トップページへ戻る

二元代表体なさぬ下関市議会
本池市議の一般質問
            首相真似て市長は答弁拒否   2015年6月19日付

  下関市議会の一般質問で、下関市民の会の本池妙子市議は17日、市立大学の正常化とかかわって、全国的な話題となった中尾市長の修士論文不合格問題や、大学の教育研究環境を巡る問題について執行部を問いただした。中尾市長はみずからが引き起こした修士号不合格問題について最後まで答弁拒否を貫き、論文について当事者適格のない部長たちが必死になって誤魔化す対応に終始した。答弁拒否が相変わらず許されるのが下関市議会であるが困ったときは無視するという中尾市長の子どもじみた対応を見て、「こんなだから修士論文が不合格になったのだ…」と妙に人人を納得させるものとなった。質疑応答の要旨を紹介する。
 
 修士論文不合格問題

 本池 昨年12月議会の一般質問のさいに、市長が市立大学大学院において修士号取得を目指していることについて質問した。そのさい市長は「大きな論文を書いていますのでお楽しみにして下さい」とのべていた。この春に500nにもおよぶ修士論文が不合格になったというニュースが全国に配信され、さらに市長が大学批判をくり広げたことでたいへん注目されることとなった。市長は一週間後の記者会見で「一連の騒動で混乱を招いた」として謝罪したが、どうしてこのような騒動になったと考えているのか。発端となった自身の振る舞いについて、現時点でどのように考えているのか。
 中尾市長(答弁拒否)
 松崎総務部長 下関市立大学大学院経済学研究科学生が作成したプロジェクト研究の成果の審査の結果が、市立大学以外の者に発表前に漏れたことについて対応が必要であると考えている。情報漏洩、守秘義務違反という起きてはならない問題について、学長のリーダーシップのもと解決すべき問題と考え、今後とも市立大学の動向に注視したい。
 本池 市長自身の振る舞いについて聞いているので、部長がわかるわけではない。自分の言葉で答えてほしい。市長はどうか。
 中尾市長(答弁拒否)
 本池 下関市民だけでなく世間一般からも広く注目された。私事の範疇をこえて下関市長としてどうだったのか検証しなければならないと考えている。大学設置者が受益者になろうとしていることへの違和感はもちろんだが、その後も学位を出さない大学が悪いといわんばかりの対応になったことに、私も大変な疑問を感じた。行政なり公共機関をみずからの持ち物のように見なしているのではないか? 先日の一般質問でも出されていたが、「公人」として学んだのか、「私人」として学んだのか、今一度確認したいと思う。これは市長にしかわからない。
 中尾市長(答弁拒否)
 砂原総合政策部長 市長の言葉でお答えする。学んだのは「私人」として、学生として学んでいる。
 本池 市長に聞いたことは市長に答えてもらいたい。「私人」つまり「学生」であるなら、その合否を判断された先生方に対して、あれほど激高したりする態度がとれるものなのか。みずからに何が足りなかったのか考えないのだろうか。不合格判定が出た後には、公用車で秘書課長を連れて市立大学や東亜大学に乗り込んだ。秘書課長は公務として引率したのか。「私人」であれば、職務上の秘書を私用で働かせたことになる。
 砂原総合政策部長 発表のあとには確かに秘書課長をともなって行っているが、これは二面あり、一つは合格発表以前に中身が漏れたという件、これは公務だ。これについて秘書課長が補助的な事務で参った。これとあわせて、結果の内容についてお話もした。両面ある。

 公人と私人を使い分け

 本池 一連の言動からいえることは、「公人」と「私人」が都合よく使い分けられていることだと思う。一言でいえば公私混同だ。不合格後に500ページの論文を持ち込んで定例記者会見に挑んだのもみずからで、それは「一学生」や「私人」ができることではない。市長だからできたことだ。全国ニュースになったのも市長だからだ。「いや、私は私人として大学に行ったのだ」といっても、世間から見たときに大学設置者が学位を求めたという関係に変わりない。また、修士号の結果が出る前の論文発表会には市の職員が多数出席していたと聞いている。いったい何人の職員が参加したのか、それらの職員は「休暇」をとっていたのか、それとも公務として「研修」の手続きをとっていたのか、公務時間中にどんな命令書なり指示が出ていたのか、いったい誰が指示したのか。
 松崎総務部長 修士論文発表会に何人の職員が出席していたのかについては市としては把握していない。業務に関連するものと判断した場合には勤務時間中に出席する可能性もあるし、個人的なもので参加したことには休暇を取得したと考えている。その判断は各職員、所属の判断によるものだろうと考えている。
 本池 各部、各課の判断で動いたのでしょう、ということがまかり通るのか。誰かの指示がなければあり得ない。公務時間中に市大に興味・関心があるから行くというのは大変なことだ。「把握していない」の一言で済ませるのは異常だ。
 松崎総務部長 今年2月10日のことだが、実際に私も参加した。まちづくり推進部を四月につくったが、それについてどのような部にするか、どのような配置にするか、という必要性から行かせていただいた。まちづくりについて担当していた職員も私と同じ理由で参加していると思う。全体として把握するものではない。
 本池 30人もの職員を動かされていながら、「把握していない」というのは異常だ。修士の学位は公人である「下関市長」ではなく、「私人」である中尾友昭氏が授与されるものだ。ところが市職員30人近くが聞いた論文発表会の論文は不合格になり、修士号を与えるにふさわしくないと判断された。では、不合格論文の発表から職員は何を学んだのか、参加されていた幹部職員の方がいるなら一言答弁をお願いする。発表した人間が市長ではなく、一般学生だったとして果たしてそれほどの人数の職員が公務時間中に行かれただろうか。
 松崎総務部長 30人という人数については把握していないので肯定も否定もしないが、やはりまずはまちづくり協議会、今後の地域振興の面での市長の考えを知ることができたということは、参加した一つの成果だろうと考えている。
 本池 修士号取得には大学院教員の3分の2の賛成が必要だ。賛成は18票、反対7票、白票6票、棄権者数人という結果に終わり、学位取得はならなかったと報道された。500ページもの論文を書こうと思うと、通常であればもう市長の公務どころではないだろうと他大学の大学研究者の方方も驚いておられた。逆に論文とはもっとコンパクトに要点を押さえてまとめるものだというご意見もあった。本来、学生が修士論文を提出するにあたっては、指導教員が何度も何度もやり直しをさせ、論点を絞ったり、批判意見を与えることでよりよいものにつくりあげていくものだと思う。設置者である下関市長がみずから大学に行かれて、その辺のいわゆる指導・被指導の関係としては正常なものだったのかどうかお聞きしたい。
 中尾市長(答弁拒否)
 松崎 とくに指摘されるような問題はない。
 本池 先ほどから常に松崎部長が立たれるが、実際に学んだのは市長であって、市長本人に聞いている。
 中尾市長(答弁拒否)
 砂原総合政策部長 この案件については、公の部分と私の部分があって、私どものほうは市長にお話を聞いて行政として整理している。議会という公的な場であるので、それぞれ所管の者が間違いなく市長の意を汲んでご説明させていただいている。市長の考えとまったく同様でございます。
 本池 同様だったら市長が答えればよい。答弁を拒否しているではないか。指導担当には前学長で現理事長でもある荻野氏がついていたと聞いている。修士論文が不合格になった場合学生はもちろんだが、指導担当者の責任はより重大かと思う。その指導担当である荻野氏を理事長に任命したのは市長だ。市長の論文がどうかという判断を市長が任命した理事長が関与してくだすというのは、客観的に見てどうなのか。「利害関係ではないか」といわれても仕方がないものだ。それで、その研究テーマに掲げた地域内分権で、下関、とりわけ合併した旧豊浦郡四町は何がどのように発展したとみているのか。
 星出まちづくり推進部長 平成17年の合併にさいして、旧四町に地域審議会を設置しご審議をいただいた。地域課題も山積しているので、平成22年には行政内分権の取組を開始した。総合支所費の新設、総合支所長に対する事務委任規則の創設、総合支所次長に地域振興官の職を付与し、さらに総合支所との情報共有をはかるため本庁に地域支援課を設置した。これにより幅広い分野で意志決定ができるようになり総合支所職員の判断力、企画力も向上した。
 本池 聞きたかったのは、どう発展したのかだ。四町は人口動態だけ見てみるなら、中尾市政が発足したこの七年近くで一割余り減少している。町によっては、2割近い減少のところもある。さらに、中学生までの子どもの人数は同じ期間で2割近く減っている。少子高齢化は深刻なものだ。定住人口の増減は地域の発展や衰退を映し出す鏡だと思う。市長が書かれた「研究論文」が素晴らしいか否かは脇に置いておいて、その進めた施策が正しかったのかどうかは現実によって検証されなければならない。学問の府を舞台にして公私混同するべきではないことを申し上げて、次の質問に移る。
 
 教育研究環境の改善

 本池 
下関市立大学は独法化以前、よそよりも学費が安く、勤労家庭の子弟が多く学び、卒業後には地元の企業に就職したり優秀な人材を輩出してきた。東の高崎経済大学、西の下関市立大学といわれた時代もあった。それは設置者と同時に大学教員や事務方などかかわる人人みなの苦労の賜であったと思う。2000人もの学生が学び、全国からやってくる若者も多いなかで、下関の経済にとっても大きな貢献をしてきた。大学は学問の府といわれるように、真理真実を探求し、研究者は学問の道を究めることに没頭できる環境が良いことはいうまでもない。
 しかし近年、市立大学をめぐってはトイレ改修工事をはじめとして、事務局体制とかかわって刑事事件が起きたり、その教育環境は大きく変化している。かかわって、定員を上回る学生が二年連続して入学していると聞いているが、市立大学の収容定員は何人で、入学者は何人いるのか、まず質問する。また、それに対して教職員の人数はどうなっているのか。教員の定員と現状の人数も教えていただきたい。
 松崎総務部長 平成27年度の入学者数は、定員450名に対して56五名となっており、定員より115名多い入学者となっている。平成26年度も同じように450名に対して553名となっており、103名多い。原因としては、学生数が定員を割ることがないよう見込みをたてて合格者を発表しているが、結果として見込みよりも多く学生が入学手続きをしている。教員の数は、25年は教授28名、准教授29名、講師4名、専任の教員としては61名、他には特任教授5名、非常勤講師60名、合計126名の先生方がいらっしゃる。26年は教授32名、准教授21名、講師4名で専任の教員は57名、特任教授6名、非常勤講師61名、合計124名となっている。
 本池 1学年につき収容定員としては450人で間違いないか。
 松崎総務部長 450名で間違いない。
 本池 450人の定員に対して600人近い学生が入学しているということだ。授業料や入学金で大学の収入は増える。ところが、一方で教員の数はほぼ変わっていない。先ほど特任教授もいわれたが、本来の専任教員の定員60人に対して、経営方針ということで3人少ない57人に削減されているのが実態であると承知している。収容定員を入学者数が大幅に上回ることで、例えばゼミで一人の教員が受け持つ学生数も増大し、目が行き届くのか疑問だ。語学などの授業で矛盾が出てきていると聞くが、学生たちがしっかり授業を受けられる態勢なのかどうか。
 松崎総務部長 大学の方からは学生の教育に関して必要であれば非常勤講師を活用するという報告が来ているので充分に対応可能と考えている。
 本池 入学者数が収容定員を20〜25%近く上回っている状況について、しっかりと対応しなければならないと思う。私学であれば15%を上回ると私学助成金をカットしますよ、と文科省は通達を下ろしているようだ。大学の質の低下を懸念した措置のようだ。市立大学でのこうした状況について、いったい誰に責任があって、誰がどう解決すべき問題なのか。
 松崎総務部長 くり返しになるが、大学としては充分対応できる範囲だというお返事を受けている。下関市立大学一教員あたり31人程度だろうと思うが、この人数であれば文化系の大学であれば十分な範囲だと思う。まだまだ多い公立大学もあり、私立大学でもこの数字であればさほど問題ではない。
 本池 “問題ない”という市への報告は誰の責任においてしているのか。
 松崎総務部長 設置者だから直接把握することでもないが、学問の分野であるのでこれはすべて学長の管理下で管理すべき問題だと考えている。
 本池 大学経営もかかわった話であると思うが、その責任者は学長であるという認識でよろしいか。
 松崎 大学の経営の責任者は当然理事長だ。学生に対する教育、研究等の責任者は学長だ。
 本池 60人の定員を経営方針ということで57人に削減し、それをよしとするのは、経営、運営にかかわった責任者であると思うし、学長は副理事長と認識している。副理事長の学長が大学を代表するというのなら、理事長ポストは何のためにあるのかと思う。
 松崎 下関市立大学は理事長と学長を分離している。一つは、学問・研究に関する部分は学長、経営全体としては理事長が負う仕組みだ。
 本池 下関市の場合、大学の運営交付金として年に1億〜2億円が市財政からおりている。しかし、公立大学があることによって、学生数に応じて国から支給されている交付税の基準財政需要額は平成26年度で4億6700万円。その差額は市の一般会計にくり入れられ、市の一般財源として使われている。本来、大学運営にあてられるべき5億円近いお金のうち2億円余りしか与えられず、満足に教員も増やせないというのでは本末転倒だ。運営交付金ともかかわって教員数などが制限されているとすれば、大学だけではどうしようもない問題だと思う。人材を確保し、大学を財産として大切にすることが必要であると思う。
 松崎 先生は大学のすべてといっていい。貢献も大きい。今回のことについては、問題のない範囲で対応できると聞いているので誤解のないようにお願いしたい。
 本池 市立大学では近年、教官の退職が増えてきている。さらに一昨年は多数の若い教官が去っていかれた。なぜ腰を据えて市立大学に在籍したいと思えないのか、その理由について考えなければならない。この間の学内におけるできごとをうかがうに、一方で事務方がトイレ改修問題はじめとした不祥事を起こしながら、一方で教員を目の敵にして管理統制ばかり強めている印象がある。一つ一つを見ると非常に些末な問題のように見えるが、例えば新校舎ができて、研究室は廊下から丸見えの監視状態になり、硝子窓にポスター等を掲示するのは禁止するとか、地域団体への社会貢献活動にも厳密なチェックが入るようになり、兼業申請の提出とかかわって、政治・思想信条ともかかわった介入も見受けられるようだ。印刷室のコピー用紙の減り方が著しいとかで、教員が持ち出して換金しているのではないかという疑いがかけられたとか、とかく教員制裁に目が向いている大学運営のような印象だ。この信頼関係はどうなっているのかだ。
 教員が学問を究めていくためには、まず第一に精神的に自由でのびのびと研究ができる環境を保証することが必要だ。近年は全国的にも教員の研究時間が減少して支障をきたしていることが問題になっている。研究費などの予算を充実させること、現在カットが続いている教職員の給与などの面も考えなければならないと思う。教員の状況は、そのまま学生に反映されるものだからだ。
 
 トイレ改修工事問題

 本池 最後にトイレ改修工事の問題について、その後の進展を尋ねる。この問題は、一般質問でも何度もとりあげてきたが、公金が投入された問題でありながら、釈然としない説明がくり返されてきた。大学側担当者が業者と談合して業者選定させていたことから、刑事事件としても摘発され、請負業者が倒産した形で多額の損失が発生してしまった。質問だが、裁判上の和解金額はいくらなのか。
 松崎 裁判上の和解金額ということだが、公表しないことが和解の条件となっている。大学としてはトイレ工事の損害金を回収することを最優先に和解したもので、回収は順調に進んでいる。990万円については回収できる。再入札によって生じた損害金については回収の見込みがたったということだ。
 本池 私は裁判上の和解金額を聞いている。
 松崎 990万円と再入札による損害金。今のなかでお答えしている。
 本池 和解金額はいくらなのか。
 松崎 和解の詳細の内容についてはお答えできない。和解の内容については990万円と損害金はすべて回収されるということで和解が成立していると聞いている。
 本池 和解金額を答えないが、どういうことだろうか。
 松崎 ちょっと今、正確な数字は手元に持っていない。答えられないというわけではないが申し上げたように直接の裁判の額は990万、それと再入札の追加工事の額は今確認している。
 本池 裁判上の和解金額が答えられない理由をのべてほしい。
 松崎 和解の内容については、これは市立大学と先方との間の和解のことで、和解の内容は公表しないという条件がついている。われわれも正確な内容は把握していない。総額について回収されることは裁判上の和解として成立している。それ以上のことになると和解を壊すことになるからしない。
 本池 市が知らないのか、知っているが答えられないのかどちらか。
 松崎 こちらが大学からうかがっているのは、裁判にかかった990万円、こちらは全額いただけるようになったことだ。再入札にかかった総額としては聞いていない。第三者として詳細は聞いていないので答えられない。
 本池 大学から報告もなく、和解金額を教えてほしいということもいっていないのか。
 松崎 いうとかいわないとかではなく、公表しないというのが条件なので聞くことはできない。
 本池 この件は、公金の損害賠償事件という性質上、和解内容は市民に公表すべきだ。それにもかかわらず、大学は市にも報告しない、市も聞かないということだが、これが市民の負託を受けた市の職員の仕事態度だろうか。和解条項について市は聞いているのか。
 松崎 回収の目処がたったものを壊すことはしない。全額回収できるということであれば、確認するべきことはない。
 本池 市には設置者としての大きな責任がある。交付金も出している。理事長は市長が任命している。地方自治法にもあるが予算執行についても大学に報告を求めることができる。それなのに大学になぜ聞かないのか、聞いてもいわないのか、ということも今の答弁ではわからない。公金というのは市民のお金であり、それをなくしたことに対して監督責任のある設置者の部局が他人事のようにいっている態度は間違っている。市民の大事な問題をはっきりさせるために、つかむようにしてほしい。昨年六月議会でもいったが、「和解の条件だから報告しない」というが、市議会に対しては報告していいとなっている。結局、市議会に報告はされたのか。
 松崎 市議会に報告するというのはあくまで大学の話だ。
 本池 この間の大学の裁判問題、利権絡みの問題含めて何らはっきりされぬままここまできている。大学が大学として本来の姿に戻るためにも、私はこのままではいけないと思うので引き続き問うていきたい。最後に、市長が答弁されないのは大変な問題だ。市長しかわからない思い、事実関係などどうして答えないのか。市民に対して不誠実だ。そうやって黙って何を守っているのか。その態度は間違っていることを申し上げて質問を終わる。

トップページへ戻る