トップページへ戻る

 日本をつぶす安倍暴走政治
              参院選 国民の国か自民党の国か  2007年6月27日付

 自民党安倍政府を審判する参院選が迫っている。安倍政府は「自民党への逆風が収まるのを待ってやる」ということで投票日を7月22日から29日に変更するという国民主権を蹂躙(じゅうりん)した姿を露呈。安倍政府は、防衛庁の「省」昇格、教育基本法改悪、改憲にむけた国民投票法、米軍再編推進法、イラク派遣の特措法2年延長、教育3法などをろくすっぽ審議もせずに、強行に次ぐ強行をつづけてきた。市県民税の増税の上に、秋には消費税の10%への増税を唱え、最大課題として憲法改定を進めようとしている。しかも国民がいやがることを平気で進めて、選挙に臨もうというのである。すべてはアメリカとそれに隷属して生き延びようとしている一握りの独占大企業に認められるならよいというわけで、国民なんて虫けらほどにも見なしていないかのようである。それは権力者の暴走であるが、国民の支持がない独裁者がいつまで持つか見ものとなっている。

 国民主権蹂躙し選挙日程変更
 安倍政府は国民主権を踏みにじって選挙日程の延長を強行したが、それが自民党にとって票を増やす結果になるかどうか分からない。すでに場所、配布物、立会人などの準備を終えていた全国の選管関係者は、ただでさえ行事が立て込む夏場に無駄なやりなおし作業まで加わり、地域や学校に与える影響も大きい。なによりも投票する有権者の予定は大狂いである。
 参議院選を前に国会運営は暴走が目立っている。反発が強く廃案寸前に追い込まれていたイラク特措法改正や教育関連3法を会期延長とろくすっぽの審議もなく強行成立。審議中の国家公務員法改正案にいたっては、参院内閣委員会の採決を省く非常手段を使って成立させる方向である。
 22日には、自民、公明両党が参院選の与党公約原案をまとめた。これまで「憲法が争点」と騒いでいたが後退させて「年金問題が争点」とした。安倍首相は社保庁改革関連法案の是非を問うとのべ、「国民の最大関心事にこたえていくのも当然われわれの使命」「労使の癒着の問題などに挑戦をしていくのが、私の“戦後レジームからの脱却”だ」と、まるで労働組合が犯人であるかのような詭弁を叫んでいる。「憲法」については「新しい憲法を目指す」と盛り込んでいる。
 そして自衛隊幹部や在日米軍幹部で構成する共同計画検討委員会(BPC)が第2の朝鮮戦争に備え、軍事作戦計画「概念計画5055」(02年)を実戦に使える「作戦」に変える具体化に着手。敵基地攻撃を想定した図上演習も加え朝鮮半島侵攻計画を作るものだった。
 しかし、アメリカの方は対朝鮮の話し合い解決を進め、「拉致問題優先」・対話拒否の制裁一本槍できた安倍政府はすっかり肩すかしを食う羽目となった。
 そして11月には期限切れとなるテロ特措法を1年延長。アフガンに侵略した米軍を助けるため、海上自衛隊をインド洋に派遣した。
 さらに米海軍と海上自衛隊が、中国が尖閣諸島に武力侵攻したことを想定した大がかりな演習を硫黄島で展開。海自のイージス艦など約90隻、P3C哨戒機など約170機に加え、米海軍の空母キティホークなど10数隻を集結させた。
 こうしたなかで防衛省関連法を成立させ、1月に防衛庁を「防衛省」にした。自衛隊の「付随的任務」だった「海外活動」を「本来任務」に変更。すでに本来任務としていた「治安出動」とあわせ、「内に抑圧、外に侵略」の体制である。安倍首相は年頭のNATO(北大西洋条約機構)理事会で「日本人は自衛隊が海外で活動することはためらわない」と勇んで表明。世界中に自衛隊を派遣すると公言した。
 3月には国内外のゲリラ戦に対応する秘密部隊・中央即応集団(約4100人)を発足させ、首都圏の入間基地から自衛隊基地へのパトリオット・ミサイル配備を開始した。全国の市町村に国民保護計画を作らせ、戦時総動員体制も具体化した。
 5月には米軍再編推進法案を成立させ、米軍再編事業の進ちょく状況に応じて交付金を出す新制度をつくり、いうことを聞かない自治体は兵糧攻めにする体制を作った。危険な沖縄から米兵とその家族を後方に避難させるグアム移転には7050億円もつぎこみ、道路も住宅も日本が作るというデタラメな内容だ。
 「海外派遣を本来任務」にする体制は、国内の治安弾圧行動へののり出しを意味することであった。沖縄・辺野古沖における米軍基地建設の事前調査では、「民間企業だけでは妨害があったら調査ができない」(久間防衛相)と、米軍のために自衛隊掃海母艦が出動。さらに上関原発計画にむけた詳細調査をめぐる抗議行動にたいして、自衛艦が沖合に2隻徘徊し威嚇する行動をとった。下関・六連島などでの国民保護計画による実動戦時訓練にも自衛隊が参加した。最近、陸自情報保全隊がイラク自衛隊派遣反対の動きを監視する詳細なリストが明るみにでたが、戦前の憲兵隊の活動を公然と進めているのである。

 米国の戦争に自動参戦 ふざけた改憲策動
 そしてアメリカの要求にこたえる最大の目玉として、集団的自衛権の容認とその行使にむけた憲法改定で突っ走ってきた。安倍政府は先月、「改憲」手続きを決めた国民投票法を成立させた。18歳以上が対象で最低投票率は定めず、いくら投票者が少なくても賛成が過半数をこえれば「改憲」が成立できるようにした。
 自民党の新憲法草案では「天皇の地位、国民主権」の項から「国民主権」を削除し、「戦争放棄」の章題は「安全保障」と変更する。「戦力不保持」「交戦権の否認」を削除して「内閣総理大臣を最高指揮者とする自衛軍を保持」とした。自衛軍の任務は「国際的に協調して行われる活動および、緊急事態における公の秩序を維持」と規定し、海外派兵と国内弾圧が役割であることを明記した。
 また「公共の福祉に反しない限り国民の権利が尊重される」という文面は「公共の福祉」を「公益及び公の秩序」と変え「国家利益優先」に内容を転倒させた。全国の市町村で「国民保護計画」が具体化されたが、「公益」を掲げれば米軍や自衛隊が土地・食料の強制接収ができる法的根拠とするものだ。
 「集会・結社・表現の自由、検閲の禁止、通信の秘密」の項は「表現の自由」だけにし、検閲や通信傍受の禁止は削除した。「生存権、国の社会的使命」も「生存権等」とし「国の社会的使命」は削除。生きるも死ぬも個人責任というのだ。
 そして具体化を急ぐのは「憲法解釈の変更」による集団的自衛権の行使である。安倍政府は安倍賛成派ばかりの御用学者や防衛省関係者を集めた研究会を先月に発足させ、検討を開始。自衛隊が、米軍を狙ったミサイルを撃ち落としたり、攻撃された米軍艦船のかわりに報復攻撃をしたり、軍需物資を補給するなどの例をあげ、「集団的自衛権は行使できる」と結論を出す。アメリカが勝手にはじめた戦争に自動的に参戦するというふざけたものである。今秋にも政府解釈の見直しに踏み切る方向だ。
 この戦時体制づくりと連動して教育政策も様変わりだ。「教育再生」「国際貢献をする子を育てる」と主張し、昨年末に教育基本法を改定し「教育の目的」に「愛国心」なる「国家への忠誠心」を求める内容を導入。そして、今国会で指導要領などを変更する教育再生関連3法を成立させた。この「愛国心」は自民党新憲法草案の「公の秩序に従う」とあわせて「お国のため」に無条件服従させる意味を持つ。無期限だった教員免許は「有効期限10年、更新時に30時間の講習を義務付ける」と変更した。これは、「チーム安倍」といわれるハーバード留学組や、ホリエモン、村上ファンドのような、郷土愛も愛国心も人情もない冷酷な売国精神に満ちた、頭のいいエリートを養成するとともに、批判力のない大量の貧困層をつくり、アメリカのために命を捨てる肉弾としてかり出す意図にほかならない。
 内閣発足以来、安倍政府がしゃにむに押しすすめ、さらに暴走に拍車をかけようとしているのは現憲法が規定した「戦争放棄」を柱とした平和主義とともに、主権在民、基本的人権の尊重などの重要な内容を否定し、ファシズムと強権で戦時体制をつくるものでしかない。
 小泉、安倍政府と続くなかで、人人のなかでは戦後の常識を覆して、「日本をぶっつぶしてしまうつもりだ」との怒りが沸騰するところとなっている。若者には職がない。職があっても半失業状態で、結婚をするとか将来展望を描くことができない。農業は壊滅的に破壊され、食糧危機、飢餓政策がやられている。小、中、高、大学と教育は金儲けの道具として人の面から亡国を推進する政治が支配する。医療も、介護も、社会的に保障すべきものをみな、自己責任などといって切って捨てる。そして、国民に聞く耳のないファシスト政治の横行であり、アメリカの飼い犬外交一辺倒で、アジア、世界各国と子どもじみたケンカを売るばかり。そして「戦争をやる普通の国」にするというのである。
 大多数の国民は、このような自民党安倍売国奴政府に対して、黙って従うものばかりではない。国民無視の暴走政府への審判が期待されるところとなっている。

トップページへ戻る