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候補者は何をしたいかのべよ
下関市議選・鋭い市民の関心
              ぶざまな自分宣伝だけ   2007年1月31日付

 下関市議選は告示から投票日までの中間点を迎えた。各候補のポスターが貼られ宣伝カーが走り回るなかで、市民の関心は一段と鋭くなっている。貼り出されたポスターを見て上がっている意見は、「大きな顔と大きな名前と、何を意味するのかわからない文句がいかに多いことか」「自分の売り込みばかりで市民のために何をしようというのか、下関をどうしようというのかがない」ことに、今更ながらあきれている。なかには、「1番いい顔を出したつもりだろうが、議員になったらなんと汚い顔が多いものか」という感想すらある。

 口八丁の体質さらす現職組
 議員になって下関をどうしようというのか、何をしたいのか、さっぱりいわない候補が多い。「歌を忘れたカナリヤ」が「ペコちゃん」をやっている姿を見せられる市民の身にもなってほしいと語られている。ちなみに不二家の「ペコちゃん」は「賞味期限切れ」という問題であった。この4年、市民の生活は激変し、のんきなことをいっている場合ではない。そこにそうとうに時代遅れをした「天下泰平組」があらわれているという実感である。
 郡部からは、本当に22人が出たことに、その地域はもちろん旧市内の市民も唖然としてあきれるばかりとなっている。地域から議員がいなくなっても、自爆したほうがよいというのである。地域がどうなっても「ワシの1000万円」の報酬目的の我欲対抗戦とみんなが見ている。加えて、合併しているのにまだ町議選をやっている     ポスター掲示板の前で論議する市民
つもりであり、これも時代遅れ現象で人迷惑な話だといわれている。
 あるかぽーと推進組はそれがいいことと思っているわけだから、いかに大事なことかを選挙で訴えればよいが、はっきりいうものはいない。市民の税金200億〜300億円を使い、市民から寄付もとってJRの駅を建設するのを使命とするものもいるが、それをやることが市民にとっていかにいいことなのか、選挙カーで市内中で叫んで回ればよいのにいわない。江島市長にくっついて、新市庁舎建設や、第2関門橋計画、さらに下関を北九州に身売りする関門特別市計画を推進するというのなら、それを市民に訴えればいいのに、これも黙っている。それをいわないのは、よいのは自分にとってであり、市民にとっては悪いことだと知っているからである。市民はだますものだと心得ているのだろうか。日頃は威張っている議員なのに、どうして泥棒猫のようにコソコソしているのか。
 さらに自民党であることははっきりしているのに無所属を名乗ったり、いままで江島市長となれ合ってきたのに、にわか江島市長反対者を名乗る部分もあらわれている。あるかぽーと計画を推進してきたものが、「反対してきた」とウソをいうものもいる。これは詐欺ではないかと論議は弾む。いずれにしても票を集めるのは、手八丁口八丁なのだと心得ているのであろうか。
 「野党」と自称する革新系も、ドブ板の世話でいかに手柄をあげたのかの自慢話ばかりをし、江島市政が全市民を苦しめることに対する歯止めになることをどのようにやったのか、いまからどうするのかの主張がないと語られている。生活保護や公営住宅入居その他の斡旋で、自分の票が集まり1000万円年収の議席を温めるのにはいいだろうが、その結果執行部に頭が上がらなくなり、裏では執行部によく見られるように振る舞い、全市民の利益を犠牲にするという関係ではないか。江島市政に対して、1番の批判者のような格好をして、実際には江島執行部が困らない範囲でおさめていく。これも紳士ぶった屁理屈でごまかすのではなく、本音の方を堂堂といえばいいではないか、との市民の声は広がっている。
 市議会は、市民の要求を集めて、政策を決め、執行部に実行させていくためにある、というのが議会ができたたてまえである。現実はすっかり逆になってしまっていて、執行部のやることに片っ端から承認を与え、その小遣いをするのが年収1000万円をもらうものの仕事であって、市民がどんなに嫌うことであろうが知ったことではない、というのが定説にすらなっている。それがすっかり体質になってしまって、選挙になっても格好をつけることもできなくなっているのである。
 こんな状況では、「議員も程度が悪くなったものだ」という声とともに、「自分たち有権者の1票もずいぶん軽い扱いになったものだ」との怒りの声はかつてなく渦巻くものとなっている。さて投票日までは、まだ期日がある。立候補者たるものは、議員になって市民のために何をしたいのか、いまからでも遅くないので声を大きくして訴えてもらわなければならない。
 市議選の当落は、郡部自爆構図によって現職議席温存の構図である。しかし、選挙の意味は、当落の顔ぶれだけにあるのではない。現職が議席を占めたとしても、実質不信任となれば一昨年の市長選につづいて、江島市政不信を意味することになり、安倍総理、林副大臣の地元における不信を証明することになる。それは市政変革の大きな意味を持つことになる。

 何してきたか疑問 口口に語る市民・「口先だけ」と憤り
 唐戸の市役所周辺は、毎日何10台もの宣伝カーが行きかう。ある婦人店主は「自分のひいきばっかりだ。他のことはめったにいわない」とのべる。別商店の男性は「いままで何をやってきたか、現職の人はいうべきだ」と憤りをのべる。
 安岡地区の50代婦人は、「マルショクに自転車で買物に行ったら、入口のところでお姉さんたちが、ペコペコしていた。候補はふんぞり返って、礼1つしなかった。企業票でもう当選した気持ちなんだろう」と、苦り切った顔で話す。
 長府の男性は、59人候補者の顔入り新聞に、だめなものに赤ペンでバツを書き込んでいる。あるかぽーと開発の公開質問状で無回答だった議員一覧を壁に貼り出しているところもある。鮮魚店の婦人は「宣伝カーから黄色い声でいいことばかりいって回ってもだめだ。4年間、何してきたかを堂堂といえる人が何人いるか」と語る。
 長府商店街の婦人は、「現職の人は口ばっかりで、何もしない。市民のために、行動してこなかった」「新博物館のときは、議会が可決したのを、署名運動や自治会の人たちがひっくり返した。100億円以上もかけるのに、何で議会がやれないのか」とのべる。
 市民の生活は4年前とはガラッと様相が変わってきた。ところが現職陣営のほとんどは「過去の4年間、実績を残してきた。がんばります」「これまで数数の実績を積み上げてきた」と語る。市民からは「これ以上、やってもらったら困る。冗談じゃない」(彦島・男性)「夕張のようにする気か!」(貴船町・男性)と、怒りを通りこしてあきれられている。
 朝の唐戸市場にも、あるかぽーと賛成派の現職が挨拶にきた。市場の婦人たちは、「有権者の目は厳しいよ。あるかぽーとをつくれば、中野書店がつぶれたように、別のところがつぶれるだけだ。うちら選挙権を持っている人をばかにしてはいけないよ」と、顔を見合わせていた。近くの男性は「下関が活気が出ていない、さびれていく。安倍さんが首相になって、活力がすいとられていくような感じがしている」「だから安倍内閣は国民の支持率も減るんやろう。みんながしっかり考えて投票に行かないといけない」と語る。
 建設業の男性は、「下関市はもう1つ大型公共事業をやれば、本当に夕張になってしまう。江島市長でも安倍首相でも、財政破たんした街をしっかり見てきたか。金を腐るように持って、老後の心配も何もない連中に、市民の気持ちはわかるはずがない」と憤怒の念がこみ上げたという。

 締めつけるほど広がる反発 逆効果の組織選挙
 議員たちは市内業者に運動しろと要求するが、「会社に議員が来て、今度こそ議長になるから、応援してくれという。何でおまえのために、やらないといけないのかと腹が立った」と反発を広げている。
 30代の元建設労働者は、「江島市政打倒」のスローガンを見て「これならいい」と叫んだ。59人乱立には、「議員は38の議席からこぼれんように、自分のため回っているだけ。おれらとは関係ない」と、初めは棄権するつもりだった。「型枠大工やユンボ、とび職を10年間やってきたがやめた。足場を組む予算がないからと、キャタツに板をわたすだけでいいとか、3人でやるところを1人でやれとか、工事現場はデタラメなことになっている。建築基準法違反の足場で、死傷者が出たら一生悔やまなければいけなくなるとやめた」「江島市長は市外発注が多いのに、なぜ議会はいうことを聞くやつばかりなんだ」と語った。
 彦島の婦人は、「長男が“1カ月前から自殺しようかと考えていた。お母さんにいえんし、ずっと悩んでいた”といってきた。“あんた裁判所に行きなさい。人間追いこまれたら何でもできる”と励ました。こんな身近にもある」「現職議員は1000万円の報酬がかかっているから、必死なんだろう。自分のためでなく、市民のためにやる議員を選ばないといけない」としみじみと話した。
 20代のJR労働者は、会社や組合の推薦に不信感をぶつける。「候補が、職場に1回だけ“やってくれ”ときただけだ。上のものがいってこようと、僕らには関係ない。いまの組合は当局のいいなりで、全然役に立たない。西宮の脱線事故があったが、うちの職場もギシギシにしばられて、いつ何があってもおかしくない状態だ」と、現場の実態とだぶらせた。
 駅前で客待ちのタクシー運転手は、「サンデン交通で組合に入っていたが、第2組合の小浜議長のような人間が10年以上も居座るくらいだから、市議会も知れたもんだ。あれらのために働くものがバラバラになって、こんなことになった」と、吐き捨てるように語る。「いままでは殿様みたいにしていた議員が、地域を回り始めた。だけど地域は盛り上がっていない。市民が団結したら強くなる。今度の選挙は面白くしないといけない」といった。
 長府商店街の50代婦人は、市議選は市民運動のバロメーターととらえる。「いままで署名などしたことはなかった。あんなのいらないのにと、町の隅っこでグチをいうのがおちだった。ゴミ袋値下げでやり、新博物館撤回の署名で成功して初めて分かった。議会にまかせていてはだめ。市民の運動でないといけない」「いまは見本の夕張市がある。財政破たんになるまえに、市民の運動から議員を送り込まないといけない。今回の選挙は注目している」と語る。

  旧郡部 名前の連呼に呆れ顔
     −相手にされぬ市議への「昇格」戦−  「候補問いつめよ」の声も

 大乱立のまま選挙戦になだれこんだ下関市旧4町では、合併後初の市議選にしらけた雰囲気が漂っている。旧町民の目には現職組が町議から市議への「昇格」戦を争っているだけにしか映らず、住民のために何をがんばるのか、市議会議員として江島市政とどのような姿勢で対置していくのか、争点が見えない。合併による弊害が徐徐に顔をのぞかせている旧4町において、住民が付託したい願いは山積している。しかし上層では、「あいつ」と「こいつ」のどうでもよい抗争が勃発。議員ゼロという郷土の危機よりも、「わしの議席」が優先した形で選挙戦に突入してしまった。
 豊浦町に住む50代の婦人は、「残念ながら心に響く訴えがない」と漏らした。名前の連呼は朝から晩まで、何陣営かが駆け抜けていく。しかし空虚な感じが拭えない。表に出て来る人の姿もまばらだ。「町全体が冷めているように見える。熱心に票を集める人が、今回ほどいない選挙は見たことがない。近所とも、“(候補者たちは)いったい何を考えているんだろう?”と話になる。10人も出てきたら、1人が1000票ちょっとしかなくなる。町議選でそんなに票をとったことなどないのに、○○候補は“下関から票をもらえる”といっていた。呆れている人が多い」と様子を話した。
 「旧4町のなかで豊浦町は1番人口が多い町。1万6000人も有権者がいて“議員ゼロ”に、なった場合、これは考えないといけない事態だと思う」というのは40代の男性。市長選の際、江島市政の実態についてあまり知らなかった。「下関に住んでいる友人に聞いて、接戦だった理由がようやく理解できた。最近でも箱物利権が目白押しで、旧市内の自治会や商店会までが怒っているのがニュースで流れる。よほどのことだろう。合併して郡部は予算が大幅に削られたと役場に勤める知り合いから聞いた。箱物につぎこむお金があるなら、なぜ旧4町の予算を削減するのか。豊浦はまだしも、豊田・豊北の奥地はいまからたいへんな状況になるのではないか。地方は間違いなく切り捨てられているし、旧四町こそ、住民が一丸となって市政や県政にもの申す動きがいると思う。今回の選挙は、この人ならと思える候補が見つからないのも実情です」と語った。
 漁業に従事する男性は「(旧町から出馬した候補者で)4桁に乗せる人間が何人いるだろうかと話題になる。漁業代表として8年前の町議選で○○候補を担いだが、当選したら仕事もせずにあぐらをかかれた経験がある。合併して、この町の水産関連予算は約六億円あったのが約3億円にまで減額された。しかし○○候補は問題にもしてこなかった。議員なら、みんなのために壁が剥がれても、家が壊れても奉仕するのが役目。いまどきは人のために尽くす議員がほんとうにいなくなって残念に思う」と語る。

 我欲抗争には距離置く住民
 我欲抗争に距離を置く住民も少なくない。黒井地区に住む婦人の1人は「あのお寺の坊主(候補者)をどうにかしてほしい」と語る。最近、境内の庫裡(くり)を立派にしたばかり。檀家には1人60万円の寄付が求められたと漏らす。「夫婦でハワイ旅行に行って、選挙にも出て、60万円の寄付をさせるくらいなら、あんな立派な庫裡(くり)など建てなければいいのに、とみんながいっている」と語った。地域では「今回の選挙で頭を冷やさせるべきでは」と大話題だ。「仏に仕える身としてはまず檀家の心配をしてほしいし、市議会議員としては責任をもって住民のことを心配してもらいたかった。“失われた2年間”といわれると、ほんとうにそうだと思う。議員の肩書きで威張るだけなら、誰でもできます」といった。
 「地域から1人でも住民のために働く候補を」の願いも虚しく、大乱立になったのは豊北町も同じだ。
 漁業関係の仕事に就く男性は「選挙がどっちを向こうが、誰が当選しようが何も変わらないだろうというのが本音。いままでがそうだったから」といった。「まるで現職の市議会議員昇格戦みたいだ。あの人たちの報酬が1000万円になるというだけで、1人当選しようが7人全員当選しようが、どれほど町民のために働いてくれるだろうか。68人もいながら2年間も下関市議会で小さくなっていたのだから、1人2人の少人数になったら、もっと田舎コンプレックス丸出しになるに違いない。利権事業推進の頭数に過ぎなかったというのが情けない限りだ。1人でもいい、次の選挙ではもっと性根のあるリーダーを送り出さないと、いまからの豊北町が心配だ」と、危惧(ぐ)していた。
 「“町民のために働きます”というが、みんなで具体的に何をしたいのか問いつめたらいいと思う。選挙のときはウソでも何でも平気でいうから困る。ウグイス嬢の声と、ポスターの顔で決めたらもったいない」と苦笑いするのは、滝部に住む60代の男性。しかし名前の連呼以外に政策の見える候補は乏しく、ポスターをながめると「GOOD下関」とかさまざま。「これはどういう意味だろう?」と首をかしげた。「昔はもっと町のことを考えたリーダーがいた。それがいない。下関の端っこの豊北について、江島市長は理解できないだろう。利権の心配をしている人間が、郡部に気配りする人間とも思えない。“そのまんま東”が宮崎で当選したが、自民党とかいまの政治にみんなが腹を立てていると思う。自民党支持者だった私がいうのだから、世の中変わったなと思う。市議選は誰にしようか迷っている」といってポスターを隅から見始めた。

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