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国債乱発し大企業・銀行救済
「雇用対策」は1600億円
              消費税増税で公金32兆円貢ぐ    2008年12月24日付

 麻生政府は20日、2009年度予算財務省原案を臨時閣議で各省庁に内示した。同時に閣議決定した08年度第2次補正予算とセットである。「景気対策」「雇用対策」を目玉としているが、抜本的な失業対策事業はなく、中小商工業者や農漁民のための景気対策もなく銀行・大企業のための巨額のてこ入れ、在日米軍への大盤振舞、海外派兵への軍備増強であり、スーパー中枢港湾整備、羽田空港拡張、整備新幹線の拡張など、独占・大企業のためのインフラ整備である。このために08年第2次補正で7兆4250億円、09年度当初予算で33兆2940億円の国債を乱発、2011年の消費税大増税で、労働者、勤労人民から大収奪し、帳尻を合わせる計画である。アリバイ的な「雇用対策」で独占・大企業の際限ない大量首切りをあけてとおし、国民経済をどん底に落としこみ、アメリカと独占・大企業に貢ぐ仕組みを浮き彫りにしている。
 09年度予算財務省原案とセットで組んだ08年度第2次補正予算は、アメリカ発世界恐慌下での銀行、独占・大企業へのてこ入れが突出している。銀行の資本増強のための公的資金投入枠を12兆円に拡大。さらに日本政策投資銀行をとおして、独占・大企業のコマーシャルペーパー(CP)の買いとり、銀行保有の証券を買いとる公的資金枠を20兆円盛りこんでいる。CPとは、大企業・金融機関が短期資金調達のために切った無担保の約束手形のことである。株をはじめとする証券にしろ、CPにしろ、カジノ金融崩壊で処理できずにかかえているものを国が公的資金で買いとってやるというわけである。
 一方、「雇用対策」というのは1600億円。その内容は都道府県に設置する基金を活用して、地方自治体が雇用・就業機会をつくるという丸投げで、まったくのアリバイ。失業者に住宅を無償で提供する事業主に助成するなど住宅・生活支援に40億円。人手不足が深刻な介護・福祉の仕事に関心を持つ人に、職場を体験する機会を提供する事業に45億円というありさま。
 これらは、独占・大企業の大量首切り、雇い止めをあけてとおすためのもので、政府が抜本的な失業対策事業を起こすなど、影さえ見えない。
 「中小企業対策」なるものは、信用保証協会による緊急保証の保証枠を20兆円に拡大。日本政策金融公庫によるセーフティネット貸付枠を10兆円に拡大。そのための基金約5900億円を盛りこんだとしている。
 これらは、中小企業の資金繰り対策で、「赤字で断られた」というケースも出ており、中小企業の7割が赤字経営という現実の中で、「役に立たない」との批判は強い。恐慌下での独占・大企業の犠牲転嫁と、大量首切りによる大衆消費購買力の激減の中で、「貸付だけではどうにもならない」と反発の声が上がっている。
 1人1万2000円という定額給付金や、高速道路料金の引き下げなどを出しているが、まったくのバラまきで「1万2000円もらっても仕方がない」と、巷で評判になっている。

 一般会計総額 過去最大の88兆円規模
 08年度第2次補正予算で、銀行、大企業救済に32兆円を投入する枠を先行して決定。そのうえで組んだのが2009年度予算財務省原案である。
 一般会計総額は88兆5480億円(08年度当初予算比6・6%増)で、過去最大規模。税収はアメリカ発世界恐慌下で46兆1030億円(同14%減)と落ちこんだ。特別会計の埋蔵金とり崩しなどの税外収入が9兆1510億円、新規国債の発行が33兆2940億円(同31・3%増)で、公債依存度は37・6%の借金財政である。
 このもとで独占・大企業の市場づくりである公共事業費は08年度比2857億円増の7兆209億円を計上。「重点化」と称して、大都市圏の港湾・空港整備、九州新幹線などの大型事業に集中している。
 東京、横浜、名古屋、大阪などスーパー中枢港湾の施設整備を推進するプロジェクトに同19億円増の620億円を計上。羽田空港の航空路整備に同15億円増の334億円を計上。九州新幹線は2010年度内の全線開通に向けて、鹿児島ルートの整備を急ぐ。国費は08年当初同額の706億円で、自治体負担を含む事業費は、同15・6%増の3539億円を計上した。
 道路特定財源の一般財源化は骨抜きで地方に交付されてきた「地方道路整備臨時交付金」は、「地域活力基盤創造交付金」に名をかえて、9400億円を計上。
 無駄が指摘され、自治体や周辺住民から猛反対されているダム建設では一部中止・縮小をしたが、川辺川ダム(熊本県)に21億円、木戸川ダム(滋賀県)に5億円を計上、いずれも本体着工を前提とした予算を組んでいる。
 また、「成長力強化」を掲げ、経済産業省が主導する事業ファンドに投資する「イノベーション創造機構」の創設に、400億円を盛りこんだ。これは大学や大企業などの産学共同を推進し、行きづまった研究開発ベンチャーを買収・支援することや、大企業の研究・人員を利用してベンチャーファンドをつくることなどを計画。独占・大企業のもうけのため「技術革新」を政府が中心となって進めるもの。独占・大企業へのいたれりつくせりの貢献である。

 米軍の戦争に奉仕 軍事費は4兆8000億円
 在日米軍再編費は838億円と、前年度238億円の約3・5倍も計上する大盤振舞をはじめ、国民の苦難をよそに米軍への奉仕が突出している。大幅に増えたのは、米軍が米領グアムに建設する海兵隊基地の基盤整備費として346億円を貢ぐ。
 米原子力空母ジョージ・ワシントン艦載機部隊の移駐を計画している米軍岩国基地への移駐事業費は要求どおりの満額計上。102億700万円を盛りこんだ。今年度の58億4300万円から75%の大幅増額。
 おもな内訳は、艦載機移駐計画で増設を決めた東側誘導路などに28億円。艦載機の格納庫設計費12億円。艦載機移駐にともなう米軍住宅の調査費に1億9900万円、市内の住宅防音工事費に12億円、08年度補正の9億円を加えると21億円の計上。
 米海兵隊キャンプ・シュワブ(沖縄県名護市辺野古)沿岸部への新航空基地建設費も94億円で前年度比46億円増。シュワブ内の移設工事費60億円、環境アセス経費23億円に加え、辺野古沖の護岸工事を含む設計費として3億円を計上。
 また、沖縄に関する特別行動委員会(SACO)関係費が111億円。在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)が1928億円。これら在日米軍関係費は2788億円で前年度比で376億円増となっている。
 一方米軍の下請軍隊として海外派兵するために、アフガン派兵をアメリカに要求されている陸上自衛隊のCH47輸送ヘリ防弾板、エンジン増強などの改修費258億円を計上。IED(即製爆発装置)対処システム研究費4億円。移動式医療システムの整備に12億円を計上した。イージス艦を護衛する艦船2隻に1451億円。
 装備増強では、アメリカの本土を守るミサイル防衛(MD)関係の予算は1116億円。F15戦斗機機能強化に892億円、レーダーに探知されにくいステルス機の研究・試作費に85億円を計上した。
 防衛省の軍事費は、4兆7740億円。「第2の軍事費」といわれる情報収集衛星(軍事偵察衛星)関連経費642億円とあわせ4兆8382億円となった。

 農漁業の予算も削減 教育予算は610億円も減
 社会保障費は基礎年金の国庫負担を3分の1から2分の1に引き上げることで、24兆5917億円(前年度比13・8%増)となった。これは、1994年の年金改悪で支給開始年数を60歳から65歳としたさい、国会付帯決議していた公約を14年ぶりにようやく実行したもの。この間の政府の不履行による累積損で、国民がこうむった損失は、高い保険料と低い給付額となって押しつけられている。
 文教関係費は08年度費610億円減の5兆2130億円。削減姿勢を前面に押し出している。
 授業時間を増やす新学習指導要領への対応で教員定数の増員について文科省の1500人増員要求を退け、100人の増員でうち止めした。非常勤教員の増員も、1万5000人の増員要求を、7000人増に削減した。
 教職員給与も、義務教育等教員特別手当の縮減などで75億円削減。
 私学助成も1%(45億円)減の4456億円で3年連続の削減。私大助成も0・95%減、私立高校等助成は08年度と同額。国立大学運営交付金も1%削減。
 増えたのは学校耐震化で1010億円をつけ、08年度2次補正の786億円とあわせて、08年度当初比1・7倍となった。
 農林水産関係予算は、08年度当初比1769億円減の2兆4601億円を計上。9年連続の減額、5年連続の3兆円割れとなった。
 政府は12月初め、食料自給率を現在の40%から50%に引き上げるとした。しかし、独立国として異常な低自給率の主因である農産物輸入自由化を進め、水田・畑作経営安定化対策による中小農家切り捨てを強行するのでは、自給率向上どころか食の安定供給も破壊する。
 地方財政は、アメリカ発恐慌の転嫁によって、税収は激減、財源不足は、08年度の倍の10兆4700億円に達する。麻生政府は「1兆円上積み」を宣伝地方交付税の総額を15兆8200億円とした。だが、「1兆円増額」分は、先に見た「雇用創出」「地域の元気回復」のアリバイ政策のための財源という「枠」をはめられている。半分の5000億円はこれにあてることを見こんでいる。
 また「1兆円増額」もごまかしで、今年度予算と比べ地方交付税の増額分は4100億円にとどまっている。これは人件費や公共事業の必要経費を大幅に減らし、交付税を圧縮したからである。
 地方は財源不足を赤字地方債増発でまかなわざるをえなくなっている。

 3年後に消費税増税 2ケタ以上の増税明記
 08年度補正での7兆4250億円で、08年度も新規国債の発行は33兆円規模、09年度当初で33兆2940億円の新規国債発行で、09年度末には通常国債残高は581兆1000億円、一般会計税収の13年分にふくれ上がる。赤ちゃんから高齢者まで国民一人当り455万円の大借金である。
 麻生政府と自民・公明両与党は、3年後の2011年度から消費税率の2けた以上の大増税をすることを明記している。国債乱発によって、08年度補正、09年度当初の予算で、独占・大企業への巨額のてこ入れ、米軍への大盤振舞で貢いだつけを、消費税大増税によって、まかなうことを前提としている。労働者、勤労人民の結束した力によって、この企みをうち砕くことが求められている。

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