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燎原の火の如く広がる行動
国会前埋め尽くした12万人
         安保関連法案を廃案に追い込む力示す 2015年8月31日付

 安保法案の廃案と安倍政府の退陣を求める国会前の抗議行動は30日、参加者が12万人(主催者発表)に達する空前の規模となった。「国会前10万人・全国100万人大行動」と銘うち、戦争をさせない・九条を壊すな!総がかり実行委員会が呼びかけた行動は、労組や平和団体に加えて、ツイッターなどで拡散され東京都内、関東圏だけでなく全国各地から労働者、学生、主婦、宗教者など様様な人人が「直接行動で意志表示を」と国会前へ押し寄せた。
 
 譲れぬ日本社会の命運 全国100万人行動と連帯

 雨が降りしきるなか、集会開始の1時間前の午後1時には、国会前の歩道は収まりきらないほどの人で埋まり、30分後にはこれまで警視庁が鉄柵で封じて立ち入りを禁じてきた車道が解放され、国会前の広い通りは行動参加者で埋め尽くされた。同時に、日比谷公園や法務省前、資源エネルギー庁前、外務省前などにサブステージが設けられ、永田町一帯では地下鉄や貸し切りバスで乗り付ける団体などが続続と集まり、抗議行動に押し寄せる人で身動きがとれないほどになった。
 平和団体や労組、SEALDsをはじめ学生たちが全国各地からも集まって声を上げ、東京大、京都大、東京理科大、茨城大、立命館大、東京芸大、帝京科学大、創価大、立教大、横浜市立大、学習院大、新潟大、上智大、大東文化大、神奈川大、愛教大、三重大、和光大、金沢大など「安全保障関連法案に反対する学者の会」に結集する各大学の教員、関係者がそれぞれ大学名の入った幟を持って参加した。与党からは、60日ルールの期限を待たず、10日前後にも安保法案の強行採決を図るとの声も聞かれるなかで、国民世論を数で示し、国会に圧力をかけようという意志をもって各地から意欲的な参加が目立った。
 主催者が「私たちのたたかいは安倍政権を間違いなく追い詰めている。なんとしてでも廃案の道をこじ開けよう。かつてない規模で国会を包囲しているが、全国で同時に立ち上がっている人人と心を一つにしてたたかおう。怒りの声を安倍政府にたたきつけよう!」と挨拶するとともに、「戦争法案今すぐ廃案!」「安倍政権は直ちに退陣!」「戦争反対!」とコールを開始。雨天のなか、約二時間に及ぶ抗議行動は国会前を中心にして大規模に膨れあがった。
 合間のスピーチでは、「この法案は違憲だけでなく、なんの歯止めもない。弾薬の中に核兵器が含まれていても戦場まで運ぶことができる法案であり、後方支援も武力行使も武器使用も政府の権限でなんでもできるようになる。国民にはいいことはなに一つない。人権と平和のため、弁護士会は最後まで安保法案の阻止まで奮闘する」(弁護士会代表)、「辺野古と同じ国民無視、憲法無視の政治であり、安倍政府を退陣させる運動を本土と連帯しておこなう」(沖縄代表)などの挨拶や、学者、著名人などがマイクを握って法案への反対を訴えた。雨の中でも子どもを連れてくる母親や年配者の姿、「教え子を再び戦場へ送らない」「改憲を許さない」などの幟やプラカードも多く見られ、かつてない規模に膨れあがった抗議行動は安倍政府打倒の世論の盛り上がりを示す熱気が充満した。

 原爆展キャラバン 国会前から始動
 
 原爆展全国キャラバン隊は30日、東京都内での街頭「原爆と戦争展」を開始した。安保法案廃案を求めて12万人の抗議行動がおこなわれた日比谷公園と国会議事堂前で開催し、雨の降りしきるなか、抗議行動に集まった多くの人人がパネルに集まり、大きな注目を集めた。第2次大戦へ突入した満州事変から始まり、戦地、空襲、沖縄戦、さらに広島、長崎の被爆の真実に、多くの参観者が現在の情勢を重ね、二度と戦争をくり返させてはならないと熱い思いを語った。参観者は途切れることなく続き、パネル冊子「原爆と大戦の真実」が多数求められた。雨で濡れたパネルの水滴を拭ったり、「今にぴったりな内容だ」「本になったものがほしい」と尋ねてくるなど、暗くなっても街灯の明かりで食い入るように見入る人人が絶えなかった。
 60代の男性は「アメリカは中国侵略を目的として日本に侵略した」というパネルを指さし、「この通りだ。今日本政府は“アメリカに守ってもらうため”といって安保法制を進めようとしているが、アメリカが日本を守るわけがない。利用されるだけだ。アメリカはいつも他国をそそのかして隣国同士を争わせる。イラク戦争のときから、いつかアジアでも同じようなことをするのではないかと思っていたが、今がそのときだ。日本と中国を争わせようとしている。それはアメリカの利益のための戦争だ。なぜ、そんな戦争のために日本の若者が命を落とさなくてはいけないのか」と力を込めて語った。
 静岡空襲で2人の兄を亡くしたという70代の男性は「戦争は二度と起こしてはならないと思って今日の抗議行動に来た。60年安保の当時は高校生で、多くの国民が安保改悪に対しこのままいけばアメリカの戦争に再び巻き込まれると危機感を持っていた」と語った。そして「教育で戦争のことを伝えていくのが一番大事だと思う。私にも孫がいるが、墓参りに行ったときには死んだ兄のことを話して聞かせると涙ぐんで手を合わせている。伝えていくことで少しずつでも子どもたちが変わればいいと思う。安保法制反対で若者が登場してきているのはとても嬉しいことだ」と話した。
 70代の女性は、叔父2人が兵隊にとられ戦死したことを話した。「父は農家の長男だったからたまたま兵役を免除された。叔父は一人は独身だったが、もう一人は妻も子どももいた。でもその家族も福島の郡山で、米軍の空襲で死んでしまった。だから祖母が遺骨をとりに行ったが、石ころしか入っていなかったという。“武器も食料もなく”や“わざと死ぬような作戦をして死なせた”ことはまったくそのとおりだと思う。だから、私の知り合いは、戦争が終わったとき、軍の上層を部下と一緒になって殴り殺してしまったと聞いている。でも、それをした人は生涯報復をしたことで苦しんでいた。このパネルを見て、戦争がいかにめちゃくちゃなものだったかを思い起こさせられた」と話した。
 渋谷区に住む70代の女性は「実家のあった渋谷を含む近隣の町は5月24日の空襲で700人以上の人が亡くなっている。母と祖母も命を落とした犠牲者だ。叔父は身体が弱かったが、それでも召集がかかり、すぐにレイテ島へ行くという知らせがきた。そして戦後になって戦死の知らせとともに何も入っていない白木の箱が届いた。このパネルを見て、多くの人が餓死や病気で亡くなっていたことを知り、叔父もそうだった可能性が強いと思うと、なぜ死ににいくような戦争へ送られなければならなかったのかとショックだった。もう二度とあのような戦争を起こしてはならないし、参戦するようなことがあってはならない。安倍政府はアメリカへ行って勝手に“夏までに安保法制を通す”と約束していたが、本当にどこの国の首相かと思うほど情けない姿だ。絶対に戦争をさせないためには私たち戦争体験世代も若い人と一緒になって頑張らなくてはいけない」と決意を語った。
 国会議事堂前で展示を見た40代の夫婦は、「安倍政府が安保法案を強行しようとしているのを見て、このまま何もしないで戦争になってもいいのかと不安に思い、はじめて国会前行動に参加してみたが、同じ思いの人人にもたくさん出会った」「パネルを見て、これだけの悲惨な戦争を安倍政府がまたやろうとしていることへの危機感が強まった。私たち自身が戦争反対の行動をしなければ子どもたちが戦争にとられることになる。第二次世界大戦がどのような背景で進んでいったのか、当時の人たちの証言が多く、戦争を知らない私たちももっと勉強したい」と話してパネル冊子を買い求めた。

 戦争からつながる対米従属

 府中市から来た60代の婦人は「負けるとわかっていた戦争に国民は天皇陛下万歳といって送り出されていたことなどを見て、なんのための戦争だったのかとつくづく感じた。当時の日本の大本営の姿は、今の安倍首相の姿に重なるところがある。安倍首相はアメリカ政府のいいなりで、アジアの諸国に向かって挑発行為を仕掛けているが、戦争を煽るような危険な行為は本当に許せない。今のままではいつミサイルを打ち込まれてもおかしくないような情勢で、本当に緊迫していると思う。絶対に戦争はさせないという国民の強い意志を見せつけ、戦争を阻止したい」と語った。
 都内に住む60代の児童館職員の婦人は、父親が海軍兵士で母親が横浜空襲を生き延びたことを明かし、「安倍首相は日本人とは思えない。経済、農業政策を見ても日本の富を売り飛ばすことしか考えてないと思う。この安保法制もアメリカから要求されているものをそのままやっているだけ。すべてこの戦争から繋がっていることがよくわかる。すばらしい展示だと思うので、ぜひ都内で多くの人に見せてほしい」とのべて冊子を買い求めた。
 30代の中国人の女性は、中国でも「安倍政府が再び戦争を仕掛けようとしている」との報道一色で、このままでは本当に大変なことになるとの危機感を持って抗議行動に参加したことを語った。そして、「このパネルには日本が中国に侵略したことも書いてある。そして日本の人人も戦争で酷い目にあって殺されたこと、不幸だったことも書かれていた。私は留学をしてそのまま日本に住み、結婚もしている。子どもには日本のお友だちもたくさんいる。もし日中で戦争ということになれば、その子どもたち同士が殺し合わなくてはならない。今度の安保関連法案が、アメリカの戦争のために日本が使われるということがよくわかった」と涙をこらえながら思いを語った。


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