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市民排除し低投票率仕組む
下関市長選巡る記者座談会
              自民党暴走市政の企み    2009年3月6日付

下関市長選巡る本紙記者座談会 下関市長選はいよいよ8日に告示を迎える。多くの市民のところで、「不思議な選挙だ」「告示が近づいてもだれも何もいってこない」との意見が広がっている。旧市内がそうだが旧郡部はもっとひどい。安倍派の友田有県議と香川昌則市議、「保守系無所属」を標榜する中尾友昭氏の3陣営がいるが、市民排除、有権者排除の奇妙きてれつな選挙をやっている。こういう状況で、何がどう争点になっているのか、選挙の仕かけを含めて論議してみた。
  今回の市長選挙は江島市長をいかに倒すか、という世論の熱気に包まれてスタートした。江島市長は告示3週間前まであがいた挙げ句、退場を余儀なくされた。まぎれもなく市民の力が発揮された結果だ。しかし、その後の3つ巴になってますますシラケがひどくなっている。
  市内のいたるところで「盛り上がらないね」「前回の方が熱気があった」と話題になっている。「投票率は50%いったら御の字」「江島がいなくなって、メインディッシュを失った残りカス選挙になった」などという人もいる。安倍派の第1候補である友田陣営には、旧来の自民党安倍派のほかに土建業者、江島市長にまぶりついていた残党企業がくっつきはじめている。安倍代議士の「美しい国、ニッポン」のもじりなのだろう、「美しい都市」とか「キラキラ輝く下関」などのスローガンがトンチンカンな響きを放っている。自民党県議団は基本的に全員が応援弁士などで加勢する体制だ。安倍代理の江島政治の継承の第1候補というところだ。
  安倍派第2候補の香川陣営は、引き続き「市民派」として票を掘り起こすスタンス。友田氏が評判が悪すぎてサマにならなかったら、創価学会などの安倍組織票は香川氏に乗り換え、という見方もある。ただ、香川陣営があまりにも市民から浮き上がっているというか、置き去りにされた感もある。前回選挙で「活躍」した松原守氏(連合)が連れて回っているが、かえって裏目に出ているところもある。あおり立てた亀田市議が他陣営に顔を出したというのでさざ波も立っている。
  中尾氏は、江島打倒で市民から担ぎ上げられる格好で出馬を決断したものの、その後フラフラしている。ようやくマニフェストを明らかにし、だいぶ市民のいう要求を取り入れた。これの内容は市民のなかで好評だ。だがなかなか配らない。配っても配るだけで、それを使って選対側からお願いし市民の論議を盛り上げようという組織的な機能がまるでない。やる気がないと見なされている要素だ。評判が悪い選対の態度を改めるような気配はない。市民に認められようという姿勢が乏しい。自民党とその付属勢力の票に幻想を持って、市民を排除するという姿勢が改まらない。だれが市長になっても同じだといわれる要因だ。

 次の代理人求める背後勢力 江島政治転換が争点
  今度の市長選は、争点としては、下関を散散に食いつぶしてきた江島政治の継承か転換かだ。江島政治といっても、江島潔個人が1人でやってきたものではない。バックに安倍事務所とそれに隷属する林事務所がいて、議会には安倍派、林派を軸にして、公明、「日共」集団、連合、その他の飼い猫軍団が群れをなしている。そして神鋼、三菱、JR、さらに山銀や信金などの金融機関がおり、安倍・林関連企業などがいる。江島市政はこれらの代理人としてやってきた関係だ。江島市長は退場したが、このような背後勢力は退場していない。つぎの代理人をどうつくるかで動いている関係だ。
  この背後勢力が、百年に1度といわれる未曾有の恐慌下で、市政をどうしようと思っているかだ。アメリカを筆頭にして、金融機関からGMのような企業まで、莫大な公的資金注入が大流行だ。下関では安倍銘柄とか江島周辺企業が、利権とバブルで急膨張していたが、これがパンクして急転直下“火だるま企業”になっている。山銀や信金などすました顔をしているが、金融恐慌のダメージは大きい。これらが、公的資金注入要求をたくましくして、さらに箱物暴走で食いものにする欲求を強めていることは疑いない。“下関版ニューディール”などといって公共投資に突っ走る、市民生活など知ったことではない、というのが予想されるコースだろう。それを江島市長より強引にやっていく代理人というのがあからさまな要求と思われる。
  不況下でいうと、中小企業などは3月危機が現実問題だといわれている。バタバタいく可能性がある。3月なのに、年度末調整の100万〜200万単位の小さな仕事も発注されないし、工務店など零細経営は深刻だ。民間の仕事もストップしている。この間、特定企業ばかりが仕事をとりこんで、中小は自己責任で廃業しなさい、という政策が実行されてきた。ダンピング政策など歪んだ日干し施策を早急に転換することが求められている。

 組織票を動かす勢力の策略 作られたシラケ選挙
  この市長選は、江島市長を軸にして、直前まで出るとも出ないともいわずに選挙妨害をするというものとしてあらわれた。江島市長を退場させたのちは、残された3陣営がさらに選挙の様にならない。3陣営がうちそろって、有権者に下関をどうするといって支持を求めるという姿勢がまるで乏しい。有権者を排除した選挙をやろうとしている。各派の議員どもがまぶりつき、だれが安倍派、林派、創価学会、連合などに認められるかと競っているかのようだ。現状では、各陣営が自民党予備選挙くらいに見なしており、市民が選ぶ市長選とは思っていないようだ。このシラケ選挙は、3候補がバカだからとか、自然にそうなっているのではなく、司令部があってつくられた状況だと見なければならない。
 選挙戦が低調で、投票率が下がったら有利になるのは、組織票を動かす勢力になる。つまり自民党安倍、林派であり、大企業・連合票、創価学会票を動かすものだ。それは安倍派のペースということだ。シラケ選挙で低得票率になったら、評判が悪くて市民票を集めるのに苦労している候補でも、安倍派組織票を投入すれば、勝ち目が出てくる。安倍代議士としては、自分の選挙を前に側近の友田に肩入れする可能性が1番高いと見られる。江島政治に輪をかけた継承候補としての本命と見られる。
  投票率が50%なら約12万票を分け合うことになる。江島市長が見込んだ4万票を友田氏の県議選票に上乗せしたら5万票ほどになる。香川氏ががんばって2万票いったら、中尾票は5万票。中尾氏の自民党よりの姿勢が嫌がられて、投票率が下がれば下がるほど友田氏の芽が出てくる。
  この市長選は、3人の候補の争いとだけ見たら誤る。友田氏と香川氏が安倍派であることははっきりしている。ところが中尾陣営にも安倍派議員や企業がつき、林派の塩満県議などがついている。林派合同ガスは引き続きめだち作戦続行中だ。3陣営とも安倍派、林派の集中的なコントロール下に置かれているか、置こうとされている関係になっている。明らかに中尾選挙を自民党よりに仕向けて市民から嫌われるようにし、その分友田氏を有利にするという仕かけが働いている。
  この時期に民主党が中尾「支援」決定というのも不可解な動きだ。下関では連合は自民党で民主党は加藤県議1人。人の世話をする力はまるでないし、反自民の市民の恩恵を受けている関係だし、迷惑をかけるだけだの声がある。加藤県議は林派・二井知事与党で、岩国基地問題で裏切りをやって岩国市民に迷惑をかけている状態だ。民主党が支援する候補を自民党員が応援することはできないとかなんとかいって、陣営放り投げ作戦の布石になるかもしれない。
  「日共」集団も自主投票といっている。これもインチキで裏の顔は「友田に入れても良い」ということになる。あと、「3日前の創価学会」も注目される。いずれわかることだ。
  最近、自民党のポスターが貼り替えられている。ずっと先の10月25日の演説会を宣伝するものだが、安倍・林代議士2人が揃って並んで写っているものだ。衆議院選挙もあるだろうが市長選挙へのなにかのメッセージなのだろう。

 まともな動きせぬ中尾選対 最多の反江島票排除
  ここで問題なのが中尾陣営だ。江島市長に対抗するものとして、「市民が押すなら出る。皆さんの責任ですよ」という調子で出た。政策も市役所の建て替えはしないというだけで、なかなか政策を発表しなかった。告示の2週間ほど前になってやっと出した。その内容は、満珠荘の老人休養ホームとしての再開、学校統廃合は地元の要求がなければやらない、市が発注する工事や仕事は地元業者を優先、支所機能の強化、ごみ袋値下げ、など市民の要求を一定取り入れた内容になった。これは市民のいうことを聞いたということであり市民に歓迎されている。
 しかしそのマニフェストを8万枚刷ったというが、なかなか市民の所に届かない。選対がまともに動かない。選対事務所に行った市民は口口に態度が悪いと怒っている。松村正剛市議のメールによる名簿公開問題も深刻な裏切りと売り飛ばし行為だが、何の態度表明もない。選対としては、極めて市民を侮蔑した姿勢が濃厚だ。選挙の様になってない。市民を利用してやろうというもので、うさん臭さを多くの市民が感じている。
  市民の会が中尾選対に「マニフェストをくれ」と連絡したら、30枚しか持ってこなかった。少ないから催促すると、迷惑そうな顔をした女性が200枚「予備」と書いたものを持ってきた。この女性は決起集会の日程が書いてある紙を見つけて「こちらには持ってきていないのに、なぜあるのか」と文句をいう。配るな、来るなという選挙なのだ。わざと支援者を怒らせて追い散らしている。こんな選挙は見たことがない。最終的に選対として持ってきたのは合計で1000枚だった。
 しかしそのマニフェストは、市民のところでは1週間たっても見かけない。配りきれずに各所に山積みされているし、ゴミ捨て場に大量に捨てられていたのもあった。個人にドサッと押しつけられて困っている人などから「配ってもらえないか」といわれる。こうした人たちから持ち込まれたものだけでも1万6000枚近くが長周新聞や市民の会に依頼される始末だ。これはあっという間になくなった。企業や病院、一般の人人が20〜30、なかには700〜800枚を配る人がいる。反響は大きい。
  中尾陣営についている安倍派人物がいっていた。「江島票をとるためには、市民の会や長周新聞と一緒にやってはいけない」と。江島市長は票が少ないから出馬断念に追いこまれたわけだ。最も多い票は反江島の市民票だ。それをいらないというのだから負けさせるということだ。つまり安倍派、林派、その他の市民派もどき議員とか、公明議員とかがまぶりついて、そっちの方に引っ張る力が作用しているということだ。それで中尾氏についても「だれが市長になっても同じ」といううさん臭さをつくりだしている。中尾氏は前回、自民党推薦騒動で手玉にとられた教訓が身に染みていないようだ。
  中尾氏が安倍派、林派などに傾斜していって市民をあなどって嫌われるという方向に行っているが、それでは選対は気づいたときは空っぽだ。市民の期待が集まっているからいろんな連中がまぶりついているのだ。それを自分から切り捨てたら相手にされるわけがない。安倍、林のツーショットのポスターは何を意味しているかだ。人は一度の失敗は「つぎの勉強にしろ」というが、同じ失敗を2度するとなると「あれはバカだ」ということになる。

 安倍・林支配と市民の対決 市民の主導権発揮へ
  江島市長の背後勢力から見たら、1番使い物になるのは江島氏だったと思う。さらに暴走をさせようというのなら友田氏だろう。中尾氏は1番使い物にならないと見ているのは間違いない。しかしこれは市民の側から見たら逆になる。政策を一応約束した。江島市長がやろうとした一連の暴走計画はやらないと約束しており、その点でも市民から縛られている関係にある。
 創造的なことは何もやらないでゼロ状態であっても、暴走市長なら市民にとってはマイナス。ゼロかマイナスかの選択でもある。
  選対のなかでは、市民の反応はいいという。市民のなかで、江島政治と違うことをやるという期待だし、中尾氏の政策を支持するという世論だ。問題は、それは中尾氏と選対の努力でできているのかということだ。今度の選挙は、市民運動がかつてなく強まっているというなかで行われている。満珠荘署名でも9万近く、そのほか学校統廃合に反対する動きは全地域で起きている。市庁舎建て替えもそうだし、角島の保育園廃止もそうだ。あるかぽーとをはじめ大型店野放しへの批判も強い。市民がだれに頼まれるのでもなく、自分たちの意志で行動をしているのだ。市民に乗っかり利用したり愚弄する態度は許し難いものだ。
  柳井の市長選・県議補選を見ても、候補は2の次で「自民党に灸をすえろ!」の世論はすごい。これは下関でもいっしょだ。江島市長を打倒したことが実証している。参議院選でそうだったように、民主党に期待はないが批判世論の受け皿として有権者が雪崩を打つ状況がある。
 総選挙も控えるなかで小沢一郎が西松建設問題でやり玉にあがっているが、小沢はともかく下関の江島・疋田・安倍氏はどうなのかと下関市民はみな思っている。下関の衆議院選挙で、小沢が汚いから自民党が有利にはならない。むしろどんな疑惑があっても警察も検察も動かなかった下関であり、自民党に対する恨みになって噴き上がる要素の方が大きい。
  市民の会グループの市民交流センターは7000人のゴミ署名しか集めることのできない「日共」集団などの偏狭なセクトではなく、2つの10万人規模の署名運動の実績を持っている集団だ。これに対する選対の敵対的な態度、中尾氏がいまだ顔も出さない態度は、市民全体を愚弄する態度のあらわれだ。中尾氏の傲慢な態度についても批判が大きい。これは選挙中さらに締め上げて改めさせる必要がある。市民の会グループも、中尾氏の態度に対する我慢ならない怒りがある。選挙を応援するというのに迷惑という選挙は聞いたことがない。
  市民が第1目標にしていた江島打倒は選挙前に実現した。しかし選挙は、安倍代理江島政治の継承か転換かが最大争点だ。そこに3つの陣営すべてをコントロールし、市民を愚弄し、安倍代理市政続行のためのシラケ選挙が仕組まれている。江島市長がやった有権者冒涜、選挙冒涜の構図がつづいている。選挙は、まさに安倍・林の自民党支配と市民の対決となっている。候補の好き嫌いを超えたところに対立点がある。そこで、市民の側が主導権を発揮して、逆に選挙をどうコントロールするかだ。新市長を縛り付けて公約を実行させる市民の政治的な力をどう見せつけるかだ。

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