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日本潰す政治に強烈な怒り
               右往左往する福田自民政府    2008年5月30日付

 4月の後期高齢者医療制度強行で噴き上がった、同制度廃止・見直しの世論と行動は、「自立」と称して切り捨てた介護や障害者福祉、生活保護改悪、ワーキングプアを空前に広げた労働法制の改悪、自給率39%と国民を飢餓と背中合わせの状態に陥れた農漁業政策など、アメリカいいなりの小泉改革への怒りとなって噴き出している。それは、「手直しで2度とごまかされない。国民の財布をあずかる財務省は、アメリカべったりで転倒している。根本的な改革しかない」(下関市内急性期病院勤務医A氏)と、政治・経済・軍事・文化と対米従属構造をひっくり返す“世直し”を求めてマグマのように下から、政府を揺るがしている。

 慌てて手直ししても通用せず
 福田政府と自民・公明の与党は、後期高齢者医療制度強行で噴き上がった反対世論と行動を抑えようと、あれやこれやの手直しを発表した。自民・公明のプロジェクトチームは20日、@低所得層の保険料軽減、A扶養家族の保険料徴収凍結延長、B保険料の年金天引き制度の選択制、などの手直しを発表したが、なんの効果もなかった。逆に「75歳以上を切り離し、医療費削減のために差別医療をおこなう制度の廃止を」との世論が高まった。
 後期高齢者医療制度の廃止・見直しをうち出した医師会は27都道府県に広がった。さらに、都道府県単位の老人クラブ連合会が同制度の廃止・見直しを要求する行動に出るに至った。
 また、財界と政府の“姥捨て”政治への怒りは「自立」と称して介護保険制度を改悪、要介護高齢者の圧倒的多数を占める要介護1、要介護2の在宅高齢者を要支援1、2に切り捨てた政府への怒りと連動した。
 「自立」どころか、日常生活を維持するために不可欠なホームヘルパーの支援を、週1回、2回に制限され身体機能が悪化する事態が広がった。政府への怒りはさらに高まった。
 燃え広がる世論と行動に、あわてふためく自民党厚生労働部会は27、同党社会保障制度調査会、雇用・生活調査会との合同会議を開き、2009年度予算編成で小泉改革の“骨太の方針”で決めた社会保障費2200億円削減方針の撤回を求める決議をあげた。
 小泉首相と奥田日本経団連会長が結託、総理を議長とする経済財政諮問会議を設置、アメリカ型市場原理による「財政構造改革」を強行してきた。この「骨太の方針」の1つの柱が、2002年度から社会保障費を毎年2200億円削るという方針である。この削減額は、08年度までで約1兆8000億円にのぼっている。
 自民党厚生労働部会などの決議に対し、「こんなパフォーマンスでごまかされるか。国民の財布をあずかっているはずの財務省は、アメリカべったりで血税の使い方は転倒している。“財源の壁”で片付けられてたまるか。政治・経済構造を国民のために、ひっくり返さなければならない」(下関市内急性期総合病院勤務医)などの声が上がっている。
 事実、額賀財務相は27日の閣議後の記者会見で、社会保障費2200億円削減方針について、「財政健全化の道筋が揺らげば、国際社会で信頼を失う。福田政権のイメージからしても、がけっぷちで、しっかりと堅持していく必要がある」と強調した。
 財務省の資料「総医療費と公的医療費の対GDP(国内総生産)比の国際比較」でさえ、日本の公的医療費は、フランス、ドイツより大幅に下回り、イギリス、アメリカよりも低く最低である。総医療費のGDP比では、日本はOECD加盟30カ国中21番目と低くOECD加盟国平均を1%も下回っている。1%の金額は5兆円。いかに財界と政府が国民に低医療を押しつけ、国の力の源である国民の健康と生命を危うくしているかを示している。医療界と国民の怒りは、この根本問題に根ざしている。

 市場原理改革への憤激 小泉以来の政治重ね
 小泉改革以来のアメリカいいなりの市場原理改革への怒りに火がつき、「日本つぶし」への各階級各階層の“世直し”を求める世論と行動となって胎動している。福田政府の支持率はマスコミの世論調査で19%と最低を記録、まさに死に体となっている。自民党・福田と公明党・太田の与党党首会談は17日、3時間の長きに及んだが、道が開けるわけもない。
 小泉改革による郵政民営化、金融大再編・不良債権処理、市町村合併の強行は、経済効果一点ばりの市場原理によって、とくに大都市と地方、農漁村部との格差を極限的に広げた。郵便局も、銀行も、農協もない地域を全国に広げ、“限界集落”が無数に押しつけられて、固有の文化・風俗を含む人間社会が消滅させられている。
 これは「日本つぶし」の1つの象徴であり、戦中・戦後と懸命に働いて山河を守ってきた人人の無念の憤りは、自民党政府に突きつけられている。
 日本経団連(会長・御手洗キヤノン会長)と自民党政府は、小泉改革をひき継ぎ、アメリカが牛耳るWTO(国際貿易機構)での自由貿易協定にとどまらず、アメリカに日本を完全に組みこむ日米経済連携協定(EPA)の締結を企んでいる。
 財界と政府はアメリカの要求に従って「市場開放」を進め、国内農漁業を破壊してきた。この結果、食料自給率は39%と6割以上を輸入に頼ってきた。このため、バイオ燃料化や自然災害による食糧不足、投機による食糧高騰が、日本国民の家計を直撃。食料自給による安定・安全の要求は農漁業者のみならず全国民的なものとして高まっている。
 ところが政府の経済財政諮問会議は、経済連携協定によって食料自給率を12%にしてはばからず、一握りの独占企業だけが肥え太り、生きのびようとしている。
 小泉改革以来、「労働ビッグバン」を掲げて規制緩和を強行、派遣労働の製造業での解禁をはじめ「自由化」を強行、労働法制を次次に改悪してきた。
 90代後半からのリストラ首切りの嵐、パート、アルバイトなどの非正規雇用への入れかえのうえに、小泉改革による派遣・請負・契約など、低賃金・使い捨ての非正規雇用を空前に広げ、働いている3人に1人以上が非正規雇用となっている。これに完全失業率4%と高水準が続いている。
 「食える仕事をよこせ」「自立できる仕事を」との要求は巷に渦巻いており、独占・大企業だけが6年連続で史上最高益を更新、米日の大株主だけが巨額の配当で肥え太っていることに怒りの世論が高まっている。
 政府の「国民生活白書」でさえ、若者の2人に1人が非正規雇用、「正規雇用」でも自立できないワーキングプア状況の拡大が、「少子化」の主要な要因であると指摘せざるをえない実態となっている。
 またこの間この雇用破壊と生活保護制限の強化によって餓死者が急増。1995年から2005までの11年間に、867人が餓死している。厚生労働省の調査で、03年=97人、04年=71人、05年=82人となった。
 国力の源である国民の生活の再生産、次代を産み、育てる再生産もできないまでに「日本つぶし」をやっている。

 米国のために大盤振舞 国民に「赤字」と欺き
 財界と政府は、ことあるごとに800兆円をこえる国・地方の財政赤字を強調し、社会保障、教育、地方財政切り捨ての口実としている。だが、これこそ、アメリカに押しつけられた「財政破たん」である。
 日米構造協議で、1995年度から2004年度までの10年間、630兆円の「公共投資基本計画」を押しつけられ、国債・地方債を乱発してこれを忠実に実行してきた累積赤字である。その後も公共投資による「内需拡大」をやり、この巨大な資金をアメリカが金融格差で吸い上げ、アメリカのバブル経済を支えてきた。
 日本の公共投資の年間予算は、G7のなかで最大であり、その額は他の六カ国の総額を上回っている。
 このようにして発生させた「財政赤字」を、国民をおどしつけるために使っているが、アメリカの要求をこれを口実に拒否したためしはない。
 米軍再編費3兆円、在日米軍駐留費負担(思いやり予算)、アメリカが指示するアフリカ支援をはじめ各種海外援助、イラク・アフガンへの自衛隊派遣と無料給油、アメリカ国債(世界に売り出した3分の1以上)の買いこみ、数えあげれば数限りない。
 自立した独立国として見なされないこの姿こそが、国際的信頼を失わせている。
 だれが見ても、日本の財界と政府は、アメリカの手下となって、日本国民を犠牲にして、「日本つぶし」を強行している。
 福田政府、自民・公明両与党に対する各階級各階層の怒りは、この植民地的現実に根ざしており、日本の独立・平和、民主・繁栄の実現をめざす“世直し”要求として、マグマのように噴き出ている。

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