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市民欺き郷土食い潰す江島市政
                戦時訓練や要塞化に熱心    2007年5月16日付

 下関では、郷土の食いつぶしを特徴とした安倍首相丸抱えの江島市長の市政運営に、市民の我慢ならない思いが充満している。その特徴は、市民が知らないところで、市民を欺く形で、さまざまな事業が進行していることである。六連島では今月25日に武力攻撃を想定した全国の市町村単位で初の戦時訓練をやり、国が主導して人工島を中心とした大規模な取り付け道路があらわれ、大規模な都市改造が進行している。そして道州制にともなって関門特別市つまり下関の北九州への身売り構想を持ち出している。下関の主権放棄で、戦前のような要塞都市にするものと見られている。既存の経済は時代遅れとばかりにわざとでも切り捨て、公共事業では地元排除と市外業者発注を繰り返し、大型店は野放しで商店街はつぶし、若者には仕事がなく、老人は生活ができない。下関江島市政の方向は、安倍首相が全国で進める政治の先端的なあらわれであり、単に下関がどうなるかというだけの問題ではない。

 目白押しの箱物事業 満珠荘の閉館と反対に
 多くの年配者に親しまれてきた老人休養ホーム・満珠荘は、今年3月末で実質の閉館に追いこまれた。これも、表向きは「休館」といいながら、利用者や従業員には突然の通告をやり、再開する意向などない。閉館といって市民に問うのではなく、休館とだましてやる。議会も追随し、年間約1億円の費用が非効率だとして切った。高齢者が楽しみにしていた150円のお風呂と、関門の絶景を眺めながらの歓談はできなくなった。
 そんな「経費節減」と真反対に進められていくのが大型箱物事業である。

 安倍実兄企業が落札か 文化会館建て替え
 約150億円もの社会教育複合施設建設(文化会館建て替え事業)は、官製談合疑惑の裁判がつづいているなかで、江島市長は再入札に持ち込んだ。あるかぽーと開発や長府の新博物館計画(白紙撤回になった)でも問題になった「総合評価方式」による入札で、行政サイドから選ばれた審査委員メンバーが業者の提出案に点数をつけて決めるという、市長の恣意性が反映されやすい業者決定の手法である。
 新博物館建設が頓挫したのち、その代替として突然浮上したこの事業は、前回の入札で、周囲の予想通り安倍首相の実兄が中国支社長を務める三菱商事グループが、約155億円で落札。それよりも約10億円安く入札した地元の原弘産グループを排除し、騒動となって「入札決定取り消し」となっていた。再入札の今回、審査過程が不透明として裁判に訴えていた原弘産側には、「謝罪せよ」とか「裁判を取り下げよ」とかのめない条件を付けて、ふたたび三菱商事が「再チャレンジ」する条件をつくったといわれている。
 安倍首相が参議院選までは「慎重に」といわれて地元で無理を取り下げていたものが、それでは支持率が下がるばかりというので強行突破方式に移ったといわれる流れによる、再チャレンジであると見られている。国内最大商社が乗り出したら、ゼネコンでも対抗できないと建設業界では話題になっている。市当局は今回の入札について、何グループ参加したのかも伏せるなど徹底した秘密主義を貫いており、市民が知ったときは決まった後という方式である。

 ペンギンには大盤振舞 駅建設や新市庁舎も
 総事業費に約22億円かける市立水族館・海響館のペンギンハウス、約11億円の犬猫安楽死施設の建設、5億6000万円かける梶栗駅舎建設や下関駅ビル開発(JRへの利益誘導)などの箱物事業も、3月議会で予算が承認されて動きはじめた。
 「請願駅」の体裁をとった梶栗駅建設は、事前に地元負担の存在は明らかであったのに、署名を集める段階では「公言しないように」と伏せて進めていた。今になって寄付金集めが繰り広げられ、綾羅木・安岡地域では「詐欺だ!」と強烈な批判が渦巻くことになった。江島市政はこの梶栗駅を皮切りに、10カ所のJR駅舎建設・周辺整備に約200億円もの税金をぶちこむ計画だ。いまのところ長府駅改築と周辺整備に総事業費で、29億円つぎこむ予定だけが明らかになっている。
 JR西日本はほとんど金を出さず、市財政でまかなうというこのタカリ駅舎建設は、先の市長選でJRが最大動員で江島市長を応援したのちに出てきた。JR独特の規格があって、広成建設など関連企業しか工事ができず、およそ200億円前後が特定大手企業の独り占めになる。
 海響館には「市民に親しまれた」ペンギンをメインに施設を増設するといっている。既存施設は、三菱重工が機械設備などを受注し総額123億円でつくった。「世界最大の特殊な水槽」を発注するシカケで今回も受注企業は限定されてくると見られている。「何ペンギンを何羽仕入れるのか、どこから購入するのか?」の質問については無回答のまま、3月議会では「海洋生物購入費」に1億円の予算がついた。100羽入れたとしても1羽が100万円。50羽なら200万円という単価。20億円のプールをつくってもらう「ペンギン集団」は、1羽につき2000〜4000万円の「御殿」をあてがわれる計算だ。
 野良犬・野良猫が気持ちよく死んでいくための全国初の施設「下関市動物愛護センター」には総事業費で約11億円。九大病院と昭和電工が開発した特殊処分技術を取り入れる「全国初」の施設。したがって競争相手が見あたらない。4年前に約1億3000万円とされていた特殊設備の値段は約5億円に跳ね上がった。人間が手術で使うのと同じ麻酔薬を吸引させて、1匹ずつ処分する。建設費用や維持管理費を単純計算して、20年間稼働したとしても1匹が約4万5000円(年間約2000頭で計算)という、バカげた処分コストとなる。従来通り、県と協力したと殺処分でも対応可能なものだ。
 さらに市有地を五年前の5分の1という二束三文で縁故企業に売り飛ばし、大型商業施設を誘致するというあるかぽーと計画は、商店街と市民の猛烈な反対でこの3月議会で廃案となったが、江島市長はさらに事業者を変更して巻き返そうとしている。
 市財政の食いつぶしはさらに加速して、総額200億円ともいわれる新市庁舎の建設構想や、焼けこげた下関駅舎の跡地にはJR駅ビルをつくる計画。関門海峡道路(第2関門橋)構想もいまから本格化する様相だ。知らぬ間に、次から次へと事業はオンパレードとなっている。

 地元の業者を排除 仕事は市外業者が独占・生活できぬ市民
 下関市の基金(市財政の貯金)は現在のペースで使っていくと10年程度で底をつく。市債残高は本年度末には1162億円になる見こみで、一般市債のほかに公共下水道市債、港湾市債などすべてを合計するなら、借金総額は2000億円に届く。今年度は公債費131億円のうち利子だけで23億5000万円を払っている。下関市が箱物事業で市債を発行した場合、資金を融通して潤うのは山口銀行などの金融機関だ。
 近年、唐戸市場に80億円(戸田建設)、海響館に123億円(三菱重工など)、奥山清掃工場に105億円(神戸製鋼所)、リサイクルプラザに60億円(神戸製鋼所ほか)、振り出しに戻ったあるかぽーと開発は135億円(神戸製鋼所、佐藤総合計画ほか)、社会教育複合施設に15五億円(三菱商事が落札したものの、再入札に)、頓挫した新博物館に105億円(プランハウス、佐藤総合計画ほか)と大型公共事業の落札金額だけ見ても金銭感覚は麻痺状態。
 この「好景気」は市外業者・大企業の独り占めで、地元企業は電子入札の導入など露骨な地元排除政策によるダンピング競争に追われて倒産が相次ぐことになった。とりわけ合併で吸収された旧郡部の業者は惨憺たる状況になった。旧町時代に地元大手だった建設会社が土地財産を売り払って経営資金にあてているとか、会社倒産後は都会に出稼ぎに行った経営者の話などが真顔で語られている。
 入札制度では、江島市長の選挙に反対した業者に対して残酷な入札排除をやり、それに批判が出ると、一方では電子入札などの競争主義による叩き合いの構造で地元業者にダンピング競争を強い、他方で先述の神戸製鋼、三菱などの安倍首相の縁故企業などに独占的受注をやった。最近では「指名競争入札の領域を引き上げる」などといって「優良業者指名競争入札」という全国どこにもない特別ルールを昨年10月からはじめた。行政が「優良」と認める企業しか参加できない仕組みをつくった。どこが優良でどこが不良なのかは、江島市長らの判断次第である。江島市長を批判する業者は首つりをさせ、どんなひどい目にあっても文句をいわせないという制度である。
 大企業や特定企業が地方財政のタカリをしていく。上場企業はこの決算で軒並み過去最高益である。それは地方業者や労働者がいかに苦しい目にあっているかの証拠である。インチキなルールが持ちこまれて中小企業が押しつぶされ、市民生活の困難がますます広がる。市民を食えない状態に追いこんでいるのは誰か、という問題である。犬猫と比較しても、人間が粗末にされているのが全国典型のモデル市政の姿である。小中学校ではトイレットペーパーやプリント代まで父母負担、壊れた便所にはいつまでも「使用禁止」の張り紙。徹底した「経費節減」を強いて老人福祉や教育費を削り込む一方で、熱心な大手つかみ取りの箱物政治が繰り広げられてきたのである。
 また、労働者が食っていけない現状を反映して、生活保護は全国平均の2倍。行政機関では「下関市は全国より10年先をいっている」といわれるまでになった。就学援助の受給率は全国平均の3倍。平均所得は県下最低レベルという実情だ。

 不気味な都市改造 何をしようというのか・沖合人工島軸に
 このように、下関をさんざんに食いつぶして、下関をどうしようというのだろうか。「全国初」が大好きな江島市長は、「下関市国民保護計画」にもとづく六連島での実動訓練の実施を打ち出した。「武装兵士が潜水艇で六連島に襲来し、石油タンクを時限爆弾で破壊する」と想定。「下関に武装部隊が上陸侵攻するのかどうか」「そんなことがないように外交をどうするのか」など、必要な論議はないままに既成事実をつくるというものである。
 安倍首相は、アメリカが攻撃されたら、自衛隊が反撃するという集団自衛権の行使に踏み出そうとしており、自衛隊の海外派遣を本来任務にした。自衛隊をアメリカ軍の下請で外国に派遣して戦争させようということを進めている。外国を攻めるために市民を総動員するというのが現実に進めている内容である。
 想定がバカげていることや、「なぜいま戦時訓練なのか!」の批判世論が高まるなかで、その後は「防災訓練」ともいいはじめ、「過激すぎたから内容は手直しされた」ともいわれるが、どのような訓練になるのか市民には説明がない。六連島住民にも戦時訓練とはいっておらず、炊き出しなどに動員する自治会・住民にも「防災訓練」としか伝えない。隠して事を進めているのが特徴だ。
 それ以上に黙って事を進めているのが、六連島と目と鼻の先に位置する沖合人工島を中心とした都市改造である。人工島建設には第1期工事だけで約680億円も投じ、市が港湾会計に大借金させて進めてきた。商業ターミナルとしての利用価値が乏しい状況は、対岸に位置する北九州のひびきコンテナターミナルの経営が行き詰まり、同市が45億円を投入して救済すると発表したことでもわかる。
 しかしそんなことはお構いなく「商業利用」の建前を押し通しながら人工島建設を進めてきた。最近ではそれだけではなく、人工島とJR幡生ヤードに整備するターミナル、中国縦貫道インター、関門トンネル、新幹線駅と結ぶ巨大な4車線の道路群が出現し、市民を驚かせている。これらの道路は市内の一般道路から乗り降りできない作りで、人工島専用道路となっている。一連の道路整備は下関市の頭越しの国土交通省主導である。国が何の利用目的もなしにこんな道路建設を進めるわけはない。だが何のためかの説明はない。市民のなかでは、岩国の愛宕山開発と同じで、開発だけさせ、市財政をパンクさせて、自衛隊艦船とともに米海軍の基地にするのではないかというのが、現実にあり得る話だといわれている。
 こうして「吉見の海上自衛隊が移るのだ」とか「軍需物資の集積場になるようだ」といった話がまことしやかにささやかれ、日本沿岸を物色している米軍が利用することも十分考えられる情勢だ。北朝鮮の核実験騒ぎで軍事衝突を誘発する臨検港として名指しされ、近年は自衛艦や米軍艦船の入港がひっきりなしとなっている。江島市長が、全国に米軍艦船や自衛艦を視察しに行くなど出張をくり返していること、「祝防衛省」の垂れ幕をしてはしゃいだり、米軍艦長に花束を渡して歓迎する異様さとあわせて、下関を軍事都市にする意図であることは疑いない。
 こうしてみると、下関をさんざんに食いつぶし、市民が生活できないようにし、財政も破綻させるというのは、戦前に要塞都市であったように軍港・軍都にする意図があるのではないかということ、市民の主権をなくすために関門特別市・北九州への身売りではないのか、という疑惑である。

 諸要求を大合流へ 下関を軍都にするな
 六連島で軍事訓練をやって戦争をしてくれという市民はおらず、人工島を軍港にするために4車線のでかい道路をつくってくれといった市民もいない。唐戸の埋め立て地あるかぽーとにホテルや大型商業施設、外資を誘致して食い荒らしてくれといった市民もいない。文化会館を建て替えてくれといった市民も、三菱商事に落札させろといった市民もいない。老人休養ホーム満珠荘をつぶしてくれともいっていない。むしろそんなことはしてくれるなと声を上げている。
 市民ではない要求を意地になってごり押ししているのである。戦後の社会は主権在民で地方自治とか民主主義だと習ってきた。しかし安倍総理や江島市長が実際に実行しているのは、憲法を改悪するまえから、アメリカや大企業や政治家が好き勝手に振舞う、まぎれもない専制政治であり、そのもとで市民は生活できなくなってきた。
 暴走癖の権力者にたいして、それを押しとどめる力は下からの市民の運動である。市民運動の力も下関は全国的に突出したものとなっている。下関市民のなかで、あるかぽーと開発問題や、満珠荘問題、文化会館建て替えにあらわれた地元業者排除の無駄遣い、若者の就業要求、老人が暮らせるようにせよの要求、まともな教育予算を出せの要求、市民の声を聞く市議会、市政にせよという要求など、さまざまな問題、要求は、下関を食いつぶし、北九州に売り飛ばし、外資の町、軍事都市にするという基本方向にたいして合流させることが求められている。

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