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またも福田首相が投げ出し
               売国政治に国民的な反撃     2008年9月3日付

 福田康夫首相が1日に突如辞任を発表した。1カ月前に内閣改造をし「私の国民目線の政策はきっと理解いただける」と大見得を切ったとたんに放り投げをやった。安倍前首相の放り出しにつづくもので、またも日本の総理大臣のお粗末さを見せつけるものとなった。しかし、この破たんは、別の人間にかわれば解決するものではなく、深刻な政治危機をあらわしている。小泉内閣以来、マスメディアが異常な世論操作をやり、聞く耳のない暴走で、戦時国家体制作り、構造改革・規制緩和の対米盲従・売国政治を強行してきた。それに反対する人民世論がほうはいとしてわき起こり、にっちもさっちもいかなくなっているのである。

 八方塞がりの自民党売国政府
 福田首相は登場して以来、なにをやっても支持率は低迷するばかり。国民を欺瞞することが出来ず、反発を食らうばかりとなった。
 アメリカが要求する最重要課題である米軍再編は、2月の岩国市長選では米軍と自民党の総力戦で強引に米軍再編賛成候補を当選させた。しかし、4月の衆院山口2区補選では岩国市民、山口県民に怒りの鉄槌を加えられ自民党候補が大惨敗。米軍再編計画に弾みをつけようとしたのが逆効果となった。岩国基地への厚木基地移転も、愛宕山への米軍住宅建設も行き詰まっている。沖縄や横須賀など全国の米軍再編計画も身動きがとれない状態に陥っている。
 アメリカからはアフガニスタンへの自衛隊派遣を再再要求されるが、国内外の反発が強くとても押し切ることは出来ない。
 さらに小泉・安倍政府以来進めてきた市場原理一本槍の規制緩和によって、日本社会はさんざんに破壊されたが、その上にサブプライムローンが破綻して世界的な金融危機に遭遇、投機資金による燃油や穀物をはじめ諸物価の高騰、国民の貧困化、産業の破壊を一段と促進し、その反発が巨大なものとなってあらわれてきた。
 燃料問題をめぐっては「米軍に無償給油するぐらいなら国民に無償給油しろ」との反発を無視し、揮発油(ガソリン)税の暫定税率を維持する改正租税特別措置法(4月)や、道路特定財源を10年維持する改正道路整備財源特例法(5五月)の再可決成立を衆院で強行。しかし諦めさせようという思惑ははずれ、噴出したのは果敢な抗議行動だった。
 7月15日には漁業者が「食料供給を担う漁業を守れ」と訴え、約20万隻の漁船による全国休漁ストに突入。先月26日には全日本トラック協会(全ト協)の運送業者2万人が「国民生活を支える物流を守れ」「日本の動脈を守れ」と訴え、総決起大会やトラックデモなどの全国統一行動に決起。農業者も「食料自給を守れ」と全国で抗議行動を展開した。バス協会、タクシー協会などさまざまな業界に行動が波及した。
 福田首相は8月4日、大慌てで「原油や食糧価格高騰を主因とした景気悪化に対応する総合的な景気対策」の検討に着手。「農業、水産業、運輸業への燃料費補填」などわずかなエサをまいて収拾しようとした。しかし「国を潰す売国政治をやめよ」という行動は広がる一方となっている。
 小泉改革で重視された派遣労働など安上がりな非正規雇用を増やす労働政策も行き詰まりを露呈した。財界が「使い勝手がいい」と強力に拡大することを推進してきた「日雇い派遣」は、派遣労働者が「非正規雇用をなくせ」「根本から変える必要がある」と声を上げるなかで「原則禁止」の動きとなった。7月末に厚生労働省の諮問機関「今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会」が、日雇い派遣原則禁止などを盛り込んだ報告書を厚労省に答申。臨時国会には厚労省が、改定派遣法案を提出せざるを得ない動きとなった。
 「規制緩和」の象徴的存在とされたタクシー業界も、限度を超したコスト削減競争で過労死や事故は多発し生存すら脅かされる事態となるなかで再規制の動きが加速。国土交通省は7月にタクシーの新規参入や増車の事前チェックを強める地域を拡大すると発表。来年通常国会では国交省が道路運送法改正案を提出し規制を強化する方向となった。
 そして介護・医療分野では年寄りに病気治療もさせない後期高齢者医療制度を導入し、福祉切り捨てや、市町村合併など地方切り捨ても実行した。これも、産科医不足で妊婦が死亡したり、介護を苦にした殺人、自殺、一家心中がたえないなか、医療・介護現場で抗議の声が噴出した。長期入院施設である療養病床を「2012年度に15万床にする」としていた目標は頓挫し、大慌てで医師不足対策に着手。後期高齢者医療制度で、低所得層の保険料引き下げを検討し、介護では介護報酬の増額を検討する動きとなった。
 辞任前の動きとして明らかなことは米軍再編、経済、労働、医療などさまざまな分野で市場原理・金儲け一本槍の外資、大企業天国の政治に反対する人民世論と斗争が自民党売国政府を八方塞がりに追いこんでいたことである。

 米政府に捨てられ辞任 テロ特措法も行詰り
 福田首相は北海道洞爺湖サミットを終えて内閣改造をやり「テロ特措法の継続をやる」といって忠誠を誓った。当初は新テロ特措法延長の衆院再議決を念頭に8月下旬の召集を検討。しかし口で何をいっても、実態として民主党を合意させる力はないし、公明党からも下部世論の突き上げを受けて反発が出る有様。結局、日程的に期限切れまでに再議決をすることが無理な9月召集の日取りとなった。
 そして米大使シーファーが動きだし、麻生幹事長やハーバード大出身の林防衛相と会見。福田首相はのけもの扱いとなった。最近、アメリカのアジア専門家の間では「福田政府がいつまで持ちこたえるか」を巡って憶測が飛び交い、麻生幹事長を軸にした政府が誕生することを見据えた分析が行われていたことも報じられている。いよいよブッシュ政府に捨てられたというのが辞任直前の出来事だった。
 このような売国と貧困、戦争の政治にたいして、全国民的な反撃が強まったこと、その力が国会内の各政党、自民党内の抗争を激化させてきた。
 しかし、福田から麻生ないしは小池に変わろうと、あるいは民主党に政権交代しようと、基本的に事態を変えることはできない。直面しているのは売国政治の破たんであり、深刻な政治危機である。
 アメリカと独占資本の方向は、政党政治による支配の破たんの中から、政界再編などを通じて、国民に聞く耳のないファッショ政治をやることである。このような中で、売国政治を破たんさせてきた力、すなわち全人民的な政治斗争を強めることが、貧困と失業、反動と戦争の売国の道に反対し、平和で豊かな社会を目指す上で最も重要なことである。

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