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市民の力が圧倒する市長選
下関・かつてない様相
                 集まらない現職の集会      2005年3月26日付

 下関市長選は27日の投開票が迫り、かつてない盛り上がりとなってきた。現職江島陣営は、いくらしめつけても人は集まらず、集まっても投票するのかどうかわからない。たいする中尾陣営は、集会を開けば予想をこえた数と熱気で、どこでだれがどれだけ運動しているのかわからない。松原陣営も読めない状況は同じ。丸抱えで現職選挙をとりくんできた安倍晋三氏は、市長候補はほったらかして県議候補の宣伝カーに乗りこむサービスをして、あたふたと東京に飛んで帰った。選挙通も「こんな選挙ははじめてだ」といいはじめている。市民がいたるところで勝手に動き、論議しており、そのうねりが日に日に大きくなっているのである。市民が食べられないダンピング入札、商店をなぎ倒す大型店出店、県下一高いゴミ袋、犬猫以下の給食食器を使わせるなどの粗末な教育行政、そして市民のいうことに聞く耳のない市政への怒りが、大きなうねりとなっている。現職を倒し「市政を市民の手にとりもどすことができる」との確信が広がっている。
  
  論議起こす市民の会の宣伝
 選挙情勢を印象づけたのが、23日に開いた中尾陣営の決起集会と、24日に開いた江島陣営の決起集会である。江島集会の沈滞と中尾集会の熱気が対照的にあらわれた。
 江島陣営の出陣式は、実数で500人前後しかおらず、さみしいものであった。しかし発表は1300人で、山口新聞などがそれをおべんちゃら報道し、「現職は強い」のこけおどしでなんとかしのいでいた。しかし24日の最終決起大会まできて、陣営のショックはかくしおおせないものとなった。
 聞いたことのない安倍事務所の封筒による招集もあり、「集めるのは2000人は集める」「3000人集まればまき返し」とも見られていた。会場は、あふれる人を想定して、ロビーにはモニターが準備されていた。「3選されたときは、ロビーも廊下も人であふれかえっていた」のである。
 ところが6時30分の定刻になっても席は埋まらない。選対関係者の動きがあわただしくなり、前列に人を誘導しようとする声が錯綜(そう)する。開始を7分遅らせたが、空席がめだったままスタート。場外にいた人もいたが、全席1400席のうち300席前後は結局、終わりまでとじられたままだった。関係者は「信じられない」というとまどいの表情をかくせなかった。
 歯科医師会の中島副後援会長の「このように会場あふれるばかりのみなさま方とともに…」との用意されたあいさつ文が、しらじらしさを誘った。自民党下関支部の会長・友田有県議が、「なぜわれわれが江島候補を推薦したか。一市四町の合併をスムーズにやりとげたから」「しかし最近、根も葉もないデマが飛びかった」と文句。連合山口の石田副議長(サンデン労組)が、「国の政策をやっただけのゴミ袋がとりあげられておかしい」「山口新聞は江島候補が頭一つ出ているといっている。わたしたち労組もがんばる」と檄(げき)を飛ばすが、会場からは熱のある拍手はない。
 注目の安倍晋三代議士は、「自由民主党は自信を持って江島市長を推薦したい。選挙戦はたいへんきびしいが、わたしも全力をかけてがんばりたい」と、あまり意味のないあいさつで終わり。江島氏は「友田さんにもご心痛かけ、自民党の推薦をいただいた。安倍先生がかけつけてくれたこと、生涯忘れない」とのべ、「激戦の市長選、なにがなんでも新しい市のかじ取り役として、よろしくお願いしたい」と訴えたが、拍手さえしない中年男性の一群がいくつもあった。
 動員で来たと思われる作業着を着た人人のなかには、壇上にじっときびしい視線を投げつづけている人人がおり、帰りぎわの人人の会話には「崩れている」「すごいことになりそうだ」と話しあう人人がいたり、折からあらわれた中尾候補の街宣カーに手を振って激励する人たちがいたりという光景もあった。

 現職の宣伝カーにも乗らず 安倍代議士
 安倍晋三代議士は、同時におこなわれる県議補選の伊藤博候補(自民党公認)の街宣車に乗って、「お願いします」を連呼する異例のサービスをやったが、江島選対前にさしかかると「江島候補の健斗を祈ります」といっただけでとおり過ぎた。激戦の江島宣伝カーには乗らなかったことが、関係者のショックを誘うものとなった。江島選挙は「推薦を決めた自民党支部の責任」であり、「江島氏本人の責任ですよ」という印象を残し予定を切りあげて下関を発つことになった。
 23日にシーモールホールでおこなわれた中尾友昭決起大会は、陣営の予想をはるかにこえる1100人がつめかけ、婦人や中高年、青年などが参加していた。発言者がつぎつぎに登壇し、その一言一言に会場から拍手やかけ声が飛ぶ熱気のあるものとなった。「地元に公共事業をおろさないから、税金がどんどん流れていく。市内に循環しなくてなにが元気か」「長期政権の不透明さで、しっかりと説明をはたしていない一つが、ミミつきのゴミ袋。10万人も署名が集まっても下げないという」「あるかぽーと開発は関門海峡の景観を破壊する行為だ」と候補者がのべると、その一言一言に会場からは激しい拍手が浴びせられた。
 クライマックスのガンバロウ三唱で、「市民の手に市政をとりもどせる絶好のチャンス。大企業や大きな団体ではない、市民の怒り中小業者の怒りで圧倒的に勝とう」とシュプレが飛ぶと、会場は異様なほどの熱気につつまれた。参加者は「いける」との興奮状態で会場をあとにした。
 二つの集会は、「燃える中尾集会」と「沈没する江島集会」という印象を残した。

 ゴミ・教育のパネルも反響 市内で精力的に展示
 下関市民の会の宣伝カーは市民のカンパと自主的参加で3台にふえ、各地で論議を広げている。またゴミ袋値下げの会は、市内各所でゴミ問題や教育問題をあつかったパネル展示をして、市民論議を広げている。このなかで、現職支持の声は不思議なほどほとんどない。若い婦人などが、「今度は選挙に行く」といっている声がめだっている。
 この行動のなかで、公開討論会の報告チラシは3万枚ほどが配布されている。また本紙の切りぬきや本紙号外も、市民のなかで無数にコピーされて配られ、いまでは10万枚をはるかにこえて配られていると見られる。
 「いまの現職が四選となれば下関はつぶれる」「市政を市民の手にとりもどそう」の声は巨大なうねりとなって、経験したことのない市民主導選挙の様相となっている。
 難攻不落と見られた現職体制を、市民の力が変えはじめたことは明らかとなっている。選挙で反市民の市政をうち倒す力を示すことは、つぎの新しい市長が悪事を働くならばいつでもうち倒す力をつくることになる。とくに、市民のための市政を実行させるには、新しい市長頼みだけでは不可能で、腐った市議会を刷新することが不可欠の課題であり、さらに市政にむらがって悪事を働いてきたものを逮捕しウミを出すようにさせること、それらをめざした選挙における市民の力の発揮が求められる。

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