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国策で町を潰すモデルの上関
軍事利用が最大問題の原発
                林派に参院選で審判     2007年7月11日付

 中国電力の上関原発計画が浮上してから25年、上関町はさんざんにつぶされてきた。この上関原発計画は、中電が現地に事務所を置いて、まるでアメリカ占領軍・GHQのごとく町民支配の陰謀をめぐらしてすっかり中電の町にしてきたが、これは国、県側から国策としてやってきたものである。小泉政府から安倍政府に至るなかで、日本をつぶす売国の政治だと怒りが噴き上がっているが、原発問題を持ち込まれた上関町は、国策による農漁業と地方生活つぶしの典型となっている。上関原発は、自民党代議士の吹田氏が旗振りとなり、代議士では佐藤信二氏、林芳正氏などが推進し、平井前知事、二井知事がしゃにむに推進してきた。9月の上関町長選をまえにした参議院選挙は、この国策に対して上関町現地の町民だけではなく、全県、全国の人人が団結した力を結集する大きな機会となる。

 「国に騙された」との世論圧倒
 中電の上関原発計画に対して、25年の長期にわたり対峙してきた地元・上関町では、「中電と国策に騙された」という世論が圧倒するところとなっている。原発は「町の繁栄」をうたい文句に持ち込まれたが、四半世紀たった結果は漁業も農業も商工業もすっかり衰退し、人がまともに住めない町となった。原発推進は「町の繁栄」のためといっていたが、結果は町をつぶすものであった。上関町がこの地で歴史を刻んできた町民のものであるなら抜本的な見直しになる。しかし国策が働いてなおもごり押しとなっている。
 上関の衰退ぶりは、近年急速に加速している。25年の間に上関の人口は6900人から3700人にまで激減した。この5年間の人口減少率17%は、山口県内だけではなく中国5県の市町村のなかで最高という結果に現れることとなっている。国の地方切り捨てとあわせ、自民党林派の二井知事は、上関町も市町村合併に誘導し、予算をうち切って、地方生活の破壊に拍車をかけている。
 上関が無惨な結果になっているのは、たんに中電という企業が乗り込んだだけではできず、国、県が国策として権力を振るい、自民党や商業マスコミ、警察まで使うことによってやられたことである。上関原発問題は、この国策と対決しなければ解決にはならないことを示している。

 原発持ち込んだ国・県
 上関原発計画が浮上したのは1982年。1978年に豊北原発計画がうち負かされてから、中電はすぐに瀬戸内海側の上関に計画を移した。原発を持ち込んできたのは自民党であり、国、県であった。当初上関に原発を持ち込み、推進の先頭に立ったのは吹田ナ元代議士であり、その落選後は佐藤信二氏が旗を振ってきた。周辺では、熊毛郡区で吉井、柳井市区では長谷川、光市区では河野などの県議が、原発利権の中心となって、市町政・議員などの推進勢力を糾合してきた。
 上関原発計画は80年代にはすっかり行き詰まり頓挫していた。中電主導ではできないというので、その切り返しに乗り出したのが平井元県政である。平井県政は、現在まで深刻に尾を引く信漁連の経営破綻を利用して、漁協の反発を抑え、上関原発、岩国基地の沖合拡張、下関の人工島などの埋め立て事業を漁協に認めさせた。平井県政による信漁連問題の摘発とその処理の方向は、一切の犠牲を漁民に押しつけるとともに、上関原発計画などで打撃を受ける漁民の抵抗を抑えるために利用した。自民党林派がつくった信漁連の巨大欠損金を、これ幸いと歓迎したのである。これは中電にはできないことであった。
 さらに反対派の拠点である祝島の切り崩しで動いたのも平井知事であった。平井前知事は92年から4度にわたって祝島に渡り、「反対派の権威」山戸氏の抱き込みをやった。その結果として出てきたのが、1994年の漁業権書き換えで、祝島漁協が四代田ノ浦の地先にあった共同漁業権を放棄させることであった。すでに見込みがなくなっていた原発計画はこれで息を吹き返し、環境影響調査から漁業補償交渉まで動かせたのは、国に指図された平井県政であった。
 96年末には中電の正式申し入れとなったが、「マリンピアくろい」の破綻で信漁連問題がクローズアップされ、そのインチキな構図が暴露されるなかで、全県漁民の怒りが沸騰。そのなかで、周辺市町での原発計画への反対が表面化。98年の町議選では途方に暮れた推進派、反対派談合による無投票となって、再び行き詰まりが表面化。99年秋の東海村臨界事故によって「原発はもうこれまで」と誰もが思うところなった。 
 99年末には、突如125億円という破格な漁業補償金の提示でしゃにむに合意をとる力が働いた。2000年の衆議院選挙では、佐藤信二氏が「わししか原発はできない」と叫んでまわり、国策による推進の力を誇示したが、逆に住民の反発にあって自爆。
 ここで、原発推進のエースとして登場したのが自民党林派の二井知事で、県の公聴会を開催し、第1次公開ヒアリングに道を開いた。01年4月には、反対の理由を山ほどあげてまるで反対しているかのような顔をして「知事合意」の意見書をあげ、それによって国の基本計画への組み込みとなった。
 この時期、二井知事は縁戚関係になる林孝介氏(県商工会議所連合会会頭)を、最大株主の山口県の代表として中電の取締役に送り込んだ。マリンピアや先物取引で信漁連を食いつぶした林派が、犯罪的な責任を問われるどころか、岩国基地や上関原発、下関人工島を推進させた功績であるかのような扱いで、中電・原発利権にも乗り出したわけである。林芳正代議士も、佐藤信二代議士を追い落として山口県2区に影響力を広げようと動いて、「横着者」として反発を食らった経緯もある。

 合併で町解体策動 小泉政府になると・町予算もカット
 小泉政府になると、市町村予算をカットし、兵糧攻めにして合併に追い込む政策を強行。上関町についても、原発の優遇はやめ、合併で町を解体して、町民が住めない無人島化して町を取り上げる方向を進めた。岩国も経済制裁だが、上関も同じである。そして片山町長など国や中電に金を出せとゴネる古い推進派勢力を粛正した。その過程で加納町長が誕生したが、これも県警が異例の選挙違反摘発となり退陣させた。そして「町がどんなにつぶれようと、町民が困ろうと、中電や国、県には一切文句は言いません」という柏原町長と、議会体制を力ずくでつくった。これも権力による芸当である。
 中電が事務所を置いてGHQのような振る舞いをしてきた。選挙では、町民の個人情報を蓄積して、親兄弟、親類、知人、友人関係など掌握し、四方八方から懐柔、脅しが加わる。個人情報保護違反なんて屁のカッパであるが、選挙になると不正転入をやったり、選挙買収は恒例行事のようなもの。警察は、加納選挙だけが異例で、選挙の買収は公認してきたというのが町民の受け止めである。原発が国策となると法律など適用外になるという経験を山ほどしてきた。
 この国策に逆らうものへの無法行為がもっとも顕著だったのが、四代の神社地問題で、「死んでも土地は売らない」と拒否した故・林春彦宮司への攻撃である。県神社庁、神社本庁が自民党、中電の側に飼われて宮司解任を強行。二井知事の盟友で県公安委員長をやった末永汎本弁護士が推進側を弁護、ヤクザから裁判所、地元の推進派をそそのかして経済制裁まで加えるなど、権力総動員で、法治国家とはいえない謀略のかぎりをつくした。
 こうして選挙は町民ではなく中電が決めるというのが定着し、町長も議員も、漁協や区など町の上の方は中電の雇われ人ばかりのようになり、町のためにとか町民のためにということがなくなって、中電の町になってしまった。自民党安倍政府というのも、国民が何を思っているかはさっぱり分からず、アメリカに認められさえすれば何をやってもよいという神経だが、上関はもっと早くからそうなってきた。

 先行していた安倍政治
 安倍政府は岩国などで、米軍再編を受け入れなければ予算を出さないという制裁をやったりとか、国会審議などくそくらえで重要法案をごり押ししている。トップダウン1本槍で人のいうことを聞く耳がない暴走政治の姿を現して人人はびっくりしているが、上関では全然珍しいことではない。
 日本社会も日本民族の国ではなくなって、宇宙人のようなものが占領して日本の破壊活動をしている観があるが、町民の町ではなくなったような上関町はそのモデルケースの位置を占めている。上関町は日本中で1番ダメな町などというものもいたが、実際は日本全国の縮図であり、もっとも先行して安倍型政治が現れた町、それと長期に対決してきた町民の町ということができる。
 為政者がいかに国民の存在を無視したところで、国の力の源泉は国民であるし、上関町を成り立たせているのは中電や町長、議員ではなく町民である。

 先行していた安倍政治
 安倍政府は岩国などで、米軍再編を受け入れなければ予算を出さないという制裁をやったりとか、国会審議などくそくらえで重要法案をごり押ししている。トップダウン1本槍で人のいうことを聞く耳がない暴走政治の姿を現して人人はびっくりしているが、上関では全然珍しいことではない。
 日本社会も日本民族の国ではなくなって、宇宙人のようなものが占領して日本の破壊活動をしている観があるが、町民の町ではなくなったような上関町はそのモデルケースの位置を占めている。上関町は日本中で1番ダメな町などというものもいたが、実際は日本全国の縮図であり、もっとも先行して安倍型政治が現れた町、それと長期に対決してきた町民の町ということができる。
 為政者がいかに国民の存在を無視したところで、国の力の源泉は国民であるし、上関町を成り立たせているのは中電や町長、議員ではなく町民である。

 軍事直結の姿暴露 祝島抗議行動時に自衛艦威嚇・核戦争の標的
 最近の町民が驚いた問題は、中電が田ノ浦でやるボーリング調査に祝島の住民が抗議行動をしている際に、沖合に自衛艦が2隻、3時間あまり待機し、威嚇したことである。原爆は「しょうがない」といって日本を守る気なんてないことを暴露した久間辞職防衛相だが、沖縄の辺野古でも自衛隊を派遣したり、昔の憲兵隊のような国民情報調査をやって開き直ったりとしている。いまや自衛隊が祝島に武力侵攻をし、日本国民と戦争をはじめるような姿を、暴露するところとなっている。
 この事件は、原発が軍事と直結した問題であることを示すところとなった。原発は電力を生産するだけではなく、ウランを燃やして原爆の材料であるプルトニウムを作り出すもので第1級の軍事施設である。したがってミサイル戦争になったら最大の標的となる。広島原爆の数1000倍の放射能を抱えており、破壊されたなら国土は廃虚となる。現在、すでに原発の沖には海上保安庁の巡視船が常時待機する状態となっており、政府は武力攻撃事態で防衛体制をとる施設として、米軍基地と同格の扱いで原発をあげている。
 上関原発計画は、隣接する米軍岩国基地への厚木基地・空母艦載機移転計画と連動して、この広島に面した地域を核の生産、攻撃基地として大増強するものである。上関町を町民がものをいえないようにして、人が住めないようにする政治は、軍事目的のためといったら説明がつく。上関原発のはらむ問題として最大は、軍事利用と戦争の標的になるという問題として、現地だけではなく全県的、全国的な重大問題として対応しなければならないことを示している。
 上関町長選は9月に迫っているが、推進派は影の薄い柏原町長が手を挙げ、「反対派」の看板を掛けて柏原与党で飯を食ってきた幹部集団は手を挙げる様子はまだない。町内の上の方にただよう既存の政治勢力は立ち腐れ町政のモデルのような存在となっているのだ。
 このような状態は、25年にわたって、国、県、自民党が国策を振りかざすことによって作り出したものである。上関原発問題は、原水爆戦争を引き寄せ、農漁業を破壊して食糧自給もできなくし、地方生活を切って捨てる全国的な政治の典型となっている。それは上関現地の町民の問題であるが、それだけではなく国策と対決する全県、全国の人民の共通の利益に関わる問題である。
 山口県では、参議院選挙で、安倍内閣の内閣副大臣になっている林芳正氏が自民党から立つ。林派は信漁連を破綻させ、全県漁民の恨みの的になっている。だが漁民だけではなく、岩国基地拡張や軍港になろうとしている下関人工島建設とともに、上関原発の漁場売り飛ばしに決定的な役割を果たした。参議院選挙において、二井知事とともに林派が進めた上関原発問題は、全県民が審判を下すべき重要な問題となっている。上関町において、参議院選挙で、全県、全国と結びついて国策と対決する力がどれだけ結集するか、大きな注目点となっている。

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