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最も打撃を受けている日本経済
             外需も内需も最大の縮小   2009年3月20日付

 昨年9月のリーマン・ショックに端を発した全世界的規模の金融恐慌がより深まりを見せている。金融博打のツケが実体経済に襲いかかり、人民生活に深刻な影響を与えつつ、一方では公的資金注入で国民資産をふんだくって、金融投機資本だけが延命をはかろうとしている。このなかで、小泉・竹中路線で外需依存と「金融立国」を志向してきた日本国内が、世界でも最も影響を被っている。銀行の貸し渋りで中小企業は相次ぐ倒産に追いこまれ、輸出に依存してきた製造業は大量首切りを強行して、この間だけでも十数万人の労働者が路頭に放り出されるなど、かつてない状況に直面している。

 首切りや中小企業倒産増加
 厚生労働省は2月末、昨年10月〜今年2月までに職を失ったり、失うことが確定している非正規雇用の労働者が、全国で15万7806人にのぼることを発表した。正社員でも9973人が職を失ったことがわかっている。製造業のリストラが頻発した昨年12月に3万6548人、今年1月も3万4834人と、企業がバンバン労働者の首を切っている。とりわけ製造業の落ち込みぶりがひどい。外需依存であるため、世界的な不況下で販売が伸び悩み、生産・輸出を抑制し、そのしわ寄せを労働者へと押しつけている。史上最高益を連発してきた経済界が、ここぞとばかりに派遣切りをやり、「ワークシェアリング」などと自分たちの腹が痛まないことばかりいっている。
 国内自動車大手の8社が2月末に発表した今年1月の輸出実績は、6社が過去最大の下落率を示す落ち込みとなった。内訳を見てみると、三菱自動車、マツダ、ダイハツの3社が7割超の減少幅で、トヨタ、日産、スズキも5割以上の落ち込みを見せている。米国や欧州、新興国などを対象にしてきたものだ。1月の世界生産台数は“世界のトヨタ”は前年同月比で43%減、ホンダは34%減、日産は54%減などと軒並み急減した。国内生産台数もトヨタ、日産、三菱、マツダが過去最大の減少幅となった。積み上がった在庫整理に躍起になっている。急激な円高や関税の負担を減らすため、車両生産をさらに海外に移管する動きもあり、そうなると国内製造業の空洞化に拍車がかかることになる。家電大手なども同様の傾向だ。
 1月の鉱工業指数速報(2005年を100〇とする)によると、生産指数は前月比で10%低下し、下落率は1953年2月以降で最大の落ち込みとなった。前年同月との比較では30・8%の低下であり、いかに急激かがわかる。1月の工業製品全体の輸出額は前年同月比で45・7%もの減少となり、自動車、電機、半導体をはじめとした輸出企業の生産縮小は、10〜12月期よりも、今年に入ってから一層ひどい状況に直面している。円高が進行していることから、輸出数量にも増して輸出単価が大幅に下がっている。1月の貿易赤字は連動して過去最悪となった。
 実体経済への影響はいまや計り知れないもので、日本国内では、職安には人が溢れ、路頭に放り出された労働者家庭の困窮ぶりは、生活保護のかつてない増加など、もろもろの現象にもあらわれている。大企業だけではなく、中小企業でも、ぱったりと民間の仕事がストップしたり、上から下まで「経験したことがないほど不景気」とみなが実感している。

 株下落の穴埋めに公金投入 日本が尻拭い
 この発端となった金融危機であるが、世界の株式市場の時価総額はピーク時の2007年10月から今年2月末時点で、3400兆円も吹き飛んでいる。そしてまだまだ損失は膨らむ趨勢になっている。
 NYダウは12年前の水準にまで落ち込んだ。驚くのは、それに比べて日経平均は26年前の水準にまで落ち込んでいることだ。日経平均の08年の年間下落率は、42%であるのと比較して、サブプライムローン破綻の当事国である米国の下落率は33%にとどまっている。震源地の米国市場より、日本の方が株式暴落の度合いはすさまじいことがわかる。それだけのカネが水の泡となって消え、メガバンクや独占大企業が大慌てで赤字のツケを労働者に押しつけているのである。
 “3月危機”が叫ばれるなか、金融機関の都合に合わせて3月の日経平均株価は7500円台にとどめることが至上命題と指摘され、不可解な買い上げでかつがつ体裁を保っている。放って置いたらさらに米国よりもひどい下落率になる。いまのところ、根拠がないのに何者かが買い上げをやっている。
 3月第1週の対外証券投資統計を見てみると、国内金融機関・法人が資金繰り対策で対外資産を売却していたにもかかわらず、売却2042億円にたいして、購入が5388億円で、3347億円もの「買い越し」になっている。「公的資金が買い上げた形跡だ」と専門家などは指摘している。
 日本国内の株式市場が米国よりもひどいのは、世界の金融投機資本や投資家が資金確保で売り逃げしているからにほかならない。国内株式市場において六割の売買シェアを占めてきた外資投機集団が、高値のうちに売り逃げするのを補う形で、日本の国民資産で政府が買い支えする。みなが知らぬ間に年金資金などが企業資金の穴埋めに張り替えられている。郵貯・簡保の株式運用もどうなっているのかさっぱりで、外資が運用顧問になって好き勝手に使われている。
 日本の公的資金つまり「ジャパンマネー」が唯一の買い手だと世界の経済誌などで取り上げられるほどで、まるで“貯金箱”扱いされている。ドブに捨てるように買い支えをした反動は、いずれ日本に降り注ぐことになる。
 年金資金だけ見ても市場運用分は約93兆円にものぼるが昨年7〜9月末だけで4兆2383億円の損失を出した。そして、続く昨年10〜12月期で5兆7000億円もの損失を出したと政府は公表した。日経平均はその後更に下落しており、今年1〜3月期の損失が、どれだけ膨れあがっているのかわからない。年金資金は株式運用だけでなく、企業社債(資金調達)などにも突っ込んでいるが、運用の詳細については明らかではない。

 AIG幹部は巨額ボーナス 救済企業どうなるか
 世界の富をかき集めてバブルを謳歌してきた米国では、政府が連日のように金融機関の「救済策」を打ち出している。FRBは今月19日、1兆j規模の金融緩和策を発表し、長期国債を半年以内に3000億j追加購入することと、資産担保証券を7500億j購入することなどを打ち出した。ところが赤字財政でカネはないので、米国債を大量に刷り散らかすほかない。そして紙屑同然の米国債を購入しろと日本にけしかけている。
 そして救済した巨大金融機関がどうなっているかというと、米国政府が17兆円も救済資金を提供したAIGでは、ドイツ銀行、ソシエテジェネラル、ロイヤルバンクオブスコットランド、UBS、BNPパリバなどヨーロッパの金融機関に九兆円を横流しして仲良く痛み分けしていたり2008年分のボーナスとしてAIG幹部400人が161億円を山分け(最高額は1人6億円)していたことが明らかになったり、デタラメである。メリルリンチの幹部らも億単位のボーナスを山分けしていた。
 国際的な投機資本が各国人民に犠牲を転嫁して、横暴に公金をかすめ取る。
 対米従属下の日本国内に最も影響があらわれていることは、必然的にそうなったという代物ではない。

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