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日本ぶっ壊した小泉改革破綻
手直しで延命図る麻生内閣
               「自民党に鉄槌を」の声沸騰     2008年9月29日付

 自民党が「選挙の顔」などといって麻生内閣を発足させた。小泉内閣以来「聖域なき構造改革」と叫んで、日本社会をあらゆる面からぶっつぶす亡国と売国の政治を強行してきたが、国民の尋常ならざる怒りを受けて小泉構造改革は破綻。無様な内閣放り出しの連続の挙げ句、小泉内閣で党政調会長、総務相、外相と中枢で小泉改革をすすめた麻生氏が登場し「小泉改革の痛みを手当てする」といい、自民党売国政治の延命を図るというのである。そして国民を激怒させているのは、国民生活をさんざん破壊した張本人の小泉元首相が、構造改革が破たんしたと見るや、サッサと政界引退を表明して逃亡したことだ。国民生活に小泉改革が与えた犯罪性は日を追うごとに深刻さを増しており「総選挙で自民党に鉄槌を加えよ」の声が沸騰している。

 国民生活破綻へ怒り広がる
 麻生首相のお膝元である福岡県内ですら新内閣発足に期待を語る人は少ない。北九州市で客待ちしていたタクシー運転手(50代)の一人は「だれが首相をやっても同じ。麻生が選挙の顔というが顔がかわっても胴体は前と同じ自民党。自民党と民主党の対決とか政権奪取の秋などといわれるが、規制緩和や構造改革をまずやめろ」と強い口調で話す。自身は朝7時から夜中3時頃までタクシーに乗ってようやく運賃収入は2万円前後。このうち手取りとして残るのはその4割で8000円程度だ。「客がいないから1日20時間は車内生活。時給なら400円だ。ここ7年で運賃収入が1カ月なら約20万円も落ちた。規制緩和でタクシー台数が増えたうえに客層の年寄りや病人の医療費を上げたりするからだ。若手運転手は生活できないとやめた。人間的な生活をさせないから退職して、年金もろくにもらわないままポックリいくものが多すぎる」と一気に語った。別のタクシー運転手も「自民党と民主党の対決ではない。国民と構造改革との対決だ」と強調した。
 麻生首相は25日、内閣発足にあたり「日本を明るく強い国にする」といい、主要対策として「財政再建より景気対策を優先」「原油高に苦しむ中小企業を支援」「技術開発や株式投資を促す減税」「消費税率は三年間程度引き上げない」「後期高齢者医療制度抜本見直し」などをあげた。大方向として「改革の長所・短所を3年で検証し痛みは手当てする」「日本経済全治3年」といったが、それを真に受ける空気はほぼない。
 福岡県内の介護関係者の一人も「ここ数年で年寄りは介護が受けられなくなるし、介護福祉士は介護報酬が低すぎて生活できない。選挙のたびに坊ちゃんが出てきていろいろいうけど、庶民の生活が分かるはずがない。もう首のすげ替えではだまされない。国民をだまし続けた自民党はすぐやめてもらいたい」と話す。メディアあげての世論操作も功を奏さぬ。「麻生人気が失速しない前に総選挙」と、すぐにでも総選挙に突入するポーズを見せていた自民党は、選挙日程をいつにするかをめぐり右往左往している。
 25日には小泉元首相が政界引退を表明した。小泉は今回の自民党総裁選で「小泉改革の継承」を掲げる小池氏を支持。だが構造改革への怒りの世論に縛られて「構造改革の手直し」を演出する麻生氏に大敗。自民党内の支持基盤崩壊も露呈した。「引き際を大事にしたい」「役割は済んだ」「完全燃焼した」などとやせ我慢をいっているが、万事アメリカの要求する通りの小泉構造改革への批判世論の高まりを恐れ、総選挙の審判すら受けず敵前逃亡へ追いこまれたことを意味している。

 小泉以後の自殺23万人 自殺社会への「改革」
 来る総選挙に向けて、噴出しているのは自民党売国政府が小泉登場以来すすめてきた「聖域なき構造改革」への怒りである。小泉は「自民党をぶっ壊す」といって登場したが、ぶっ壊されたのは日本の国自体であり国民生活だった。「改革なくして景気回復なし」と言われたが、大もうけしたのは新生銀行を買収した外資系買収ファンドや、超低金利のもとで史上最高の増益増収をあげる大銀行、海外輸出により純利益1兆円をあげたトヨタなど、ごく一部の大企業でしかなかった。
 国民生活を見れば自殺者数は2001年から7年連続して年間3万人台を突破。2007年は3万3093人にのぼり、小泉登場後の7年間で約23万人が自ら命を絶った。日本を自殺社会に「改革」したわけである。
 2007年の全国企業倒産も1万4091件で高止まり。負債総額は、5兆7200億円で7年ぶりに前年を超過。公共工事削減に加え建築確認を厳しくした改正建築基準法施行で建設業の倒産(4018件)が相次いだ。原油や素材価格の高騰で製造業(2022件)の倒産件数も6年ぶりに増加。中小企業のなぎ倒しは深刻だ。
 完全失業者数は256万人(今年7月)となり前年同月比で22万人増加した。失業者数は大阪市の総人口(265万人)にも匹敵する規模だ。一方、雇用者総数(08年4月〜6月、役員を除く)5181万人のうちパート、派遣、アルバイトなどが1732万人に到達。働いていても三人に一人が非正規雇用となった。07年の結婚件数は71万4000組で06年より1万7000組も減。離婚件数は25万7475組に上っている。07年の出生率は1・34で低空飛行。明らかなのは、働いても妻子を養えぬなか結婚も出産もできない現実だ。それは労働力の再生産すらさせない破滅的な事態を物語っている。

 市町村は約1500潰す 全分野に及ぶ破壊
 小泉登場以来すすめた「財政改革」は、国民に使うべき予算を削って、アメリカが要求する公共投資630兆円を実行することであった。やたら不要な大型事業をやり、それらの資金がめぐりめぐってアメリカに流れるようにした。大企業の法人税は引き下げ、富裕層の所得税率は引き下げる一方で、定率減税を廃止するなどサラリーマン課税を重いものにした。そして医療費や介護保険費などのあらゆる社会保障や教育費を切り捨て、個人負担を増やした。
 「不良債権処理」といって長期信用銀行に税金である公的資金を何兆円も投じて、それを10億円ほどで外資に売却。「金融自由化」とは外資が国内企業を捨て値で乗っ取る条件の整備だった。
 政府はことあるごとに「財源がない」といってきたが、実際はアメリカや大企業に莫大な資金を垂れ流すから、国民のために使う「財源がない」のである。
 さらにすすめたのは「規制緩和こそ正義」といって、安全性無視で利潤追求に駆り立てた「労働改革」である。タクシー、トラック、バスなどは需給調整規制をなくして殺人的な「競争」に駆り立て、「郵政民営化」で1万5000人の郵便局員を削減。通信「自由化」ではアメリカの接続料値下げ要求に従い日本の通信市場を明け渡し、NTT労働者などの10万人削減に着手した。
 そして03年に産業活力再生法を「改定」し、M&A(合併・買収)やファンド支援を促進。同年には派遣労働の適応業種を製造業に拡大した。労基法や労働安全衛生法改悪も強行した。こうしたなか「偽装請負」や欠陥商品の製造が続出。JR宝塚線の大事故をはじめブリヂストン工場の大火災など大事故がひん発する事態となった。社会を支える生産労働を破壊してきたのである。
 そのうえ酒屋も米屋も薬屋なども「自由化」でスーパーやコンビニに市場を開放しなぎ倒した。大店法撤廃で大型店の無制限な乱立競争を煽り、地域密着の小売店を潰す流通「改革」が進行。それは仕入れ先である農漁業者や製造業者を買いたたくものとなった。
 そして度はずれた「改革」は市町村合併である。国の補助金を削る「三位一体改革」で兵糧攻めをし合併を強要。その結果1999年に3232もあった市町村が2008年11月には1784になる予定だ。1448もの自治体を9年でつぶすもので、つぎは道州制をやり県庁までなくそうとしている。
 「構造改革の本丸」と叫んだ郵政民営化は、アメリカの保険業界などがしつこく要求したもので、外資がゆうちょ銀行などの株を握り、345兆円という資産を奪いとることが目的だ。すでに田舎の簡易郵便局が全国で419局も閉鎖状態に追いこまれている。農協も漁協も合併で解散させたうえに、役場も郵便局もつぶし、田舎の人は金を預けたり引き出すこともできない。まともな生活もさせないというのである。国全体を支える農漁村部、地方をつぶすのは、国もつぶすことである。
 食料政策ではアメリカから脅されて、狂牛病肉や、農薬汚染の小麦やコメ、遺伝子組み換えのトウモロコシ、大豆などの輸入をせっせと受け入れ、国内農業を破壊してきた。国としてはたすべき食料の安全供給も放棄し、国民に毒入り農産物を食わせる事態。日本人を家畜以下に扱う屈辱的な状態となっている。
 「個性重視、興味と関心」などといってすすめられた教育改革も、小泉改革以後拍車がかかった。02年4月の週5日制実施や、子ども、教師、学校評価制度などを導入し、教育基本法も改定。今では異常な殺人者をたくさんつくり出すようになった。人の痛みのわからぬ一部のエリートと、大多数の愚民を意図的につくり、社会への批判力のない安上がりな商品、肉弾をつくる教育が教育現場で大矛盾を来している。

 戦争をやる国へ「改革」 日本中を米軍基地化
 そして最も犯罪的な「改革」は、戦争の反省を覆し戦争をやる国へ「改革」したことである。小泉、安倍、福田と続く自民党売国政府はこの間、アフガン、イラクと自衛隊の海外派遣に踏みだし、戦時法制化を進めた。安倍内閣では「戦後レジームの脱却」といい「戦争レジームへの改革」を断行。防衛庁を防衛省に格上げし、海外派兵を自衛隊の本来任務とした。それは自衛隊を米軍指揮下に組み込み、アメリカの戦争の肉弾に仕立て、アメリカ本土を守るために日本を核攻撃の盾にする気違いじみた方向である。
 この最大の柱が「在日米軍再編」だ。日本に米軍司令部を移転させ、そこに自衛隊司令部を置き、自衛隊をすっかり米軍の指揮下に置く。拠点司令部(UEX)に改編した米陸軍第1軍団司令部をキャンプ座間(神奈川)に移転し陸自中央即応集団司令部と一体化。米軍横田基地(東京)には空自航空総隊司令部を移転させ、自衛隊を米軍の一方面軍とする。沖縄のF15戦斗機の訓練は全国の5自衛隊基地(新田原、築城、百里、小松、千歳)に移転し、自衛隊基地の米軍基地化をすすめている。
 25日には米軍横須賀基地に原子力空母を配備。その艦載機を岩国基地に常駐させるため、岩国では県民の反対を無視して愛宕山を削り、米軍住宅建設を策動している。まさに日本中を不沈空母として差し出す計画でしかない。
 そして国民を激怒させているのは司令部統合、自衛隊基地への米軍の移転などのばく大な費用は、アメリカが一方的に要求したものであるのに、増税や福祉切り捨てによって、日本側が負担することだ。そのために日本の年間教育予算2兆3000億円をはるかに上回る3兆円を投入するとしている。小泉改革以前から「思いやり予算」などといって、数十兆円に上る駐留経費を負担してきたが、今後はグアム移転のように、外国へつくる米軍基地費用まで提供する計画。それは日本中を中国、朝鮮にたいする巨大な核攻撃基地として再編し、日本を原水爆戦争の戦場にして廃虚にする「国つぶし改革」である。
 メディアは、来る総選挙の争点が「政権奪取の秋」と騒ぎ、自民党と民主党の対決であって、有権者は麻生か小沢かそのどっちがいいか選ぶだけと描いている。しかし争点はそんな小さいことにはない。総選挙は日本人民が真の主権者として、小泉、安倍、福田とつづく自民党政府がすすめた「構造改革」に象徴される売国と反動、貧困と戦争に反対して、独立、民主、繁栄と平和を要求する意志をどれだけ結集するかが最大の注目点である。民主党をはじめ各野党の腐敗ぶりも国民の共通認識となっている。ここで真に信頼できるのは大衆自身の力であり、その全国的な意志の結集である。そして民族の裏切り者・自民党に鉄槌を加えることが最大の焦点となる。その力が自民党と似たり寄ったりの民主党ほかの翼賛政党も縛りつける力となる。

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