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戦後65年の総括論議起し
日本の進路を鮮明にしよう
             年頭にあたってのご挨拶    2010年1月1日付

 2010年の新年を迎え、読者・支持者の皆さんに謹んでご挨拶を申し上げます。
敗戦から10年たった1955年、いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関として創刊された長周新聞は、今年4月に創刊55周年を迎えます。この記念月間において、創刊から55年、すなわち戦後六五年を読者・支持者の皆さんとともに総括して、人民言論事業を大飛躍させる決意です。

  一

 ブッシュ政府がのたれ死にしたのちに登場したオバマ政府は、口先ばかりの調子のいいことをいっていましたが、1年もたたないあいだに行きづまってしまいました。リーマンショック後、その原因をつくった金融投機資本ばかりを救済し、自国の労働者や勤労人民、日本をはじめ各国に一切の犠牲を押しつけてきました。恐慌のなかで貧富の格差、資本と労働の対立は先鋭なものとなっています。またオバマ政府は「イラクからの撤退」といって、アフガンに兵力を振り向けていますが泥沼に入るばかりです。アメリカの衰退は著しくなっています。
 第二次大戦は、中国、東欧など一連の社会主義国を誕生させる一方で、アメリカが資本主義世界で絶対的な覇権をうち立てました。しかしベトナム戦争でうち負かされ、ドルは垂れ流しとなって金とドルの交換停止となり、アメリカの政治的経済的な権威はがた落ちとなりました。このなかで、社会主義中国をとり込んで変質させ、社会主義各国を転覆させる一方で、軍事力と金融・通信を武器にして新自由主義、グローバル化を唱え世界一極支配をはかってきました。これが大破たんしています。1990年前後の社会主義国の政変、米ソ二極構造の崩壊は戦後史を画する出来事でした。西側資本主義は「社会主義の崩壊」「資本主義の勝利」を叫びましたが、資本主義こそ腐朽、衰退しているということです。
 市場原理主義なるものは、巨大な金融独占体が支配している時代に、一切の社会的な規制をとり払って、弱肉強食の世界にするものであり、金融独占体が好き放題に暴利をむさぼるものでした。有り余る資金を使った利ザヤ稼ぎが世界の経済を支配し、社会の基本である農業、漁業や製造業などの実体経済をさんざんに破壊してきました。その結果、各国の国民経済が破たんし、世界人口の3分の1が貧困ライン以下の生活となりました。アメリカでは、人口の1%が富の半分を占有し、大多数が衣食住に事欠く貧困者となっています。
 このようななかで、世界の労働者や勤労人民の反米斗争はめざましく発展しています。イラク、アフガン人民の民族解放戦争は強力な力となってアメリカ侵略者をうち負かしており、ベトナム戦争でたたき出されたような光景が再現するのは必至となっています。中南米では社会主義を志向した左翼政府が相次いで誕生し、アメリカの支配を揺さぶっています。各国で労働者の大規模なストライキ斗争が激発しています。旧社会主義国では、資本主義の犯罪性への怒りとともに、教育や医療などが無償で、安心して生活できていた社会主義への志向が強まっています。
 戦後65年たった世界は、恐慌と戦争と革命の大激動の情勢となっています。

  二

 昨年の衆議院選挙は、戦後50年に及ぶ自民党政府を大惨敗させました。北は北海道から南は沖縄まで、直接相談しあったわけではないのに、日本中が同じことを考え、同じような投票行動をして、権勢をふるってきた自民党政府を倒したのです。これは中曽根、小泉以来の新自由主義改革の破産であり、戦後の対米従属政治の破たんをあらわしています。
 戦後65年、このままでは日本社会はつぶれてしまうという危惧とともに、日本は結局のところアメリカの植民地的な従属国であり、まるでハワイ州に次ぐ合衆国日本州の扱いなのだという実感が広がるところとなりました。そして、歴史を持つ日本民族はそれほどひ弱な民族ではなく、障害はとり除いて日本の経済・社会の立て直しをしないわけにはいかないという論議が広がっています。
 小泉・竹中の構造改革は、メディアが批判者を袋だたきにしながら推進してきましたが、それはアメリカが毎年作成した年次改革要望書なるものを忠実に実行してきたものでした。一握りの独占資本集団がアメリカの手下になって、暴利をむさぼり、日本を売り飛ばすというものでした。そして労働者も農漁業者も商工業者も極端な貧困に襲われています。
 欧米は補助金と高関税で食料自給を維持しているのに、日本では低関税と補助金カットで輸入に依存し農業も漁業もなくし、飢餓の国にするとともに農漁業を基盤とした歴史や文化も破壊しています。さらにこれまで工業優先で農漁業を破壊してきましたが、今や製造業もいらない、サービス業と金融立国でゆくのだといってきました。金融立国の結果は、日本の金融資産1400兆円ほどのうち、500兆円以上がアメリカの国債や証券などで巻き上げられ、紙くずになるというものでした。日本は労働力、技術力の優秀さが財産ですが、非正規労働者を増やし若い労働者が子どもを育てること、つまり社会を支える原動力である労働者の後継ぎをいらないというのです。大型店が地方に殴り込みをかけ、商店街をつぶし、地域のコミュニケーションも祭りや文化も破壊しています。教育はモラル崩壊と低学力を意図的につくり出して人材の破壊を進めてきました。大学改革といって学問を破壊し、低知能の国にしようとしてきました。医者にもかかれない、福祉もない、徳川時代よりひどい社会になろうとしています。
 そのうえに、日本全土を米軍基地化し、アメリカ本土を守る盾にして、もう一度原水爆戦争の戦場にし、さらにアメリカの国益のための戦争に日本の若者をかり出そうとしています。
 アメリカは、先住民をインディアンといって皆殺しにしてアメリカ大陸を奪い、ハワイ王国をつぶして併合し、フィリピンを植民地にしました。日本に対してはペリー来航以来占領の野望を持っていて、第二次世界大戦でそれを実行しました。第二次大戦で、アメリカ軍は原爆投下をやり、沖縄戦や全国空襲をやって、無辜の非戦斗員である年寄り、女、子ども、勤め人などを、サルか虫けらと呼んで無惨に殺戮して日本を単独占領しました。六五年たったその結果が、現在の無惨な日本社会の崩壊です。「万事アメリカがやることは進歩だ」という神話は一掃しなければなりません。
 アメリカの対日参戦は日本帝国主義の弾圧と侵略に苦しむ人人を救済するためだったなどというのは大インチキです。彼らは、日本をたたきつぶし単独で占領支配するという明確な計画を持っていました。そしてアメリカの日本支配がこれほど続いているのは、天皇をはじめとする独占資本集団、官僚機構や新聞などの戦争指導勢力が、アメリカの目下となってきたからです。この売国勢力は、サンフランシスコ講和以後、独立の見せかけをとってきましたが、小泉、安倍政府になると独立の格好も見せなくなりました。

  三

 衆議院選挙は自民党売国政治に鉄槌を下しましたが、人民運動は大きな高揚期を迎えています。
 昨年、原水爆禁止運動はめざましい発展を遂げました。長崎において、4月に劇団はぐるま座の『動けば雷電の如く』の公演と6月の長崎「原爆と戦争展」が大成功しました。意図的につくられてきた「祈りの長崎」の欺瞞が暴露され、植民地支配に抵抗してきた長崎の歴史が明らかにされ、被爆市民を先頭に力強い立ち上がりが始まりました。広島では九年におよぶ峠三吉の原爆展が全市民の支持のもとで継続され、「加害責任の反省」で構成されていた原爆資料館の展示の見直しをする力となりました。広島「原爆と戦争展」、平和公園での街頭展示、原水禁全国集会など、「アメリカは核を持って帰れ」を訴え、50年8・6斗争路線を体現した一連の8・6行動は、広島市民の圧倒的な支持のもと、全国、世界に影響力を持つ運動となりました。
 岩国市民の空母艦載機移転に反対し、愛宕山の米軍住宅建設に反対する運動は、米軍再編に反対する沖縄や全国のたたかいと呼応して発展しています。それは国の独立と平和を求める運動として全国的な共感を呼んでいます。
 上関原発に反対する運動は28年に及びますが、いよいよ勝利できるところへ来ています。二井知事が埋め立て許可を出し、中電が漁業補償金を支払い、原子炉設置許可申請を出しましたが、祝島が漁業権を放棄せず、地権者が予定地の土地を売らなければ終わる以外にない情勢です。実際の力関係は推進派が瓦解し、反対の力が圧倒する情勢となっています。中電という私企業の営利事業のために瀬戸内海の漁業をつぶし、ミサイルの標的にして国土を廃虚にする。こんなデタラメな国策に立ち向かって、真の国益を守るという力が、現地、そして岩国や広島、全町、全県、全国と結びついて強い力となっています。
 下関では安倍・林代議士の支配により、地方食いつぶしの典型的な新自由主義市政がおこなわれ、街は失業者があふれ、倒産があいつぎ、全国でも突出した無惨な荒廃状況となっています。このなかで、14年続いた安倍代理の江島市政をうち倒しました。ごみ袋値下げ要求の10万人署名に続き、老人休養ホーム・満珠荘の再開を要求する署名も10万人に及び、市民の力を結集する原動力となっています。中尾市長はさっそく公約を投げ捨て、江島政治の継承をやっていますが、「市外発注を止め、市民に仕事と雇用を回せ」の緊急署名が急速に広がっています。
 教育運動も大きな転換を始めました。中学校で生徒が暴れ、学校は警察に逮捕させる。この背景に、九九や分数や漢字がわからないまま放置されている問題がありました。この20年、「新学力観」といって「頑張らなくて良い」「嫌なことはしなくて良い」などといって、努力して社会に役立つ人間になるという基準を破壊してきました。ここには若者を戦場の肉弾に仕立てる意図が働いており、民族の危機です。こうしたなか多くの教師たちのなかで、教育者の使命として、子どもたちの未来のために、働く親たち、祖父母たちに依拠して、教育を立て直そうという論議が発展しています。
 日本における文化、芸術の腐敗は目を覆うばかりとなっています。このなかで、劇団はぐるま座の『動けば雷電の如く―高杉晋作と明治維新革命』公演が衝撃的反響を呼んでいます。それは各地の父祖たちの維新における誇りをよみがえらせ、現代における展望を喚起するものとなっています。これは人人の歴史的な経験に忠実で、それを社会的歴史的な発展観に立って典型化するというリアリズム芸術の力を示しています。劇団はぐるま座は峠三吉の原爆展運動を典型化した新作『峠三吉・原爆展物語』を3月から公演する計画になっています。新しい社会をつくる事業は、文化・イデオロギーのたたかいが先行しなければなりません。このような新鮮な文化・芸術運動が全国に広がる様相となっています。

  四

 日本人民の独立と平和、繁栄を求める世論を形にし力にするためには、「日共」修正主義裏切者集団をはじめとする運動の内部から大衆を欺瞞し分裂させる米日反動勢力の別働隊とのたたかいを避けることはできません。
 オバマが登場すると「日共」集団の志位などが、インチキな「核廃絶」演説を絶賛し、影響下の原水禁団体にオバマ賛美をやらせています。彼らは「ルールある資本主義」「資本主義の改良」を唱えていますが、大衆を蔑視し、アメリカを民主主義で進歩と見なすことが重要な特徴です。
 アメリカを人民の友と見なす潮流は、第二次世界大戦が接近するなかで、ソ連共産党中枢に民族利己主義があらわれ、米英仏は日独伊ファシズムとたたかう民主主義勢力と見なしたことから始まっています。それが戦後の世界を覆って、戦争放火者アメリカとのたたかいを抑えてきました。この潮流はすっかり腐敗し、人人を欺瞞する力を失っています。
 昨年1年の人民運動は、一切の日和見主義潮流と一線を画し、大衆のたたかう力を確信し、アメリカと正面からたたかう立場を鮮明にすることによって発展してきました。歴史を発展させる原動力は人民大衆であること、したがって傲慢な個人主義を一掃して、人民に奉仕する精神に徹すること、そして大衆に学び、大衆の役に立つという政治勢力の活動が必要となります。大衆のなかにある松明を集めて大きな灯台にするという立場です。
 長周新聞を創刊した福田正義主幹の逝去から八年をたたかってきました。福田主幹が組織した1950年8・6斗争の路線と、長周新聞の路線は、戦後65年たった現在、ますます生命力を持って発展しています。この長周新聞が果たす役割はきわめて大きなものとなっています。長周新聞の勤務員は、創刊55周年を期して、人民に奉仕する思想、自力更生刻苦奮斗の精神を貫き、独立、平和、民主、繁栄の新しい日本を実現するために奮斗することをお誓いして新年のご挨拶といたします。
                             2010年元旦
                                       長周新聞社

 

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