トップページへ戻る

日本戦場の戦争が目の前に 
米韓の挑発に朝鮮乗らず
菅政府、米の鉄砲玉に

 アメリカが指揮して「韓国」軍が延坪島周辺海域への実弾射撃演習を強行したが、朝鮮側は反撃せず、戦争には到らなかった。だが、朝鮮半島や東アジアでの戦争の危機が去ったわけではない。アメリカはアジアに覇権を求め、中国をはじめ巨大な市場を略奪する野望を持っており、戦争挑発者となっている。そのアメリカの無条件追随の鉄砲玉となって中国や朝鮮への侵略態勢をとる菅民主党内閣は、日本を再び原水爆戦争の戦場にし、民族滅亡の危機にさらしている。大手マスメディアはこぞってアメリカの提灯持ちをし、イカサマ報道をやり、かつて戦争をあおった「大本営発表」の姿をさらしている。
 朝鮮半島では戦後60年余りにわたって、緊張状態が続いてきた。一度は同じ民族同士が殺し合う戦争まで起こった。その根源が南北分断に始まり、アメリカが世界支配の戦略にもとづいて北朝鮮から中国へと支配を拡大し、アジアに覇権を求めたことにあった。近年は朝鮮の核開発やミサイル開発の「脅威」を口実にして、各種の戦争・占領計画を作成し、毎年大規模な米「韓」合同の軍事演習をくり返し、1993〜94年には核戦争の瀬戸際まで行った。
 今年の3月に起こった「韓国」哨戒艦「天安」の沈没事件は、米「韓」による「北朝鮮の魚雷によるもの」はねつ造と評価されている。李明博政府が組織した「官民合同調査団」のなかにこじつけとの異論が出たり、ロシアの調査団も「根拠がない」と結論づけた。だが、日本のマスメディアは例外なしにアメリカや李政府の情報だけを垂れ流し、「北朝鮮は怖い国」という感情を植えつけた。
 先月23日、朝鮮半島西の黄海にある延坪島で南北の砲撃戦が起こったときも、「韓国」の発表を受け売りして、もっぱら「北が砲弾の雨を降らせ、住民を殺傷した」と一面のみをセンセーショナルに報道、「韓国」側の軍事演習の面は隠した。事件の背景に海上の南北境界線について北と南は異なった線引きをしていることがあり、「韓国」軍が朝鮮の「領海」に何千発の砲弾を撃ち込んだために、朝鮮軍が反撃した関係が判明した。しかし菅政府もマスメディアも、あえて真相を隠して「北の砲撃」とだけ報じ、「残忍な北」とのイメージを植えつけることに懸命となった。
 「韓国」軍が20日に強行実施した延坪島周辺海域への砲撃訓練についても、朝鮮側にすれば自国の領海に対する挑発であり、反撃を予告した。だが「反撃に値しない」と軍事衝突を避けたことに対して、オバマ政府が「もともと韓国の自衛権行使で、北にも事前通告をしていた」というと、マスメディアは口をそろえて「北が挑発をしなかった」と書いた。「韓国」の先制砲撃演習は挑発ではなく、朝鮮の方はつねに「挑発」とする一面的報道である。戦前のマスコミが軍部の仕掛けた謀略事件を「中国軍の攻撃だ」といって、中国侵略を拡大することに協力したのと同じ手口である。
 アメリカは今年の春から、「韓国」哨戒艦事件や延坪島砲撃戦などを口実に、「韓国」や日本の政府を動員して毎月1回、ときとして連続の合同演習を朝鮮半島周辺でおこなった。7月末には黄海で米原子力空母ジョージ・ワシントンの機動部隊を入れての合同演習を画策、「うちの庭先に空母を入れるとは何ごとか」と中国に反発されて、釜山沖に変更した。だが11月の米「韓」合同演習には、ジョージ・ワシントンを黄海に入れた。中国の山東半島と170`しか離れていない海域に入れた。中国の各種情報を入手する目的があったことは歴然である。続いておこなわれた日米合同軍事演習も、史上最大の規模だった。
 これらの米・日・「韓」を結んだ合同演習は、直接には朝鮮への軍事挑発・恫喝であったが、中国に照準を定めた戦争恫喝であった。
 中国との関係を見ると、オバマ政府は今年1月に突如、台湾への武器売却計画を発表して軍事交流を中断したのに続き、3月にはオバマ自身がダライ・ラマ14世と会見、グーグルも中国の内政に干渉するなど、緊張した険悪な関係となっていた。そこへジョージ・ワシントンを黄海に入れるとなったので、中国も対抗して黄海や東シナ海で海軍の演習をやり、空母必殺のミサイル実験をやった。そして国防大臣がもしもアメリカがその空母をどうしても入れるならば、母港である横須賀をミサイル攻撃するとまでいった。
 尖閣諸島(中国名・釣魚島)での中国漁船と海上保安庁の巡視船の衝突事件が起こると、アメリカはその帰属問題はあいまいにしたまま、「安保条約が適用される」といって、動揺する菅政府を励まし、安倍晋三や田母神前空幕長のような人物を踊らせ、マスメディアも「中国は横暴」との排外主義的な風潮を煽った。
 オバマ政府は7月のASEANフォーラムにクリントン国務長官を出席させ、南シナ海の「自由航行はアメリカの国益」といわせた。明らかに西沙諸島や南沙諸島の帰属をめぐる長年にわたる中国とASEAN諸国との確執に介入し、両者を分断し中国と対立してアメリカが漁夫の利を得るためだった。
 11月にはオバマ自身がインドを訪問、原子力協力や貿易拡大でインドを米国にとりこむことを策動。クリントン米国務長官はゲーツ米国防長官とともにオーストラリアやニュージーランドを歴訪し軍事一体化を進め、日本以上にアメリカの軍艦が自由に基地を使用できるようにさせた。これらは、グアムの超巨大基地化の進行と合わせて、小笠原諸島からマリアナ群島に至る中国やロシア包囲の第二列島線を強化するものだった。
 加えて日本列島からフィリピン、インドネシアに至る第一列島線でのアメリカの軍事力増強も、米軍再編過程で急速に進行している。こうした軍事包囲網強化の目的は、日本を中心にして環太平洋地域の覇権をアメリカが握り、中国を締め上げて屈服させ、巨大な中国市場を手に入れ、富を略奪することである。

 オバマ政府の正体暴露露骨な強権外交

 オバマ政府は発足当初「対話を軸にしたスマート外交」などを掲げていたが、今ではその欺まんのベールを引きはがし、ブッシュ前政府と変わらない強権外交に転じた。中国に国会議員ら何百人を引き連れて行ったり、米軍は第七艦隊だけでよいといった小沢。「東アジア共同体構想」を模索し、普天間基地の県外移設を口にした鳩山。彼らを失脚させ、菅を起用したのはアメリカの意向であった。
 そして今日、菅内閣は普天間基地の辺野古移転という「日米合意」を大上段に構えて、沖縄県民に襲いかかっている。先日策定した新「防衛計画の大綱」では、中国にはっきりと矛先を向けて、中国や台湾に近い南西諸島への自衛隊配備を増強し、那覇基地の軍用機の更新、潜水艦の増加などを盛り込んだ。
 オバマ政府が昨年末にうち出したTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)は、発展著しい中国をおもなターゲットにしている。それは、規制緩和・構造改革をアジア・太平洋地域の国国に押しつける事実上の米日FTA(自由貿易協定)である。これによって中国市場をアメリカ資本が独占し、製造業の移転、金融業進出による中国経済の金融支配などをやり、アメリカ資本が中国の富を略奪しようとしている。
 アメリカ経済はギャンブル金融路線で暴走して大破産した。だが、今では口先だけは金融投機の規制といいながら、実際はギャンブル金融の大暴走を始めている。
 そして国際的な通貨戦争を仕掛けている。国際投機集団が攻撃をかけてギリシャ国債を暴落させ、ユーロに揺さぶりをかけて、世界の余剰資金がドルに向かうようにした。アメリカの中央銀行FRBは量的緩和の第二弾までうち出し、ドル紙幣を刷りまくってドル安を強行している。
 ドル安によってアメリカの対外債務(借金)は棒引きにして、中国や日本など米国債を大量に抱えている国に犠牲を押しつけている。世界中にばらまいたいかさま証券も同様である。
 中国に対しては執ように人民元の為替レートの引き上げを要求、鋭い攻防が続いている。G20も米中の通貨戦争が主要議題となったが話はまとまらなかった。中国やブラジルなど新興国が猛反発したからだ。新興国にしてみれば、ドル安の影響で通貨高になるとともに、大量のマネーが流れ込んでバブルが発生、食いつぶされる運命だ。
 中国市場の獲得は西側資本主義の百数十年来の野望であった。中国を制するものは世界を制するといわれた。第二次世界大戦の日米戦争も眼目は中国市場の争奪戦であった。現在のアメリカの中国市場獲得も、手段を選ばない。「国債を買ってもらっているから」と遠慮もしない。中国側も米国債保有を減らしたり、アメリカ側もドル安で米国債を損させたりの応酬となっている。
 アメリカの影響力が衰退するなかで、世界の経済ブロックの再編が起こっている。アメリカにしてみれば、中南米が反旗を翻して米州自由貿易圏がとん挫し、イラク・アフガン戦争に失敗して中東支配もダメになり、EUがブロック化し、中国とロシアの関係が密になっている。だからアメリカは、アジア太平洋地域をターゲットにし、なかでも中国市場に重点を置かざるをえない。
 そのために軍事的包囲で圧力をかけ、政治的には「独裁反対」を旗印に西側資本主義の「民主化」を押しつけ、政権転覆が狙いである。1989年の「天安門事件」で試みた内部の「民主派」による政権転覆である。最近、ノーベル平和賞を国家転覆罪で拘禁中の劉暁波に授与したのは、アメリカの指図であることは明らかである。「天安門事件」の首謀者だったウアルカイシや蔡玲などの言動が活発化し、活動拠点をアメリカから台湾に移したとも伝えられる。
 今日の朝鮮半島の危機の背景には、中米関係の激化がある。菅内閣がアメリカの指揮棒に従って中国に対する戦争準備をすることは、互いに欠くことのできなくなった日中経済関係を破壊したうえに、再び中国と矛を交え、日本をアメリカ本土を守るための戦場にするという大犯罪である。

トップページへ戻る