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親から職奪い学校は父母負担
下関・江島市政
               学校はまるでスクラップ     2006年11月29日付

 安倍総理の代理市政・江島市長の市外発注による大型利権事業のもとで、若い親たちは職がなく、あってもまともに食っていけない状態にある。結婚したり子どもを育てるのが困難だが、子どもが生まれても学校に通わせるのも大変な状況がつくられている。学校現場は予算不足にあえぎ、紙代からトイレットペーパーまで保護者負担が押しつけられ、親たちは10数万円の給料しかないのに、小・中学校に通わせるのに毎月7〜8000円を校納金袋に包んで持って行かせている。「義務教育は無償」と憲法は規定しているが、現実は「自己負担、自己責任」があたりまえのように支配している。「この社会は不平等の格差ばかりである。だがせめて子どもたちが通う学校だけは平等で公正な場であってほしい」というのはすべての親の願いである。教育費を削って利権事業にうつつをぬかす市政の犯罪はたとえようもなく大きい。

 教育費削り利権事業に回す
 小学生の子どもを持つ母親は、最近子どもの友だちが母子家庭となって生活が急変し、学校で必要な物がそろえられなくなっていることを知り胸を痛めている。江島市政は大型利権事業の市外発注をくり返し、つぎつぎに地元企業を倒産させ、労働者には仕事がなくあっても生活ができないような状態を拡散させてきた。そして30代前後の親たちには仕事がないようにしながら、教育費の父母負担は増やすばかりである。       外壁がはがれた校舎
 「世の中は格差だらけだが、せめて学校だけはどんな家庭の子でも平等に教育が受けられ、公正と正義がとおるようなところでなければならない」というのはすべての人人の願いである。ところが学校で、家庭が貧乏というだけで格差ができ、子どもたちが暗い顔をしなければならない状態というのは、許し難いことである。それは政治そのものが教育虐待、子どもいじめといってよい。
 ある親はいう。小学3年生の子どもが学校から毎月2枚の封筒を持ち帰る。1枚目にはPTA会費450円、給食費4300円、科学振興費50円の項目が並び合計5000円。2枚目の封筒には学級費170円、教材費2530円。月によって違うが2つ合わせて7700円の集金額である。
 そのほかピアニカ、習字道具、裁縫道具、辞書、リコーダー、彫刻刀など2000円から3000円を出してそろえなければならない。兄弟がいて無駄が多いとわかっていても、「毎年少しずつ模様が変わるなど、市販で買えば安いが転校生と思われたらいけないから…。学校の物だけは最低限みんなと同じ物をそろえてやろうと思うけど負担は太いです」とため息をつく。1人子どもを学校に通わせるのに、「なぜこんなに負担が大きいのだろうか」というのが多くの父母の実感となっている。
 毎日、朝から晩まで働いて忙しい親たちにとって、学校の集金袋に入れて持たせる「生徒活動費」「教育振興費」などのお金がなにに使われているのか知る機会は少ない。いったいなにに使われているのか、学校で聞いてみた。
 ある小学校では、給食費、PTA会費とは別に学級費を150円、教育活動費40円、施設整備費60円を徴収している。それらは学級で使う用紙代や、学校の廊下などの掲示物のための画用紙、うさぎのエサ代や花の苗などの購入にあてている。
 別の小学校では給食費、PTA会費のほか学級費、教育後援会費300円(年間3600円)、教育振興費100円(年間1200円)を集めている。学級費のほとんどは用紙代や印刷代に使われる。教育後援会費や教育振興費のうちわけを見ると驚くようなものばかり。にわとり、うさぎ、インコのえさ、職員机・職員ロッカー、カーテン代やトイレのカギの修理代など、当然公費でまかなうべき物のために使われている。同学校では、親から意見が上がり教育振興費100円の徴収はなくしたが、「予算がない」からと、復活させ250人の生徒から年間1200円、約30万円徴収している。
 昨年末、市内のある小学校(生徒約400人)では、「学級費集金での印刷費集金について」という文書が保護者に配布された。印刷機のインクやマスター代の市からの補助がきびしく、不足する見込みが出てきたため、あらたに150〜200円の印刷費を学級費として負担する要請であった。
 約300人規模の中学校では、給食費、教材費のほかに、PTA会費350円、校友会費400円教育活動費200円、新聞代55円で全部で約8000円(その月により変化)の集金項目が並んでいる。校友会費では生徒の部活動の全国大会、地方大会などの旅費や部活動の共用の備品などを購入する。教育活動費は、生徒が学校生活をするのに衛生上必要な石けんやトイレットペーパーに加え、インク、マスター、用紙代に回されているという。新聞代は生徒が発行する「学校新聞」の印刷や紙代などに回される。年間約230万円も保護者から徴収しなければ、生徒たちはトイレにも行かれない、プリント印刷もできないような状態においていることになる。
 PTA会費というのも、ほとんどが学校運営に注ぎ込まれている。PTAでは学校経費をつくるためにバザーをやったりしている。また部活動の遠征費や消耗品費などは、市の予算は微微たるもので全然足りず、保護者負担が膨大になるため、地域の自治会や育成協議会から数10万円の寄付を集めている。校長の役目は、子どもを教育する仕事以上に、地域からいかに金を集めるかが腕の見せ所となっている。

 旧郡部の切捨ては深刻
 下関市の江島市政による粗末な子どもの扱いは、昨年2月に下関市と合併した旧豊浦郡4町の学校現場に深刻な影響を与えている。旧郡部の中学校では、部活動の遠征に町が予算を組んでバスを仕立てるなどしていたが、合併後は細かな補助金が真先に削られた。菊川や豊浦では宿泊訓練などのバス代の補助も全額カットされ、保護者への負担がばく大に増えていることに、教師が頭を悩ませている。
 小・中学校は義務教育であり、憲法でも無償と明記されている。ところが、本来予算でまかなわれなければならないものを、どんどん父母負担にしているのである。親の生活は職がなく、困難にさせられているなかで、小・中学生が毎月7000〜8000円もとられている。用紙代や印刷代を親から徴収するという状況は、山口市や美祢市では考えられないと驚かれている。
 事務職員の1人は、「下関市は教育予算のきびしさは深刻だ。保護者に負担していただかないと間に合わない」と実態を語った。学校運営に1番使う用紙や印刷のマスターなどの消耗品費が絶対的に足りない。教育委員会には学校から予算増額の声が上がっているが、江島市政は何100億円の大型事業に予算を使いながら、学校現場の予算は切り捨てている。毎年、「緊縮財政」といってシーリング(予算減額)がかかり、予算を立てるさいも「1万円2万円をどう削るかできゅうきゅうとし、もうこれ以上は下げられない」ところまで教育予算を引き下げている。
 旧下関市の04年度の小中学校費(学校建設費を除く)は、21億9800万円で5年連続のカット。毎年用紙代や印刷代などの消耗品費のカットが直に保護者負担となっている。旧市内の小学校33校にたいして、消耗品費は2000年度には1億667万円あったものが、2001年には3090万円とマイナス71%の大削減、04年度は前年度比8%マイナスとなり、2960万円としている。

 壁がはげた校舎も放置
 学校関係者が異口同音に指摘するのは「学校の校舎や施設の遅れがひどい」ということだ。小・中学校の大規模改修工事は、10年前には毎年2校、多い年では同時に3校おこなわれていたが、最近では1校しか認められていない。1校につき2、3棟あり、大規模改修は2カ年かけておこなわれることが多いことから、今の計画でいけば、100年たっても校舎の改修ができない。合併した豊浦郡から旧下関市内の中学校に赴任した教師は、校舎の老朽化のひどさに「ショックを受けた」という。教室の中の壁がはげていたり、外壁がはく落したりとひどかった。
 市教育委員会は、各校の校務技士にたいして、学校の老朽化にともない水道管の耐久年数が25年から30年と、そろそろ限界が近づいているので気をつけて見ておくようにと注意をうながしている。市内には築後40年以上の校舎が50棟以上あり、うち築後50年以上の校舎が13棟もある。耐久年数は木造が25年、鉄筋が35年といわれているが改修工事がされないため悲惨な状態になっている。外壁がはく落しても応急処置でたたいて、危険を防ぐことしかできない。各学校が毎年市教委に提出する施設要望には、トイレ改修に関するものが多い。子どもが学校ではトイレに行けないというのは悲惨なことである。
 下関市の学校建設費の推移を見ると、1995年度以前と比べて、近年は10分の1以下しか予算化されていない。国は全国一律で小・中学校ともに、1学級ごとに学校建設費として67万1000円(昨年度ベース)の地方交付税として組み入れているという。昨年度は5億5000万円がおりていることになる。それは大型利権事業のために食いつぶされているのだ。
 江島市長は150億円もの文化会館の建て替えで、わざわざ10億円も高い三菱商事に落札させ、あわてて取り下げた。し尿処理場でも20億円でできるという業者を入札排除して30億円近い高値発注をしてきた。抜き取り疑惑がともなうこれらの事業に使うために、教育予算を食いつぶしている関係である。
 1億円ほどの学校消耗品費を削った分ほど使って、市長や議員が、海外旅行の遊びをしてきた。市長や議員が遊び回るほどに、下関の子どもたちや親たちに悲しい思いをさせているのである。働く親たちがまともに食っていけず子育ても困難になっている一方で、働いたものの成果のうえに遊んで暮らしている市長や議員連中が大きな顔をしている状態は転倒している。

 深刻さ示す就学援助率
 江島市長は大型利権事業の市外発注をくり返して地元業者を排除し、下関には仕事がなく、働く人人がまともに生活できないようにしてきた。若者は結婚にも子育てにも展望がないようにしている。それは下関の就学援助が全国的にも突出していることにあらわれている。
 下関の就学援助の受給率は全国平均の2倍以上になっている【グラフ参照】。旧下関市の就学援助率は、05年度は31・3%と全国平均の12・8%の2倍以上となっている。3人に1人の子どもが義務教育を受けるのに公的な援助を受けていることになる。山口県の就学援助率の県平均は23・2%と大阪、東京についで3番目に高い援助率となっており、下関市が平均値を引き上げる役割を果たしている。就学援助を出さなくてよいように、教育予算をあたりまえに出せばよいし、市外発注などはやめて下関に仕事を回して、親たちにまともな職があるようにすればよいのである。
 また給食費の滞納も05年度小・中学校の生徒約1%にあたる168人、303万6265円となっている(9月議会で公表)。03年度から05年度の3年間の給食費滞納の累計額は、小・中学校合わせて698万9352円となっている。負担が大きくなるにつれ、払えない家庭が増えるということであり、子どもの健全な心がねじまげられ犠牲にされていく。
 安倍首相代理の江島市政がやっている教育のスクラップ化をやめさせなければならない。

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