トップページへ戻る

日本を核戦争の戦場にさせぬ
原水爆禁止全国実行委
             政治意識の大転換進む情勢   2009年3月30日付

 今年第1回目の原水爆禁止全国実行委員会が29日に、下関市のからと会館で開催された。会議では十数年来の1950年8・6斗争の路線を継承する運動が広島・長崎をはじめ全国を大きく動かしてきた到達を確認し、金融恐慌のもとで日本を再び原水爆戦争の戦場にする策動をうち破る運動を、労働者を中心に各界各層の力を束ね、発展させる方向を論議した。
 初めに事務局の川村なおみ氏が今年の運動の基調を提案。ブッシュにかわり登場したオバマ政府のもとで、弱体化したアメリカが「核軍縮」の欺瞞をふりまきながら、実際には核独占による世界支配を強めようとしていると指摘。米軍再編の中心に日本を置き、日本全土をアメリカ本土防衛の盾にしようとしていることを明らかにした。またアメリカ発の金融恐慌下、核兵器を中心にしたアメリカの軍事支配のもとで「規制緩和、構造改革」を押しつけられてきた日本の打撃は底知れず、労働者の失業、貧困、生活苦は深刻化しており、核を廃絶し、独立、平和と社会変革を求める要求が強大になって発展しているとした。そして「今年の原水禁運動では全国で高揚する平和勢力を大結集し、日本をアメリカの原水爆戦争の戦場にしようとする策動をうち破り、核基地を撤去する強大な力を築くこと。そのために私心なく献身する活動家集団を強大にすること」を提起した。

 鋭い原爆展運動の反響 恐慌突入の中で
 論議では、十数年来の運動の到達と現在の情勢が各戦線から報告された。
 広島からは、金融恐慌のなかで現在の状況と第2次大戦に突き進んだ状況が重なり、若い世代がパネルの内容と私心のない運動に共鳴して結集し始めたことが報告された。「『戦争はなぜ起きたのか』の学習会では“戦争の原因は資本主義にあることがはっきりした”“一部の者が富んで多数が貧困という社会が戦争を産む”と論議され、行動意欲が高まっている。吉本幸子さんの遺志を継ぎ、私心なくアメリカやそれに追随する日本政府とたたかっていく活動家集団ができつつある」とのべた。
 沖縄の活動家は、8年にわたる原爆展運動が広がり、とくに昨年からは「貧乏になって戦争になっていった」というパネルに共感が寄せられるなど、現代と重ねて反響が広がっていると報告した。
 活動の教訓として「自分たちの運動にどう人を集めるか、被爆体験を利用するという路線で衰退してきた。そこから大衆の体験に学び、立ち上がるように奉仕する活動に転換する努力のなかで広がってきた」と語り、今年の課題として「出稼ぎ労働者8000人のほとんどが愛知県で失業し3、4月に帰ってくる。ここへの働きかけを強めたい」とのべた。
 劇団はぐるま座からは長崎での『動けば雷電の如く』公演のとりくみが報告された。長崎の町衆が振遠隊をみずから組織して切り開いた歴史が明らかになり、原爆投下の真実をキリスト教で抑圧してきたことと、戦後のアメリカ支配が歴史の真実を覆い隠してきたことがつながって広がっているとのべた。原爆展への信頼は厚く「同じ勢力が維新の真実を明らかにしてくれた」と喜ばれていると語り「以前の劇団がキリスト教で維新の招魂社を抑圧する側に依拠するなど、抑圧する側にいたことが今回はっきりした。私利私欲のない劇団に転換し、原爆と戦争展物語も完成させたい」とのべた。
 岩国の活動家は米軍再編・岩国基地増強と愛宕山の米軍住宅化に反対する運動が発展、4月12日には愛宕山で5000人集会を準備していることを報告。「戦前・戦中・戦後の苦難と同時に“国民をだますのが国や政治家。1歩も引かれない”と郷土愛に立った反米愛国の思いが語られる。日本一おとなしいといわれた岩国がここまできたのは、30回にわたって原爆展を開催し、人人のなかに積もり積もっているが声に出せない真実を明らかにしてきた力が大きい」と語った。
 こうした発言を受けて「長崎では戦後アメリカの占領政策で維新の歴史を抹殺してきたことが明らかになり、町衆が湧いている。おとなしいというイメージがつくられてきたが、実際はまったく違い、みな腹を立てている。原爆展を成功させる会が中心になってとりくみが進んでいるが、維新の誇りが消されてきたのと、原爆投下後ずっと語れなかった被爆者の思いが同じものとしてつながった」と発言された。
 下関市長選を巡っても「江島市政第1期目は、市民の会も与党だった。その流れとたたかい、江島市政とたたかってきた市民の勝利だ。市民の会も昨年9月の満珠荘運動乗っ取りと兵頭議員の裏切りとたたかい運動を強めたことが分かれ道だった。常に市民のなかに足を置き、人民に奉仕する思想で大衆のなかに入り敵と真っ向からたたかえば必ず勝利する」と語られた。
 愛知県の活動家は、3月に東別院で開催した原爆と戦争展では米軍基地のグアム移転費用を日本が負担することなど、アメリカへの鋭い怒りが「原爆投下されていながらなぜそこまでやるのか」「このまま植民地でいくと日本がなくなる」などの意見として多くの人から語られたとのべた。「トヨタの権威がなくなり、反発が広がって重しがとれてきている。大衆の蓄積された怒りに依拠していけば諸潮流と分岐していけるのではないか」とのべた。

 全国の平和勢力大結集 各界の諸要求合流へ
 運動路線を巡って「多数派は原水禁・協ではなく、こちらの運動だ。広島・長崎市民が支持する運動こそ多数派だ。明治維新から第2次大戦の歴史のなかでだれとたたかい、だれが友かを明確にし、アメリカと真っ向勝負する姿勢で10年やってきたから勝利してきた。アメリカ側は相当に頭に来ており鋭い斗争だ」「原爆展も形合わせでは役に立たない。それを通じてなにをするかが重要だ。雷電でも、大衆のなかに入り、維新を抑圧しているアメリカ支配とたたかう方向を鮮明にすることで大衆は歓迎した。戦後アメリカは核兵器を中心に日本を支配しており、労働者でも農民でも核兵器をなくさないといけないと思っている。今年の8・6はそうした各界各層の諸要求を合流させるような圧倒的なものにしていかないといけない」と論議された。
 岡山の活動家も、片隅で原爆展をしたり、敵を明確にしない運動になるなど、私心とたたかいながらとりくんできた経験を語り「昨年は大衆自身の運動にするためにどうするかを論議してきた。自分中心で被爆者を協力させるのか、大衆が主人公なのかで全然違う」とのべ、今年の運動を発展させる決意を語った。
 教育戦線からは、戦争反対と教育改革に反対する運動を結びつけ、統一戦線の一翼を担う決意が語られた。
 現役労働者からは、アメリカ発の金融恐慌の影響で、職場では下請労働者を中心に約200人の首切りがおこなわれていることが語られた。「首を切られた労働者も“若い者に展望を示せないような社会はだめだ”と日本の未来をどうするのかというところで怒っている。こちらの思考が目前の首切りをどうするかという経済主義になる傾向があり、大きなところで論議する構えが必要だ」と問題意識が出された。
 労働運動を巡っては「どの運動の教訓を見ても市民が主人公で、これに逆らえば敵はなにもできない。あらゆるブルジョアジーは労働者がいないとなにもできず、労働者が団結すれば勝てる関係だ」と論議された。広島では、10年にわたる運動で「和解論」は影を潜めたことがあげられ、「敵も広島市民が怒るようなことはできない。主人公はどちらか鮮明な認識がいる。現在の失業・貧困も“アメリカの日本支配が根源だ”とみながいっている。その中心は原爆による支配だ。大衆は大きく世の中をどう変えるかという意識でパネルに響いており、そこに向けてたたかう観点が必要ではないか」と論議された。
 また、今年初めに逝去した下関原爆被害者の会の前会長・吉本幸子氏の業績が論議され「吉本さんは長周新聞と一緒に運動することで党派を超えた大衆運動にしていった。私心やセクト的利害の一切ない大衆組織をつくることを援助し、発展させないといけない」と語られた。最後に、運動の到達を明確にし、今年の8・6集会に向け、各戦線で運動を発展させることを確認して閉会した。

トップページへ戻る