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日本戦場にした核戦争阻止を
原水禁運動強化のために
           広島長崎の新鮮な怒りを共有  2006年4月3日付
 
 61年まえ、人類史上初の原子爆弾が広島・長崎に投下された。今日まで人類の頭上に原爆を投下したのはアメリカだけである。そのために無惨な大量殺りくを強いられたのは日本人だけである。核兵器を完全に廃絶すること、すべての原水爆の製造、貯蔵、使用を禁止することは、唯一原爆を受けた日本国民すべての悲願である。だが現在それに抗して、新型核兵器の開発と配備がやむことなく続けられ、アメリカの戦争のために日本をふたたび原水爆の惨禍に陥れようとする事態が進行している。広島・長崎の体験に根ざした新鮮な怒りを共有し、欺まんと抑圧をはねのけ、正面から原爆投下の犯罪を暴露し、新たな原水爆戦争を阻止する壮大な運動を発展させることは切迫した民族的課題となっている。

   核戦争準備するアメリカ
 原水爆を圧倒的に保有するアメリカは戦後、その威嚇(かく)によって、世界のいたるところで戦争を挑発してきた。近年、「核の先制使用」を公然と叫ぶブッシュ政府が、「東アジア重視」「中国の脅威」をとなえ、日本とその周辺にミサイル防衛網を配備し、小泉政府がそれに追随するなかで、日本をめぐる原水爆を使用する戦争の危険が段階を画して進行し、緊迫の度を強めている。
 ブッシュ政府は、先月公表した「国家安全保障戦略」で北朝鮮、イランを「悪の枢軸」、キューバなど7カ国を「専制国家」と名指しし、核独占を背景に戦争挑発をつづけるとともに、中国を「軍事的に最大の潜在的競争国」と見なすことを明記。太平洋に米海軍の潜水艦の約6割、空母の半数以上を配備することを公表した。米太平洋艦隊司令官は「今夏、太平洋に空母群を3度にわたって展開し、日本など同盟国とともに最大規模の演習を実施する」とのべ、日本周辺の緊張を高めている。
 ブッシュ政府はまた、原子力潜水艦に搭載する新型の弾道ミサイルの開発、潜水艦発射型ミサイルに搭載する新型核弾頭の製造に着手する方針をあいついでうち出した。こうしたなかで日本に迎撃ミサイル発射のための早期警戒レーダーを配備、今年八月までに稼働させることや米原子力空母を佐世保に寄港させる計画とあわせて、今年後半には米軍横須賀基地に迎撃ミサイル搭載のイージス艦が配備されようとしている。このような事態の進行のもとで、自衛隊幹部が「日本は対中国の前線基地」と公言するまでになっている。
 米軍岩国基地への厚木基地機能の移転・拡張増設は、岩国基地に空母を接岸させ、核搭載艦載機や空中給油機を大量配備し、沖縄と連動して岩国基地の核攻撃機能を格段に強化するものである。それは、NLP(空母離発着訓練)基地の移設計画など、被爆地・広島周辺を原水爆戦争の出撃拠点にとってかえるものであり、上関原発計画とともに広島周辺一帯をふたたび原水爆による焦土と化してはばからぬ許し難い策動である。
 「ミサイル防衛システム」が、日本を防衛するどころか、日本全土をアメリカの核攻撃基地にとって変え、日本をアメリカ防衛のための盾として、ふたたび原水爆の惨禍に落とし込むものであることは明らかである。ブッシュ政府がこの作戦を「同盟の盾」といってはばからず、岩国基地内で核ミサイル攻撃を想定した待避演習、とりわけ米兵家族を国外に脱出させる訓練が岩国市民を蚊帳(かや)の外においてひんぱんにくり返されていることに、その本質が示されている。
 
  破滅の道進む小泉政府 日本焦土と化す準備が進行
 小泉政府は唯一の被爆国としての責務をかなぐり捨て、アメリカの戦争のために日本を原水爆の焦土と化すという屈辱的な破滅の道を突き進んでいる。すでに、「国民保護計画」という欺まんのもとで、「核兵器による攻撃」や「原発ゲリラの攻撃」を想定した避難訓練が、自治体、放送局、病院、運輸、港湾、自治会などを動員して本格的にすすめられるまでになっている。それは、核ミサイルが飛来したときには、「核爆発の方向を見ない」とか「風下をさけて避難する」、「安定ヨウ素剤を服用する」などというもので、広島、長崎の体験を愚弄(ろう)するものであり、「二度と同じ体験をさせてはならない」と決意する被爆者の激しい怒りを買っている。
 最近、麻生外相がアメリカ政府高官との会談で「日本も核武装が必要」と恥ずべき発言をしたことが暴露された。対米従属下での日本独自の核武装への動きは、六ヶ所村の核燃料再処理施設の稼働など、原爆の原料となるプルトニウムを独自に抽出処理できる環境整備と連動したものである。
 
  渦巻く占領への怒り 米国の企み暴露へ 
 アメリカの日本国民を侮蔑した傍若無人な原水爆策動と、小泉政府の卑屈な対米追随政策は、広島・長崎はもとより全国各地で人人の強い憤激を呼び起こしている。
 全国数千カ所以上で開催された「原爆と峠三吉の詩」原爆展、原爆展キャラバン隊の全国的展開、そのなかで浮き彫りにされた「沖縄戦の真実」や「長崎の怒り」、さらに昨年来の原爆と空襲展では、原爆や沖縄戦、各地の戦争体験がほとばしるように語られ、激しい怒りが噴出している。そこでは、日本の敗戦がすでに決定的でありアメリカが原爆を投下する必要はなかったこと、原爆はソ連を排除して日本を単独占領するためになんの罪もない市民のうえに投げつけられたことと沖縄戦や各都市への空襲による無差別殺傷を強いられたことは、同じアメリカの戦争目的と戦後の日本占領支配の野望に貫かれたものであったことが、今日のアメリカと小泉政府の策動への怒りをこめて論議されている。
 米軍岩国基地への厚木基地機能の移転をめぐる住民投票に示された岩国市民の憤激と固い意志は、基地があるゆえの歴史的な屈辱と怒りを鋭く反映したものである。岩国の現状は原水爆を根幹とする米軍基地によって抑圧支配されてきた日本社会全体の縮図である。岩国市民の勝利は、日本全土の核基地化に反対する全国各地の人人を大きく励ましており、沖縄はもとより、鹿屋、築城、座間など米軍基地のある各地で住民の集会や行動がかつてなく活発になっている。
 こうしたなかで、広島、長崎の被爆市民がありのままの体験と真実を語り、原爆で無惨に殺された地下からの叫び、生き残った人人の新鮮な怒りを共有し、原水爆禁止の国民的要求を一つに束ねて発展させること、「原爆投下は戦争を早く終結させるためであった」とか、「反核を反米にすりかえてはならない」「日本人は侵略の反省をせよ」などの欺まんを一掃し、「和解」や「祈り」という抑圧をはねのけて原爆投下者の犯罪をあいまいさなく暴露することが求められる。そうしてアメリカの戦争のために、日本民族をふたたび原水爆の惨禍に落としこもうとするたくらみをうち破る運動を力強く発展させることが期待されている。
 
  50年8・6斗争継承軸に 労働運動再建へ
 日本の原水爆禁止運動の原点となった1950年8・6広島平和斗争の路線を継承し、労働者を中心に青年学生、婦人、教師など各層のなかで、原水爆禁止運動を力強く発展させることが、今日、決定的に重要さをましている。
 戦後、広島、長崎の名が世界中に知られ、だれも原爆に公然と賛成できないようになった。それは50年8・6以後、朝鮮戦争で原爆投下しようとしたアメリカの手足を縛る労働者を中心にした国民的な運動として発展し、広島で継続的に国際的な平和大会を持つまでになった原水爆禁止運動が、実力でつくり出したものである。
 広島、長崎の本当の声を全国、世界へ広げること、これと、戦争体験者がみずからの体験を若い世代に語りつぐ運動を連携させて発展させるとともに、現役世代の労働者が原爆反対、戦争反対の政治課題を正面からかかげて登場することが強く望まれている。
 今日、アメリカのグローバリズムによる市場原理の導入、小泉政府の「構造改革」のもとで、企業の合併・再編、倒産と失業が長期につづき、労働現場はすさまじい殺人的状況におかれている。「営利優先」のもとで、「安全性」や「公共性」が無視され、多数の人命にかかわる大事故が多発している。
 アメリカが日本をはじめ世界の労働者、人民を搾取、収奪し、支配する根幹は軍事力であり、その最大の武器は原水爆である。労働者が核兵器の廃絶、原水爆戦争反対を第一義的課題にして、アメリカの抑圧支配と真向からたたかうという高い戦略観点に立って、全人民の根本的利益を代表して50年8・6型の労働運動へと転換する決意と行動が求められている。労働者が職場の問題、個人の利益だけに目をむけていては実際にあわないばかりか、排他的で反動的なものとならざるをえない。個人の権利を第一とする日和見主義、排外主義の影響とたたかいこれと決別することが求められる。
 
  国際連帯が重要に 反グローバル化と結び
 朝鮮戦争のさなかにたたかわれた50年8・6斗争では、国際連帯の課題が重視され、朝鮮人民との連帯を強めて当時朝鮮で原爆を使おうとしたアメリカの手足を縛る力のある運動を発展させた。
 小泉政府はアメリカの戦略に従って、北朝鮮の核開発・拉致問題を利用して、また靖国神社参拝や竹島・尖閣諸島、中国の反日運動などの問題をめぐって、中国、韓国への挑発と排外主義をあおってきたが、その外交政策は内外で孤立し、破たんしている。中国、朝鮮をはじめとするアジア人民、とりわけ在日朝鮮・韓国人との連帯の課題は切実な課題となっている。
 アメリカのイラクへの軍事侵略・占領支配は、イラク人民の3年間のたたかいによって、すっかりゆきづまり、その本性が暴露されている。イラク人民のたたかいはアメリカのグローバリズムとたたかう中南米、アジア、アフリカ、欧米諸国人民の共同斗争の発展をうながしている。原水爆禁止の課題を実現するうえで、イラクをはじめ各国人民との連帯を強めることが、求められている。
 アメリカの原爆投下の謝罪を求める広島アピールの署名運動を圧倒的におしひろげ職場、学校、地域で論議を旺盛に巻き起こし、原水爆禁止の世論を大きく発展させることが求められる。
 青年労働者、学生のあいだで、『広島と長崎』(福田正義著)に新鮮な共鳴が語られ、50年代の先輩たちのように原水爆に反対する政治斗争を勇敢に献身的にたたかわなければならないことが、感動をこめて論議されている。それが平和のための積極的な行動に移され、誠心誠意人民に奉仕するざん新な政治集団として形成されることが強く期待される。こうして、全国世界から平和を願う広範な人人を、とりわけ労働者を中心に若い世代を、今年の8・6集会に大きく結集することが強く期待されている。
 ★広島、長崎の被爆の惨状を伝え、広島、長崎の被爆市民のほんとうの声を若い世代に、全国、世界へ広げよう。
 ★戦争の終結には必要なく戦後支配という利己的な目的のために広島、長崎に原爆を投下した犯罪についてアメリカ政府に謝罪を求める。 
 ★日本を原水爆戦争の戦場にする中国・朝鮮への戦争挑発反対、アメリカの下請戦争への参戦を阻止しよう。自衛隊のイラクからの撤退、有事法の撤回。
 ★世界中からすべての原水爆兵器の製造、貯蔵、使用の禁止を要求する。そのためにはアメリカが率先して原水爆を廃絶しなければならない。
 ★労働者を中心に各層人民が全国的に団結して、平和の力を大結集しよう。
 ★朝鮮、中国、イラク、アジアと全世界の平和愛好者との国際連帯を強めよう。
 ★峠三吉が活動した1950年8・6平和斗争の原点に立ち返って原水爆反対の運動を再建し8・6広島集会に結集しよう。

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