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 <論壇>資本主義の固有矛盾爆発 30年大恐慌以来の大恐慌   2008年9月17日付

 アメリカの巨大証券会社リーマン・ブラザーズが倒産した。負債総額は過去最大の64兆円という巨額なものである。同時にメリルリンチもバンク・オブ・アメリカが買収した。それを受けてアメリカ、ヨーロッパ、アジア、日本と、世界中の株が大暴落した。アメリカでは、サブプライムローンの震源地となった住宅公社が公的資金投入となったが、しかしこの先どうなるかわからない状態。そのほかに最大の保険会社や貯蓄銀行も株が大暴落し破たん寸前となっている。さらにアメリカを象徴するGMやフォードなどの自動車ビッグスリーも倒産の危機に立っている。世界中の金融機関がぼう大な不良債権を抱え信用収縮が広がっており、まさに1930年大恐慌以来の世界大恐慌に突入しているのである。
 戦後の資本主義世界は、第2次大戦による破壊からの復興過程における相対的安定期を経て、ベトナム戦争によるドル垂れ流しなどで金ドル交換停止の「ニクソン・ショック」となって破たん。1975年にはベトナム戦争の敗戦と共に世界恐慌をひき起こした。1990年前後には謀略による中国、ソ連、東欧の社会主義国転覆策動をやり「社会主義の崩壊」「資本主義の永遠の繁栄」と叫びたてた。だがわれわれが今、目にしている現実は資本主義の崩壊である。
 その間アメリカがやってきたのは、「市場原理主義」「新自由主義」と称する「グローバリズム」というものであった。「金融工学」とか「マネーゲーム」などともったいをつけていたが、結局のところ、資本主義につきものの過剰生産危機のもとで、有り余った資金によるイカサマバクチの投機と略奪経済であった。「自由化要求」といって各国の市場をこじ開け、中南米やアジア、日本と世界中でバブル経済をつくり出して各国経済をぶっつぶし最後にアメリカ本場でITバブル、住宅バブルを起こし、借金による架空の需要をつくってしのいできたが、今やぶっつぶれることとなった。株も証券も不動産もバブルで、それが破たんすると、生活必需品である燃料や穀物まで投機対象として、世界中の産業と生活をさんざんに破壊するところまで来た。金融投機集団が生き延びるためには、生産活動がどうなろうと、人人の生活がどうなろうと知ったことではないのである。
 アメリカは貿易収支の大赤字、国家財政も大赤字で、世界中から資金をかき集めることで経済を成り立たせてきた。しかしアメリカの金融破綻と共にドルの暴落が始まっており、対テロ戦争戦略の破たんと共に、アメリカの覇権は大破たんしようとしている。
 このアメリカのグローバリズムに世界中でもっとも忠実に従ってきたのが中曽根政府に始まる小泉・竹中路線である。「アメリカがくしゃみをしたら日本は風邪をひく」構造を強めてきたが、今度はくしゃみどころではない。今度の株価暴落で、アメリカやヨーロッパより日本の株暴落率が大きいのは、アメリカの属国と化した日本の深刻さをあらわしている。日本の金融機関の預金も年金資金も、郵便貯金も、日本国内には回さずに、アメリカのサブプライム証券をはじめ、各種の証券、株、アメリカ国債などに巻き上げられているが、今や紙切れ同然の不良債権になろうとしている。おびただしい倒産、失業が他人事ではなくなっている。
 この大恐慌は、資本主義の根本的な矛盾がひき起こしているものであり、アメリカ政府はコントロール不能となっている。資本主義社会は、資本の利潤拡大が目的であり、企業間の死活の競争でなりたっている。競争の根本条件は労働者をよそより強力に搾取することであり、働くものの賃金、収入を生活できないまでに削減することである。そして一方には一個人で国家財政を上回るような富裕層をつくりながら、他方には何10億人の貧困層をつくっている。無政府的な生産力拡張競争の一方で消費購買力は落ちて、過剰生産危機をつくり出す。そして恐慌による強制的な破壊が到来する。これを「金融工学」とかバブル経済でしのいできたが、ごまかしはごまかしである。先延ばししてきた大破たんがとうとうやってきたわけで、資本主義の固有の矛盾の激化を隠すことは出来ないのである。
 この現状は、小手先で解決することは出来ない。破たんに瀕した世界の金融独占資本集団は、より人民への搾取を強め、競争者をつぶし、戦争によって解決を図ろうとする。問題は、資本主義の根本的な矛盾にあり、これを解決する以外に活路はない。収奪者が収奪されなければ、世界中の人民はやっていけない。

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