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労組結成し解雇撤回掲げ行動
いすゞやキヤノン等各地で反撃活発化
               中途解約断念する大企業も    2008年12月29日付

 トヨタやキヤノンなど莫大な利益をあげつづけてきた大企業が「不況」「業績悪化」を口実に派遣労働者の首切りを強行するなか、非正規労働者が労働組合を結成し、ストライキやデモによる団結した抗議行動で企業側と対決する動きが活発になっている。全国で噴出する労働者の怒りを背景にして、各地で数人単位からはじまったユニオンが横につながる動きを強めるなか、派遣労働者の中途解約を撤回したり、退寮通告を撤回する大企業も出ている。横暴で強欲な大資本とたたかい、規制しうるのは産業や地域を超えた労働者の団結した力であることを示している。
 年内に期間工と派遣労働者を約1400人削減すると発表したトラック大手いすゞ自動車が24日、同社栃木工場などの期間工の契約途中解雇を撤回し、期間満了まで雇用を継続すると労組側に文書で通知した。解雇撤回対象は約550人の期間工だ。来年4月まで結んでいた雇用契約をいすゞ側が年末で解除すると一方的に通告したため、労組(全日本金属情報機器労働組合・JMIUいすゞ自動車支部)を結成。解雇撤回を求める仮処分申し立てをするなどの抗議行動を続け、中途解約を断念させた。ただ、いすゞの期間工は4月までの契約が確保されたといっても4月以後の期間満了後は雇い止めで職を失うことにかわりはない。派遣社員(820人)の中途解雇も強行する姿勢のまま。さらに残った正社員の賃金も来年からカットする方針であり、ひきつづきたたかいは継続している。
 経団連・御手洗会長が牛耳るキヤノンも大分工場で1100人、宇都宮工場で600人の派遣労働者の首切りを打ち出したが、今月初旬に大分キヤノンで働く請負労働者が「日研総業ユニオン大分キヤノン分会」を10数人で結成。日本経団連、キヤノン本社、大分キヤノンなどに「雇用を保障しろ」と抗議する動きとなった。21日には大分キヤノン本社前で百数十人規模の抗議集会も開かれた。宇都宮工場の非正規労働者が加盟するユニオンなども「正社員と認めよ」と抗議行動を継続。このなかで日研総業は24日、中途解約した労働者について契約期間までの賃金を補償する手直しを明らかにしている。
 派遣労働者を200人切ると発表した日産ディーゼル工業(埼玉県上尾市)でも今月8日、派遣労働者が日産ディーゼルユニオンを結成。中途解雇撤回を求め、日産ディーゼルと派遣会社に団体交渉を申し入れた。組合に加入した労働者は派遣会社が違うものの、結束して日産ディーゼルに撤回を要求。25日に日産ディーゼルは派遣社員の中途解雇や退寮通告を撤回した。こちらも期間満了まで雇用するだけでは抜本解決にはならないため、企業を超えたたたかいが模索されている。
 そのほか500人の解雇を打ち出している三菱ふそうトラック・バス(本社・川崎市)でも、解雇通告された30代の派遣労働者が「首都圏青年ユニオン」に加入し、17日に中途解雇の撤回と住居確保を求めて同社に団体交渉を要求。三菱ふそう側はさんざん働かせて儲けた挙げ句「派遣契約で雇用関係にない」とい無視する姿勢を表明。労働者の怒りが拡大している。300人の派遣社員を切ることを打ち出したシャープ福山工場(広島県福山市)でも25日、25歳の女性社員を委員長にして派遣労働者31人が「福山シャープ関連労働組合」を結成。派遣会社「キャリアシップ」(大阪市淀川区)に撤回を要求する動きとなっている。

 外国人労働者も行動へ 埼玉や浜松等で
 外国人労働者も「研修生」「実習生」といって低賃金でこき使われたうえ真先に解雇される状態。日本語が話せず転職が困難なうえに社員寮から追い出され、帰国する蓄えもない。車上生活、野宿生活に追いこまれた外国人労働者がふえるなか、現役の外国人労働者と解雇された労働者が結束して抗議行動を活発化させている。23日には日野自動車子会社のソーシン(埼玉県入間市)入間工場で働いていた外国人の派遣労働者五人が、「派遣切り」に抗議し1時間の時限ストを決行。5人は「下町ユニオン」の組合員で国籍はイラン、バングラデシュなど。すでに解雇された労働者や有給休暇中の同僚も駆けつけ正門前で「今すぐ解雇を撤回しろ」「派遣社員を動物扱いにするな」と訴えた。ソーシンは2工場で約270人の非正規社員を切る計画で、ほとんど日系外国人が対象である。日系ブラジル人が中心の外国人労働組合も21日、浜松市の繁華街で国や企業に外国人労働者の雇用を守るよう求めるデモをおこなった。トヨタ自動車やスズキ系列の工場がある静岡、愛知、岐阜、三重などから約250人が結集し「派遣切りをやめろ」と訴えた。
 そして最近、企業を超えた動きが広がっている。24日にはJMIUいすゞ自動車支部や日野自動車ユニオン、日産ディーゼルユニオンなど8労組が共同で「大量解雇の即時中止や雇用と住まいの保証を求め社会的責任を追求する」と訴えるアピールを発表。とくに労働者派遣法について「労働者を大量解雇する暴挙を法律の名のもとで正当化するのに役立っただけ」と糾弾し「勇気をだして立ち上がろう」と呼びかけた。
 全国の職安では各地の工場を解雇された派遣労働者が溢れており、10月から来年3月まで切られる非正規労働者(派遣、請負、契約など)の数は厚生労働省が把握しているだけでも8万5012人に達した。正社員の首切りも3295人となっており、問題は非正規労働者だけにとどまらない事態となっている。

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