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〈論壇〉植民地的隷属断ち切り全国民的世論と運動強めよう  2007年10月24日付

  米軍岩国基地に所属する米兵が、広島に遊びの範囲を広げ、10代の女性を集団強姦し、所持金を盗む事件が起きた。原爆で二十数万人を虫けらのごとく焼き殺した広島で、戦後62年たった現在、女性を虫けらのごとく蹂躙(じゅうりん)しているのである。この事件は、戦争で幾百万人が殺され、戦後は隷属の鎖に縛られた日本民族の屈辱を象徴する事件である。
 横須賀では通勤途中の女性が米兵に殺され、沖縄や佐世保でも米兵犯罪があいついでいる。ブッシュ政府が「対テロ戦争」をはじめ、それが行き詰まるなかで米兵の犯罪が多発するようになっている。岩国では、艦載機移転話が持ち上がった頃から、米兵が横柄になってきたことが語られている。岩国では市民が相手にしなくなったので、米兵は広島に遊びに行く。カネを持っていないので、無賃乗車で駅ともめる。Yナンバーをつけた車で基地に帰る米兵はほとんどが飲酒運転で、猛スピードの事故も多発している。しかし、日本人にはうるさい警察はもみ消そうとするばかりで、それが米兵をさらに横柄にさせている。
 岩国では、空母艦載機を移転させるために、市民をだまして沖合拡張や愛宕山開発をやり、市財政はすでに決まっていた補助金をストップして経済制裁をやり、アメリカの要求を認めさせようとする。基地のなかでは、水道も電気も使い放題。米兵住宅も、土台からして日本の住宅の3倍ほどの頑丈さで、原爆攻撃でもつぶれないようなつくり。これらが「思いやり予算」と称して日本の税金でまかなわれて、米兵は贅沢のし放題。そして核攻撃となったら、自分たちの安全一本槍で、米兵は家族とともに国外脱出する訓練をくりかえす。白人兵は黒人兵を侮蔑しているが、黒人兵は日本人を「モンキー」のごとく侮蔑する。米軍は日本の安全を守るためにいるものではなく、日本を蹂躙するためにいるというのは、基地の町で暮らす市民の常識である。
 米兵を増長させているのは、小泉、安倍、福田とつづく自民党政府が、度はずれて対米従属の道を進み、日本本土を米軍の自由使用にゆだねて全土をアメリカの戦争のための戦場にするとか、自衛隊は米軍の下請軍隊として縛りつけ、身代わり戦争に駆り立てるなかでひどくなっている。日本人全体はアメリカの核戦争の弾よけにされようとしており、日本人の男子は下請軍隊の肉弾に差し出され、女子は米兵の享楽道具にされるというのである。
 小泉政府以来、アメリカのいうがままの「構造改革」を強行し、政治、教育、文化、金融から経済、労働者の奴隷扱い、農業の破壊、中小業者の切り捨て、医療から福祉の切り捨てなど、日本社会全体が植民地的な略奪にさらされ、破壊されてきた。まさに日本人民の貧困と奴隷的隷属、戦争への動員というような困難の根源が、軍事支配を根幹とする戦後のアメリカによる侵略支配と、その目下の同盟者となって民族的利益のすべてを売り飛ばしてきた売国独占資本集団の支配にある。
 このような日本の植民地的な隷属、そして積極的に民族的な利益を売り飛ばす売国政治が支配していることが、米兵を横柄にさせる根拠である。若い女子が米兵にまとわりつき、自分の方がカネを出してまで米兵と遊び、もてあそばれる風潮に、岩国市民は眉をひそめている。これは社会全体の対米従属構造のもとで、教育からメディアから、万事アメリカが優れていて日本は劣っているという、意図的なアメリカ崇拝・民族劣等意識を宣伝してきた結果である。売国勢力が日本民族の胃袋から魂までも抜き取ろうとしてきた結果である。
 今回の米兵強姦事件にたいして、犯罪米兵の身柄を直ちに日本側に渡すこと、そして厳重な処罰を加えることを断固として要求しなければならない。それは、在日米軍を増強させ、自衛隊を米軍の下請に組み込んで日本が戦争をやるという、日本人民全体をアメリカの蹂躙のもとにおくことを阻止する世論と運動を強めることを基本とせざるをえない。それだけではなく、政治、経済、文化、教育など社会全般にわたる植民地的隷属の鎖を断ち切る全人民共通の課題と切り離すことはできない。そのような独立の課題を中心にした平和と民主主義、人民生活の繁栄、人民的民族的な文化の発展の課題として、岩国、広島をはじめ全国、全戦線から世論と運動を合流させることが求められている。

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