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         〈論壇〉失業と貧困つくる対米従属
         下請け戦争で日本売る小泉
   2002年10月24日付

 ブッシュ政府はアフガンにつづいてイラクへの戦争をしゃにむに準備している。「大量破壊兵器を持っている悪の枢軸国家」であり、「攻撃するにちがいないから先に攻撃する」というのである。それは国際法もなにもないもので、アメリカだけが正義で他はみな不正義というものであり、アメリカのいいなりにならないものは殺すというならず者のやり口である。ブッシュの論理を真似るならば、核兵器から化学兵器、通常兵器でもけた違いの大量破壊兵器を持って世界中を心配させているのはアメリカであるから、先制攻撃されなければならないのはアメリカだということになる。よその国に大軍を派遣して、大戦争をせずとも、ブッシュが自分で自分を先制攻撃したら世界の平和は簡単である。
 第二次大戦から五七年、アメリカの落ちぶれ方も相当のものとなった。近年グローバル化・市場原理を叫んで、各国に金融自由化を押しつけ、世界中から借金した巨大な資金で金融投機をやり、日本、中南米、東南アジアと各国をバブル経済にして破たんさせ、最後にはアメリカ国内で土地、株とITバブルをやって破たんした。七〇年まえの大恐慌と同じ様相を深め、アメリカでも世界中でも失業と貧困、飢餓があふれている。国内外で、史上最大の金利稼ぎ国家・経済破壊のアメリカ金融独占の支配にたいする怒りはあふれ、反米斗争が激化している。
 ブッシュ政府が戦争狂となっているのは、「テロ撲滅」とか「大量破壊兵器対策」などはどうでもよく、国内外の政治的経済的な危機が深まっており、人民の反抗を排外主義にすりかえ、戦争で切りぬけたいからである。国内では、アメリカ一国主義とイスラム系市民への排斥など排外主義をあおりながら、密告制度をつくるなど、ヒトラーのナチスも顔負けの弾圧体制をつくっている。
 小泉政府は、このアメリカの方向に無条件に従って、アフガンにつづくイラクとの戦争にアメリカの下請軍隊として自衛隊を派遣し、有事法にやっきとなり、経済面では不良債権を処理せよというアメリカの要求に従って、大量の倒産と失業をつくりながらアメリカ資本の企業乗っとりに手を貸そうとしている。
 戦後アメリカに単独占領され対米従属下におかれてきた日本の現状は悲惨なものがある。規制緩和・自由化の叫びで実際にすすんできたのは統制経済であり、アメリカの強権によって日本の経済はガタガタに崩壊している。銀行は自己資本比率や会計基準などの統制でしめあげられ、いまでは「不良債権処理」で銀行をはじめとする大量の倒産と失業をつくろうとしている。新卒の若者に就職はなく、就業者は低賃金と過重労働で苦しみ、失業者があふれ、健康破壊から家庭崩壊、自殺、殺人など悲惨な事件が激増している。そのうえに、医療や介護など社会保障的なものは自己負担原則などといってことごとく切り捨てている。失業するのも自殺するのも個人の自由で、国民にとって政府はないのと同じになっている。
 このように意図的に、人人が食おうにも食っていけないようにして戦争にかりたてようとしているのである。戦前において、緊縮財政・「ぜいたくは敵だ」といっていたのが「ほしがりません勝つまでは」になって、最後は三〇〇万人をこえる親兄弟を殺され、都市は焼け野原とされ敗戦となった、それを今度はアメリカの下請となってくり返そうとしているのである。
 アメリカが日本の売国独占資本を従えた植民地的支配によって、経済的にも政治的にも苦しくなったなかで、そのようなアメリカ支配の枠組みを運命とみなして他国との戦争にすすむか、世界の平和愛好勢力と団結して対米従属構造とたたかい、独立、民主、平和、繁栄の日本を実現する道にすすむか、ますます鋭い分かれ道となっている。
 被爆者、戦争体験者と青少年たちが敏感に平和への発言と行動を強めているなかで、労働者をはじめ農漁民、中小商工業者、都市勤労人民など、日本経済を担う現役勢力が、グローバル化による生活破壊の問題と結びついた戦争動員と対決して立ち上がることがひじょうに注目される。

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