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戦争を阻止し平和で豊か
な社会をつくる大運動へ
             年頭にあたってのご挨拶   2011年1月1日付

 2011年の新年を迎え、読者・支持者の皆さんに謹んでご挨拶を申し上げます。
 昨年は、読者・支持者のみなさんによって長周新聞創刊55周年記念祝賀集会を盛大に開催していただき、戦争を阻止し、平和で豊かな社会の実現をめざす新たな出発点に立つことができました。今年は、創刊60周年に向けて、全国的な役割がさらにはたせるよう、人民言論事業を大きく発展させる決意です。

     一

 1990年を前後して、ソ連、東欧をはじめ一連の社会主義国で政変が起こり、戦後世界を形成してきた米ソ二極構造が崩壊しました。資本主義陣営は「社会主義崩壊、資本主義の永遠の勝利」と大騒ぎしましたが、そこからあらわれたのは大金融資本が世界中の富を奪い尽くし、またなんの大義名分もなく他国に侵攻するという野蛮な弱肉強食世界でした。今ではアメリカは乱暴な国であり、尊敬できる国と思う人はいなくなりました。
 第二次大戦後、アメリカは資本主義世界で絶対的な覇権をうち立てましたが、1971年には金ドル交換停止に追い込まれ、戦後の通貨体制が崩壊しました。それはベトナム戦争によるドル垂れ流し、さらにドイツ、日本などの戦後復興で産業の競争力を失ってきたことなどによるものでした。
 しかしアメリカは、ドルへの規制がなくなったもとで、基軸通貨の地位を利用してドル増刷を続け、IT技術と金融の新技術を開発し、金融自由化を中心にして各国に規制緩和、市場開放をさせ、世界の富を略奪してきました。サブプライムローンのような不良債権を優良証券のように仕立てて、世界中に5京円にもおよぶ不良証券を押しつけたり、ヘッジファンドなどによるイカサマ投機がはびこって、実体経済を破壊し、各国経済を破たんさせてきました。それがリーマン・ショックと金融恐慌という形で破産しましたが、金融投機の規制をするどころか、逆に税金で金融機関を救済し、各国の勤労人民に残酷な犠牲を押しつけています。さらに量的緩和策といってドル刷りまくりの大暴走を始め、ドル安にして輸出を有利にするとともに、世界中からの借金を棒引きにしようとしています。
 ヨーロッパではギリシャ、アイルランドなどの国家破たんが顕在化しましたが、そこにはアメリカによるユーロ攻撃があり、各国間の通貨戦争、貿易戦争が激化しています。とくに通貨問題をめぐって米中対立が激化してあらわれました。それは日本や「韓国」を動員した米中の危険な軍事対立としてもあらわれています。アメリカは一方では軍事恫喝でもう一方では環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を持ち出し、日本をはじめ経済成長が著しいアジア、中国市場を食い物にすることで生き延びようとしています。
 市場原理主義、新自由主義というものは、社会主義攻撃が特徴ですが、それは資本主義国のなかで、強欲な金融資本の営利追求一本槍で、社会的責任とか、社会正義、真理・真実などは踏みつぶし、一切の社会性を否定しています。そして競争力一点張りで農林漁業がつぶされ、製造業がつぶされ、生産を担い社会を担っている労働者を奴隷か家畜のような状態においています。各国で極端な貧富の格差となってあらわれています。そして、産業の破壊、労働力の破壊、学問や文化、教育の破壊、政治や官僚機構、メディアの腐敗など、社会の惨憺たる崩壊となっています。産業や科学技術、それを担う労働者が社会を成り立たせる根本であり、それを破壊する金融資本主義の方がとり除かれるのは歴史の必然です。
 欧米やアジアなど世界の労働者や勤労人民の、金融支配による犠牲転嫁に反対して大規模なストライキ斗争が激発しています。イラク、アフガン人民の民族解放戦争はアメリカ侵略者を泥沼に追い込んでいます。中南米ではアメリカの新自由主義支配を排除した左翼政府のもとで経済発展をしています。旧社会主義国では、資本主義の犯罪性への怒りとともに、社会主義への志向が強まっています。世界の労働者、被抑圧民族が、強欲な共通の敵に対して国際的な連帯を強めていることが希望となっています。

     二

 日本社会は見るも無惨に崩壊しています。農漁業という食料生産のできない国、製造業もない国、学問も文化も教育も崩壊し、医療や福祉もまともにかかれない国になっています。1400兆円ほどの金融資産のうちの500兆〜600兆円ほどはアメリカの国債や不良証券などで巻き上げられ、銀行預金の大部分が国債に当てられて、国民のところに金は回ってきません。とりわけ昨年は、「韓国」哨戒艦事件、米「韓」軍事演習と砲撃事件、さらに尖閣諸島問題などが起こりましたが、日本を戦場とする戦争が目の前にあらわれている重大局面にあることについて直視しなければなりません。アメリカの第二次世界大戦におけるやり口は、日本民族絶滅作戦といえるものでしたが、まさに今、日本民族の歴史が断ち切られかねない事態にあります。
 一昨年の衆議院選挙で自民党が大惨敗して登場した鳩山、菅と続く民主党政府は、自民党以上のアメリカ盲従で突っ走り、なんの国家戦略もないお粗末な姿をさらしています。世界最大の借金財政のもとで、国民に大きな負担を押しつけながら、米軍再編や駐留経費は最優先して貢いでいます。菅政府は防衛大綱で中国を敵とする攻撃的な軍事力整備の方向を出しており、アメリカの鉄砲玉となって、かつて侵略しうち負かされた中国との戦争、それは核戦争というとんでもない道に進んでいます。また菅政府はいきなりTPPに参加するといい出しましたが、それは全面的な関税撤廃、規制緩和であり、アメリカに日本とアジアを食い物にさせる売国、亡国政治です。
 どの政党が政府を握っても同じで、アメリカのいいなりです。それは日本の主権はアメリカが握っていることを教えています。政党、政治家はもちろん、自衛隊、検察、警察、官僚機構、新聞・テレビなどの大メディア、いわゆる日本の権力機構というものがアメリカの日本支配の道具として動いており、アメリカの意に反することには総掛かりで攻撃する仕掛けになっています。大新聞の信用はまったくなくなりました。大新聞はかつての戦争で大本営報道といわれましたが、今ではペンタゴン報道となっています。
 この日本社会の対米従属構造は第二次大戦をへてつくられました。戦前の天皇を頭とする支配勢力は、日本人民への強烈な搾取と抑圧のもとで、アジアへの侵略に次ぐ侵略を重ね、中国への全面侵略を始め、中国人民の抗日戦争によってうち負かされました。彼らが恐れたのは日本人民による革命であり、彼らが支配的地位を失うことでした。そして米英仏蘭との植民地を争奪する戦争に進みましたが、敗戦は明らかなのに無謀な戦争をやめず、全土の空襲、沖縄戦、広島、長崎の原爆投下による無惨な犠牲まできて、無条件降伏をしました。それは交戦相手であった中国やソ連の影響力を排除して、アメリカが日本を単独占領し属国にすること、日本の支配勢力がアメリカの日本支配の協力者になることで支配の地位を守ってもらうというものでした。ベトナムでもイラクでもたたき出されたアメリカが高度に発達した資本主義の日本を属国にできるのは、日本の売国的な支配勢力が進んで対日支配に協力してきたからです。日本社会の崩壊と日本人民のすべての苦難は、この戦後の日本社会を貫く基本的な矛盾から生まれています。それを解決しなければ何事も解決することはできない関係となっています。

     三

 昨年1年、戦争を阻止し、日本社会を立て直す、大衆的な基盤を持った運動が発展しました。それは今年全国的な大きな流れになることを確信させています。
 1999年に下関で始まった原爆展運動は、広島、長崎、沖縄、全国へと広がり、昨年にはその10年の運動を総括した劇団はぐるま座による『峠三吉・原爆展物語』の劇として典型化されました。それは戦後の欺瞞を突き破る日本人民の体験にもとづく第二次大戦の真実、日本人民のなかにある揺るぎない平和の力、そして大衆と結びつき大衆を導き団結させていく、私心のない献身的な政治勢力の活動などを描き出しました。それが下関、広島、長崎、沖縄などで「日本の様相を変える真実の劇」として、人人を激励し行動に駆り立てました。
 昨年「アメリカは原爆投下を謝罪し核も基地も持って帰れ」と正面から訴えた原水爆禁止運動はめざましい発展を遂げました。広島と長崎の「原爆と戦争展」は50年8・6斗争の原点を継承し、市民を代表するものとして被爆地で最大の存在感を示しています。そして昨年は、被爆者、戦争体験者に続いて、未来への展望を求める青年、学生が集団的に行動を開始しました。
 『原爆展物語』の沖縄公演が証明したことは、沖縄の戦後の島ぐるみの基地斗争、復帰斗争は、50年代の広島の原爆反対斗争と直接に結びついて発展したことです。原水爆禁止運動は、アメリカの戦後支配を暴露するものであり、日本人民のあらゆる運動を激励するものです。
 岩国市民の空母艦載機移転に反対し、愛宕山の米軍住宅建設に反対するたたかいも、沖縄の知事選挙も、「日共」集団やさまざまな政治勢力が介入して、大衆的な運動の基盤を破壊する特徴があらわれました。市民は戦争の前線基地となり、またミサイルの標的となる米軍基地は持って帰れと要求しているのに、基地存在の枠内で騒音や危険性など部分的手直しにして運動をつぶすものです。
 上関原発を阻止するたたかいは29年におよんでいます。昨年の町議選挙は、「日共」集団や労組など外部勢力が立候補して町民を攪乱しました。しかし祝島島民を先頭にして、「漁業権問題は解決」「原発はできるのであきらめるほかはない」という欺瞞宣伝と、「補償金を受けとれ」という県農林水産部、県漁協の圧力をうち破り、「祝島が補償金を受けとらなかったら原発はできない」ことが確信となって、中電と二井県政を挫折させました。その国策に負けぬパワーは、祝島だけの利害ではなく、「全瀬戸内海漁業を守る」「ミサイルの標的になって国土を廃虚にさせない」という真の国益を守る政治斗争になっているからです。
 老人休養ホームとしての満珠荘の再開を要求する署名が10万人におよぶ下関市民の運動は、全市民の世論を活性化させ、安倍代理の江島市政を退陣させる原動力になり、議会のさまざまな政治勢力の正体を暴露して、市民運動の威力を証明してきました。来年1月の市議選にむけて、下関をつぶしてしまう略奪政治を規制し、産業の保護と雇用の確保を求める市民の力の大結集が進んでいます。安倍晋三、林芳正代議士の支配する下関市政で、社会を崩壊させる新自由主義市政が典型的にあらわれており下関の市民運動は全国の典型となるものです。
 教育運動も大きな転換を始めました。この間やられた、自由主義教育改革の破産がはっきりし、日本の将来をかけた課題として教育から立て直そうという力は大きなものとなっています。このなかで、すべて人のせいにし、自分は被害者で、教育には無責任という組合主義が破産しています。目の前にいる勤労人民の子弟を、自由放任で放置するのではなく、九九や分数、漢字、逆上がりなどができるように、モノづくりの労働を尊重し、社会の役に立ち、みんなと協力団結していく勤労人民の精神を身につけるよう、勤労父母と団結して教育する新鮮な実践が発展しています。

     四

 『原爆展物語』では描かれたスタッフの活動ぶりが共感を呼びました。大衆を蔑視して自己主張をやる特定の小集団という旧来の政治勢力の姿ではなく、戦争を阻止し社会を進歩発展させるという確固とした姿勢で、大衆のなかに入り、大衆の体験に学び、大衆を激励し団結を促していく、そういう活動者の姿に新鮮な共感が寄せられました。大衆のなかにある松明を集めて大きな灯台にするという立場です。歴史を創造する原動力は人民大衆です。したがって傲慢な個人主義を一掃して、人民に奉仕する精神に徹して、大衆に学び、大衆の先頭に立って、アメリカとそれに従う日本の売国反動派と正面からたたかう政治勢力が必要です。
 昨年は、人民に奉仕する思想で活動を統率する団体・組織が発展しました。下関、広島、長崎の被爆者の会、原爆展を成功させる会、下関の市民の会、人民教育同盟、そして劇団はぐるま座など、大衆に溶け込み、新鮮な力を発揮し始めました。このような政治勢力を全国に広げていくなら日本人民の運動が様相を一変していくことは疑いありません。
 戦争を阻止する力を全国的に結集することが重要課題となっています。それは失業や貧困、抑圧とたたかって日本社会を立て直す課題と結びついています。今年はそのような人民運動を巨大なものにしなければなりません。
 長周新聞はいかなる権威にも屈することのない人民言論機関として、人民に奉仕する思想、自力で刻苦奮斗する思想を断固堅持し、日本社会の進歩発展と、広範な人民大衆の役に立つために奮斗することをお誓いし新年のご挨拶とします。
                                       2011年元旦

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