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 <論壇> 資本の横暴を阻止するのは全労働者団結の力  2008年12月12日付

 トヨタやキヤノン、ソニーなど輸出でボロもうけをしてきた大企業が、何万人もの大量首切りを強行している。この人員削減は、かつての場合は2年から5年ほどかかっていたのが、このたびは数カ月の短期間で進行しているといっている。小泉以来の労働規制の緩和で、派遣労働者や期間工、アルバイト、パートなど非正規雇用がふえて、まるでモノを捨てるような便利さになったと自慢しているのである。労働者が部品と同じ不要品扱いをされる世の中になっているのだ。
 労働者は街頭に投げ出されるが、再就職の場はさらにない。こうして生きていく当てのない失業者が都市にも地方にもあふれかえっている。憲法は全ての国民の生存権を明記しているが、この国の実態は働くものが生きていけない国になっているのだ。しかし労働者は仕方がないといって黙って首をつるわけにはいかない。
 雇用責任とか社会的責任などへのカッパで、自分さえもうければよいという金融詐欺師のような恥を知らぬ強欲資本が、労働者を奴隷や家畜以下に見なして好き勝手にするというのが新自由主義という代物であった。階級格差の極なのだ。こういう連中は、はじめから人に同情するような精神はなく、説得して態度を変えるような代物ではない。かれらの横暴を抑えるのは、かれらより強い力だけであり、企業、産業、地域をこえた労働者・全ての勤労人民の団結してたたかう力である。
 だれでもわかるように、資本家は労働者がいなければやっていけないが、労働者は資本家がいなくてもやっていける。トヨタやキヤノンといえども、この資本を大きくしたのは何万人もの労働者が労働をして富をつくり出したからである。かれらは首を切るといっても労働者の一部しか切ることは出来ない。したがって全ての労働者が、解雇される労働者の問題を自分たちの問題としてとらえて団結するなら、いかなる横暴な資本も好き勝手をすることは出来ない。
 失業は非正規雇用労働者の問題であり、正社員は関係ないというものではない。公務員、大企業正社員といっても、子どもが非正規雇用というのは普通であり、失業したなら一家が悲惨な目にあうことになる。また非正規雇用者が切られた職場で、残された労働者がひどい目にあうこともはっきりしている。失業者の問題は全ての労働者の問題であり、就業労働者の問題として、とりわけ組織を持っている労働者の問題としてたたかうことによって展望が開ける。
 日本では労働組合はたたかわないところであり、会社以上に会社側を心配するところという評価が定着して久しい。下関などでは労働組合の連合の幹部連中が、ずいぶん長期にわたって自民党安倍派に属し、安倍代理市政の選挙母体となってきた。支配勢力に取り入り、全ての労働者、市民を犠牲にすることによって、自分たちだけが得をするというのが、常識のようになっている。労働者が生きる権利を守るためには、このような労働組合を支配する非常識を一掃して労働組合を労働者の団結の道具として取り戻すことが避けて通れない課題である。
 経団連会長の御手洗が会長をつとめるキヤノンは、自分たちが派遣労働者を酷使したあげくに自分たちが首を切るのに、労働者がキヤノンに文句をいうのは筋違いであり派遣会社にいっていけと突っぱねた。首切りの問題は、実際に働かせた企業に責任をとらせなければならないのは当然である。またそれだけではなく、政府に生きることを保障させ、雇用をつくらせなければならず、また雇用責任を放棄させた派遣法を撤廃させなければならない。そのために全国的な労働者の力を結集した対政府の政治斗争をすることが不可欠である。
 またそれは、対米従属のもとでアメリカの指図通りにやってきた構造改革による、国民経済全体の破壊の一環であり、農民、漁民、中小商工業者、都市勤労人民などと団結し、独立、平和と繁栄を目指す全人民的な政治斗争に合流する必要がある。
 アメリカは日本などから集めた資金で、借金による消費購買力をつくり、日本ではそれを目当てにして輸出競争力が一番という主義でやってきた。そして中小企業も農漁業も国際競争力がないなどといって成り立たなくさせ、そしてまるでモノ扱いのような非正規雇用を増やして、金融詐欺師どもが巨富を得るとともに、トヨタのようなものばかりが年間に1兆円とか2兆円もの利益を上げてきた。したがって、目を世界に広げ、アメリカを中心とした国際金融資本による犠牲の転嫁とたたかう世界の労働者と連帯することが勝利の道筋である。

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