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市民搾り箱物満載の財政追及
下関市議会・本池市議の一般質問
                公約違反で選挙の信頼潰す     2012年9月28日付

 下関市議会の9月議会で一般質問がおこなわれた。下関市民の会の本池妙子市議は、市庁舎建て替えを中心とする中尾市長の公約違反についての見解や、市民からとりたてを強化する財政健全化計画や箱物事業が満載されている総合計画について追及した。また田中金属の土地購入問題や、財政健全化とかかわって市長・副市長などの退職金などについて、消防庁舎の建て替えについて追及した。本池議員の質問と執行部の答弁を要約して紹介する。
  
 市庁舎建て替え

 本池 市長選挙が迫っている。中尾市政の4年間に審判が下される場になる。前回選挙の中尾市長の最大の公約は「市庁舎を建て替えない」だった。「この不況下に本社ビルを建て替える経営者がどこにいますか」とあちこちで演説していたのを市民は覚えている。それを信じて一票を投じ、今では裏切られたとみなす市民は非常にたくさんいる。
 「これほど下関の経済が疲弊し、市民が貧乏になっているときに市役所だけ立派にしてどうするのか」とすごい怒りがある。選挙では否応なくこの公約違反について説明を迫られる。中尾市長は「公約違反ではない」「進化だ」「一部変更だ」といってきた。市長選を前にした本会議の場で公約違反を正当なのか、間違いなのか、明確な説明をしていただきたい。
 中尾市長 公約の実現にあたっては、現在の市民、将来の市民にとってよりよい選択であるなら議会の理解の下、公約の一部変更はあり得ると考えている。
 本池 「一部変更」といわれるが、現本庁舎の2倍近い大きい物を建て、じゃまだということで消防庁舎も教育委員会棟も移転して建て替えるとなると、どう見ても一部分ではなく大部分の変更、建て替えだ。中尾市長にはそう見えないのか。一部分と見えるのか大部分と見えるのか確認の意味で再度見解を聞かせてほしい。
 中尾市長 一部変更というのははっきり申し上げた。議員とは考え方も違うし、まったく議論がかみあわない。市長として最大の公約数で町作りをおこなってきた。そのことだけをとらえて偏向的にいわれても答えられない。
 本池 国政も公約違反が大流行だが、中尾市長は民主党政府より先駆けて公約違反をした先輩に当たると思う。日本社会の政治の根幹をなすのは選挙だが、「選挙の約束とは、口から出まかせのウソをいうものだ」「だまされた市民がバカなのだ」という実績をつくられたと思う。下関の経済が疲弊し、市民生活が困難になっているなかで、その対策は切り捨てて巨額の予算を使うことが大きな問題だが、それ以上に選挙の信頼を崩壊させた問題はもっと大事だ。選挙の信頼を失わせた責任について中尾市長の見解を問う。
 中尾市長 よく議員が「市民みんながいっている」というが、私のまわりにはそんな人はいない。(選挙に)出るとすればそのときに審判を市民から受けるので、本池議員から別に心配してもらわなくてもいい。
 本池 中尾市長がいわれるのを聞いていると、自分のいい分、自分の思いばかりで、自分に都合のよい理屈をいって人をいい負かそうとしているとしか受けとれない。市民に選ばれた市長の言動は自分がいったこと、やったことを市民がどう受け止めるかが基準だと思う。市長を自分のためにやっているのか、市民のため、公共のためにやっていると考えているのか。
 中尾市長 市民のことを十分に考えて責任を果たしている。プラス思考で将来に向けて福祉も充実させよう、町を元気にしていこうというわけだ。これ以上いっても偏向的に書かれるのでやめる。
 
 財政健全化プロジェクト
 
 本池 今度の議会では、財政健全化計画と今後下関市政をどうするのかの長期の基本計画実施計画が出されている。一方では財政が困難になっていくから辛抱をしろとやりながら、もう一方ではハコモノ計画で散財を続けるというものだ。下関市財政健全化プロジェクトの特徴は、市税などの滞納を徹底してとりたてること、法定外の税をとること、使用料などの値上げ、市の財産の売却、市の職員の削減などをあげている。執行部の提案はお役所言葉というか、抽象的な美しい言葉だが、具体的には見えにくいものが多い。具体例をあげて説明してほしい。
 片山財政部長 市税については収納率アクションプランで収納率の向上をはかってきたが、今後は国保の保険料、住宅使用料、保育料といった市税以外も集中とりくみ期間をもうけて、未収金の削減にとりくむ。
 本池 市民にとっては搾りとられるばかりで、ますます住みにくい下関になる。今でも毎年2000人も人口が減少し続けているが、下関からは出ていこうという市民をもっと増やす計画だ。五年後の下関の人口と、財政健全化計画をやった結果の人口流出や経済の疲弊による市財政収入の減少の分は見積もっているのか。
 財政部長 そういった収入減は見込んでいない。
 本池 この財政健全化計画は、市役所の財政を健全化するために市民の財政を不健全にする計画だと思う。しかし目先の損得ばかり追いかけて結局は市役所の財政収入を減らす非常に愚かな計画だ。市財政が健全化するのは、産業が保護、振興され、就業先がつくられて、市民のなかでお金が回るようにすることだ。現在の計画は抜本的に変える必要があると思うが、中尾市長はそのときは自分は市長ではないので責任はないと考えているのだろうか。
 (中尾市長答えず)
 本池 財政健全化というが市長や議員、市の幹部職員、さらに独法化をしたところなどへの退職市職員の天下りなどの特権が、目に余ると市民の評判だ。市長の年収と1期4年の退職金、吉川副市長の市職員定年時の退職金と年金、副市長としての年収と4年間やったときの退職金、部長クラスの方の退職金、市立大学の理事長、事務局長の年収、退職金と、市民病院に行った市役所退職者の理事の年収・退職金も教えてほしい。
 松崎総務部長 1期4年間の在職期間にかかる退職手当の額は、現行の減額措置が継続されたものとして計算すると、市長2511万3600円、副市長1720万4400円。年収は月額の給与に期末手当を加算して、市長1459万7280円、副市長1333万3410円。
 部長級職員の退職金は、勤続年数、給料月額などが異なるので一概にいくらということはできない。昨年度の部長級8名の退職金の平均支給額は3084万7707円だ。吉川副市長を限定してというのは個人情報になるので、勘弁をいただく。
 公立大学法人についても減額をおこなっている。理事長の報酬が1280万6100円、事務局長が979万2900円となっている。退職金は理事長4年、事務局長2年の任期を満了した場合理事長が306万円、事務局長が117万円となる。
 市立病院の事務局長は、年俸で908万1000円、退職金については2年の任期満了後120万円となる。
 
 総合計画後期基本計画
  
 本池 合併算定替えが平成27年から始まり、国からの交付税が大幅に減っていく。市財政が厳しくなるので市民負担をするが、もう一方で出されている総合計画後期基本計画実施計画は平成26年までの4年間で900億円以上、投資的予算では500億円以上の計画があがっている。
 市庁舎、消防庁舎、旧郡部の4総合庁舎、教育センター、新博物館、駅ビル建設、長府浄水場建設など、ハコモノ優先の市政運営を今からも続けるということだ。市民生活の困難は非常に深刻になっている。唐戸商店街では今月末で6軒が店を閉めるそうだ。市内に仕事がなくて購買力が極端に落ちている。高齢者も年金から税や保険料を次次引かれ買い物ができない。下関の地域経済、市民生活を守ることが市政の仕事のはずだ。第一次産業や地場産業を育成して市民の仕事をつくり、市民生活が成り立つようにすること、そのような計画の抜本的な見直しが必要と思わないのか。
 河原総合政策部長 箱物ばかりといわれるが、そのときどきの課題に的確に対応すべくやっている。議員の心配のように、これをやることで市が疲弊するということではなく、むしろそれを支える計画になるように推進していくことを心がけている。
 本池 この計画は2007年に策定されたもので、リーマンショックの前年、川中の副都心開発とかいって銀行が目の色を変えて不動産バブルが盛んな時期の計画だ。その時期に派手に振る舞っていた企業はいくつもつぶれた。リーマンショックで世界中の経済も下関の経済も大変動し、それ以前のやり方は失敗しているのに、そのまま進めたらもっと大きな大失敗を来すとは考えないのか。世の中がどんなに変わっても、それ以前の計画をそのままやるのは間違っていると考えないのか。
 総合政策部長 抜本的ではないが前期の基本計画から舵を切って地産地消とか、地域力を高めようという観点から作成したもので、議員ご指摘の観点からも十分耐えうるものと考えている。
 本池 これらの事業は建設費もさることながら、多額の維持管理費が数十年にわたってかかってくる。聞きとりで、新博物館やすでに指定管理者制度で運営が始まっている生涯学習プラザなどの金額を参考に聞きたいというと、後期計画に書いてあることしかいえない、ということだった。次世代育成支援事業の買いとり料と年間の維持管理費を教えてもらいたい。
 砂原福祉部長 次世代育成拠点施設の経費は、開発ビル3階を購入するための経費として現在推定で8億〜9億円。また3階部分の内装費、電気工事費等も概算で7億〜8億円を想定している。ランニングコストは、施設を運営する人件費、事業費等さらにビル自体を管理するための経費を合計して年間1億4000万〜1億9000万円ほどかかることになっている。
 本池 駅前にぎわいプロジェクトのなかのJR西日本不動産開発が建設する駅ビルを、3階と屋上を下関市が9億円で買い取り、オープン後の管理運営に毎年2億円近い金額を支払い続けるということになる。生涯学習プラザは1年間に4億円あまりの維持管理費がかかっているようだ。新博物館でも同じだ。満珠荘は年間7000万〜8000万円の支出がもったいないといって老人休養ホームでないものにされた。福祉や保育や教育への支出を削っているが、経費削減のためではなく新設ハコモノの維持管理費に垂れ流すためになっている。今市民のなかでは「差し押さえの中尾」というイメージが広がっている。その一方で巨額の維持管理費が一部の者の特権になっていくのでは市民は納得できない。
 
 田中金属の土地問題
 
 本池 田中金属の土地は市が公共のためのような格好で、漁業権などの調整をし護岸をつくったものだ。だれがどう造成したのか、経緯、いくらで市が田中金属に売ったのかを明らかにしてほしい。
 西村港湾局長 昭和44年、観光開発の一環として旧水族館地先の公有水面5万5222・96平方bの埋め立てを進めながら企業誘致に努めていたところ、田中金属株式会社より大型レジャーセンターの建設を目的として、埋め立て権等の譲渡の申し出があり、1億650万円で埋め立て権等を譲渡した。その後同社が埋め立て工事を引き継いでおこない、昭和48年5月に完成した。
 本池 市はその土地をいくらで買ったのか。なぜ市があいだに入ったのか。23億円の買い物をするのに土地の状態を確認しなかったのか説明をお願いする。
 鈴木保健部長 国が関門医療センターをつくるということで田中金属に対して土地購入を申し入れたが、予算などの関係から一括して購入することが困難だったということで、市に協力要請がありあいだに入った。金額は23億5411万8235円だ。
 田中金属が公社に土地を引き渡す場合に、契約書には土地に建物や工作物が存在するときはあらかじめ撤去するようにという記載がある。当然更地と考えていた。地中埋設物を30a程度まで清水建設に掘って終わればいいという指示をしていることが裁判の過程で明らかになった。
 本池 1億円ほどで市が売却した埋め立て権をめぐって、今度は市が1億4000万円ほどの損害賠償金を払い、田中金属は1億円で買った埋め立て地5万平方bの半分ほどを23億円で売り払った。土地の全部を売ったら40億円ほどになるという関係のようだ。市は大損をして、一つの私企業が信じられないような大もうけをしていることになる。こんな錬金術が今もやられているのだろうとの疑いを強く持たざるを得ない。田中金属が歴代自民党との関係が深いことはよく知られている。どうしてこういうことができているのか、関係をはっきりさせたらもっと別の解決方法があるのではないかと思う。
 保健部長 まさしく田中金属がここでバッシングされるべき話なのかなと私は考えている。病院を建てるのに30aしか掘らないでいいということがまかり通るのであれば、本池議員の言葉を借りれば市役所はいらないという形になろうかと思う。田中金属に対しては非常に情けない。
 本池 なぜこんなことになったのか、市の側の対応も大いに疑問に思うし、解明されるべきではないかと思う。
  
 消防庁舎建設について

 本池 国が発表した南海トラフの地震・津波で、下関への津波の想定はどのように変わり、対応として変化したことはどういう点だろうか。
 金子消防局長 南海トラフ巨大地震による津波高、浸水域については下関市は津波高が最大で4b、津波の到達時間については地震発生から3時間39分と想定された。従前の3・7bから、入り江部分がある地域など非常に津波高が増す地域が最大4bになると公表されたという認識を持っている。従前の対応で消防庁舎への影響は少なく、機能維持はできると考えており、現在の計画で対応する。
 本池 12年前の高潮で岬之町沿岸に船が乗り上げ、放置車両が海に流されたとの事実が市民から語られている。市が把握している事実関係を教えてほしい。
 金子消防局長 消防局のなかに記録はない。本庁部局の各部局に確認をしたところ、岬之町の荷揚場の最南端部の角にあった黄色い警戒船が高潮でいったんうちあがったが、次の引き潮で戻り大きな被害はなかったということが職員の情報としてあった。
 本池 以前、消防局長の答弁のなかで、「津波が来たら、どっちみち全国から応援が来る。それからでないと作業は始まらない」とあった。しかし南海トラフ地震・津波は全県的全国的にもひどいことになる。下関がやられたときは、助けに来るのは難しいのではないだろうか。
 金子消防局長 日本全国の救援隊が出動できないという想定は現段階では私としては考えていない。下関市で大きな被害が発生すれば緊急消防援助隊はかけつけてくれると認識している。
 本池 全国から来るということを信じているということだが、私は下関に被害があればほかのところはもっと大きな被害があると思う。南海トラフ、地震、津波が起こった場合、下関のことは下関で責任を持つという体制にしていくことが必要だ。新消防庁舎が真っ先にやられて、また建て替えないといけなくなるようなものを30億円もかけてやることはやめた方がいい。それとも消防庁舎がどう役に立つかより、何度も建て替えるようにするのが好ましいと考えているのだろうか。
 金子消防局長 地盤改良やかさ上げなどで、消防庁舎の機能維持ができないとは思っていないので、何度も建て替えるという発想は持っていない。

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