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 <論壇> 日本民族の根本的利益を売飛ばす財界と政府 2008年9月26日付

 アメリカのサブプライムローン破たんに端を発した金融恐慌は、日本の富がさんざんにアメリカ政府と金融資本に巻き上げられている現実を暴露している。1958年のプラザ合意で1j・240円を120円にして競争力を奪うようにし、さらに金利をアメリカより2〜3%は低くして資金がアメリカに流れるようにした。こうして、米国債やサブプライムローンを組み込むなどした各種の証券や米国株などの形で、日本から500兆円ほどを巻き上げられている。
 サブプライムローンを組み込んだ証券を買い込んでいるのは、農林中金が5兆3000億円、日本生命が2兆9000億円、三菱UFJ銀行が2兆8500億円、第一生命が1兆3000億円、そのほかに年金運用団体、共済組合、各種金融機関で14兆円といわれている。
 破たんしたリーマン・ブラザーズとの関係だけでも、あおぞら銀行が4億6300万j、みずほ銀行が3億8200万j、新生銀行が2億3100万j、三菱UFJ銀行は1億8500万j、といった調子で、三井住友、信金中央金庫、日本生命など、日本からあわせて1700億円を融資している。
 そしてドル買いなどといってアメリカ国債を百数十兆円買い込んでおり、年金資金も相当額が焦げ付いている。国民が預けた預金や保険金、さらに税金などがアメリカに巻き上げられているのである。
 そのうえに、リーマン・ブラザーズが破綻し、金融恐慌に突入すると、日銀は十数兆円の資金供給をやった。三菱UFJ銀行は、リーマンへの融資やサブプライム債券などが焦げ付いているのに、モルガン・スタンレーに9000億円を出資することにした。三菱UFJは、アメリカの格付け会社から格付けを落とされている。野村ホールディングスはリーマン・ブラザーズのアジア・太平洋、欧州部門を買いとらされることになった。脅されたらすぐいうことを聞くのだ。
 アメリカ政府は75兆円の不良債権買い取りの方針を出しているが、各国にも不良債権処理でカネを出させようとしている。中東の政府系ファンドなどは、先に貸し付けて焦げ付きを抱えさせられたが、今度は「自分の国の金融問題は自分の中央銀行が解決しろ」といっている。そんななかで、日本政府は断るような姿勢はまったくない。
 労働の規制緩和といって、労働者をパート、アルバイト、派遣などにかえて労働力の再生産も出来ないようにし、農業漁業は成り立たなくして飢餓民族に落とし込めるようなことをし、商工業者は首つりに追い込む。働く者を食えなくさせて、マネーゲームで利ザヤ稼ぎにうつつをぬかすようなものが富を独占し、結局は一握りの売国独占資本集団とアメリカ金融投機集団が巻き上げるというのが日本社会の基本構造になっているのである。日本人民のすべての苦難はここから生まれている。「日本は戦後アメリカのおかげで豊かな国になった」というのが定説のように振りまかれてきた。しかし結局は、太らせて最後に食ってしまうというものであった。
 小泉政府から安倍、福田政府とつづくなかで、日本社会はさんざんに破壊されてきた。アメリカが毎年出す「年次改革要望書」を忠実に実行してきた政府である。日本の総理大臣は国会が決める前にアメリカが決める関係になっている。日本の独占資本集団と政府は、アメリカに脅されて、民族的な利益のすべてを売り飛ばすというのが性根なのだ。日本社会がつぶれ、学問も教育もつぶれ、人人がいかに生活できなくなろうが知ったことではないのだ。愛国心などというものはまるでなく、主人であるアメリカ支配層に認められて、自分の地位を守りさえすればよいという恥ずべき売国奴であることをはっきりと認識せざるをえない。
 アメリカが日本を属国として支配する出発点が、第2次大戦における残虐な大殺戮と日本占領である。そして現在までつづく日本侵略支配の根幹は在日米軍の存在であり、自衛隊や警察がその下請になって軍事支配をしているという関係である。また財界、政界から、学者、文化人、教育界、メディア、それに野党勢力まで含めて、アメリカで飼い慣らされた勢力が形成され、アメリカの日本支配の手先を務め、日本民族を苦難に陥れている関係となっている。
 自民党総裁選の猿芝居を見せつけられたが、今度は総選挙である。「自民党売国政治に鉄槌を加えよ」の声は都市でも農村でもうっ積したものとなっている。自民党を打ち負かす力を示すことは民主党に対しても勝手に出来ない圧力をつくることになる。選挙は日本の国の進路をめぐって、全国民的な大論議をし、圧力を加える大きなチャンスとなる。独立、民主、平和、繁栄の日本を実現する大衆的な力を強めることが最大の課題である。

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