トップページへ戻る

市民制裁の下関江島市政
安倍・林代議士バック
           無議会の独裁政治  2006年7月21日付

  安倍官房長官は国際舞台で朝鮮制裁を叫ぶ発頭だが、安倍代理市政であることをだれも疑うものがいない下関江島市政は、早くから市民への制裁政治である。下関の市民制裁のやり方を日本中の市町村に広げ、外国にも広げるという手順となっている。選挙で対抗馬を応援した業者が入札を排除され、とうとう倒産した例は数限りない。商店は大型店の優遇策でつぶれっぱなし。将来を抱える若者にも、一家を支える40〜50代にもまともな職はなく、子どもを育てるには保育料も教育費も自己責任で負担ばかり、倒れた年寄りを世話するにも高い介護料や医療費で、婦人はパートを掛け持ちしたうえに家事、育児、介護などを抱えてヒステリーが出ないのがおかしい状態。旧豊浦郡四町は合併すれば予算が増えるといわれたが、詐欺にかかった結末。市民はボコボコに殴られている状態である。安倍氏は総裁選に向けて「再チャレンジ」や「地域を愛する心」をキャッチフレーズにするのだそうだが、下関地域が愛された記憶はまったくない。半年後は市議選があり、一年後は参議院選挙がある。下関市民がこれにどういう態度を示すかは、全国的な注目を浴びることになる。

 常識を越えた選挙手法・利権優先の数値評価
 江島潔氏が下関の市長に居すわって11年が経過した。初当選の選挙手法は人人の常識を超えたものであった。95年の初当選では「官僚政治の打破」「沖合人工島を見直す」などといい、反自民の旗を掲げて票を集めた。当選するなり安倍事務所と林事務所へお礼に直行した。はじめから安倍事務所とつうじており、反自民の票と自民党の票の両方を集めれば当選間違いないという計算であった。すべては数値化で評価する、数字が多い方が正義なので、理念とか信義とかは関係がないのだ、という新型人間の登場であった。
 これはその後ホリエモンや村上世彰ら詐欺でも何でも金を儲けるのが正義というタイプの登場に及んで、それは日本全体に及んでおり、それが最新のアメリカ型市場原理主義なのだということに人人も気づくこととなった。これを安倍晋三代議士はもちろん、村上と友だちであることを自慢するアメリカ型金融の「政策通」といわれる林芳正代議士などがすすめてきた規制改革の中身であったわけだ。
 こうして下関市政は、ホリエモンや村上が幅をきかせるずっと前の10年前から、今風のアメリカ型新型政治がはじまった。安倍、林代議士バックの江島市長で、いずれもアメリカ帰りのトリオ政治の特徴である。
 99年の選挙では、反自民で江島市長にだまされ裏切られた人人は江島批判となり、対抗馬だった古賀敬章氏、亀田博氏の応援に回った。とくに民主党の古賀氏は集中攻撃。暴力団や土地ブローカーを使って、「古賀は自殺した新井将敬議員の親せきで、市長になれば市民の税金を北朝鮮に送金する」「麻薬と密輸と暴力の街になる」などと、後援者や周辺の業者などに中傷ビラがまかれた。選挙事務所前には下関署のパトカーが張り込み、出てくる人の後を付けて飲酒検査するなどの露骨な圧力。
 安倍事務所バックアップで江島市長が再選されると、建設業者からタオル納入の業者にいたるまで、反江島で動いた業者にたいする露骨な入札排除がはじまった。「戦犯リスト」をもとにA級戦犯、B級戦犯などと排除業者表がつくられ、反自民とされる業者が入っていると、市長室でチェックが入りふるい落とされた。
 新水族館や新唐戸市場など大型公共事業では、大手ゼネコンさえ驚くすさまじい陰険さで、下請や孫請にいたるまで業者一覧の提出が求められた。市長室をとおすと、赤ペンで別業者に差し替えられる徹底ぶりだった。江島市長や安倍事務所の周辺は「背いた業者の息の根を止めるまでやる」と広言して根絶やし作戦だった。
 江島氏の対抗馬であるが、安倍氏の対抗馬でもあった古賀敬章氏の日東建設は、指名競争入札に、前年は52回参加していたものが、99年度はゼロ回になった。約20社は2年半にわたり干され続け、倒産するまで追い詰められた業者も出た。日東建設は市長選から5年後に自己破産した。市発注の公共事業から長く排除されつづけて完工高が落ちたことに加え、不可解な地元信金の短期融資「貸しはがし」が、企業生命にとどめを刺した形になった。
 受注がなくなり困窮した経営者のなかには、生命保険の金をあてるために自殺する人も多数出た。排除された地元業者は「もう2度と反旗はひるがえさない」と、安倍事務所に誓いをたてて、選挙協力することを約束して経済制裁を解かれた。指名競争入札による選挙報復に批判世論が高まると、2002年8月からは電子入札を導入して、地元業者すべてがダンピング競争にたたきこまれた。江島選挙に協力した業者もふくめた経済制裁である。

 神鋼等に大量発注・地元業者排除の陰で
 一方で江島市政は、安倍氏が82年まで在籍していた神戸製鋼所には、土木建築の実績もないのに集中豪雨的な発注をおこなった。林芳正事務所のファミリー会社は、大きな公共施設やし尿処理場などが建つと、管理運営や空調設備のガス化などで、しっかりと食いこんでいった。それはイラク占領下の米軍独裁のもとで、チェイニー副大統領が元社長ハリバートンやベクテルが、巨大プロジェクトを牛耳った最近のやり方である。
 神戸製鋼所は2000年の奥山工場ごみ焼却炉110億円を皮切りに、リサイクルプラザ60億円、奥山工場の管理運営費8億円、リサイクルプラザ運営費2億円、そのほか終末処理場や下水関係など、5年間で発注額は200億円をこえた。江島市長の疋田善丸・私設秘書が、安倍事務所の秘書と組んで、利権事業をすすめてきたといわれる。実績がなくピンハネだけの神戸製鋼所は、安倍事務所と関わりの深い西松建設へ丸投げ。
 疑惑だらけの公共事業は類が類を呼んで、2000年に引き起こされた小山佐市被告らの安倍事務所襲撃は、江島市長選で古賀氏への誹ぼう中傷ビラをまいた見返りの問題。安倍事務所と交わしていた念書をたてに、大型公共事業の下請など要求していた。佐伯伸之秘書(元市議会副議長)が300万円を工面したものの折り合わず、安倍代議士や竹田力・筆頭秘書との交渉も決裂して、事件となった。
 そして九州の工藤会系暴力団と共謀して、安倍事務所や安倍氏自宅、平川助役、疋田善丸氏の自家用車に火炎ビンを投げたり、発砲してガラスを割るなどした。小山被告は2000年8月に下関署から身柄を1度拘束されたものの、「安倍事務所と取引して市長選で中傷ビラをまいた」と話して放免された。さらに翌年のリサイクルプラザ入札では、岡山、姫路、久留米ナンバーをつけた右翼団体の黒い街宣車が集まってきた。「江島市長の大型公共事業発注は疑惑が多い」などと、市内中を回しがなり立てて回るなど、2年にわたり続けられた。
 これが事件になったのは実行犯が別件で福岡県警に捕まったからである。江島市長や安倍事務所がらみの事件で、山口県警は絶対に動かないというのが定説である。アルカポネ支配のシカゴ市政のように、警察まで手なずけているのである。

 働く場を失う市民 深刻さ示す山口県の成長率・全国で46番目
 安倍、林、江島の若手政治家トリオが利権にうつつを抜かして、大手流通を誘致したり市外大手に仕事を流したり、富の源泉である生産振興をまともにしないことで、市民の働く場はなくなっていき、雇用状況は悪化の一途をたどっている。2000年の国勢調査では旧下関市の就業者数(15歳以上)は、95年調査と比べてマイナス7000人の11万8806人となり、下げ幅としては戦後最悪であった。水産業低迷に加えて関連業者が不振のうえに、地元経済を牽引してきた卸・仲卸が、流通再編により消滅した。5年間で約1600の事業所がたたきつぶされ、3228人が職を奪われた。製造業だけで見ても、水産加工など低迷がつづいてマイナス2546人となった。なかでも若者の失業率は10%前後で、家庭すらつくれない状態が広がっている。
 市内の労働者や従業員に払われた賃金、俸給は、97年の4333億円から2002年には3946億円まで落ちこみ、マイナス9%となった。わずか5年間で400億円の市民所得が消えた。小売業の商店数は1979年には4667店あったものが、2002年には2949店と1718店も減少した。茶山商店街のように消滅してシャッター通りと化した地域は、高齢者が日用品を買えずに困っている。自殺者は2004年は63人にぼり、10年間で1・5倍以上も増えた。北朝鮮の制裁どころか市民がさんざんに制裁されているのだ。
 人口1人当りの家計所得で見ても、下関市民は県下最低に置かれている。2001年は下関市が1人当り310万円で、県内14市の平均同321万円より11万円も低くかった。町村水準の311万円すら下回るという哀れなもの。2002年からは県統計すらとっていないが、市民生活の貧困化はさらにすすんでいると見られ、下関市民にとって経済制裁とは人ごとでなく、財布のなかや生活にまで暗い影をさしている。山口県は47都道府県のなかで、成長率が46番目であったが、ポスト小泉の安倍官房長官のもとで格差社会の最下層に突き落とされた。

 校舎の補強も放置 県下22市町で21番目の低さ・耐震化率28%
 下関市立の小・中学校では、校舎外壁のはく落や雨漏りなどが長年放置されて、子どもたちの教育環境悪化が毎年、深刻化している。校舎耐震化について下関市は、全校舎の251棟のうち1818棟で耐震補強がされず、耐震化率は28%で県下22市町で21番目の低さ。となりの美祢市が63%、美東町77%と比べても、倍以上の開きがあることが文科省調査でさえ明らかとなった。トイレが100カ所以上も使用禁止であったり、シロアリに食われて陥没した廊下や、ひび割れで子どもの足が入るほどの穴ができた校舎のコンクリなど、大震災か空襲にでもあったような教育施設となっている。
 小・中学校の校舎改築に、5億数1000万円にのぼる地方交付税が下りているにもかかわらず、利権の大型公共事業に注ぎ込んでいるためである。下関市立大学も田舎の中学校並みの体育館は建て替えとなったが、管理棟の校舎はあちこち雨漏りするし、構内には外壁が落ちて立ち入り禁止の場所もある。コンピューターは学生数に比べて圧倒的に足りないし、図書数は貧弱そのもの。江島市長や小浜議長は、「いうことを聞かない市大に、予算を下ろす必要はない」と難癖を付け、10年近くも地方交付税を下ろさなかった。
 6月から介護保険料は値上げされ、年金は削られているのに高齢者控除がとり払われ、市民にも請求が送りつけられて、家計に深刻な負担を与えている。現役世代は年老いた親に不敏な思いをさせまいと、特別養護老人ホームや軽費老人ホームをさがすが、どこも数100人の待機者がいる状態であり、保険料を払うばかりで利用できなくなっている。国民健康保険が払えずに保険証をとりあげられたり、子どもが病気にかかっても医者にかけられない医療難民が増大している。市町村合併で下関市に吸収合併された旧豊浦4町では、基幹産業である農林水産を切り捨てられ、人が住めないような地域になると危機感が広がっている。

 市議選や参院選で審判
 小泉モデル市政としてやられた市場原理は、下関の主人公である市民のために、郷土を発展させるというものではなく、さんざんに疲弊させて食いつぶすというものであった。これがまぎれもなく小泉構造改革であり、自民党の安倍、林、江島の3政治家が全国の先どりとしてきた、制裁にはじまり制裁に終わるアメリカン・スタンダードであった。そのもとで働く市民は、食えなくなり、ものをいおうにもいっていく場もないようにさせられ、そして官製談合をほしいままにすることなどの結果となった。しかし抑圧のあるところには抵抗がある。来年の1月には市議選がおこなわれ、夏には参院選が予定されているが、重大な審判を下そうという市民の気運は日ましに高まっている。

トップページへ戻る