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戦争突入を総選挙争点に
敵基地先制攻撃容認
            安倍氏と自民党狂気の沙汰   2009年6月3日付

 次期衆院選が迫るなかで各党の動きが活発化している。下関でも「景気に全力」と主張する安倍代議士と林参院議員のツーショットポスターが張りめぐらされ、自民党や民主党などの宣伝カーが回りはじめた。100年来といわれる世界恐慌に突入し失業率が5%を突破する事態となり、日本の進路が問われる情勢となっている。
 自民党は現在、衆院選に向けて政権公約(マニフェスト)を策定する「作成委員会」(委員長・細田幹事長)を立ち上げ内容を検討している。自民党が選挙の争点として論議を活発化させているのは軍事・外交問題である。
 先月中旬には安倍元首相が集団的自衛権の行使を違憲とする現行の政府解釈について都内で講演。そこで「麻生内閣において解釈を変更すべきだ」「集団自衛権の行使を訴えてもいい。多くの民主党議員との間で対立軸になる」とのべ、解釈変更を次期衆院選の争点にせよと主張した。
 自民党国防部会が1日に発表した「防衛計画の大綱」改定提言最終案でも、その意図が明確に現われた。北朝鮮の核実験問題と連動させて盛り込んだのは、敵基地攻撃能力の保有としての海上発射型巡航ミサイルの導入、米国を狙った弾道ミサイル迎撃などの集団的自衛権の行使容認、他国との共同開発のための武器輸出三原則の見直し、などである。
 さらに「平成15年度予算以来の防衛費・防衛力の縮減方針を撤回して防衛費と自衛官を維持・拡充すべきだ」という政府への要求も追加。ほかにも「国家安全保障会議」(日本版NSC)創設や、「国境離島(防人の島)新法」制定など離島の警備強化も加えている。
 「集団的自衛権の行使」とともに「敵基地攻撃能力の保有」といって敵のミサイル発射の兆候があれば先制攻撃する戦力をもつ。要するに米本土防衛の盾となって日本を全面戦争に突入させるものである。武器輸出3原則見直しは米国以外への武器輸出を認め、三菱重工など日本の軍需産業を世界の兵器市場に参入させ、世界中で「死の商人」として戦争特需をむさぼらせる布石である。さらなる外交公約の目玉としては「民主党が海兵隊グアム移転に反対したため違いが明確にできる」として「在日米軍再編の実行を掲げる」ことも論議されている。
 もう1つの柱が経済政策で、主に税制改革、財政再建などを掲げている。とりわけ麻生首相が意欲を見せているのは「2011年度の消費税率引き上げ」を盛り込むこと。「国民に負担を求めてでも社会保障制度を立て直そうとする強い姿勢をアピールでき“いまは論議すべきではない”と消極的な姿勢を示す民主党との違いがはっきりする」と主張している。
 この間、麻生政府は15・4兆円(うち10兆円は国債発行でまかなう)の財政出動で「景気対策」をおこなうといい、先月29日には、その裏付けとなる09年度補正予算(総額13兆9256億円)を衆院再議決で強行成立させている。
 ところがそれは省エネ家電の購入を促す「エコポイント」創設で大手家電メーカーやエコカーを販売するトヨタの在庫整理を助けるなど、経団連傘下の大企業救済が眼目。その一方で困窮する中小企業や国民には、1万2000円の定額給付金をばらまいた。その金の出所は国債乱発であり要するに国民の借金である。これらもふくめ消費税増税で国民に転嫁しようというのである。
 米国防衛のために日本を焦土と化す軍事政策、国民を犠牲にして大企業を救済する「景気対策」、が自民党公約の柱である。国民の批判世論が渦巻くなかで、自民党の古賀誠選対委員長は「投票率はあまり高くない方がいい」とのべている。
 次期衆院選をめぐって全国で噴出しているのは小泉、安倍、福田、麻生とつづく自民党売国政府が、アメリカのいいなりになって構造改革を進め日本の経済も社会もさんざんに破壊し、アメリカの身代わりとなって日本人を肉弾にさらし、本土も焼け野原にして恥じない対米従属・植民地政治への怒りである。
 そのもとで自民党・麻生政府も、反自民を唱えて政権交代を目指すという民主党も、「平和」の仮面をかぶった「日共」修正主義集団などがこの間やってきたことがアメリカへの売り込みでしかなかった姿が隠しおおせなくなっている。
 次期衆院選においてこれらを突き動かす力は、全国的な人民世論と大衆的な運動である。日米軍事同盟のもとでの植民地的な隷属、そのもとで日本国土を廃虚にする売国政治を認めるかどうかである。

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