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京都大学で反響呼んだ原爆展
衝撃受け鋭く反応する学生たち
                総選挙や戦争情勢重ね    2014年11月26日付

 【関西】 京都大学11月祭の屋内企画で「原爆と戦争展」がとりくまれた。22〜24日、関西のみならず福島県や愛知県など京大へ進学をめざす高校生、関西圏の大学生、京大生の親や祖父母など家族、卒業生、11月祭を見学に来た子ども連れの市民など400人以上が訪れた。
 
 安倍の暴走を許さぬ世論沸騰

 今回の会場は文学部新館の大講義室(階段教室)で、「原爆と大戦の真実」パネルや福島原発事故関連パネルなどを四方に配置し、机部分に「占領下の京大原爆展」「学徒出陣」のパネルと当時の京大生の文章や京大原爆被害調査団の様子を描いた文章や、戦時中の遺品、戦争関連の写真集や書籍も並べ、「京都大学と原爆」「学徒出陣」を説明したしおりを配った。主催した京大生とともに地域の原爆展スタッフがとりくみ運営した。鹿児島で空襲で焼け出され、引っ越した広島で原爆にあった被爆者もかけつけ、学生に体験を話した。
 参観者は熱心に見て、160枚余のアンケートが回収され、真剣な感想・意見が寄せられた。若者は「授業で習うより深い事情が分かった」「学校では習わなくて知らなかったことが多くあり勉強になった」「学校の授業では教えてくれないことが分かってよかった(原発が原爆を作れる可能性を残しておくために作られていることに驚いた)」(高校生)と反応。「戦前の展示から戦後、そして現在へとつながっている展示方法が歴史をダイナミックに捉えることができて分かりやすかった」(21歳・大学生)、「迫力に圧倒された。戦争は悲惨というが言葉だけでは伝わらない。このリアルさをいつも見なければいけないのだと感じた。“日本は平和をめざす国”というコンセンサスが崩れてきていると感じている」(20代・社会人)と感想を寄せた。
 京大生の母親(47歳)は「時系列にそった分かりやすい展示だと思いました。思わず目を背けたくなる写真もありましたが現実だったと思います。祖父もインパール作戦の生き残りで帰国してからマラリアで生死をさまよったそうです。人を殺したら殺人罪になるのに戦争という一言でそれを問われなくなることに、これからも疑義を持ち続けたい」と記し、別の母親は、「見たことのない記事を見ることができ事実を知ることができた。戦争がない時代を私たちが守らなければと思った。子どもに強く伝えたい」(42歳)と寄せた。
 「原発、集団的自衛権、TPPなど関連パネルについて、また最近の世の中の動きで気になっていることについて」の項目では、「不穏な雰囲気が漂っている現在の日本、二度と過去をくり返してはいけない。衆院が解散されたが、自民党を勝たしてしまったら、さらに悪い方向に進んでいく気がする。正しい判断をしてほしい」「戦犯の孫安倍晋三が衆院選挙で勝利させる愚をくり返してはならない」「この総選挙で安倍さんは辞めてもらいたい」「今の日本の政治は国民のためではない」「原発再稼働へひた走る現政権には疑問を感じている」「集団的自衛権について、平和と安心した日々の中で勉学に励む若者たちを不安にさせてはいけない。現実にならないために大人が声をあげるべき」など、多彩な意見が寄せられた。
 
 寄せられたアンケートより
 中・高校生、大学生

 ▼学校の勉強や、自分は歴史が好きなので本などで学んでいたよりも、はるかに残酷なことがあったのを知り驚愕した。特に、原爆投下直後の広島・長崎の姿や多くの民間人が殺され、地形が変わるほどの艦砲射撃を受けた沖縄などの様子から、民間人である私達もいつ殺されるのかわからないと恐怖した。もし日本が外国と戦争になった場合、狙われるのは原発だろうし、そこで爆撃を受けたなら福島第一原発などの被害を上回る大事故になると思う。(14歳・男子中学生)
 ▼資料中の痛々しい写真を見て深く考えさせられるものがありました。戦時中の貴重な資料たちは、眺めているだけで当時の兵士たちの叫びが聞こえてくるような、とてもやるせない気持ちになりました。広島を訪れたことはありませんが、多感である今、訪れるべきだと実感しました。原爆の体験がある日本だからできることがある、そんなことを探して生活していきたいと思います。戦争だけに関わらず、現在の日本は政治的な社会的な大きな問題を抱えています。そんな問題を解決する糸口を過去の過ちから発見することもできるのではないかと思いました。(15歳・女子中学生)
 ▼学校でどんなに話を聞いても身近に感じることができない戦争が、今日の展示を見て、あまりに生々しい悲惨な写真に驚きました。先月、学校のとりくみで「英語でディベート」をしました。トピックは「原発を廃止すべきか」というもので、私たちは環境問題やお金の側面ばかりから考えていましたが、今日の展示を見て「被爆国である日本」だからこそ考えられる視点もあると思いました。(16歳・女子高校生)
 ▼私くらいの年代だと、戦争についてほとんど何も知らないので、それではいけないと思う。学校の授業だけで完結してしまっている人がどれだけ多いことか。もっと知らなければいけないなと思った。政府が自分らの知らないところで勝手に政策をぐいぐい進めているのが恐い。何が民主主義だよ、って思います。(16歳・女子高校生)
 ▼戦争を終結させるために、仕方なく投下されたかのような原爆も、沖縄や本土の米軍の残虐な襲撃の様子などを見て、戦争にいいも悪いもないものだと思いました。なぜ戦争は天皇の名のもとに行なわれたのに天皇制は存続されているのか。アメリカはなぜ日本を救ったかのようにいわれているのか。自分たちが受ける情報や、学校の授業に対しても疑問を持ちました。(16歳・女子高校生)
 ▼実際に写真を見せられると、今からは考えられないような光景ばかりで、絶対にあってはならないものだと痛感した。今の小学生にも伝えていく必要があると思うし、若い世代が引き継がなければ平和はやってこないと思う。他国での戦争をなくすためにもしっかりしていきたい。(17歳・男子高校生)
 ▼印象に残ったのは原爆投下後の症状の写真です。同じ人間であるのにとても衝撃でした。今後、戦争を体験した人が生の声で後世の人に残すのはとても難しくなる。経験者が年老いていくと同時に平和な時代しか知らない若い人たちがいるからで、周りの人にもっと戦争のことを知ってもらいたいなと思った。(18歳・女子大学生)
 ▼アメリカの日本兵の掃討や飢餓者の方が多く出ていたことなど、学校では習わなくて知らなかったことが多くあり、勉強になりました。アメリカ占領下に日本が悪かったという教育がされているせいで、「アメリカの戦争責任」とかいう言葉をあまり聞かないのかなと思いました。TPPは無理に参加してもメリットが少ないから、当初いっていた不参加という選択も考えてほしい。(19歳・男子大学生)
 ▼ここにあるのは本物の死と不幸と悲しみ、そしてそれを乗り越えていく意志でした。戦争はダメだと思うし、絶対に嫌だ。集団的自衛権、そんなものはごまかしだ。アメリカのための兵士になれっていうのがこれだと思う。賛成できるはずがない。原発はなくてもなんとかなると思う。(19歳・男子大学生)
 ▼戦争について知らないことが多かったことに気づかされた。パネルを読むことでアメリカが何を企んでいたのかを知ることができて、本当によかったと思う。TPPについては前から気になっていたことだったので、詳しい内容を知ることができてよかった。僕はやっぱり、TPPには反対だ。(20歳・男子大学生)
 ▼新聞形式で簡潔にまとめられていて分かりやすかった。京都が大空襲を逃れた理由が印象的だった。米国の正義は米国だけのものであり疑問を強く感じた。(20歳・男子学生)
 ▼私は今までなぜ日本が国防という国家の最も大事な機能を米国に任せ、のうのうとしていられるのかを疑問に思っていました。あの戦争で米国がいかに日本を骨抜きにしようとしていたか深く考えました。現代日本が米国の属国となっているという表現には納得させられました。(20歳・男子大学生)
 ▼日本各地が被害にあっていたことを知って驚きました。ガソリンが降ってきたりとか、その場にいた人はとても怖い思いをしたと思います。もう二度と原爆被害を日本だけでなく世界中でもないように願っています。とても見やすく分かりやすかったです。実物も置いてあったので深く知ることができました。(20歳・女子大学生)
 ▼私の出身は沖縄で沖縄戦についてはよく語り部から伺っていました。しかし、戦後60年以上経った今、その数は年年減っているため、今の平和ボケしている人達(若者)の心に響く体験談を伺う機会が減っているのは遺憾です。しかし、今回のような企画が根強く開催されていることを嬉しく思います。原爆の写真はとても心に響きました。貴重な機会をありがとうございました。(20歳・女子大学生)
 ▼私は集団的自衛権と原発に断固反対である。そして日本人はアイデンティティをもう一度よく考えるべきだ。自国と他国の歴史、文化、社会を学び、考えるプロセスを教育に取り入れ、愛国者を増やさなければ崩壊するだろう。(21歳・男子学生)
 ▼こんなにたくさんの資料を見たことがなかったので、とても勉強になりました。酷い状況で生き抜いてきた日本人を見て、自分自身も甘えちゃいけないなと思いました。アメリカが戦争を終わらせたという風潮はすごく怖いし、日本もアメリカの犬になって国民に言い聞かせていることに恐怖を感じました。これからも若い人たちが経験談を聞いて、本当の真実を知ってほしい。正直、原発はなぜなくならないのか疑問に思っています。政治家がお金のため、アメリカのためにやっているようにしか見えません。集団的自衛権で日本の若者が銃を持ってまた命を奪うなんて考えると、日本の政治家が腹立たしくて仕方ありません。日本の観光を推しているのにTPPで日本の伝統を消そうとしているのも政治家は何を考えているのか、不安になります。(21歳・女子大学生)
 
 戦争体験者、現役世代

 ▼戦争の知識は現在の学校教育では不十分に思う。今回のように展示会などに足を運ばなければ知り得ない情報があることはひじょうに問題があるように感じる。臭いものにはフタをではないけれど社会がそういう過去をあまり見せないようにしている。戦争体験者が減ってしまったいま、悲劇を繰り返さないために、もう少し子どもの頃から戦争について触れられる機会は必要だと思う。(26歳・男性)
 ▼国家によって青春を犠牲にされ、また殺された若者たちが本当にいたたまれないと思った。戦争はもう二度と起こしてはいけないと学ぶべきなのに、それにまったく逆行している。日本は安倍政権主導の政治でどんどん悪い方向に向かっている。TPPで遺伝子組替の食品が横行する危険性があり、原発はいまだ推進する方向である。(30歳・男性)
 ▼最近の安倍政権の外交、安保政策には危機感を覚えます。敗戦によって戦後日本の《不戦》の国是を転回する動きには反対です。その意味で、このパネル展示は過去を学ぶためにもひじょうに参考になりました。時勢は社会が右傾化していますが、このような活動にはシンパシーを覚えます。今後も活動がんばってください。(39歳・男性)
 ▼家族で11月祭に参加し、この前を通ったときに主人が「是非みたい」といったので入ってみました。パネルを見進めていくうちに胸が締めつけられ涙がでてきました。一緒に見ていた子ども二人も衝撃を受けたようです。私は介護の仕事をしており、関わっている高齢者の方から常日頃「学徒動員」「疎開」「機銃掃射」などの言葉はよく聞いています。また実際に中国で戦争を体験された方、満州で生活されていた方など。長崎で被爆された方は今も月に一回通院(検査のため)されています。その人たちの体験談とパネルがリンクし、今の高齢者がどれほど苦労されたかと心が痛みます。生きておられる間に戦争体験は語り継ぐべきと思います。(39歳・女性)
 ▼集団的自衛権を認めることで平和になるなんてありえない。積極的平和主義などという言葉で国民をごまかし、戦争のできる国にしようとしているとしか思えない。日本人は70年平和を守り、平和ボケといわれるほど戦争と無縁になれたのに……。なぜ自国民を殺したいのかまったく理解できない。(41歳・女性)
 ▼悲惨な歴史を歩んでしまった悲劇、当時の為政者たちが本当の意味で責任をとっていないので、いまの社会もきちんとケジメがついてないのではないか。いまの政治に関わる人たちはほとんどが「政治屋さん」「政治業者」ばかりで「政治家」「先生」と呼べる人はなきに等しい。それが情けない。(43歳・男性)
 ▼アメリカが良くて日本がバカだったかのような教育を受けてきましたが、展示でアメリカが無差別爆撃をしたりした事実を知り驚きました。降参したくてもできなかった沖縄の人たちだったんだと思いました。人の心を平常でいられなくして、どんどん洗脳し扇動していった政府って恐ろしいです。二度と戦争はしてはいけない。(46歳・女性)
 ▼原爆と戦争は同じ戦争の傷と見るには同じような違うような感じがします。もっと早く終結できなかったのか。私の父も工場工員として24時間プロペラを作っていたそうです。戦地に行って戦死した方は死を覚悟して行かれたと思う。武器もなく食糧もなく……早く終わっていればと思います。原爆も投下する必要はなかったと思います。これからの未来の子どもたちはどうなるのか。孫もいて何かと気がかりです。(58歳・女性)
 ▼戦争は絶対にしてはいけない。若い人たちが無駄に命を落としたことが本当に悲しいです。沖縄の人たちに対しても、未だに国は負担を強いていて、いたたまれない思いがします。今の日本は、とても危険な方向に向かっていると思います。あの戦争から何を学んだのかといいたい。犠牲になるのはいつも最も弱い人たちです。安倍政権と自民党の「やりたい放題」の状況を絶対に阻止しないといけないと思います。(59歳・女性)
 ▼わが人生を振り返り、戦争が祖父母、両親、そして兄弟に最大、最高の苦しみを与えた。わが家は空襲で丸焼け、食べ物も衣類もなく悲惨な生活でした。小生のライフワークとして、幕末から昭和までの歴史、世相、原因、責任、日本人のあり方までずっと考察しています。貴重な資料、展示のお世話に感謝します。次世代のためにも続けていただきたい。(78歳・男性)

 

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