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妊婦と赤ちゃんの医療崩壊阻止
              福島の産科死亡事故機に署名運動    2006年3月23日付

 産婦人科医師の極度な不足のもとで、「一人医長」であった福島県立大野病院産婦人科で一昨年12月に起こった手術死亡事故で、担当した加藤克彦医師が、業務上過失致死などの容疑で逮捕・起訴された事件は、市場原理一点ばりの小泉構造改革の反社会性を浮き彫りにしている。同時に事故が起これば個人の責任に転嫁して、平然と医療改悪を強行する政府・自民党への怒りが高まり、医師、患者による国民、とくに妊婦と赤ちゃんのための医療を守る運動が広がっている。

  連名で陳情    福島医大教授・日本医学会長・日本学術会議会長
 今回の事件は、医師、看護師ともにぎりぎりの人員で運営されている手術など急性期医療を担う医療現場に、小泉医療制度改革に反対して国民のための医療、とくに妊婦と赤ちゃんの医療をどう守るかという日本の将来にかかわる重要な問題を提起している。
 このなかで、福島県立医大産婦人科学講座教授・佐藤章、日本医学会会長・高久史麿、日本学術会議会長・黒川清の3氏の連名で、加藤医師の無罪とともに、医療供給体制の改善を要求する陳情署名が全国的にとりくまれている。
 陳情書は、今回の不幸な事故が、@2つの胎盤が合併するという稀有なケースで、A産婦人科医が一人しかいない、B僻地の病院であった、という条件のもとで起こったことを明らかにし、福島県立大野病院と加藤医師の責任は民事で問われるべきであるとしている。そのうえで、「医療現場における事故を個人の責任に帰着させるのではなく、システムの問題としてとらえ、その発生を最小化していくべきとの考え方は、大多数の先進国では共通の認識となっている」とし、このことが医療を受ける患者の利益でもあることを強調している。
 そして、担当した加藤医師の逮捕・起訴を遺憾として、無罪を求め、再発防止のために、厚生労働大臣につぎの提案をし、@分娩(ぶんべん)の安全確保のための総合的対策、A周産期医療にかかわる産科医・小児科医の過酷な勤務条件の改善、B医療事故審査のための新たな機関の設立――を要求している。
 この陳情署名運動は、全国の急性期病院の勤務医を中心に急速に広がり、患者である国民との連携が求められている。

 山口市の患者団体が連携を表明
 山口市の「糖尿病・患者と家族のつどい、山口しらさぎ会」は、この署名に協力し、会報でつぎのようにその立場を明らかにしている。
   ○…………○
 今回の不幸な事故は、医師個人の責任問題ではなく、その社会的背景からすれば、小泉政府・厚生労働省が強行してきた福祉・医療破壊の政策にこそ責任があると断ぜざるをえない。
 最近の目にあまる医療費の患者負担増、診療所・病院にたいするきびしい診療制限、医療スタッフにたいする苛酷な労働条件、これらの問題の解決なくして事態を根本的にあらためる手立ては存在しない。にもかかわらず、困難な医療条件のもとで昼夜をわかたず、努力された医師に全責任を押しつける、不当な仕打ちは容認できない。
 今回の事件は、あたかも患者の側に立っているかのように見せかけ、医療破壊の真犯人に煙幕をはり、医療費負担に苦しむ患者に目つぶしをくわせる、陰険な攻撃でもある。
 「糖尿病・患者と家族のつどい、山口しらさぎ会」は、「患者と医療部門のスタッフが手を携え、それぞれの地域、病院、診療所で、でたらめな医療破壊を許さない力を積み重ね、国民の医療を守る行動を起こしていく」方針に立って、「周産期医療の崩壊をくい止める会」(代表・佐藤章福島県立医大産婦人科学講座教授)の行動を支援し、署名に名をつらね、ともに奮斗する。

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