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戦争狂ブッシュの戦略破綻
            決起した人民に勝てぬ侵略者   2006年12月11日付

 ブッシュ米政府は、「9・11テロ事件」を謀略ででっちあげ、「反テロ戦争」を宣言して、アフガニスタン、イラクに軍事侵略し、朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)やイランの政権転覆を策動するなど、アメリカに逆らうものをすべて力にまかせて征服するという戦略をごり押ししてきた。同時に、市場原理主義を掲げて新自由主義、グローバル化に拍車をかけ、アメリカによる世界経済の一極支配を進めてきた。だが、五年がたってはっきりしたことは、ブッシュの凶暴きわまる戦争、搾取、略奪の政治がことごとく各国人民によって打ち砕かれ、ブッシュ政府が空前絶後の危機におちいったことである。本当に力を持っているのは、生産を担い社会の進歩・発展を代表する人民であることが実証された。

 グローバル化が流れに
 ブッシュ政府は「反テロ戦争」を掲げ、世界の反動勢力を総動員して、アフガンを侵略、次いでイラクを侵略した。アメリカに刃向かうイラク、イラン、朝鮮を「悪の枢軸」と呼び、シリアやキューバ、中国など七カ国を核先制攻撃の対象にあげて戦争と転覆の恫喝(どうかつ)を加えた。世界最大の軍事力を振りかざして、敵するものはみな殺しにするという戦争狂そのものだった。今日、そのブッシュ政府がどうなっただろうか。
 「大量破壊兵器保有」など大うそをついて侵略したイラクでは、65万人余りの人民を殺りくしたが、              米軍の空爆に抗議してデモ
人民の独立と自由を求める意志と力を、挫くことはできなかった。昨年末以来、「勝利は近い」と絶叫するブッシュ政府に対し、イラクの反米武装抵抗勢力は1週間に800〜900回に及ぶ米軍攻撃で応えた。イラク国土の3分の1を占めるアンバル州は、実質抵抗勢力の支配下に置かれ、米軍は地方都市をあきらめて首都バグダッドに引きこもらざるをえなくなった。
 そのバグダッドもしばしば攻撃されるなかで、米軍は増派を重ねるが、格好の標的とされ、10月だけで101人が戦死、開戦以来の戦死者は1900人を超えた。それを尻目に、下請軍隊を送っていた「有志連合」は相次いで撤兵しているが、アメリカはどうすることもできない。
 反米抵抗勢力は、反米感情に燃え、米軍即時撤退を求める人民に支えられ、統一司令部を持つようになっている。先ごろ、「占領を拒否するすべての人人を結集する国民戦線の結成」を呼びかけている。
 イラクからの米軍撤退を求める、国内外の世論と運動が大きく高まるなか、先の米議会の中間選挙で、ブッシュ共和党は上下両院で少数派となった。ブッシュ政府の窮地を救うために、老ブッシュ政府の国務長官だったベーカーを中心とする「イラク研究グループ」がこの6日、報告書を提出した。イラク駐留米軍の戦斗部隊を08年3月までに段階的に撤退させ、米軍の任務をイラク治安部隊の支援とする、イランやシリアとの直接対話など外交活動を強めるという骨子だった。ブッシュももはや「完全勝利」は口にできなくなり、イラク情勢も人民勝利に向けた一大転機に至った。

 国際的にも孤立深める
 アフガンでは、反米勢力が再結集し、武装抵抗斗争が発展して、占領支配は危機に瀕している。旧タリバン勢力などが南東部を実質統治下に置き、首都カブールにわずか2時間の地域に迫っている。
 当初「反テロ」を掲げて北大西洋条約機構(NATO)も2万の兵力を派遣したが、今年7月から南部6州の支配をアメリカに押しつけられてから、死傷者が激増し、NATO軍司令官が欧州各国に増派を求めざるをえなくなった。だが、先日のNATO首脳会議では、イタリア首相が「派兵は大きな誤り」と公言、仏大統領もアメリカとの「パートナーシップ」を拒否した。NATO軍を指揮するイギリスでは、「タリバンの政権奪回は時間の問題」とする論評がマスメディアに載るようになっている。
 今年7月のイスラエル軍によるパレスチナのガザ侵攻、つづくレバノン侵攻は、イラクなどでの泥沼脱出を狙うアメリカの差し金だった。
 パレスチナでは、今年1月にブッシュが「テロ組織」と呼んでいたハマスが選挙で勝利、政府を組織した。アメリカはイスラエルと組んで兵糧攻めなどさまざまな策動をしたが、ハマス政府の首相は最近、「イスラエルを承認しない、エルサレム解放までたたかう」とあらためて宣言した。
 イスラエルのレバノン侵攻は惨敗に終わった。集束爆弾などによる空爆も、戦車を使った地上部隊の侵攻も、レバノン人民の団結とヒズボラのゲリラ攻撃で大打撃を受け、33日間で敗退した。レバノン人民はイスラエルの「中東最強の軍隊」という神話をうち破っただけでなく、背後のブッシュ政府によるイランへの軍事威嚇という狙いをもうち砕いた。
 イラク、アフガン、レバノンの現実は、侵略者がいかに最新鋭兵器で武装し、殺りくと破壊を欲しいままにしようと、犠牲をいとわず人民大衆が立ち上がれば、必ず勝利するという真理を実証した。

 イラン等への対応変化
 朝鮮のミサイル発射や核実験をめぐるアメリカ、とくに日本政府の騒ぎぶりは、異常をきわめた。あたかもミサイルが日本に着弾したかのように、自衛隊、自治体などが戦争態勢をとり、「日共」修正主義集団を含む翼賛議会政党が「経済制裁」を叫び、閣僚からは「敵地先制攻撃」論まで飛び出した。その背後にアメリカの朝鮮侵攻計画「5030」があり、アメリカが日本を朝鮮攻撃の先兵に仕立てようとしていることが明らかとなった。
 国連安保理は核実験に対して制裁決議をした。安倍政府は独自の制裁まで発動した。だが、アメリカは中東で完全に行き詰まるなか、朝鮮との対話はしないとのかたくなな態度を変えざるをえなくなり、この16日にも朝鮮問題の6者協議が再開されるといわれる。戦争、制裁、圧力一本槍で相手を屈服させる手口は、ここでも手直しせざるをえなくなっている。
 ブッシュ政府は、イランを「悪の枢軸」と呼び、核開発問題をてこに経済制裁、さらには軍事力による政権転覆を公言してきた。国連安保理は7月末、イランが8月31日までにウラン濃縮を停止しなければ経済制裁を加えるとの警告決議をした。だが、イランへの脅しに使おうとしたレバノン侵攻の失敗でこれも完全に行き詰まった。警告期限が過ぎても、ブッシュに従って経済制裁を口にする国はない。むしろイランが優位に立って、平和目的の核開発の権利を主張、中国、ロシア、欧州連合(EU)との交渉を継続、アメリカの孤立があらわとなっている。

 中南米でも支配は崩壊
 ブッシュ政府は「反テロ戦争」と並んで、新自由主義のグローバル化をその世界戦略のもう1つの柱としてきた。これに反対する斗争が反米の大きな流れとなっており、とりわけ中南米で顕著である。
 中南米は長い間、アメリカの「裏庭」として、その世界支配の足場とされてきた。そこでこの10数年、反米の世論と運動がかつてない高まりを見せ、それをバックに民族の主権と利益を守ろうとする政府が相次いで誕生、アメリカの歴史的な支配を掘り崩している。
 その先頭に立つのはベネズエラのチャベス政府。1998年、チャベス氏はアメリカ支配からの独立、腐敗政治の打破、新自由主義反対、富の平等分配を訴え、貧困層の圧倒的支持を得て大統領に当選した。それ以来、アメリカによる再三の転覆策動をうち破り、豊かな石油資源をアメリカや反動勢力から奪い返し、人民の生活向上や福祉の改善、中南米諸国への安価の石油供給をおこなってきた。
 キューバとは「人民のための貿易協定」を結び、キューバから医師や教師を招いての医療の無料化、貧困層への識字教育など多方面の協力関係を発展させている。今年1月、ボリビアに誕生したモラレス政府も、キューバとの「人民のための貿易協定」に参加し、5月には天然ガス資源の国有化を実施した。
 これら3国をはじめここ数年に誕生したブラジル、ウルグアイ、アルゼンチンなどは、互いに石油や天然ガスを利用し合う共同体創設に向かっている。先日開かれた南米共同市場をめざす首脳会議では、不平等、貧困の解消、アメリカなど大国や国際機関の強制に反対し、独立と国家主権の尊重のために団結することが再確認された。共同市場の本部をブラジルに置き、議会をボリビアに置く方向も決まった。この1年に新たに誕生したニカラグア、エクアドル、ペルーなども、南米共同市場を中米まで広げることを志向している。
 アメリカは1975年の恐慌後、中南米への資本投下を強めて各国に巨額の累積債務を負わせた。アメリカはそれをてこに、国際通貨基金(IMF)や世界銀行に、「構造調整計画」をつくらせ、新自由主義を押しつけた。民生予算の切り捨て、公共料金引き上げ、国営企業の民営化を進め、国内産業保護策をうち切って外資に市場を開放させた。
 その結果、各国の重要資源はみな多国籍企業や大資本に握られ、国外に持ち去られた。人民は40%を超える失業率、賃金切り下げ、高インフレなどによって貧困のどん底に叩き込まれた。1日1jの生活を強いられた膨大な貧困層をはじめ労働者や農民、都市住民はストライキや道路封鎖などの実力行使を含めて、連続的に大衆斗争を各国でたたかった。
 その人民の斗争がベネズエラをはじめ中南米で反米左派や中道左派政府を生み出す原動力となった。ベネズエラなどで実施されている社会主義的な政策は、各国人民の願望を代表し、吸引力を持つものとなっている。これに対抗して、ブッシュ政府はアメリカ主導の米州自由貿易圏(FTAA)を2005年までに実現しようとしたが、昨年末の米州首脳会議で頓挫する憂き目にあった。
 今年9月に開かれた非同盟諸国首脳会議は、アメリカの戦争と奴隷化に真向から反対してたたかう世界人民の力を反映するものとなった。この会議では、パレスチナ独立支持、レバノン侵攻糾弾、イランの核平和利用支持、イラクからの全外国軍撤退要求、アメリカの干渉とたたかうキューバ、ベネズエラ、ボリビア支持など一連の宣言や声明が採択された。そしてアメリカが「テロ国家」と呼ぶキューバが、満場一致で議長国に選出されたのである。

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