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市民の生命財産守る気あるか
下関市議会6月定例会
             本池市議の一般質問内容   2011年6月22日付

 下関市議会6月定例会の一般質問が17日から始まった。本池妙子市議は、中尾市政が冠水した埋立地に消防庁舎を移転しようとしている問題について見直しを求め、いざ消防が機能せずに死者が出た場合、誰がどのような責任をとるのか中尾市長の姿勢を追及した。また、公約違反の新庁舎建設について多くの市民が知らされていない実態を明らかにし、市長本人が出向いて説明会を開催する意志はないのか問うとともに、下関の経済が冷え込んでいるなかで市役所だけ立派にするのではなく、雇用確保や市民生活のために予算を優先させること、いざ震災などが起きたときに地元企業や地域の力が発揮されるかどうかが運命を分ける重要な要素で、市内企業や市民生活を疲弊させる民間委託化や入札制度を見直すべきだと訴え、市長の姿勢を問いただした。一般質問でのべた内容を以下紹介したい。
 
 防災の見直し必要 埋立地への消防移転も 責任とるのか

 私は下関の教訓にするために東北の被災地に視察に行き、現地の凄まじい実態と人人の復興への強い願いを聞いてきた。その後、下関での冠水した埋立地へ消防を移転させる計画を見直して、現在地に建て替えるべきという、下関市民の会の署名活動や宣伝カーでの訴えを市民とともにおこなってきた。このなかでたくさんの意見を聞いた。各所で共通していたのは、ほとんどの市民が消防移転や市役所建て替えの事実を知らないことだった。計画を伝えるととても驚いて、「とんでもないことだ」と大変怒っている。
 中尾市長は、市議会では多数派ということで、市長選の公約をつぎつぎに覆して突っ走っておられるが、市民のなかではびっくりするほど孤立しきっており、まるで裸の王様のようになっている。選挙を手伝われた唐戸市場や彦島の人人をはじめ、二年余りを見てきた市民は「平気でウソをいって、市民に対して冷酷な政治をやっている」と憤りは尋常ではない。
 消防署の移転問題は、市民にとっては命にかかわる大事な問題だ。消防を冠水した埋立地に移転する計画について、市民が知らぬ間にやってしまうのは良くないと思う。中尾市長が直接に出向いて市内の各所で説明会をし、市民の意見を聞く必要があると思うが、説明会をされる意志があるのかないのか、市長に質問する。
 東日本大震災があった後、下関市が冠水した埋立地に消防を建てるということは、山口県中の消防関係者の大注目となっている。日本中のだれが見ても弁解のしようがない非常識なことだ。考えられない非常識を下関では市長が強行し、議会が認めるというのが驚きになると思う。関谷議長は全国市議会議長会の会長になられたそうだが、被災地をはじめ全国の議長さんたちからどう見られるか心配だ。
 あの場所に消防を建てたら、地震、津波や台風などで冠水することが確実に予測されることは執行部の方も認めておられる。だからかさ上げをし、水止めをし、津波が通り抜けるように設計するし、液状化対策で3億円余りをかけて地盤改良をやるし、災害が来るときには警報段階で消防車などはよそにかわすと説明された。しかし、そんな対策をすること自体が消防の設置場所として不適格なことを認めているということだ。
 災害時には市役所に司令部が置かれるそうだが、「実働部隊である消防が司令部のそばにあることは消防の常識だ」と県内の消防関係の人たちはいっている。「下関の局長さんも叩き上げの人だからわかっているけど、上の人の鼻息が荒いからいえないのだろう」といわれていると聞いている。
 この計画は決まったことだといわれている。東日本大震災が起きて、日本中の自治体が防災体制の根本的な見直しをしているときに、決めたことでも、良くないとわかったら見直さなければならないと思う。市役所の建て替えをやるのに邪魔だから不適格な土地に追いやるというのは改めるべきだし、市民の生命、財産を守るという消防の目的にあうことを第一義に場所を選定しなければならないと思う。
 消防があの場所にあったために役に立たなくなることが確実に予測される。そのために助かる命を救えなかったとなることが確実に予測される。それがわかっていてあえてやるというのは、消防に市民の生命、財産を守らせないし、市民をあえて死なせる政治だということだ。だれがあんな場所に消防を建てたかが問題になるし、現在の中尾市長と市議会の責任がないというわけにはいかない。そのときに責任はとらないが今つくる、というのか、つくった責任をとるというのなら、どんな責任のとり方をするのか、はっきりさせておく必要があると思う。市長はあの土地への消防移転を見直す意志はないのかどうか、あくまでやるのなら、消防が機能せずに死者が出たとき、どんな責任をとられるのか、答えていただきたい。
 大震災の時点にたって、下関の防災体制の見直しが必要だ。市民のなかでは「災害のときに自分たちはどこに避難すればよいのかわからない」という声がたくさん上がっている。唐戸町は勤労福祉会館を避難所にするとして、ある議員さんが契約されたと聞くが、では隣の赤間町はどこに行ったらよいのだろうといわれている。
 防災の問題としてだが、私は被災地を視察したときに思ったが、地域コミュニティというものが復興という問題にさいしても、非常に重要だということだ。地域で地元の産業が興って結束が強いところでは復興も勢いがあり、そうでなく大型店が中心になったりして、地域の産業が衰退して、ばらばらになってしまったところは、復興の力も弱いということだ。後でのべるが、防災という面からしても、市内の業者が成り立つようにすることが重要だと思う。

 原発対策はどうするか 市民の死活問題

 また、防災対策の見直しでは、福島原発の大事故の教訓を無視するわけにはいかず、原発対策が急がれている。福島では200`離れた東京でも水道水や汚泥が汚染されている。さらに300`以上離れた静岡県のお茶の葉からも検出されている。海では100`、200`離れた茨城県、千葉県に至る海域が汚染されて漁獲制限されている。
 下関は玄海原発からも、伊方原発からも、また上関からもそれぞれ100`少しだ。さらにみなさんがよく行かれる釜山の原発や、黄砂が飛んでくる中国にもたくさんの原発をつくろうとしており、下関で原発をよそ事扱いし続けるわけにはいかないと思う。
 放射能が飛んでくる可能性があるが、とくに玄海原発から出た汚染水は対馬海流に乗って下関の北浦沿岸にまっすぐ流れてくる。山口県外海の漁業は大変なことになる。上関で事故があれば、山口県の東部は立入禁止になり、山陽自動車道、中国自動車道、国道2号線、新幹線、山陽本線など交通が遮断される。山口県沿岸まで40`ほどしかない伊方でも風向き次第では同じことになる。下関にとって死活問題になる。
 防災の問題は、市民の生命と安全、財産を守るという、市政にとってもっとも大事な問題だと思う。中尾市長に対して防災計画の見直し、なかでも原発対応についての基本的な見解を聞きたい。下関市民の安全を守るためには、老朽化している玄海や伊方の原発は止めること、上関の新規立地は中止することが一番だ。市長はそういう意志はないのかどうか質問する。
 
 入札制度も見直せ 雇用問題とも関連 生活ができる街に

 下関市民の会の署名運動のなかで、市庁舎を建て替えることを知らない市民がほとんどだとわかった。「中尾市長は建て替えないといって当選したんじゃないか」「だから1票入れたのに」とみんないっている。だから中尾市長は市民に説明し、市民の理解を得る義務がある。そのために市内各所で説明会を開く意志はないのかどうか質問する。
 「合併特例債が出るのだから使わなければ損」ということがいわれている。あとで地方交付税で返ってくるといわれる。交付税は国税収入に対する比率で総枠が決まっており、特例債で出すことは別の形の交付税を削るほかないのは明らかだ。
 日本の国家財政は世界一の借金で財政破綻だといわれているが、とくに東日本大震災は、国の経済事情についても、財政事情についても大きな変動を起こしている。国家公務員の給与削減が出たが、地方公務員の給与削減や、市長や議員の報酬の削減も求められることは疑いない。消費税も上げるといっている。日本の国債の格付けは下がり、日本の国家財政が危ないときに、5年、10年先まで約束の金が国から下りてくるのを信じるのは間違っていると思う。
 震災後、下関の経済は一段と落ち込んでいる。職安は溢れており、仕事がないし、客が買い物に来ないといわれている。そして仕事のない下関からは人口が流出し、人口減少が急速に進んでいる。下関の人口は19年後の2030年には、20万9000人になるという予測が出ている。人口が減り、市税収入も減るなかで、借金を増やして市役所だけ立派にしてどうするのか。市役所の建て替えなどやめて、市の人口が増えるようにすること、市内に仕事をつくり、雇用をつくること、市民が生活できるようにすることに予算を使うことが優先されるべきだと思う。
 また市役所より学校の耐震化を優先することが大事だと思う。下関の校舎は壁が落ちたり、雨漏りするところが増えている。下関の子どもたちから見たら粗末にされていると映ると思う。地震で壊れる状態では避難所にはならない。下関の市民は災害時に避難所もないというのでは困る。
 市庁舎は公約通り、現庁舎を修理して使用すべきだ。市長はこの点について見直す考えはないのか質問する。
 下関市内に仕事をつくること、とくに雇用をつくることが切迫した要求になっている。震災後の市内の求職者数、市内企業の倒産状況などを見て、どういう評価をされているのか質問する。
 雇用対策が市民にとって非常に重要だが、中尾市長がやられてきた民間委託や建築その他の入札のやり方が、市民を生活できない雇用状態にしているという問題がある。野球場の管理を市外業者のミズノに委託したが、職員はアルバイトになって月六万円の給与といわれている。また利用者も大幅に減って、市民にとって不便になっているようだ。委託料金は管理公社よりも高くなったそうだが、働く人を貧乏にする効果になっている。建築関係では五月に公共工事をしていた企業の倒産があり、建築業者が入札制度の改善を求める陳情をした。市内の業者は赤字覚悟の受注になって苦しんでいる。印刷業者にしても紙代とインキ代ほどしか出ないような安値受注になっている。これは結局、労賃を削る状態をつくっている。
 発注する市役所の側から見て「入札は安ければ安いほどよい」とはならない。市役所は市民から税金を集め、市民が生活できるようにするためにあると思う。とくに災害という非常時を考えたとき、土建業をはじめ地元の企業の力がどう発揮されるかが復旧、復興にとって運命を分けると思う。元請も下請も市外発注で、地元の企業が力を失ってしまったら、いざというときに困るのは明らかだ。農水産物も地元の流通のパイプをダメにしたら困ると思う。
 とくに農漁村はもちろん地元企業が若い人を雇って後継者に育てる余裕を失っている。一人の業者は「このままだと経営が成り立たず下関の業者がみなつぶれてしまう。自分たちはもうけることだけでなく、下関に雇用を広げることをやりたい。失業者を雇用し、若い世代を三〜四年かけて一人前になるように育ててやりたい。下関で働いて食べていけ、結婚して子どもを持って、ずっと生活していける街にしてやりたい」といわれていた。中尾市長は民間委託、入札制度の見直しの意志はないのか質問する。
 緊急雇用対策事業がおこなわれて多くの項目で利用されている。どんな職種で何人がどのような形態で雇用されているのだろうか。この予算で市の嘱託職員を雇っていると聞くが、それは市職員を削減した結果の市の業務の必要から雇っているのであって、雇用を創出しているとはいえない。市の人件費として扱うべきものだ。しかも月収13万円程度では結婚もできないし、市が率先して下関の人口減少を促進する嘱託形態だと思う。
 緊急雇用対策事業の予算というのなら、市内の農林漁業の後継者をつくるためとか、造船、鉄工、その他の技術継承の意味も込めた若者の雇用をつくり出すとか、また以前の失対事業のように市内の道路、公園など草がぼうぼうで汚いところを清掃するとか、新しい仕事をつくり出すために使うべきだと思う。
 さらに、ふるさと緊急雇用制度の予算で、「豊前田・細江夢づくり会議」の常任理事を豊前田商店街組合の事務員として月30万円で雇用する計画が前理事長のもとであったと聞いている。その人物は中尾市長の選対本部をつとめた唐戸魚市場関係の人物だったようだが、真相はどうなっているのだろうか。
 市の退職者が市立大学の理事長になって1600万円とか、市役所退職者の吉川副市長も中尾選対をつとめて年収1000万円あまりとか、議員の年収1000万円と比較したとき、市の仕事をしてまともに生活できない人人との格差がひどすぎると思う。昔、泉田念書事件があったが、選挙をやった人が高給のポストをもらうのは公職選挙法では問題にはならないと考えておられるのだろうか。
 中尾市長は以上のような点、とくに緊急雇用対策の予算の使い方について見直す考えはないか質問する。
 市民税の滞納に対する差押えが冷酷だと市民のなかでは非難ごうごうとなっている。中尾市政の基本姿勢として、市民の生命を守ることに冷淡であり、市民の生活を守ることにも冷淡であり、市民の財産を奪うことに熱心で、「市長周辺ばかりいいことをしている」というのが市民の定説になってきている。中尾市長はこういう市民の評価を真剣に受け止めるべきだと思う。以上で質問を終わる。

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