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 座談会 発足4カ月をどう見るか
末期症状をていす安倍政府
                アメリカ崇拝の暴走チーム    2007年1月22日付

 安倍内閣が昨年9月に発足して4カ月近くになった。安倍代理市政がしかれる地元下関では江島市長をはじめ側近連中の暴走がはじまったが、つぎつぎに頓挫していった。これは国政のありようを象徴するもので、一方で朝鮮制裁の大騒ぎをし、防衛省昇格、自衛隊海外派兵の本来任務への格上げ、教育基本法改悪などのさまざまな重要法案を「戦後レジーム(体制)の脱却」といってしゃにむにおし進めてきたが、もう一方では、発足するとすぐにブッシュ共和党が中間選挙で敗北して安倍人脈のネオコン族が首になり、朝鮮制裁も浮き上がり、つぎからつぎへと不祥事は暴露されてしどろもどろの対応となっている。ここにあらわれている情勢はどういうものか、安倍内閣の現状をどう評価するか、記者座談会を開いて論議した。

 米国の下請ばかり 相手にされぬ外交・欧州もアジアも
 司会 まずは外交面からみたらどうだろうか。
  安倍首相は就任後、真先に中国や「韓国」を訪問した。そして「村山談話を受け継ぐ」といい関係改善を演出した。これは「小泉前首相が靖国参拝をやって冷え込んだ関係を改善しろ」というアメリカの指示で飛んだものだった。
 アメリカは中国について基本的には大きくアジア、太平洋地域に軍事包囲網をしき「いつでも戦争をやるぞ」という構えを作るが、今の中国指導部とは仲良くし、広大な市場だけはアメリカがとるという関係できた。だから日本が中国や「韓国」とけんかして、関係がぶち壊されては困る。だから「すぐいってこい」というものだった。確かに安倍は膠着状態の緩和はした。しかし基本的な関係は変わらない。
  年頭からの欧州歴訪もブッシュの走り使いだ。いまイラクでもアフガンでもとにかく兵隊が足りない。何とか兵隊を調達しないといけないので、ブッシュが昨年11月のNATO(北大西洋条約機構)首脳会議で「グローバル・パートナーシップ計画」を出した。それは、NATOに日本、オーストラリアと手を組ませ、自衛隊と豪軍をアフガンやイラクに派兵するというものだ。とくにアフガンは旧タリバンが復活してきてNATOは兵隊が足りない。アメリカも出す力がなくて、やられっぱなしだ。
 しかし、オーストラリアは「米軍が増派するのはいいが、増派はしない」という状況だ。それで、ブッシュは日本の自衛隊出動に期待をかけている。防衛省に昇格させ、自衛隊法を改正して本来任務にするのはまさにそのためだ。それを売り込みにいった。欧州は表面上は北朝鮮制裁に賛成だというが、アメリカの召使が走り使いにきたとしか受け止めていない。ひじょうに冷ややかな扱いだった。独立した主権国家として扱われていないわけだ。
  安倍首相はかなり踏み込んだことを表明した。防衛省発足にふれて「国際平和協力活動を本来任務として敢然と遂行する用意がある」といい切り、「日本人は国際的な平和と安全のためなら、自衛隊が海外で活動することはためらわない」といった。こんなことを国際的な関係で約束したわけだ。国内を動員できるかどうかもわからないのに。
  NATOの理事会で日本の首相が演説したのは戦後史のなかで初めてだ。NATOは米欧の軍事同盟だ。だからまさに日本の自衛隊を世界のどこの戦争でも使ってくださいという宣言をしてきたということだ。
  それにつづいてやられたのが一連の首脳会議、ASEAN(東南アジア諸国連合)、ASEAN+3、東アジアサミットだ。東アジア共同体を中国が主導して、ASEAN10カ国と日本、「韓国」を加え13カ国で作る動きが強まっている。
 日本はそれに「アメリカを入れてほしい」といって断られ、今度は「もう3カ国、オーストラリア、ニュージーランド、インドをいれてほしい」と持ち込んだ。ブッシュは昨年のAPEC(アジア太平洋経済閣僚会議)で、それを尻押しする提案をやった。ようするに、日本主導で東アジア共同体を作って、それをアメリカが支配し市場にする狙いを持っていたが、結局東アジアサミットでは13カ国でいくと確認され、日本案は棚上げされた。

 軌道修正すらもできず 朝鮮対応も
  もう1つは北朝鮮との関係だ。安倍政府は核実験問題で制裁を騒いだ。ところがアメリカはブッシュが中間選挙で大敗し、朝鮮とは直接対話でいく方向へ舵を切らざるをえなくなった。それで去年六者協議を再開した。そして今年に入り引き続き金融制裁の解除など米朝間の対話をしている。最近は、アメリカも北朝鮮も「一定の成果があった」となり、六者協議を来月開くといっている。安倍政府の方は、取り残されてしまって、軌道修正もできない。アメリカの属国は六者協議に出てこなくていいと朝鮮側からいわれるザマだ。
  どうにもならないから山崎が「対話がないのはダメだ」といって朝鮮にいった。政府側は文句をいうが、止めることもできない。制裁決議は公務員の渡航禁止だったはずなのに。
  イラク問題もそうだ。あれだけ撤兵世論が高まったなかで、ブッシュ共和党は中間選挙に負けた。そこで撤兵を含む手直し案がベーカー元国務長官らの「研究グループ」からされたが、ブッシュは逆に増派することを決めた。やけくそだ。これを支持をしたのは、安倍政府ぐらいだ。ヨーロッパも支持しないし、親米のオーストラリアも「米軍増派は支持するがうちは出さない」という。多国籍軍の方はつぎつぎに撤退している。
  中国と関係改善するというが、東アジア共同体構想では歯がたたない。ヨーロッパでも笑いものだ。破産するブッシュにくっついて「海外派遣します」といい、そのために改憲や防衛省にするというような突っ走りをやっているということだ。
  国際的な外交のところでは笑いものになっている。外交主権を持った国とは、朝鮮からもヨーロッパからも認められていない。しかし本人の方は大満足の様子だ。田舎者の「洋行帰り」のようなものだ。
  国際的な情勢の判断力とか見識とかがまるでないということを世界中で証明してまわっているようなものだ。安倍首相本人は「親父は外交に強かった。わしも内政や経済はわからないが外交ならば」と外交からいったらしいが、内政も外交もひどい状況で閣内や自民党内でも反発がでている。
  本間政府税調会長が辞任するときに安倍がはぐらかし発言をしたのが頭にきたという人が多い。「あんたの任命責任はどうか」と問われて「本人の一身上の都合」と13回もいったと笑われている。内政でもかなり醜態をさらしている。

 軍事面では突っ走り 米本土防衛の為ミサイル配備・防衛省も発足
 司会 安倍内閣は方向として何をやろうとしているのだろうか。ヨタヨタしながら、教育基本法改悪や防衛省昇格をやり、憲法改定をやると騒いでいる。この辺は、郵政造反組の復党もあわせて自民党大多数で、民主党が同じ主張をし、「日共」修正主義集団や社民党なども大衆運動の意志も能力がないというなかで、フリーパス状態だ。とくに軍事面などは特徴的だ。
  沖縄では、米軍の迎撃ミサイル配備を着着と進めている。嘉手納基地には昨年10月に地対空パトリオット・ミサイルを陸揚げし、そのミサイルを使う米陸軍防空砲兵大隊400人の着任式をした。来月に最新鋭のステルス戦斗機12機を配備するというが、これも米兵など250人を配備する。「基地負担軽減」というが大増強だ。
  アメリカは昨年末、青森に配備した早期警戒レーダー「Xバンドレーダー」を日本に追加配備するよう要求した。そのとき米側は「米本土と米軍基地をねらうミサイルの監視が役割」と明言した。安倍首相も11月に「米本土防衛のためだ」と公言した。「日本防衛」ではなくアメリカのタテにすると公然というところに来ている。ローレス米国防次官補も「日本にあるミサイルは米本土防衛のためだ」といっている。これを日本で撃ち落としたら、日本を攻撃してくれという関係だ。
  朝鮮のミサイル問題の時、青森に配備したXバンドレーダーは一発も捕捉しなかった。日本に飛んできても米本土ではないから関係ないというもので、最初から米本土に向かうミサイルしか捕捉しないようになっている。集団自衛権は憲法を変えるとか変えないとかいう前に先行実施に踏み込んでいる。
  2月の国会に提出する米軍再編推進法案は、米軍再編事業の進ちょく状況に応じて交付金を出す新制度をつくるものだ。米軍部隊を受入れ、米軍のために人も金も出す自治体だけに手厚く交付金を出す内容で、第1段階が「自治体の受入れ表明」、第2段階が「環境影響評価の実施段階」、第3段階が「基地の着工」、最後に「完成」の4段階に応じて交付金を支出する。岩国などでは基礎工事が進んでいる市役所建設の予算を、「いうことを聞かないから出さない」とやる。夕張へのやり方もひどいものだが、安倍政府のやり方はまさに国民制裁政治であることを暴露している。
  結局、アメリカは兵隊もいないが、金もない。これを日本がみんな貢ぐということだ。米軍再編もすべて米軍の都合だ。在沖米軍のグアム移転も、沖縄が攻撃されるから米兵とその家族をグアムに避難させるものだ。
  このグアム移転のために7050億円もつぎ込んで、道路も住宅もすべて日本が作ってやるのだからひどい対米従属ぶりだ。在日米軍再編には日本が総額で3兆円以上つぎ込む。
  そして防衛庁をペンタゴン(米国防総省)をまねた「防衛省」にした。防衛庁長官は防衛大臣にして強権をもたせるし、今後の組織改変では米軍再編などを促進する「日米防衛協力課」を新設し、大臣官房には「米軍再編調整官」を新設するという。結局、アメリカ直結の下請体制だ。そのうえに自衛隊法改定でも「付随的任務」だった「海外活動」を「本来任務」に変えた。イラクやアフガンなど、アメリカの国益のための戦争に日本の自衛隊を肉弾として使わせ、日本本土をアメリカの戦争のための戦場にする。外国の軍隊が60年も居座ることが異常だが、その外国軍のための費用を日本の税金でまかなう。そして日本を破滅に導くような戦争に引き込む。バカげた道を突っ走っている。

 活発な財界の動き 強まる外資の支配・教育までに介入
  安倍政府になって財界の動きも活発だ。最近経団連が打ち出した「希望の国、日本」(御手洗ビジョン)は日本をアメリカと同じ制度にするもので小泉改革以上の内容だ。財界が乗り出して、アメリカの要求を強力に進めるものだ。金利はタダ、消費税は上げて法人税はさげろという。御手洗体制とはアメリカ直結型だ。旧来の財界とだいぶ様変わりなため「これほど横着な財界はない」との批判も強い。
  労働政策でも、残業代をタダにしろとか、労働契約制なども、就業規則で決めればなにをやってもいいように変えろとか、好き放題いっている。税制なども、「グローバル対応の税制をやれ」といっている。そして企業減税と大衆への増税ばかり打ち出している。
  教育にも財界がくちばしを入れている。教育再生会議には、トヨタの張会長、ワタミ社長なども入って、まさにアメリカ資本の代理人だ。
  教育再生会議の座長は野依良治だが、これもノーベル賞をもらったが教育の専門家ではない。メンバーもオリンピック選手とかヤンキー先生とかエッセイストとかどんな見識があるのかわからない者ばかりだ。
  教育再生も大騒ぎしたが、年末に出された再生会議報告原案は、やり直しになるハメになった。今は何か右翼的な発言をしたものが審議会に取り立てられ、国策を決める。経済は経済諮問会議、教育は教育再生会議、安保は日本版NSC(安保会議)となっている。
  ここに、アメリカに直結した財界の指導が入る。御手洗はアメリカで経済人になった人物で、キヤノンは外資の支配が強い。日本の財界がアメリカ財界に従属して生き延びていく、そのために日本民族の利益を売り飛ばすという性格はそうとうに露骨になっている。
  今度の日銀の金利引き上げ見送りというのもアメリカの要求だ。アメリカは日本資金の流入がへったら困るからだ。日銀といえば、政府から独立しているというのがたてまえだったが、そんな権威は全くなくなった。
  好景気というが、もうけているのは輸出企業だ。アメリカや中国市場に依存して輸出でもうけている。代表格がトヨタだ。外人労働者や期間工、請負労働など殺人的な使い捨て労働や下請業者への犠牲、そして輸出の見返りの農水産物輸入による国内農漁業の打撃など、国内を食いつぶして2兆円ももうけている。これが政治や軍事や教育などにもくちばしを入れる。社会が崩壊するのは当然だ。
  安倍政府はヨタヨタ内閣なのに、防衛省とか教育基本法とか大きな法案をつくっている。それは国会で与党・自民党が大多数をとっていること、そして民主党など全然対抗軸になってないからだ。だから国会で重要法案がどんどん通る。教育基本法でも民主党は、「審議が不十分」と引きのばすだけで、結局賛成した。改憲問題も国民投票法案の対象年齢を何歳にするかでもませただけだ。
  改憲で「国際貢献を熱心にやる」という姿勢は、自民党より民主党の方が熱心だ。湾岸戦争の時などをみても小沢民主党党首がその急先鋒だったことはよく知られている。
  安倍政府は「日共」修正主義や社民に助けられている。朝鮮核実験問題の時は「日共」は傘下の労組や被爆者団体や婦人団体などを総動員して連日「核実験抗議」の行動を繰り広げ「朝鮮制裁」にもっとも熱心だった。衆参両院で核実験抗議決議を出したときも、新聞『あかはた』は「共産党の主張が反映された」と報道した。アメリカに対して「自分たちは逆らわない」ということを必死で証明しようとする。全国的な大衆斗争を起こして、戦争をやる敵と正面からたたかうことの妨害者になって、対米従属を支えている。

 官邸主導も行き詰まり 不祥事は続出・自民党内も大矛盾
  自民党内や官僚との矛盾も表面化している。不祥事も内部からだいぶ暴露されている。安倍ではダメだという流れが表面化している。安倍は短命というのがほとんどの定説となっている。
  11月には教育をめぐるタウンミーティングのやらせ質問がばれて安倍首相、塩崎官房長官、伊吹文科相、長勢法相、冬柴国交相は報酬3カ月返納となるし、企業減税で突っ走った本間税調会長は公務員官舎への愛人との入居問題で更迭された。行革の要の佐田行革担当相は「不適切な会計処理」が摘発され年末に辞任した。
  年頭からも伊吹文科相、松岡農相、中川自民党政調会長などの一連の事務所費問題が発覚した。つぎつぎに内部からばらされている。
  内閣もホワイトハウス型というがさっぱり機能しない。官邸主導で配置された5人の補佐官は、安全保障・小池百合子、教育再生・山谷えり子、経済・根本匠、ら致問題・中山恭子、広報・世耕弘成だが影が薄い。
  ある教授は「チーム安倍というのは恐るべき子供同好会だ」といい、「権力を担うことへの恐れや緊張が全然ない」といっている。好きなことをいうだけで機能しない。
  それで安倍は「よきにはからえ」だから、核問題などでも言いたい放題だ。中川政調会長や麻生外相などが核武装論議を平気で言い出す。政権に規制された自覚もない。それを安倍は「個人の自由」という。閣僚も代議士も、立場に規制された公人だという意識がないようだ。「カラスの勝手でしょう」という連中ではないか。
  「学園祭実行委員会内閣」といういわれ方もしている。日本の命運にかかわる核武装問題を「個人の自由」などというのはまさに子供のゲーム感覚だ。
  やること、なすことがハチャメチャだから、具体的に何かをやろうと思っても軋轢が起きて引っ込める。残業代をタダにする「ホワイトカラー・エグゼンプション」でも説明すればするほど反発がでて行き詰まるし、首相補佐官の権限を強化する法案も提出できない。引っ込める法案が多い。
  官邸主導政治といって大騒ぎしたが、全然主導にならない。大統領選挙で通ったわけでもないのに、ホワイトハウスみたいな真似をやろうといったって、無理な話だ。「チーム安倍」といわれるが、これはアメリカのハーバード大学留学組が中心だ。ハーバード大のケネディスクールで教壇に立ったCIA(アメリカ中央情報局)東アジア担当だったエズラ・ボーゲルが毎年来て、アメリカの政策を教えこんでいく。
 チルドレンがそれをその通りに承ってやるだけだ。竹中平蔵とかも林芳正もそうだが、80年代のレーガン大統領時期にアメリカからしこまれた連中だ。
  塩崎官房長官への反発も強い。官房長官は政策を説明するスポークスマンだが英語ばかり使う。朝鮮核実験問題では「インテリジェンス(機密情報)に関わる」とごまかし、「キック・オフ・スピーカー(冒頭発言者)」「ウィン、ウィン(双方有利な)」「フォーミュラ(計算式)」「エクスパティーズ(専門知識)」と横文字ばかり使う。記者から「センシティブ(微妙)の日本語の意味は」と聞かれて立ち往生する始末だ。安倍もカタカナが多いが、塩崎が原稿を書いているからだといわれている。日本国民を代表した閣僚と思っておらず、アメリカに任命された閣僚と思っているかのようだ。
  まさにブッシュ・チルドレン内閣だ。アメリカだけを尊敬し、それ以外を日本民族をふくめて蔑視する。アメリカに認められることだけを主張して、そのほかの恐れを知らない。そして外資や大企業の税金は大幅減税して貧乏人の税金だけを上げる、逆らうものは制裁で、平気で戦争にも突っ込む。そんな戦後政治の大変なことも、大変だと考えることもせずに、恐れを知らずに突っ走る。そんな見識も度量もない突っ走りのところがアメリカ支配層に見こまれた内閣といえるのではないか。
  軍事主権は放棄だが、外交主権も政治主権も放棄し、金融主権など経済主権も放棄。惨憺たる属国政治だ。
  最近、金持ちでいいところのエリート育ちが、妹や亭主をバラバラにした殺人事件が相次いだ。「チーム安倍」というのは、そういう種類の人種ではないか、そんな連中が国の権力を振り回して国民をバラバラ殺人していく、というような実感を受けるものは多いのではないか。

 先行する下関市政 米国の裏庭・中南米の様な位置
  下関では市町村合併にともなう市議選があるが、安倍政府の有り様を見ると、下関の江島市政スタイルが国政にまで広がったという感じだ。市民が食っていけないようにして大型の利権事業を連続する。自分に逆らうものは、徹底した入札排除などの制裁で絞め殺すまででもやる。安倍晋三、林芳正氏という80年代レーガン時期のアメリカ留学組で、選挙は先代の地盤に乗っかり、逆らったら食っていけないぞという調子で当選する。そういう代議士が支配の権力の地位にいて、アメリカの小学校を卒業した江島氏が市長をやる。この下関市政をどうするかという問題は、いまの国政に直結した全国的な性質を持っていることは疑いない。
  安倍総理誕生となったら、江島市長側近が暴走をはじめた。総理の権力を手に入れたからなにをやってもとがめられないという調子だ。文化会館建て替えの安倍総理実兄企業・三菱商事グループの落札問題、あるかぽーと埋め立て地の安倍、江島縁故企業へのたたき売り問題など、強行に動いた。そして市民の反対で頓挫した。
  下関市民のなかでは「宮崎や和歌山の知事の談合事件なんて下関と比べたらかわいいものだ」といわれる関係だ。地元業者の談合はやらせないというが、それにかわってやったのは、「究極の官製談合」だ。なんのことはない談合の独り占めだった。こういうのも全国先端を行っている。
  電子入札をいってきたのも国からきた若い官僚で、横須賀につぐ全国2番目の導入だった。新博物館のPFIをやろうとしたのも総務省の国際弁護士資格をもった30歳の官僚だった。下水道部を切り離したり、水道局に民間を入れるなど、切り売りをしようとしているという話もある。いままでは財政部が関与して予算作成は制約があった。それを特別会計にし管理者が自由にするものだ。
  下関はチルドレン政治の先行だ。安倍、林をバックにした江島市政は、30代の官僚をつれてきて突っ走る。それに小浜議長みたいなものがボス支配をするヒラメ議会がおり、市民を代表するというのは感覚の上からもないような状態だ。それがアメリカ型の最新式政治というわけだ。このようなことを日本全体でやろうとしている。
  江島市長がこの新年に、道州制との関係で北九州市と一緒になって関門特別市をやるといった。下関市を北九州市に身売りするというものだ。下関では、旧内日村などを合併していまでは年寄りが買い物に行くところもなく、病院に行くにも交通手段に困るようになった。そして今度旧豊浦郡4町も合併、吸収したが、下関全体を内日村のようにしようというわけだ。大型利権をメチャクチャにやるのも、夕張のようにして財政破たんさせたら、30万都市の身売りというような全国初の先例ができて、自分たちの手柄になるという感覚と見るほかはない。
  下関市議選がたたかわれているが、このなかで三池斗争のときうたわれていた炭坑労組の歌が「みんななかまだ働く仲間」と流れると、市民の各層のすごく深い共感がおこる。労働運動は壊滅し、平和運動も見えないが、大衆のなかでは「働くものの誇り」といったものがすごく新鮮に響く情勢になっている。
  下関市議選は、安倍支配の江島代理市政と市民のたたかいとして、政治的にはひじょうに注目されるたたかいだ。アメリカの裏庭といわれて、規制緩和・新自由主義が先行してやられた中南米で反米左翼政権があいついで誕生しているが、先行してアメリカ型安倍代理の江島市政がやられてきた下関は、日本の中南米のような位置にあるということかもしれない。

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