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   <論壇>青年を食えなくさせ戦争の肉弾にするコース   2006年6月30日付

 青年は未来に生きる世代である。青年に将来の展望がないことは、青年にとってきわめて残酷なことであるが、それ以上にこの社会が崩壊することを示している。20代、30代の青年にとって、まともに食っていける職がない。青年のこの状態について、「ニート」とか「フリーター」などといって、いい加減な考え方になった青年自身がつくり出しているかのように描いたり、怠けて勉強しなかった「負け組」の自己責任などと描く流れがある。社会を食いつぶす側から流されたいいがかりである。
 大量の青年が職のない状態にあり、就業していてもその半数以上は派遣、パート、アルバイトといったいつでも首を切られる半失業状態にある。正社員雇用で給料はよいといっても、10年も体が持たない命を削る戦場のような労働が待っている。大学に行って、教師や公務員といっても臨時採用で使い捨て状態が多い。青年の個人個人がどのようにあがこうとも、だれかが職を得ればだれかが職を失う関係である。絶対的に職が足りないのだ。就業する青年が長時間の戦場のような労働を強いられながら、大多数には職がない。そのような社会的な基本構造を解決しなければどうにもならないのだ。
 こうして、いくつになっても親の世話にならなければ生活ができないし、結婚して子どもをつくるというこの世代として当然のこともできない状態におかれている。働くものが食っていけないし、子どもを育てることもできないのは、労働者に生存費すら与えていないことであり、このようなことでは社会が成り立たないことを示している。
 大多数の青年に将来展望がない一方で、ホリエモンや村上という株投機屋連中が個人で数千億円というケタ違いのボロもうけをしたり、そのような「私利私欲が美徳」ともてはやされる社会になってきた。大企業が軒並みボロもうけをして数十兆円の内部留保金をため込み、その上まえを外資を先頭にした株投機屋どもが大ピンハネをして荒稼ぎをし、大きくはアメリカ資本が吸い取る関係になっている。このような連中のボロもうけは、ほかでもなく労働者をリストラし、アルバイトや派遣雇用を広げたり、殺人的な労働を強いて、労働者がまともに生活できないほどに搾り取った結果である。
 このような、株投機屋とか大企業の「ボロもうけ天国」をつくり、労働者であれ農漁民、商工業者であれ「働くもの地獄」社会をつくったのが、小泉政府の規制改革である。いつでも株の買い占めをして会社を乗っ取るようにして、あらゆる企業にリストラを強制する制度に変えたり、労働者の権利を法律のうえでもつぎつぎになくしてしまい、無権利な派遣労働などを奨励してきた。株主資本主義などといって、利ザヤ稼ぎしか関心のない連中のところにぼう大な遊休資金が集まるようにし、社会の富を生み出し社会を発展させる原動力である生産労働が成り立たないようにしているのである。そして国内の働くものを人間扱いしないそのやり口で、武力で海外の市場を獲得して資源を略奪し、働くものを搾り取って肥え太る道をしゃにむにすすんでいる。
 さらに多数の青年が食っていけない状態におかれる一方で、自衛隊に入ってインド洋やイラクにいけば給料のほかに1日3万円の派遣手当てが入り、死ねば1億円余りの保険金が入るといった調子で、命を売りとばす誘いが口を開けている。強盗的な略奪戦争を繰り返すアメリカは兵隊不足にあえいでおり、日本の若者を肉弾に仕立てることを切望している。そのためには日本の青年を生活できない状態にワザとでも追い込ませているのだ。
 日本の青年は、以上のようなアメリカや売国的な独占資本集団に手足を縛られて戦争の肉弾に仕立てられ破滅していくか、それとたたかって生産の担い手として平和で豊かな社会を建設していくか、二つの道が否応なしに迫られている。

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