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日本を潰す売国政治に審判
衆院選挙18日に公示
              貧乏と戦争を容認するか    2009年8月17日付

 衆院選は18日に公示を迎える。“郵政劇場選挙”から4年ぶりとなる今回の選挙は、小泉・安倍・福田・麻生と引き続く自民党政府が、アメリカに隷属した売国政治を強行し、日本社会を破壊してきたことへの激しい怒りが、列島の隅隅に充満しきったなかでおこなわれる。貧困と反動と戦争の道か、独立した平和で豊かな社会を切り開く道か、鋭い対立点となっている。
 全国的に注目されている山口4区では、自民党の顔という位置にある安倍晋三元首相にたいして、候補者としては民主党・戸倉たか子氏が挑む格好で前哨戦が繰り広げられてきた。「日共」候補も出馬予定であるが、比例で1万8000票(4区)を獲得するのが主眼目などといっている。「それならなぜ出馬して票を割るのだろうか?」「野党票が割れて、自民党を助ける効果になるだけだ」という疑問も話題になっている。
 山口4区は、絶対的権力者の地位を保ち、首相に上り詰めた安倍元首相の1人舞台であり、その信任投票の観が強い。前回13万7000票ほどが、首相をやったあとの今回10万票を切ったら敗北、9万票を切るようになったら辞めるべき票と見なされている。
 民主党は前回選挙で得票は3万7000票ほどで安倍代議士に10万票差をつけられて大敗。今回も連合山口は推薦を決定しているが、下関地協(約9000人)は推薦ではない。安倍代議士の出身企業である神戸製鋼や三菱が歴史的な連合安倍派として積極的な安倍応援勢力をつくっている。連合傘下の組合では「1〜3区は選挙の具体的指示が出ているけれど、4区は実質放置」「“ほどほどにやっておいてくれ”といわれている」「加藤県議(下関市唯一の民主党県議)は候補者擁立に反対していた。やる気がないという指摘は当たってます」などと語られている。
 安倍選挙は、自民党支持基盤の上に、連合と公明・創価学会がつねに安倍派として動き、対抗馬が出る余地がないという構図の上に君臨してきた。自民党の林派は安倍派と対抗する気迫はなく、今回も安倍氏のお友だちである麻生内閣の大臣ポストをもらって安倍氏に頭が上がらない関係。連合は安倍派で民主党は組織の体をなしていない。選挙となれば、晋友会、晋緑会といった後援会組織がフル稼働するほか、業種ごとに企業選対が立ち上げられるのも従来のパターンだった。
 ただ、これまでと違うのは全国とも共通して、自民党自身が自民党の選挙基盤を壊してきたことだ。郵政票はじめ、中小企業や農協・漁協といった業界の怒りは尋常ではない。中小企業も大手ゼネコンに食い荒らされてさんざんだったという思いも強く、これらがどう反映するかも注目されている。

 あり得ないことがあるかも 危機感の元首相
 だが選挙風景を見ると、元首相がドブ板をする様子を見て「あんな姿見たことがない」「よほどの危機感なのだろう」とみながビックリしている。昨年からはじめたミニ集会は300回を数えたといっている。集会所に人人が集められて、そこに安倍代議士がやって来る。地域や町内会の祭りにも顔を出す。都議選の最中も、下関を回っていた。
 「5人集まるところなら、どこへでも伺います」と秘書たちが声をかけて回ってきたほか商店街にも何回もあらわれて握手していく。買い物もしていく。「もう3回も来たよ」「うちの商店街は2回」などと店主たちが語り合っている。中小企業に突然あらわれて記念写真を撮ったり、銀行の窓口にやってきて「安倍晋三代議士がきました!」と秘書が紹介をはじめたり、ピンポーンとなるのでドアを開けるとそこにSPや秘書を連れた安倍元首相が立っていたとか、夜のママさんバレーに突如やってきたり、花火大会が中断になって演説がはじまったり。そんな様子をながめながら市民は「前代未聞」といっている。
 安倍代議士の訴えの中身を見ると「世界の安倍」を強調し、「主張する外交」などを強調している。自民党広報車が防衛省昇格、教育基本法改正の“手柄”を披露しているのも特徴。東京からやってきた櫻井よしこや田母神氏などの応援弁士たちが核武装論や「中国、北朝鮮に対抗して軍事力を強化せよ」と説いたりしている。「集団的自衛権を認めることを選挙の争点にせよ」と主張していたことも印象深い。貧乏な国にしたうえに戦争をやる国にするというのが公約の意味するところとなっている。
 日焼けしながら町内を握手して駆けずり回っている危機感に満ちた姿と「世界の安倍」の手柄話や「戦う政治家」ぶりのギャップに市民はとまどっている。票が欲しいのだろうか、あえて減っても説を通すと考えているのだろうか、理解にとまどっている。下関も国も貧乏になり、戦争をやる国になることにどれだけ有権者が賛成するか、選挙が審判を下すことになる。
 首相を放り投げしたことがもっとも強烈な印象を残しているが、「病気だった」と説明。「おかげで下関は恥をかいた」という人がおり、「これは終わりだ。今から上昇することはない」と見る人もいる。前回は首相になれば下関は少しは良くなると信じた有権者がいたが、今回はその条件とは逆なのも大きな相違点となっている。
 カモンワーフにやってきた菅直人・民主党代表代行は「300選挙区あるなかで、もっとも手強いのが安倍代議士の山口4区」と叫んでいた。民主党・戸倉たか子陣営は、「やる気があるのか!」の非難を受けて、街宣車の声が少し活気づいてきたと話題になっている。ただ、真っ正面からの安倍批判は封印している印象をみなが受けている。
 戸倉氏が下関や長門地域に縁もゆかりもないこと、演説を聞いても下手くそであることは有権者のみなが語っているが、「今度の選挙は自民党安倍元首相の審判だ」の意識が強い。戸倉候補がどうかは二の次で自民党を懲らしめろの世論は尋常ではないものがあり、「あり得ないことがあり得るかも」の雰囲気は次第に大きくなっている。4区の有権者の行動は全国が大注目するところとなっている。

 自民党大惨敗させよの世論 小泉改革に怒り沸騰
 自民党は「日本を守る、責任力」をキャッチフレーズにした選挙戦を展開している。「日本を守るための約束」として打ち出したマニフェストのなかでは憲法改正を早急に実現していくことや、米軍再編を着実に実施していくこと「海賊なんかに負けない。テロにも絶対動じない」と題して、「自衛隊が素早く平和協力活動に参加できるための法律整備を施す」「時代の変化に迅速かつ的確に対応した防衛政策を整備・強化するとともに、予算・人員を確保する」といっている。軍事的には米軍傘下で海外の紛争地域に鉄砲玉になっていく機能をさらに強める方向を打ち出している。
 その他官邸機能を強化すること、「地方分権」とセットで平成29年までに「道州制」を導入すること、平成27年までに国家公務員を8万人削減すること、経団連の要望をくみ取る形で、2011年度を目処に税制改正をおこなう(消費税増税を含む)ことなど明記している。
 民主党は主要政策として、「子ども手当」(中学生以下に1人月2万6000円)、公立高校の実質無償化、後期高齢者医療制度を廃止して国民皆保険を守る、年金改革、農漁業の戸別所得補償制度、高速道路無料化、ガソリン税の暫定税率廃止などを中心に訴えている。官邸機能強化や道州制を視野に入れた行財政改革などは自民党とほぼ共通。消費税については黙っているが、「4年間は増税しない」と叫んできた。
 外交面では、「主体的な外交戦略を構築し、緊密で対等な日米同盟関係をつくる」「日米地位協定改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地の在り方も見直しの方向で臨む」「アジア・太平洋地域の域内協力体制を確立し、東アジア共同体の構築を目指す」など主張している。
 国民にとってありがたい公約は口先ばかりで、アメリカや財界が要求する公約は無条件実行が多いのは、さんざんに経験してきたところ。
 国民の関心は目先の公約を超えて根深いものがある。小泉、安倍内閣による構造改革と戦争国家づくりまできて、戦後六四年の自民党売国政治への尋常でない怒りが渦巻いている。日本社会の現状について、「このままではアメリカに潰されてしまう」という実感はかつてなく強いものになっている。この間、経済大国といっているあいだに貧困大国になり、平和国家といっているあいだに戦争をやる国家になり、主権在民国家といっているあいだに聞く耳のない独裁国家になった。国内から金融資産は吸い上げられ、労働者は食っていけず、若者は結婚、出産もままならない。年寄りは生きていけず、医療・福祉、農漁業などの食料生産、労働分野にいたるまで、アメリカ発の市場原理主義が大暴れして、公共性、社会性を破壊してきたことへの怒りは充満しきっている。
 衆院選は全国民的な怒りの世論が爆発することは疑いなく、自民党を大惨敗させよという強い声になってあらわれている。売国政治に鉄槌をくわえて、独立、民主、平和、繁栄の日本を建設するための、全国的な大衆的な論議と運動を下から巻き起こすこと、自民党を大惨敗させた力でもって、民主党ほか各政党を縛り上げることが求められている。

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