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構造改革と日米同盟を堅持
福田内閣発足
             破綻した自民党の新内閣    2007年9月26日付

 安倍氏辞任にともなって自民党総裁に福田康夫氏が選ばれ、衆議院で福田氏が首相に指名された。安倍、福田と2人続いて国民の審判を受けていない総理であり、議会制民主主義にも反している。福田氏は総裁選で小泉改革の継承、日米同盟の堅持を中心にすると表明、政府も自民党も「生まれ変わる」ため、背水の陣でのぞむとしてきた。自民党4役や新内閣の布陣を見ても、安倍氏の「敵前逃亡」的な辞任を招いた自民党の崩壊状況、その根源にあるアメリカいいなりの構造改革、戦争協力など売国政治にまったく反省がないことが明白である。先の参院選で示された民意に逆らう限り、いかに政治手法を手直ししようと、早晩破たんは避けられない。
 23日の自民党総裁選で総裁となった福田氏は、幹事長に伊吹、総務会長に二階、政調会長に谷垣、新設の選挙対策委員長に古賀を選任した。いずれも福田支持に雪崩をうった主要派閥の領袖である。小泉元首相に相当に破壊されたはずの各派閥ではあるが、それに頼って「党再生」を標ぼうせざるをえないところまで自民党が崩壊したことの証である。
 25日に発足した福田新内閣は、「国会開会中」を理由に参院選惨敗後の改造内閣の陣容とほぼ変わらなかった。閣僚18人のうち、再任が13三人、留任して横滑りしたのが2人、新任は総理を含めてたった3人だった。横滑りで外相から官房長官になった町村と、防衛相から外相になった高村、防衛相に新任された石破の人事には意味がある。
 町村は元森派をついだ町村派の会長であり、小泉内閣の外相をつとめた根っからの親米派。日米安保協議委員会(2プラス2)で米軍再編にともなう岩国への米艦載機部隊の移転や、沖縄・名護への普天間基地移転などを受け入れた張本人だ。また、日本の国連安保理入りに懸命となり、「アメリカのための1票稼ぎ」と笑われたことでも知られる。福田首相の所属派閥の長として、内政、外交で福田のお目付役が主たる役柄といえる。
 高村は派閥領袖として総裁選で福田を支持した1人だが、外相に横滑りさせたのは親米を信条としながら中国などアジア外交を重視するという福田の外交路線を遂行することが役目である。
 防衛庁長官経験者の石破が防衛相に新任されたのは彼のタカ派的な姿勢を買われたもの。石破がかつて誰よりも「朝鮮の脅威」を声高に叫び、「ミサイル発射基地を先に叩く」と先制攻撃を公言したことは有名である。当面は「テロ特措法」を強行すること、岩国や沖縄で行き詰まっている米軍再編を打開すること、首相補佐官として留任した中山と連携して拉致問題で圧力を強めることが主な役目であろう。
 財務相として再任された額賀は、津島派の代表代行であるが、小泉改革の続行に熱心で、消費税率引き上げで「財政再建」を唱えることを買われている。経済産業相として再任された甘利と二人三脚で、アメリカの求める規制緩和、構造改革を遂行することが役目である。

 破産した売国政治継続
 安倍が「選挙の顔」ともてはやされて自民党が雪崩をうって総裁・総理に担ぎ上げられたのは1年前のことだ。それが先の参院選で惨敗し、国会開会後に権力を投げ出した。安倍の無能・非力もあろうが、前代未聞の辞任劇となったのは自民党全体の責任であり、アメリカのいいなりとなってきた売国政治の破たんである。
 1990年代なかばから、とくに小泉内閣で段階を画した改革は、郵政民営化に象徴されるように、アメリカ資本に日本市場を売り渡すものだった。そして競争主義、市場主義が煽られ、大資本や村上ファンドなど投機資本はボロもうけしたが、農漁業は立ちゆかなくなり、中小・零細業者は容赦なくなぎ倒され、非正規雇用が増大してとくに若者の貧困化が進んだ。加えて医療費や介護保険料、住民税の引き上げ、生活保護費など福祉の切り捨てなどは、貧困層とくに高齢者を生きていけないようにし、自殺者が毎年三万人を超える事態を生み出した。
 安倍内閣はこの改革路線を引き継ぐとともに、憲法改定のための国民投票法や、集団的自衛権の行使、教育基本法の改悪などを、「戦後レジームからの脱却」と称して強行した。それは、ブッシュ政府が求めるアメリカ本土を守るための日本全土の軍事基地化、米軍の下請としての自衛隊の海外派兵など、日本を戦争のできる国にするためであった。
 こうした軍事、経済、行政、社会保障、教育などあらゆる面で、アメリカの対日支配を強めるため、小泉・安倍は「官邸主導」と称して独裁政治を進め、アメリカからの要求を即座に実行できる体制をつくった。安倍にいたっては、ホワイトハウスの物まねをして首相補佐官5人からなる「チーム安倍」なるものをつくり、アメリカにならった国家安全保障会議も設置しようとした。そのもとで、今年の通常国会での審議では強行採決を17回もやり、一連の悪法を通した。
 生活の段階を画した窮乏化アメリカのための戦争国家づくりに広範な国民の怒りが爆発した。原爆投下は「しょうがない」と発言した久間防衛相の首が飛んだのは象徴的な出来事で、参院選で自民党に鉄槌が下された。福田首相は総裁選で「若い人には希望を、働く人、お年寄りには安心をもたらす国にしたい」といったが、小泉以来の市場原理主義の構造改革を継承する限り、それはウソとなる。また「話し合いの政治」と協調型の手法をとっていくといっているが、その欺瞞も通用するものではない。今国会で焦点となる「テロ特措法」は、アメリカの至上命令であり、福田政府の行き詰まり、破産は火を見るよりも明らかである。

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