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市会議員49人が回答拒否
下関・あるかぽーと公開質問
               「議員に質問は横着」と   2006年5月17日付
 
 あるかぽーと(関門海峡の埋め立て地)への大型商業施設誘致の是非を問うため、下関市議会(小浜俊昭議長、104人)に対して、公開質問状を出した「世界に誇る海峡を守る会」(7団体の共同代表)は、回答の結果公表をおこなった。自治会や医師、寺住職、商店など各界の代表的な人人に賛同者が319人と広がるなかで、市議会では49人の議員が回答を無視した。世界に誇る海峡を守る会の記者会見(16日)
議員のなかでは「議員に市民が質問するなど横着」などと語られており、どっちが横着なのか決着を求める世論が吹き上がっている。下関江島市政はだれもが認める安倍「総理候補」の代理人市政で、市民を食えないようにする利権政治に奔走し、市民から聞く耳がない市政として非難を浴びてきた。それをチェックすべき市議会が、すっかり飼い犬のようになって市民の代表であることなど、いまや表向きも否定するところまで来ている。これは米軍基地移転に「国の専管事項」といって聞く耳のない小泉政府の物まねであり、下関市議会の腐敗ぶりは全国の先端をいくものとなっている。

  運動への市民の賛同者、300人こす
 「世界に誇る海峡を守る会」は、下関商店街連合会、下関東部の文化財を見直す会、関門海峡の景観を守る会、唐戸地区の明日を考える会、南部町自治会、下関市を良くする連絡協議会の7七団体からなる。埋め立て地あるかぽーとの約3万平方bが、江島市政によりスーパー・イズミを核テナントとする大型商業施設にたたき売りされようとしていることに反対して、4月末に発足したもの。下関一〇〇年の計とする市民の声に耳を傾け、慎

重に論議してほしいとして、市民や各団体に賛同を呼びかけていた。
 同会に寄せられた賛同者は、10日間で319人となり、1口100円カンパは約14万円を集約し事務局にはなおもぞくぞくと寄せられている。6月市議会で採決をさせなかった市民の力が、聞く耳を持たぬ市政と議会刷新を求める力となって、急速に結集をはじめている。
 回答結果を受けて同会は、今後のとりくみについて@公開質問状の回答結果を、あらゆる機会と方法を通じて市民にPR。市民とともに評価を考えていく、Aとくに回答がない議員がどういう行動をとるかよく見る、Bひきつづき賛同人を増やし、市民との対話をすすめながら継続していく、と運動を広げていく構えである。
 公表結果によると回答した議員は55人で、このうち個人回答が44人で会派回答が11人。質問として@さらに慎重な論議がされるべきと考えるがどうかについては、「必要」が33人で回答者の60%となり、「必要なし」9人(16%)、無記入13人(24%)だった。A大型商業施設の是非を問う住民投票条例については、「賛成」が20人(36%)、「反対」13人(24%)、無記入22人(40%)であった。B関門海峡の景観を損なうこと、大型商業施設の誘致については、「よい」8人(15%)、「よくない」22人(40%)、無記入25人(45%)だった。
 もっともたちが悪いのは回答をしなかった議員で、全員が無回答は、小浜俊昭議長がいる政友クと最大会派の菊政会と市民クだった。無回答49人のうち小浜議長をはじめ40人が、昨年5月の有料指定ゴミ袋を値下げさせる会がおこなった公開質問状にも答えていない【表参照】。ゴミ袋や教育、あるかぽーと開発について問うものだったが、聞く耳を持たない顔ぶれが同じなのは、小浜議長を先頭にして大方の議員が、江島市長の顔色をうかがう飼い犬となっている様を示した。
 関係者によると公開質問状の対応をめぐって、9日の建設委が終わったあと、会議室のなかで情報交換がされた。何人かの旧市の市議から、「議員にアンケートをするとは横着だ」と語られ、主要会派を中心に「回答するな」の拘束がとられたという。
 全員回答なしの政友ク(旧下関・8人)の定宗正人会長は「所管の建設委員会での審議に委ねており、水を差すことになる。議会がそんなに信用できないのか。委員会軽視、議会軽視にもなりかねないご無礼な話」とのべた。最大会派の菊政会(菊川・13人)の松尾勝会長は、「各自がどうこういっても意味をなさないから、会派としても個人としても出さないことを決めた」とのべた。市民ク(旧下関・4人)の兼田一郎会長は、「これまで一切出したことはない。個人的に出すかどうかは知らない」などとした。
 
 足並み乱れた会派続出 世論の広がりに慌て
 一方で会派拘束をとろうにも、市民世論の広がりに慌てて、足並みが乱れた会派も続出。会派内の一部が回答した豊な会(旧豊田・10人)の木本暢一会長は、「委員会で審議中であり、コメントはさけるように会派に徹底しているところ」とした。一議員のみの回答となった公明党(8人)の友松弘幸会長は「会派としての見解は、あまり商業施設はこのましくない」といいながら、「公開質問により議員が制約されるようではよくない」とマッチポンプを連想させるコメント。「日共」(11人)修正主義集団の近藤栄次郎団長は、白紙撤回を求めているとしたが、会派内には回答していない議員がおり「質問がウーンという感じだった。とらえにくかった」と意味不明な説明。
 期限まで結論がまとまらず、すったもんだの会派も多く、響会(豊浦・7人)の片山隆昭会長は「会派としては結論が出ず、回答方法はまとまらなかった。なんとか考えないといけない」と困惑した様子。豊北平成ク(豊北、5人)の藤尾憲美会長は、「個人の自由で提出することにした。とりまとめはしない」とし、新政ク(豊浦・10人)の岩崎義男会長は、「会派として拘束はしてない。私個人は出す予定」とした。ほうほくク(豊北・8人)の穐枝弘巳会長は、「会派内で3項目に対する考えは統一した。質問内容は未熟で、2、3項目は答えられるものではない」と強気の風だが、回答するものとしないものでバラけた。
 自民ク(旧下関・11)は会派回答で、江島市長からにらまれるのも困るが、市民の票を失うのも怖いという形で、中田博昭会長は「会派による回答をみんなの総意でやるようにした。今まで全部そうしてきた」と説明した。至誠ク(3人)の和田銀一朗会長は「あるかぽーとについては、それぞれの思い」としており、ニュー市民(豊田・3人)の内田和夫会長は「各自の自由、したいことをしよう」とした。無所属の議員は3人いるが、「公開質問することはよいこと」と話している。
 49人が回答しなかったことについて、保守系のある議員は「市長の提案にいい顔をしておかないと、地域代表として何もしてもらえなくなる。現職支持になるのは、自然の摂理みたいなもの」と心境を語った。
 
  議会刷新要求が大 あぶり出された正体
 市民のなかでは江島市政の暴走をチェックしたためしがない市議会を、これを機会に市民世論の監視のもとでやり変えようという機運が渦巻いている。市民のなかでは食べられないほど困っているのに、年間報酬1000万円のほか視察旅行や政策調査費にかぎらず、利権斡旋の裏家業収入など、市民とは別世界の議員生活者がつくり出されてきた。
 16日に開かれた本会議では、細江町3丁目に建設予定の社会教育複合施設で民間業者に設計、管理、運営まで一括発注する約91億円の債務負担行為を含めた一般会計補正予算案を、賛成の圧倒多数で可決した。同施設のアドバイザリーとしたパシフィックコンサルタンツ(東京都)は、汚泥処理施設の基本計画策定を1450万円で請け負い、過大見積もりやクボタ落札ありきの官製談合にからみ、あるかぽーと開発、立体駐車場などの公募で江島市長とともに疑惑の業者選定をくり返してきた。
 文教市民委員会では、「一括発注はおかしい」との質問があったが、政友クの御手洗議員が「早くつくるべき。一括発注がいいものができる」と、江島市長になりかわって代弁する始末であった。
 昨年に389議案が審議されたうち、否決されたのは新博物館計画の1議案のみ。可決したなかには官製談合疑惑で公取委が調査に入り、担当部長が就任後1カ月で辞表提出する異常事態となった、汚泥処理施設工事(28億円)の契約議案も含まれる。保守系から「日共」インチキ議員まで共通するのは、市民が食べられなくなり、就学援助が小・中学校で3人に1人まで増え、トイレットペーパー代から用紙代まで親から徴収し、トイレや外壁が壊れて放置されて子どもたちが粗末に扱われようが、無関心を装ってきたこと。生活保護が全国平均の2倍になろうが、出生率が県内平均さえ下回り、自殺者は増えているが、そんなことは屁のカッパで、現職飼い犬議員が世間をはばからずに「大活躍」しているのである。
 下関市立大学も全国一貧乏で、国の交付税は利権事業にピンハネされ、学生の授業料等だけで運営しているありさまだし、図書館予算は県下最低レベルで、蔵書は少なく貧相なまま。全国で笑いものの異常に高いゴミ袋も、議会の条例可決をへて導入されたもので、ゴミ袋値下げの会の母親たち中心に10万人をこえる署名を集めて、市当局に一定の値下げをさせた。犬猫以下のアルマイト食器をかえさせたのも、議会内からの妨害をはねのけて、実現したものだった。議員たちが不正を解決しようとまともに動いたり、議会内部から実態が暴露されたことを、市民は見たことがないどころか、市民が何事か市政批判に動くならなにかと混ぜくりにあらわれ、押さえにかかることばかり見ている。

 我欲第一へ怒りが噴出 議会内部に風穴を
 議員になったらすぐに横着になるというのは市民の常識である。昨年度調べの旧市の議員でみると、報酬と期末手当で900万円(平均)が支給されそのほかに本会議や委員会に出れば、日額4000円が払われ、さらに政務調査費がつく。定例会や臨時会、委員会もふくめて年間50日間を、発言せず寝ていようが約1000万円は転がりこんでくる。政府は、戦後から議員報酬を高騰させて、議員を割のいい商売にしてきた。市役所の外でも、企業や病院から顧問料や役員報酬を1社当り相場5万円でとりたてたり、ユウレイ社員に家族まで動員して給与をとるといった、裏稼業も発達させていった。
 さらに執行部は旅費や調査費などとさまざまな名目をつけ、議会会派を公益的団体に見たてて、交付金が受けとれるようにして、議員に税金を湯水のようにたれ流してきた。1昨年度に5会派(当時)へふりわけられていた視察費、政務調査費は、2700万円にのぼった。当選回数に応じてアメリカ、オセアニア、ヨーロッパに行く海外視察は、5年間は停止したものの、国際親善旅行費というワクをこっそりとつくり、姉妹都市および友好都市と交流するためとして、今年は年間330万円をかけていた。
 あるかぽーと開発の大型商業施設誘致反対や新博物館の白紙撤回署名、ゴミ袋値下げ要求など市民の運動の広がりは、「市民が食べていけないようにすることを手柄にする市政」「市民に聞く耳をもたない市政」を追い詰めてきた。さらには江島市政を支える安倍、林の両国会議員をはじめ、勤労市民や貧乏人の味方を装った公明党や連合・労働組合出身、「日共」の看板を掲げたインチキ集団までが、市民が拒否した江島氏を支えている実態をあぶりだした。
 議会刷新を求める新しい市民の運動は、江島市政とともに郷土を食いつぶしてきた我欲の議員にたいする、強烈な批判として怒涛のようなうねりとなっている。市民を食えなくさせてきた江島市政と真っ向からたたかい、政党、政派、思想、信条なく市民のために奉仕することで、多くの市民を結集してきた。この現状を変えていくのは、市民のたたかう力であることを示しており、そうした各界各層の要求をたばねて実現することで、江島市政と市議会を揺りうごかしてきた。
 さらには江島市政が新自由主義・グローバル型地方政治の支柱としてきた議会を、市民の運動のもとで議会内部に風穴を開けることが、切実な課題になっている。そのことはアメリカにしたがい市場原理主義を突っ走る小泉改革で、米軍基地を押しつけられたり疲弊させられていく全国の地方政治においても、展望を指し示すものとなる。

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