界。つぎに独占・大企業の5年連続の史上最高益更新で、5年連続の法人税増を見こんだが、この伸びが鈍化した。アメリカのサブプライムローンの破たんや原油高騰が日本経済を直撃しているからである。
 ここにきて、アメリカのいいなりに在日米軍再編に金をつぎこみ続け、アメリカの戦争の下請を担って、そのおこぼれで肥え太ろうとする日本独占資本集団は、福田政府に消費税率の引き上げを待ったなしで迫っている。
 アメリカが要求した630兆円の公共投資を、10年間で国・地方で忠実に実行し、そのばく大な資金は金利差を利用してアメリカに吸い上げられ、バブル経済を支えてきた。その国債、地方債乱発のつけが借金である。また、アメリカが国外に売り出した国債の3分の1以上を買いこんで、売ろうにも売れない状況となっている。
 この対米従属の国家財政構造を維持するために、消費税増税によって、子どもから高齢者、生活保護受給者、ワーキングプアを含めて、10〜17%という高税率による消費税で、骨までしぼり上げようと狙っている。
 世論の猛反撃を恐れて08年度予算案には盛りこんでいないが、政府の経済財政諮問会議や、自民・公明の与党税制調査会、政府の税制調査会、独占資本集団の日本経団連は、あげて「消費税率引き上げ不可避」を叫んでいる。
 福田政府は08年度予算案で、この論議を公然化して「社会保障費」を口実に強行をはかっている。だが、圧倒的多数の国民は、「アメリカいいなりに金を貢ぐことをやめろ」「国民あっての日本国だ」と世論を高め、行動に乗り出そうとしている。

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